個人的な考えですが・・・ DIOの作品中、傑作と名高い1st・2ndを「様式美大作」とするなら、この3rdは「様式美娯楽作」という位置付け。 あえて「悪い」言い方をするならば、前作までの作風は(HM作品としての高い完成度・スケール感は別として)ロニーの私的世界観に基づく「ある意味」聴き手を選ぶ、やや間口の狭いコンセプトというか音作りといった面がありました。 それに対して本作は全体的にメロディがより親しみやすくキャッチーになり、「メタル」 ~ そして「ロック」作品としてのストレートなアピール度が増している感じがします。(言うまでもないコトですが「日和った」とか、そういうネガティブな捉え方では決してありません。念の為) それは「King Of Rock And Roll」とか「Rock 'n'Roll Children」のように、曲名にも「前向き」の形となって現れているように思います。 ロニーの歌唱が相変わらず素晴らしいのは勿論のコト、魅力溢れる「聴かせる」曲が多い優れたHMアルバムではないでしょうか。
「速弾き」ギターで有名なんだけど(確かにカッコいい)、非常に情感豊かな曲を聴かせてくれます。爽快なメロディアス・ハード・ポップ。 ↑ 上でみなさんが仰られているように、アメリカンな中にも欧州的風味が漂う音楽性。 バラード「November Is Going Away」はやはり超名曲だと思います。 「A Song For Lisa」のギター・ソロ、カッコいいっス !
1stの音楽性・様式美メタルを引き続き追求した2nd。 前作との違いは・・・初っ端から「We Rock」~「The Last In Line」と、彼らの代表曲と言えるキラー・チューンが存在するコトでしょう。 楽曲の充実度、全体の完成度はコッチのが少し上・・・かな? 21世紀の今、このアルバムを「初めて」聴く人が・・・どんな印象を受けるのか・どれ程のインパクトを感じるのかは解りませんが(正直古臭いという感想もあるでしょうね)、間違いなくコレは名盤の一枚でしょう。 今時のHM/HRバンドで、(この頃の)ロニーくらいの力量を持つヴォーカリストが・・・はたして何人いるでしょうか。
「分かり易い」ポップなテイストは、既にこのアルバムから顕在。 甘い歌メロの中にもハードなエッジ(特にギター)が効いた、正にアメリカンHRの王道的サウンドです。(コレがこのアルバムの売りですね) この人達もボン・ジョヴィのサポートでデビュー。でもこのバンド、模倣ではないしっかりした個性が十二分に感じられます。 実際、この1stは売れました。「Love Of A Lifetime」「All She Wrote」「Don't Treat Me Bad」等、佳曲も目白押し。 CJスネアのハイトーン & スウィートなヴォーカルが、耳に心地よく冴え渡ります。高揚感抜群 !
3rd。そしてコレもTNTの代表作。 北欧チックな透明感はともかく、このアルバムの頃から明確な「メジャー」感が前面に出てきている。 僕的には名作「INTUITION」と比較して、コッチのは少し“ アメリカ寄り "な音だと思う。仰々しさよりも単純明快なポップさがこのアルバムの売り・・・じゃないかなと。 「10,000 Lovers」とか「Listen To Your Heart」とかホントそんな曲。ハード・ドライヴィング & 美旋律な「As Far As The Eye~」も素晴らしいです。 ↑ 上でみなさんが仰っているとおり。TNTはコレと「INTUITION」両方をまず必ずおさえましょう。聴かなきゃ損。
ダン・ハフって、いろんな仕事してますね。 最近はアルバム・プロデュースとかしてませんでしたっけ・・・? (メガデスとか) 昔は、こんなに素晴らしいエモーショナル & テクニカルなギターをプレイしてました。 確かな実力に裏打ちされた、メロディアスで適度にアダルト、且つアメリカンなハード・サウンド。 ・・・でも、↑ 上でみなさんが書かれているとおり物凄くクオリティは高いのに、知名度の方は全く低かった。 「知る人ぞ知る」という言葉で片付けるには勿体無さ過ぎる、珠玉のハイ・クオリティHRアルバム。もっと日の目を見ても良いはずなのに。 「I'll See You In My Dreams」は、感動の名曲です。 そういえば、WS「1987VERSION」の“Here I Go Again"のギターもダン・ハフ。 コレもイイ~仕事してるなぁ。