87年発表。最高傑作との呼び声も高い2枚組。「PURPLE RAIN」以降、一年に1枚のハイペースで次々と作品を発表。 にもかかわらず、今作は2枚組という分量でリリースされる。しかもアルバムの雰囲気に合わないとしてボツにされた楽曲は膨大な数にのぼったらしい。 80年代のプリンスは「神懸かり的」とか「天才」とか良くそういう表現をされます。でも、後追いで聴いた自分からすると、 超人的なリリースペースがスゴいのは分かるけど、どれだけ彼の音が当時斬新で革新的だったかというのは分からなかったりします。 でもこのアルバムは「斬新」とか「革新的」とかいう評論家的な事以前に、名曲が次から次へと飛び出す素晴らしいアルバムだと思います。 「SIGN OF THE TIMES」「IF I WAS YOUR GIRLFRIEND」「PLAY IN THE SUNSHINE」「YOU GOT THE LOOK」「ADORE」をはじめ、 「HOUSEQUAKE」「STRANGE RELATIONSHIP」などなど名曲ばかり。 プリンスの声って自分にとってはものすごくツボです。一聴すれば彼と分かるぐらい特徴のある粘着質な声は気持ちいい。
MANIC STREET PREACHERSはイギリスはウェールズ出身のバンドであり、イギリスでは国民的なバンドです。 音楽性の変遷やサイドストーリーは「MANIC STREET PREACHERSを語れ」のところで、クーカイさんがおっしゃられていますが、 バンド初期のパンキッシュなハードロックからスタートして、今作あたりからストリングスを多用したメロディアスなサウンドにシフトしていきました。 若々しい猥雑な「ハードロック」サウンドが聴きたければ初期の作品を聴いてもらった方がいいんでしょうけど、 イギリス本国で国民的な人気バンドになっていったのも、この「EVERYTHING MUST GO」以降の作品です。 それまでの作品と比べて過剰なほどのメロディアスなロックに照準が絞られている感じがします。 ヒットした「A DESIGN FOR LIFE」「EVERYTHING MUST GO」あたりは彼らの代表曲といってもいいぐらいで超名曲。 他にも「KEVIN CARTER」「AUSTRALIA」をはじめ、「ELVIS IMPERSONATOR…」「THE GIRL WHO WANTED…」「FURTHER AWAY」など名曲ばかり。 ともかく超メロディアスなロックなので、このバンドを聴いたことがない人も聴いてみて下さい!
個人的には「KEEP THE FAITH」や「THESE DAYS」といった作品をリリースした90年代の彼らが好きなのですが、 バンドが商業的な面でも最も輝かしかったのはMTVを席巻してアルバムを売りまくった80年代であることは間違いありません… でも選曲に不満が無いわけでもない…各国によって収録曲が違う10曲目だけど、日本盤には「TOKYO ROAD」が収録されています。 バンドの日本のファンへの気遣いはうれしいのですが、失礼ながらさしたる曲でもないと思うし、 そういう意味ではボン・ジョヴィ屈指の名曲「IN THESE ARMS」が収録されているUK盤が一番良いのかな…歌詞・対訳がないけど。 「BLOOD ON BLOOD」「BORN TO BE MY BABY」「I'D DIE FOR YOU」「I BELIEVE」「DRY COUNTY」、 そしてリッチーの「STRANGER IN THIS TOWN」といった名曲の数々が収録されていませんが、 「SLIPPERY WHEN WET」以降のボン・ジョヴィのアルバムに関しては本当にハズレがないので 「CROSSROAD」を聴いてピンときた人は是非オリジナル・アルバムを聴いてほしいと思います。 「IN & OUT OF LOVE」は必要なかったが、新曲の「SOMEDAY I'LL BE SATURDAY NIGHT」「ALWAYS」はどちらとも素晴らしいし、 とりあえず大ヒット曲はほとんど収録されているのでベスト盤としては充分かな…
前作とはうって変わって、ザラザラとしたノイジーなギターサウンドが印象的なロックンロール・アルバム。 前作2枚のリリースにともなうツアーをいずれも見送ったり、前作「AUTOMATIC FOR THE PEOPLE」が陰鬱で内省的な作品だったことが 今作をヘヴィでギラギラとしたギター・ロック・アルバムにしたようです。オープニング曲のイントロがなによりも印象的ですが、 どの曲もヘヴィでノイジーだけでなく、80年代の彼らみたいな「風変わりさ」さというか、なんか「間の抜けた」「スカした」 メロディもうかがわれます。…ところでこの作品がリリースされた1994年はあのカート・コバーンが自殺した年なのですが、 「LET ME IN」はカート・コバーンのことを歌っています。「WHAT'S THE FREQUENCY, KENNETH?」以外にも、パンク風味の「STAR 69」、 REM王道バラッド「STRANGE CURRECIES」など良曲が多いです。何よりもヘヴィなギターが前面に出ているのでHMリスナーの自分にとってはとても好きなアルバムです。