タイトルが長い!パール・ジャムのライヴ盤をレビューしたらキリが無いような気もしたのですが… パール・ジャムはいつでも音楽ビジネスに挑戦するようなことが好きで、そのひとつがこの数え切れないほどのライヴ盤シリーズ。 彼らは、ブートレッグをわざわざ高い金を出して買うファンのために、この当時のツアーのライヴ音源をすべて放出することにした。 スタジオ盤のほうが音の密度が濃く、音圧も高いような気もするけど、代表曲がズラッとならんだコンサートを追体験できるのはライヴ盤ならでは。 CD店で数え切れないほどのCDを、周りの目も気にせず(笑)、とっかえひっかえ抱えてはチェックして、自分にとってベスト選曲なのを選んだのがこのアルバム。 タイトル通り、2000年発表「BINAURAL」当時のツアーのアメリカ・フィラデルフィア公演を録音したもので、演奏の質も良い。 「ONCE」「EVEN FLOW」「BLACK」「JEREMY」「PORCH」「GO」「ANIMAL」「DAUGHTER」「DISSIDENT」「ELDERLY WOMAN IN A SMALL TOWN」 「LAST EXIT」「SPIN THE BLACK CIRCLE」「CORDULOY」「BETTER MAN」「RED MOSQUITO」「GIVEN TO FLY」「LIGHT YEARS」、 そして「YELLOW LEDBETTER」と、(「ALIVE」「REAR VIEW MIRROR」「NOTHINGMAN」といった曲はないものの)ほとんどの代表曲はおさえている。 蛇足だけど、ラストの「YELLOW LEDBETTER」のブレイク部分でギタリストのマーク・マクレディが、 オジーの「CRAZY TRAIN」とメイデンの「THE NUMBER OF THE BEAST」のリフを弾いている。 やっぱりグランジ/オルタナっていっても、音楽的にはハードロック/ヘヴィメタルとの境界線は曖昧だったんだなー、と改めて思った。
彼らの楽曲の中でも最高にスリリングな楽曲ひとつだと思います。リフがカッコいい!! 98年のライヴ盤「LIVE ON TWO LEGS」でオープニング曲として収録されてるけど、最高にカッコいいです。 らーしょんさんのおっしゃる通り、スタジオ盤のバージョンより数段魅力的です。 クールなギターフレーズから怒涛のギターソロになだれ込んでいくところはハイライト。名曲!!
世界的な大ベストセラーになったようにワールド・ミュージックへのアプローチなど、ピーターガブリエルの前衛的な一面が 影を潜めているからなのか、最初聴いたときはあまり印象の濃い「音」ではないと個人的には感じました。 そんな自分がレビューするのもおこがましいんだけど…でも、ともかくこの「SO」は、純粋に印象深い楽曲がズラリと並ぶベストセラー・アルバム。 あの大ヒットシングル「スレッジハマー」やケイト・ブッシュとの名デュエット「DON'T GIVE UP」(名曲!!)が収録されているアルバム。 ほかにも「RED RAIN」やら「IN YOUR EYES」やら「BIG TIME」やら純粋に良い曲がいっぱい入っている。 「DON'T GIVE UP」はこのポジティヴなメッセージからかいまだにイギリス国民に愛され続けているらしいですね。
94年発表。「ROCKS」のシングルヒットとともに、イギリスではベストセラーに。 アルバムごとにスタイルをまるごと変えてしまうことで有名なバンドですが、傑作とされる前作「スクリーマデリカ」のアシッドハウスから、 今作ではアメリカ南部音楽に彼ら独自のテイストをふりかけた、素晴らしくカッコいいルーズなロックンロールをやっている。 この時期にボビーらメンバーがドラッグにおぼれていたりとバンド内部の状態がかんばしくなかったこともって、 このアルバムはPSのアルバムの中でも良い評価をされていない。でも、楽曲は「JAILBIRD」や先述の「ROCKS」を筆頭にどれも強力。 中盤にちょっと地味な曲が続くのをさっぴいてもとてもいいアルバムだ。 「CRY MYSELF BLIND」「I'LL BE THERE FOR YOU」といった力の抜けたエモーショナルなバラードではとても泣かせてくれる。 70年代ストーンズだったりアメリカ南部ロックが好きな人にはオススメ。あとクワイアボーイズみたいなロックンロールが好きな人にも是非。
91年発表、彼らの最高傑作とされるばかりか、1991年という年を代表する1枚ともされているアルバム。間違ってもHR/HMじゃないのでご注意を。 このあたりの音楽を掘り下げて聴いているわけではないので上滑りなことしかいえませんが、「ダンサブル」「トリップ感」「肉体的な躍動感」 といった言葉が浮かびます。…「COME TOGETHER」と「LOADED」は彼らを代表する名曲でしょう。黒い女声コーラス、跳ねるようなピアノ、 けだるいボーカル、のレイドバックしたロックンロールがダンスフロアに頭ごと突っ込んだ、という。大音量で聴いてると思わず身体を突き動かしますね。 むちゃくちゃカッコいい。「HIGHER THAN THE SUN」の何ともいえないトリップ感も聴いててゾクゾクしてきます。 本作の「MOVIN' ON UP」や「DAMAGED」みたいなレイドバックな曲が好きな人は94年の次作も間違いなくハマるでしょう。
