よくクレイドルはEMPERORやMARDUKなどに比べヌルイとか言われることがありますが、曲がシンフォニックなだけでボーカルは一番イッてる度が高いのではないでしょうか。 そして、その中でも一番オカシクなっちゃってるのがこのアルバムです。 「MIDIAN」「CRUELTY AND THE BEAST」を先に聴いていたのですが、前者は高音と低音の使い分けが頻繁すぎ、後者はストーリーに合ったボーカルになっているため、Daniの高音喚きを聴きたい人はまずこのアルバムから入ると良いでしょう。 メロディが全体的にロマンティックで、「A GOTHIC ROMANCE(RED ROSES FOR THE DEVIL'S WHORE)」「BEAUTY SLEPT IN SODOM」なんかはイントロから惹き付けられてしまいます。特に後者はチェンバロ風キーボードがもう堪らないです。タイトルトラックの切れっぷりもなかなかで、名盤といっていいと思います。 日本盤はSLAYERのカバーと「NOCTURNAL SUPREMACY」のセルフカバー、ホラーチックなインスト曲が入っていますが3曲とも素晴らしいです。是非日本盤を買いましょう。
前ミニ・アルバムと較べて基本路線は同じ「シアトリカル・デカダンス・ドラマ」だが、そこにさらに、哀愁の旋律が全編を覆い尽くし、シンセも女声もブラストも何もかも哀しみに向かって収斂されていく。特に④「A GOTHIC ROMANCE(RED ROSES FOR THE DEVIL'S WHORE)」、⑥「MALICE THROUGH THE LOOKING GLASS」、⑨「BEAUTY SLEPT IN SODOM」のようなバラードパートの出現が顕著な例で、個人的には、これ以上壮大に悲劇に酔える音楽を知らない。猛烈に泣ける。 悲壮のドラマが猛然と疾走するメロディック・ブラックの超大傑作。捨て曲一切なし。完璧。神の作品。何百回聴いたか分からない・・・という行き過ぎの絶賛は、日本盤と輸入デジパック盤と棺桶ケース盤を所持している私には許されると信じる。 個人的には⑤「NOCTURNAL SUPREMACY '96」を外して聴いて欲しい、96年発表の2ndアルバム。 ちなみに、「Daniの奇声が受け付けない」という意見をよく見るが、私にはその意味が分からない。理解不能。初聴時から「素晴らしい」以外の感想を持った事がない。
《STOP THE WAR》にみるバンドの信念 彼らの公式サイトをみると右上に“STOP THE WAR"とあり、ケネディ大統領のこの言葉が引用されている(当然アメリカに対する痛烈な皮肉だ)。 「人類は戦争が人類を滅亡させる前に戦争を放棄しなければならない」 そしてシューミアが何故“Fuck The USA"をバンドがカバーしたかの説明がなされている。要するに一般的なアメリカ市民は大好きだけど、無意味な戦争をしかけ金儲けしている奴らが許せない、と言っている。 彼らのこういった姿勢は何も今回に限ったことではなく、常に世の中の欺瞞に対して声を上げ続けている。その言及はタブー視されている宗教にまで及んでいる。 “Curse The Gods"という曲では彼らはこう主張している。 「世の中にはいろいろな宗教があり、どの宗教もお互いや隣人を愛せ、と言っているのに、自分達の宗教以外は認めず、お互い同士で迫害し続けるのは論理的におかしい!一体宗教の正義のためにどれだけの人々が死ななければいけなかったのか!」 と叫び続ける。 だから今回も彼らは立場をはっきりさせ、欺瞞だらけの戦争なんかやめろ、と叫ぶ。そうすることが例えバンド側にとって不利になっても(当然アメリカでは彼らの態度は攻撃され、不利益が生じる可能性が出てくる)、信念を貫こうとしている。 彼らのモノの考え方は行き過ぎた面も多々あるが、ただファッションで平和を唱える人達とは覚悟が違う!彼らの戦いは常に欺瞞に向けられている、僕はそんな彼らが大好きだ!
