ジャンルは全然違うのですが、個人的な感触はココ最近で云うとMEGADETHの「ENDGAME」に匹敵する衝撃度。 (80年代に全盛を極めた老舗バンドの、華々しい凱旋復帰みたいな印象) それくらいに抜群の・・・「瓢箪から駒(失礼かな?)」的ハイクオリティ作品です。 特に僕と同じアラフォー世代のメタラーの方々には、「懐古主義」なんてネガティブな思考や「まさか今更~」なんて疑心に囚われずに是非とも聴いてほしい快作。 グラマラスでありながら、現代的ヘヴィネスをもそつ無く上手にその血肉に漲らせたかのような絶妙のバランス感覚。1曲目の「Eat Me Up Alive」から鳥肌モノ(ギターソロなんて涙チョチョ切れるくらいカッコイイ)です。 凄いぜRATTの底力 !
テッド・ポーリー(Vo.)復帰も相俟って、往年のファンにとっては感涙モノの復活作。 「進化」は無いけれど、勿論「劣化」なども無し。 1st・2ndのような『カラッ』とした底抜けの明るさはまぁ減退してるけど、逆に温もりと少し湿った情感に包まれた印象の『聴かせる』メロディアスHRに。 メンバーの経年変化(加齢)に合わせて、ややムーディ指向にシフトしている・・・という表現が適切でしょうか? (もちろんハードにドライヴしてる曲もありますよ) バラード⑤「Fugitive」・⑦「Rocket to Your Heart」とか、ちょっとDEF LEPPARDチック?な⑧「F.U.$」などの惹き込まれるメロディ・センスには、ただただウットリ。
HM/HRシーンが盛り上がった80年代。その頃活動していた幾多のバンドの中で・・・ 実力があって曲もイイのに「鳴かず飛ばず(ある意味泣いた?)」で売れなかった、という存在のアメリカにおける代表格がこの人達。 当時ギラギラしたLAメタル主流の時勢に、何ともライトで落ち着いた味わい深いロックサウンドを聞かせてくれた彼ら。 力まず気取らずと云うか、確かな演奏&歌唱力からくる余裕と優しさみたいなものが、この作品からは感じられるのです。 個人的には②Shake for Me、④Bad for Each Other、⑧Why Should I Believe、⑨Ready or Notなんか特に聞き惚れてしまいます。 この頃のアメリカンHR系が好きな人なら「必携」と言っても過言ではない・・・んじゃないですかね? コレ。 今聴いたら「地味」って言う人もいるかもしれませんが。
跳ねるような躍動感に満ち溢れた、極上スラッシュ作品。 前半部の縦ノリな「勢い」は特筆モノ(②Caught In A Moshはスバらしい名曲)で、中盤の勇壮でカッコいい⑥Indiansや⑦One Worldにも痺れさせられる。 正にANTHRAXの「何たる」かを体現したアルバム。楽しくて聴き心地の良い親しみやすさがあります。
本格派「ブリティッシュ・ハード」特有の湿っぽさと、ある意味産業ロックのように洗練されたポップ感&煌びやかさ。 それらが絶妙に攪拌された感の、「80年代」MAGNUM(全盛期)の傑作(5th)。 特にボブ・カトレイの「激情」型ヴォーカルの迫力は素晴らしく、メロディアスでキャッチーな②Just Like An Arrowや劇的に盛り上がるバラード⑩The Last Dance等、どんな曲を歌っても天下一品です。 「 」内のキーワードに、強くそそられるモノを感じる方にオススメ。
美麗ハード・ポップの極み。(HM/HRの範疇に入る・入らないの問題は措いといて)正しく『名盤』と呼ぶに相応しい傑作です。 これ程までに素晴らしいメロディを創れる・聴かせる才能。ネルソン兄弟はホントに天才です。 「(Can't Live Without Your) Love And Affection」、「After The Rain」、「Only Time Will Tell」、「Too Many Dreams」等、多数の名曲を収録。 アメリカン・ロックの『良心』の塊のようなアルバムです。