腕にはめられた手錠をひきちぎるジャケット、「EMANCIPATION=解放」というタイトル…などなどプリンスにとって精神的充実期にリリースされた3枚組。 実際、人生のパートナーにめぐり合えたりと、とても良好な時期だったらしい。マスコミ向けの新作披露パーティーなんかもやってました。 1枚60分が3枚で計180分ジャスト(本当に「ジャスト」)。しかもクオリティは総じて高い… …と改めて天才っぷりを発揮。(あまり「天才」「天才」と言うべきじゃないけど、この人は本当に「天才」…) 大雑把に分類すると、1枚目は「ファンキー」、2枚目は「スウィート」、3枚目は「実験的(?)」。2枚目が好きと言う人は多い。 プリンスにしては珍しいカヴァーも3曲収録。「BETCHA BY GOLLY WOW」「I CAN'T MAKE YOU LOVE ME」「ONE OF US」、どれも秀逸だけど、 なかでも「BETCHA…」は美しい。シングルにもなり、当時ラジオで頻繁にかかってました。 それら以外で、個人的に強いて5曲挙げるとしたら、「JAM OF THE YEAR」「GET YO GROOVE ON」「SEX IN THE SUMMER」「THE HOLY RIVER」 「LET'S HAVE A BABY」あたりかな…HARRYさんのおっしゃる通り、中古で意外と簡単に手に入るので機会があれば是非。
92年発表。ジャケットのどこを見ても「THE LOVE SYMBOL」などというタイトルはないのですが、便宜上そういうことになっています。 基本的には前作「DIAMONDS AND PEARLS」の延長線上なんですが、前作が若干あっさりしていたのと対照的に、 本作ではプリンス印のねちっこく濃密なファンクを展開。 グルーヴィーな「MY NAME IS PRINCE」、ファンキーでクールな「SEXY M.F.」、軽快でメロウな「LOVE 2 THE '9S」、 名バラード「THE MORNING PAPERS」、恍惚とさせられる「DAMN U」、シングルにもなったゴージャスな「7」… …などなど曲のタイプはさまざまながらクオリティの高い曲がズラリと並びます。
スチールギターとピアノというプリンスにしては珍しいバックで奏でる静かなバラード。 独特の雰囲気を持ったメロディーですが、とても美しい!! 夜に聴いても浸れますが、むしろのどかな休日の午後みたいなイメージがします。 SOMETIMES IT SNOWS IN APRILというタイトルも何とも。最近のライヴでも演奏されたみたいですね。
プリンスの代表作。アメリカだけで1000万枚以上の売り上げを記録している大ベストセラー。本人主演の同名映画のサントラ。 曲は全部ポップなのにプリンスワールド全開。代表曲も多数収録。「LET'S GO CRAZY」と「WHEN DOVES CRY」は全米1位。 彼のヴォーカル、ギターを心行くまで味わえる感動の大作「PURPLE RAIN」は圧巻。ほかにもちょっと風変わりな「TAKE ME WITH U」、 激情のバラード「THE BEAUTIFUL ONES」、ポップな「I WOULD DIE 4 U」、ちょっと時代を感じるけどノリノリな「BABY I'M A STAR」、 …などなど名曲目白押し。興味がある人は是非聴いてみてください。
87年発表。最高傑作との呼び声も高い2枚組。「PURPLE RAIN」以降、一年に1枚のハイペースで次々と作品を発表。 にもかかわらず、今作は2枚組という分量でリリースされる。しかもアルバムの雰囲気に合わないとしてボツにされた楽曲は膨大な数にのぼったらしい。 80年代のプリンスは「神懸かり的」とか「天才」とか良くそういう表現をされます。でも、後追いで聴いた自分からすると、 超人的なリリースペースがスゴいのは分かるけど、どれだけ彼の音が当時斬新で革新的だったかというのは分からなかったりします。 でもこのアルバムは「斬新」とか「革新的」とかいう評論家的な事以前に、名曲が次から次へと飛び出す素晴らしいアルバムだと思います。 「SIGN OF THE TIMES」「IF I WAS YOUR GIRLFRIEND」「PLAY IN THE SUNSHINE」「YOU GOT THE LOOK」「ADORE」をはじめ、 「HOUSEQUAKE」「STRANGE RELATIONSHIP」などなど名曲ばかり。 プリンスの声って自分にとってはものすごくツボです。一聴すれば彼と分かるぐらい特徴のある粘着質な声は気持ちいい。
アルバム全体が独特の緊張感で貫かれています…フレディ・マーキュリーの死と切り離しては考えることのできないラストアルバム。 上の皆さんのおっしゃる通り、「INNUENDO」と「THE SHOW MUST GO ON」という2つの突出した名曲はそんなアルバムの性格を特に感じさせます。 不謹慎かもしれませんが、出来過ぎなほどの完璧な幕下ろし。それもクイーンらしい。