5thアルバム「PURITANICAL EUPHORIC MISANTHROPIA」より前の作品への書き込みの少なさに驚いた。私はもう「昔のDIMMU BORGIR」ファンなんだな・・・えっと97年発表の3rdアルバムです。日本盤ボーナストラックは「GODLESS SAVAGE GARDEN」にも収録されている「RAABJORN(以下略)」と悪音質のライブ2曲。 5th以降しか知らない人からすれば、愕然とするほどの音圧・攻撃性のなさだろうが、少なくともこの頃のDIMMU BORGIRの魅力は、嵐のような暴虐のドラマではなく、メロディアスなシンフォニックアレンジの分かり易さだった。ブラック特有の禍々しさではなく、ブラック特有の美しさが彼らの武器だった。せわしなく複雑に展開したCRADLE OF FILTHの「DASK AND HER EMBRACE」(96年発表)とは対象的に、荘厳にそびえ建つ黒い城(Dimmu Borgir)の存在感を示したアルバムだと思う。 どっしりしたミドルテンポの「MOURNING PALACE」から始まって、メタルバラードと言える「A SUCCUBUS IN RAPTURE」で締めくくられているなど、久々に聴いた私でさえ驚いた。 必要なドラマーの技量が跳ね上がっている最近の傾向は、自らの首を絞めかねないから、これ聴いて見直したらどうかなぁ・・・次のドラム、Hellhammerでしょ?もうその上はないんだよ?
このアルバムで全体的な叙情性の観点から見れば「Beyond the grace of god」や「The black tormentor of Satan」に一歩譲ると思いますが、ワンフレーズの美しさで言ったらこの曲の主旋律が一番ではないかと思います。中世的で綺麗なギターリフのメロディが耳について離れなくなる超名曲です!!
中古屋ではよく束になっていますね。その割に高いけど。 速い曲は「To the Victor the Spoils」「God of the Forsaken」だけですが、あのモコモコしたGの音で速くされると何を弾いているのかわからなくなるので、むしろこの位のバランスで良いのかもしれません。 ただ、ピートのDrはクリアに響いているので、この点は大きく評価できます。 全体に遅い分、瘴気めいた雰囲気がアルバム全体に漂い、聴いてきて気持ち悪くなってきました。善からぬ呪(まじな)いをかけられているような気分になれます。 ……これでいいのか。M.ANGELの作品だし。 始めの2トラックの間、延々と続く蛙の声(なのかよ本当に)だけでも、それは実感できるかと。 歌詞やメンバー・ショットに異教(クトゥルフ?)な雰囲気が出ているのも、神秘的で良いですね。露骨な悪魔崇拝をするより、彼等に似合うと思います。
…これを聴いて私が思い知らされたのは、「(真性)デスとメロデスの違いは単にメロディの多寡によって決まるものではない」という事。「Ageless, Still I Am」なんて全体的にかなりメロディアスですが、明らかにメロデスとは雰囲気が違いますよね。メロディがメロデスのような「泣き」「哀愁」に全く向かっていかず、只管に禍々しくて邪悪。リフが意志を持って蠢いた結果、それがメロディに聴こえるような感じ。こういう恐ろしさを感じさせるリフ捌きだけでも帝王と呼ばれる資格は十分にあると思いますが、それを際立たせる他パートの構成やプロダクションのセンスもあるんだから、もう向かう所敵無しでしょう。
微妙に目立ってない感じのする2ndですがこれもかなり優れた作品だと思います。 隠しトラックとしてBathoryのUnder the Sign of the Black MarkからCall From The Graveを含んだ9曲の構成ですが、 楽曲の方もBathoryのUnder the~のミドルテンポの曲を更に邪悪にした感じです。音質もUnder the~を多少ノイジーに した感じで、1stよりも薄くなっていて聴き易いです。核となる様な大曲は無いですが、ミドルテンポを中心としつつも 1曲の中での展開は1stより豊富で、邪悪さもありますが、それ以上にオールドスクールな格好良さが目立つと思います。 Nehemahの中では一番聴き易いアルバムだと思うので、個人的にも何気に一番聴いてるアルバムではないかと思います。 オリジナル曲もさることながら、Bathoryのカバーは原曲をさらに邪悪に熟成させたが如く、非常にカッコ良いです。 やはりNehemahはプリミティブブラックバンドの中でもずば抜けたセンスの持ち主だと思います。
2nd。 このアルバムによってVADERの人気があがりましたね。 ジャンル的にはデスというよりもスラッシュに近い感じがして、どことなくSLAYERの影響を受けているのがよくわかります。 BLACK TO THE BLIND以降のアルバムに比べるとこのアルバムはそこまで疾走はしていないけど、曲の完成度が高くこのころはかなり正統なデスメタルをやっています。 Silent Empire、Sothis、Reborn In Flamesはかなりかっこいい曲なのでオススメです。 あとプロダクションのせいか後のアルバムと比べると迫力がないかもしれないけど、ドラムの音作りやギターの音質はこのアルバムのほうが好きです。 特にDOCの安定したドラムはヤバイっすね.... それだけに惜しい人を亡くした感じがします。