現在のメタル・シーンにおいて、『クラシカル』 『シンフォニック』 『メロスピ』というキーワードから真っ先に思い浮かべるバンド。 このスタイルは決して斬新な表現方法ではないけれど、大仰なまでに徹底した「クサさ」(勿論褒め言葉です)と怒濤の如き迫力に満ち溢れる作風は、他の同系バンドと比べても相当に頭抜けた存在と言えるでしょう。 この4thは、「エメラルド・ソード・サーガ」4部作の最終章にしてRHAPSODYの最高傑作です。 ②「Knightrider Of Doom」③「Power Of The Dragonflame」⑥「Agony Is My Name」⑨「The Pride Of The Tyrant」等、このジャンルが大好物なメタル・ファンには涎と涙が止まらない名曲・佳曲を収録。 此処最近のRHAPSODY作品については・・・ 特に何とも言えませんが ~ 出来ることならまた「本作のような」、そして「本作を超える」名盤を是非創ってほしいものです。
マックス・ノーマンのプロデュースによる垢抜けたサウンド・メイクと、持ち前の北欧的流麗メロディ・センス & 美麗コーラスとが相俟って何ともゴージャスな音楽性に「化けた」印象の、220VOLT渾身の勝負作(4th)。 正に「高品質」の一言で、一つの作品として改善の余地の見当たらない「会心」の出来映えと言える内容だと思います。 ダイナミズム且つキャッチーさ溢れるアップテンポ・ナンバーも在れば、シットリした哀愁と透明感に満ちたポップ若しくはバラード・ナンバーも在ったりと、楽曲のバラエティも多彩。 特に「Love Is All You Need」の促す高揚感は特筆モノで、個人的にも涙がチョチョ切れるほどにウットリ聴き惚れてしまう珠玉の名曲です。 80年代北欧メタルの名作の一枚。
87年に発表されたWHITESNAKEの「WHITESNAKE(SERPENS ALBUS)」と、このLIONのデビュー・アルバム。 同じブリティッシュHRスタイルを基調とする音楽性なのに、結果的に前者が大ブレイクして後者が「泣かず飛ばず」に終わってしまったのは、未だに何だか不思議な気がします。 (まぁ知名度が天と地ほど違いますし、比較するコト自体酷だとは思うのですが) カル・スワン(Vo)、ダグ・アルドリッジ(G)、マーク・エドワーズ(Dr)という(今考えると)錚々たる面子の集まりだったのに、(彼らの実力はともかく)内容のイマイチ「華やかさ」に欠ける雰囲気が災いしたのでしょうか。 でもカルの熱唱(それこそデイヴィッド・カヴァーディルに匹敵し得る迫力)もダグの情感溢れるプレイも、非の打ち所が無いほどに輝いています。 楽曲も決して地味じゃ~ありません。非常に高品質且つ粒揃い。特に「Never Surrender」のカッコ良さには心底痺れます。(それと個人的に「In The Name Of Love」のギター・ソロは鳥肌モノ) 忘れたくない隠れた名バンドです。
全否定というワケでもないですが、元来僕はHRバンドのアコースティック・アルバムにはあまり興味の無いタチです。 ・・・でも、コレだけは『 別格 』 !! ファンには正に感涙モノの超絶感動作品です。 新曲もイイのですが、やはり1st~3rdからの(ベスト選出的)リメイク曲が素晴らし過ぎ。 「Love Of A Life Time」「All She Wrote」「When I Look Into Your Eyes」「Don't Treat Me Bad」「Here For You」」「I Live My Life For You」 ・・・全部◎ 彼らのメロディメーカーとしてのズバ抜けて卓越した才能と、魅力溢れる楽曲の遍く普遍性の高さを、改めて痛感させられる内容です。 本作の出来が良過ぎたせいか、このイメージを引き摺り過ぎて次作以後同じ手法を踏襲。マンネリ & バンドの低迷を招いた感も正直否めませんが・・・ FIREHOUSEを語る上で絶対外すコトの出来ない傑作です。
