イギリスのゴシック・ロック・バンドFIELDS OF THE NEPHILIMのヴォーカル、カール・マッコイ率いるインダストリアル・メタル・バンドの、'96年発表の1stです。(なぜかバンド名はNEPHILIMじゃなくNEFILIMなんですね) カールはMORGOTHやSLAYERに影響されたようで、ここでは完全に激重メタル化しています。 ゴシック的な暗黒風味やホラーっぽい邪悪さも保ちつつ、インダストリアル的味つけの、ほとんどデス・メタルにも近いゴリ押しエクストリーム・メタル・サウンドが、やたらにヘヴィでかっこいー。 隙間なく打ち鳴らされる高速ドラムに、冷徹な重低音リフ、重々しい濁声ヴォーカル。そこに混ぜこまれたゴシック由来の暗鬱メロディ。美味しすぎます。 インダストリアル好きにも、デス/ゴシック好きにもアピールする、隠れた名作だと思います。
USパワーメタル・バンドCAGEの演奏陣がThe Hell Destroyer(CAGE、DEATH DEALERのショーン・ペック)、The Tyrant(JAG PANZERのハリー・コンクリン)、The Ripper(CHARRED WALLS OF THE DAMNED、元JUDAS PRIEST、元ICED EARTH等のティム・"リッパー"・オーウェンズ)、という濃すぎる3人をヴォーカルに迎えた、とんでもバンドの1stです。(このアルバムの曲を3人がそれぞれソロで歌い直した3枚組『THE SOLO VERSIONS』という好企画盤もあります。ぶっちゃけ本編以上に楽しめます) トゥルー・メタルの伝道師のような人々による純度100%のメタル・アルバム。内容は・・・誰もが想像する通りです。うん、暑苦しい。 ちょっと盛りすぎて渋滞起こしちゃってるように聴こえる部分もありますが、それもご愛敬。 名盤とかそういうのじゃないんですが、ある意味宝物みたいなアルバムというか、こういうのを届けてくれてありがとうっていう気持ちになります。ドリーム・バンドというにはマイナーな面子かもしれませんが、私にとっては贅沢で僥倖。 悪ノリしまくって3人で煽り立てる(11)「Speed to Burn」には頬が緩みます。もっとやれ。 今作の白眉たるタイトル曲(12)「The Three Tremors」レベルの曲を量産できれば、継続可能なプロジェクトになるんじゃなかろーか。次作熱烈希望中。
1曲目の「I WANNA GO WHERE THE PEOPLE GO」は耳に残ってしょうがない、強烈キャッチーな名曲です。この曲が入ってる分、他のアルバムより聴く頻度が高いかも。 その他の曲もそれぞれポップなメロディで、音は適度にノイジーでハードにロックしてて、気持ちいいです。 メタル好きよりも、パンキッシュなロックを好んで聴く人に受けるバンドでしょうね。この手の音楽はもうちょっと疾走感があって、曲数がもっと少ない方が好みなんですが、それは贅沢というものでしょうか。 ボーナストラックの2曲もしっかりポップで楽しめるのは、好感度高いです。
初めて聴いた時はあまり耳に残らなかったんですが、最近聴き返したら、素晴らしい曲がいっぱいでした。 デスメタル出身と言っても、これはもはやメロデスですらない、シンフォニック・メタルです。ただしメロスピやネオクラではなく、どちらかと言えばゴシックに近い感じ。 劇的でメロディアスな哀愁曲が好きな人で、疾走してなくてもOKな人にはおすすめできます。 (9)「THE SIREN OF THE WOODS」は10分近い大曲ですが、泣きのギター・ソロたっぷりで、何回も聴きたくなります。 日本盤ボーナスにSCORPIONSの「FLY TO THE RAINBOW」がカヴァーされていますが、これもまたオリジナリティを加えつつ、良い具合にメロメロで素晴らしいです。
重苦しく、張り詰めた感じのした前作に比べると、少し余裕が出てきたような感じがします。決して明るくはならないけれど、ちょっとポジティヴになった印象。 ティム・クリステンセン独自のメロディ・センスは、相変わらず魅力的です。 内ジャケのティムの写真が、すっかりおじさん化しててちょっとショック。 メロトロンなんかをさりげなく使い、ちょっと懐古的な音使いをしているのが味わい深いです。 「RIGHT NEXT TO THE RIGHT ONE」は結婚式の定番曲になってるみたいですが、個人的にこの歌詞じゃ結婚式では使いたくないなぁ・・・。でも良い曲です。 今作はティムが大半の楽器を自分で演奏してたりする影響か、ずいぶん落ち着いた雰囲気ですが、次作はもうちょっと開放的でハッピーな曲も聴きたいです。ティムの新しい面を引き出してくれるようなメンバーが加わらないかな。
ネオ・クラシカル系のギター・インストでは、個人的に最もとっつきやすかったアルバムです。 メロディがよく練られていて、退屈せずに聴けます。まぁ、クサさに苦笑しちゃうようなところもありますが、それもまた魅力。 早弾きだけでなく、(9)「EDGE OF INSANITY」みたいな叙情的メロディの聴ける曲があるのが良いです。
神々しいクワイア(けっこう早口でかっこいい)からTHE SINS OF THY BELOVEDでも弾いていたピートのヴァイオリンにつながる冒頭の展開が素晴らしい。ウキウキしちゃいます。 途中の男声クワイアと電子音の組み合わせは何だかENIGMAみたい。 色々組み合わせながらゴシック・メタルの範疇を拡大して行ったんだろうなーと想像しながら聴くと、そうやってシーン全体が成熟していった経緯が想起され、尊いなーと思っちゃいます。
『ウォーターボーイズ2』の最終回を観ていて、この曲、妙に気合入っててかっちょえーなーと思っていたら、「WE'RE NOT GONNA TAKE IT」でした。持ってるアルバムの曲じゃん…まだ一回しか聴いていない時だったから、気がつかなかった。 ジャケが生肉にかぶりつこうとするムサいケバいおっさんなので、買うのをためらってしまいますが、曲は粒ぞろいで素晴らしい作品です。 (6)「THE PRICE」や(7)「DON'T LET ME DOWN」の哀愁のメロディなんて、キャラクターには合わないけど、良いなぁ。 曲の幅も広く、メロディは総じてキャッチーで、メタルとハードロック両方の魅力を兼ね備えた、笑えて泣けて燃えられる名盤です。