ライナーノーツではベタ褒めされてますが、まず思ったのはありがちなタイトルですなぁ。メロディも SISTER CHRISTIAN に比べると凡庸な感じがします。それでもそこそこヒットしてしまったために、バラードバンドの悪名(?)が定着してしまう破目に。単体で聴けばイイ曲だろうし、若しくは他のAORバンドが上手くアレンジしてカバーすれば化けたかも知れません。
超有名曲のタイトルトラック1.と隠れ超名曲7. Ever Since the World Began のオリジナルバージョンを一度に聴きたい人には断然お薦めするっ! それ以外にもポツポツいい曲はあるけど、何分まだまだ「こなれてない」んだよね。 デイヴ・ビックラーの歌唱はよく聴いてみると適度な「間」があって、それが良い意味でのアメリカンな大らかさでもあるのだが。ジミ・ジェイミソンよりもハスキー度が軽いデイヴの声が好きな人にも、ジャケットのタイガーが好きな人にももちろんお薦め。 リアルタイムではどうだったかって? 自分の耳にはやっぱり1.しか届かなかったなぁ…。
ロン・ネヴィソン プロデュース、この一言が本作の全てを物語っています。チャートの上では前作同様辛うじてTOP40入り程度に留まりましたが、中身はメタル耳にとって実にハイクォリティな出来ですぞ! シングルヒットも満載、雰囲気自体が1988年という時代そのもの。時代に順応してイメチェンに成功した CHICAGO に座布団10枚!と言いたくなる作品です。しかし残念ながらコレがピークだったんだなぁ…本当に日本のバブルと歩調を合わせたかのように。
CHICAGO の所で JASON SCHEFF を若造呼ばわりしてしまいましたが、彼のプロデビューは遡ること4年前の本作で実に当時19歳、しかもメインのKEANE兄弟は更に年下! ギタリストと前任のベーシストだけが一回り上のオジサンだったって。 そんなことより、本作は KEANE のバンドとしての2ndでありラストアルバム。1stに比べて楽曲はよりシンプル且つパワフルになった印象で、成長の跡が伺えます。TOTOの弟分という触れ込みでデビューした当初よりもTOTOに近付いたカナ? 当然ながら JASON加入後の CHICAGO のような音像も感じ取れるし、なぜか人的交流のない BOSTON の香りも仄かに漂う…。こう言うとまるで良い所取りみたいに聞こえるけど、楽曲は全て TOM KEANE を中心に書かれたオリジナルです。 80年代初頭のゴキゲン&爽やか系産業ロック、AORの知られざる良作。尤も1st同様当時から日本でのみリリースだったから、忘れられていたと言う方が正しいですね。
英国のKEANEではなくて、こちらはTOM (1964年生れ、Key.) と JOHN (1965年生れ、Ds.) の KEANE兄弟がメインを張るアメリカ西海岸・LA出身の(日本で言う)AORバンドです。 まず1977年に兄弟2人で THE KEANE BROTHERS として DAVID FOSTETR のプロデュースによりデビューしアルバム2枚をリリース、その後1981年にG.とB.を加えた4人編成の KEANE を結成し、同年アルバム"KEANE"をリリース。翌1982年にB.が後々 CHICAGO のメンバーとなる JASON SCHEFF (兄弟より年長の1962年生れ)に交代して2ndアルバム"TODAY, TOMORROW AND TONIGHT"をリリースした後、兄弟夫々がソロ活動に転じてバンドは消滅。 TOM は その後も DAVID FOSTER に師事しプロデューサー、アレンジャーとしても大活躍、CHICAGO の WILL YOU STILL LOVE ME? なども手掛けていたりします。一方の JOHN はLA界隈のセッション・ドラマーとしてやはり CHICAGO などのレコーディングに参加しているとのこと。 そんな KEANE の音楽は、代表曲 TRYIN' TO KILL A SATURDAY NIGHT(邦題「ドライヴィング・サタデー・ナイト」)でお分かりのように、妙に落ち着き払ったAORではなくて、若さ溢れる(当時まだ10代だもんね、当然!)Vo.にタイトな演奏が乗った典型的なネアカ80年代ウェストコーストロック! 肝心の音源が2000年に日本の COOL SOUND から世界初CD化されて以来再発は無いようなので、コレは!と思われた向きはじっくり探してください。
TOP が81年に2枚リリースしたアルバムのうち最初の方、つまり2作目ですね。告白しますと、リアルタイムではこのバンド自体全然知らなかったです。本サイトの何処かで何方かが「おー、タイガース・オブ・パンタンなつかしー」と仰っていたのを見て知り、某店で80年代当時WARNER-PIONEERから発売された本作のCDを見掛け、そのうちコレクションにと思いつつも、実際にゲットするのは後回しになってしまいました。いや~、もっと早く聴いていれば良かった。まだ本作しか聴いていませんが、NWOBHM御三家に何ら引けを取ってませんね。80年代メタル隆盛への胎動を強く感じさせる超名盤です!