彼ら「らしさ」と断言出来る甘い美旋律はそのままに、1st・2ndに比べてややレイドバックというかイイ意味で肩の力が少~し抜けた感じの、ゆとりある作風の3rd。 それでも充分ハードだし、情感たっぷりにうっとり聴かせるアルバムの出来映えは本作も秀逸。流石はFIREHOUSEです。 サウンドは何気に「生」々しい仕上がりで、醸し出す雰囲気にバンドの進歩が窺える充実の内容だと思います。(大人しく・・・ というか、「大人らしい」音になった ?) バラード「I Live My Life For You」がお気に入り。発表当時は、猿のように毎日聴いてました。
強烈にメリハリの効いたタテノリHRを聴かせる、オーストラリアを代表する老舗バンド。 このアルバムは彼らの代表作にして、尚且つ最大の『モンスター級』ヒット作品です。 シンプル & ソリッドな切り口のサウンドと、当時新加入したブライアン・ジョンソンのシャープな金切り声との相乗効果によって発揮される「緊張感」は強力無比。 初代ヴォーカリスト、ボン・スコットの突然の死による悲壮な雰囲気は微塵も無いように感じられます。(勿論ショックや影響は有ったに決まっていますが) むしろそれを乗り越えたメンバーの強靭な精神が、よりハードなベクトルと抜群に高い完成度を生み出した歴史的名盤です。 「Hells Bells」「Shoot To Thrill」「Back In Black」「You Shook Me All Night Long」等の名曲を収録。 ・・・ これからAC/DCを初めて聴く人へ。 多分、正直あまりピンとこないというか~ 「地味にしか聴こえない」・「クラシックな印象しか感じられない」という方もいるかと思います。 でも間違いなくロックの『マスターピース』と言えるバンド、そして価値ある名盤の中の1枚ですよ。
80年代後半~90年代初頭にかけて栄華を極めたアメリカン・メロディアス・ハード。 STEELHEARTもその中の1バンドなのですが、このデビュー・アルバムは ~ (LAメタル全盛期の頃と同じく) 「それらしい」サウンドなら売れる・・・ という当時の一種バブル的な飽和状態のシーンの中で、確かなポテンシャルと将来性を感じさせる説得力・存在感を発揮していた1枚だと思います。 珠玉のバラード「She's Gone」ばかりに注目されがちですが、他にも「Love Ain't Easy」「I'll Never Let You Go」等エモーショナルに聴かせる佳曲の詰まった良質のHR作品です。(それだけにこの後のバンドの失速が非常に残念) 地味・・・と言えば地味な音なのかもしれないのですが、たまに無性~に聴きたくなります。
このアルバムをマイケル・シェンカーの代表作に挙げる人も多いですね。 M.S.G.入魂の傑作2ndアルバム。 この作品最大のセールス・ポイントは、やはり・・・ 「ロック界の渡り鳥」コージー・パウエルの参加。コレに尽きるでしょう。 彷徨う名ギタリストと流離う名ドラマーの鬼気迫るコラボレーション。 サウンドからも如実に感じられる2人の「オーラ」が、他メンバーのモチベーション・充実した演奏・アルバムの完成度等、色々な面に相乗効果としてプラスに働いているように思います。 (コレ1枚でコージーが脱退してしまったのは、マイケルにとっても残念だったことでしょう) 掴みの「Are You Ready To Rock」~「Attack Of The Mad Axeman」はなかなかの佳曲だし、哀愁漂う「On And On」や「Looking For Love」、バラードの「Never Trust A Stranger」なんかホントに“ 泣き "が素晴らしい。 1stに負けず劣らない抜群の内容です。 ・・・太鼓の音、やっぱり目立ってるなぁ~。
