とにかくメンバーが豪華なアルバムですね。ヴァイ以外の3人にはこのアルバムで初めて遭遇し、この後追っかけて聴いたりしたので、良いきっかけをくれた作品です。 ただこのアルバムが大好きかというと……他にない独特の音楽性であることは評価できますが、なんか微妙。 ヴァイのソロ作は好きだし、他のメンバーもそれぞれ別にお気に入り作品はあるのですが、4人集まってバンドとなったら、なんかしっくりこない感じ。単に私の好みの問題なんですが。 でも「THE ROAD TO MT. CALVARY」~「DOWN DEEP INTO THE PAIN」は、めちゃかっこいいと思います。テーマも興味深い。
実に奇妙な音楽です。アフリカン・リズムを取り入れているのでしょうが、楽器の組み合わせ方や音色、コーラスの重ね方やメロデイのせいか、あまり民族音楽的な印象は受けません。 複雑で性急なのに整合感もあり、物凄い熱量と醒めた視線を同居させたような、歪んだ雑種ロック。なんだこりゃ。 先に『NAKED』を聴いていて、あちらはこれほど変てこじゃなかったので油断して聴いて、度肝を抜かれました。 どことなく都会的で機械的・近未来的な音楽に聞こえますが、ポリリズムの組み合わせ方のセンスが独特で、集中して聴くと頭が混乱します。 デイヴィッド・バーンとブライアン・イーノのアルバム『MY LIFE IN THE BUSH OF GHOSTS』も、同じようにひねくれていて頭が疲れますが、こちらの方が変態というか、おかしな感じに洗練されて、かえってグロテスクに感じます。 ノリノリで楽しむことも可能なのでしょうが、私にとっては肉体ではなく頭で味わう類の音楽。いつ聴いても金縛りにあってしまう、刺激的な超名盤です。
前2作と比べると、明るい曲が増えて、かなりポップなアルバムです。 毎回同じ感じだと飽きるので、ちょっと雰囲気が違うこの3rdも好きです。 頭からもう、ごきげんな(1)「LOVESICK」、(2)「MAKE MY DAY」の2曲でノックアウトされます。 インストゥルメンタルの(5)「ANOMALY」や、歌詞がファンタジックでアコーディオンが入ったワルツ調の(10)「I WILL BE THERE」なんかには驚かされますが、良いアクセントになってます。 ラストにちょこっとおまけでかかるゴースト・トラック「GIVE IT ALL WE GOT」も楽しげで良いです。 なんか他のアルバムに比べると評価が低いようですが、毛色が多少違えど、これもまたテラ・ノヴァらしい高品質の作品です。