『 A Great (Missing) Guitarist 』、マイケル・シェンカーの記念すべき1stソロ。 豪快・流麗な楽曲をテクニカル(且つクラシカル)なギター・サウンドが彩り、そして激しさの中にも少し暗い雰囲気が漂う傑作HRアルバムです。 (流石に、古めなサウンドであることは否めませんが) 印象的に刻まれるギター・リフが魅力の「Armed And Ready」、渋さと泣きの情感が溢れる「Cry For The Nations」、ひたすら美しいインスト「Bijou Pleasurette」、必殺の「Into The Arena」等、名曲は多いです。 アルバム収録曲のギター・ソロ部分は、「全て」聴き所と言えるでしょう。名演奏とは正にこのこと。 メロディアスに、エモーショナルに、メランコリックに。そして時としてデリケートに、スレンダーに、ヒステリックに。 ・・・圧巻です、彼のプレイは。(既にギタリストとしての名声を不動のモノにしていたUFO時代と比較しても、更に一皮剥けているのではないでしょうか) 毎度お約束の言葉ではありますが。 ・・・『名盤中の名盤』です。HM/HR史に永久に。
情熱的に掻き鳴らすジョン・ノーラムの激しいギターに乗っかる、巧みで艶のあるグレン・ヒューズの熱いヴォーカル。 ・・・辛抱堪らんです。燃え滾るようなカッコ良さ。 恐らくジョンのソロ・キャリア中、最高傑作と言えるでしょう。(2作目) 必殺チューンのタイトル曲「Face The Truth」他、「We Will Be Strong」「Time Will Find The Answer」「Distant Voices」など緩急とバラエティに富んだ佳曲が並ぶ充実の内容。 聴き応え抜群の隠れた名作的HRアルバムです。(ギタリストのソロ・アルバムとしては、もぉ出来過ぎ) お盆に帰省した実家で、久しぶりに引っ張り出して聞いたのですが・・・ こんなに暑いのに鳥肌出ちゃいました。
オープニングを飾る「Lay Down Your Arms」は、北欧メタルの歴史に残る名曲と言えるでしょう。 ↑ 上でみなさんも仰られていますが、今のメロスピ系にも通じる抜群の疾走感とインパクトを発揮しています。 (6曲目のタイトル曲「Diamond Mistress」、10曲目「Turn Me Loose」なんかもカッコイイ) ツイン・ギターが紡ぎ出す流れるように美しく激しいメロディと、ヨラン・エドマンの透き通るハスキー・ヴォイスがバンドの持ち味。 北欧的美旋律と正統HMが融合した、流麗且つ力溢れるサウンド。バラード曲も素晴らしいです。 2ndも悪くはないのですが・・・ 音楽性のアピール度がやや弱いというか、このアルバムにあった「ダイナミズム」のようなモノが減退してる印象。 やっぱり、コッチの1stをまずはオススメ。
1曲目だけの為に、このアルバムを買ってもイイ ?? ・・・と思ってしまうくらいに「Princess Of The Night」は、NWOBHMにおける必殺の名曲ですね。 その勢いに乗って繰り出される2曲目のファスト・チューン「Never Surrender」も大好き。 どこか哀愁感の漂うブリティッシュ・ロックの湿った「香り」と、硬派で武骨な男らしい雰囲気プンプンの「匂い」が入り混じった、渋くてパワフルなサウンド。 この4thは、SAXONの有名な代表作です。
音楽性の回帰と(新Vo.加入による)新生HELLOWEENの可能性をアピールした前作。 そして、ファンの大きな期待へのアンサーとなったのがこのアルバム。 求められるモノを見据えた曲作りが「功を奏した」という印象の優れた内容(アンディの加入は、やはり凄まじい効果。貢献度大)。 ただ、「MASTER OF THE RINGS」を凌駕しているかというと、僕的にはチョット微妙な印象。(個人的に、前作のインパクトが物凄かったので) 勿論、HMとしてのクオリティの高さは文句無し。 ・・・音があまり良くないのが「玉にキズ」。 「Power」は、メロ・スピの名曲と呼ぶに相応しい出来です。