デビュー・アルバムの1曲目に7分半もの曲を持ってくるなんて、お茶目なバンドです。 若さと勢い溢れる楽曲の数々にヘヴィ・メタルへの愛情があふれていて、聴いていて嬉しくなります。 カイ・ハンセンがヴォーカルだった時代のHELLOWEENをレベル・アップさせた感じかな。でもブラガならではの味も既にありますね。 吐き捨て型ヴォーカル、刻みの激しいリフ、つんのめるようなギター・ソロ、アタックの強い疾走ドラム・・・ほとんどスラッシュ・メタルです。(2)「GUARDIAN OF THE BLIND」なんて、もろにスラッシュしてます。 荒削りだけど、これはこれで好きだなー。
3rdまではまだ聴いていないので、これが最高傑作かどうかは断言できませんが、4thから後のアルバムでは一番好きです。 メロディ、曲構成、バラエティ、サウンド、どれも好みで飽きずに聴けます。この前はストレート過ぎて飽きが来るし、この後は詰め込み過ぎてバランスが悪いように感じます。 上のKOZYさんの書き込みを見てなるほどなと思ったのが、ドラムでメロディーを奏でる為に叩いているという指摘です。確かにドラムが違う気がします。普通のジャーマン・メタルの域を超えた表現力ですよね。でもこの後のアルバムだと今度は音を重ね過ぎてドラムは目立たない(泣)。 (1)「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」と(7)「BRIGHT EYES」が特に気に入ってますが、全曲素晴らしいと思います。複雑な構成だけどメロディが充実しているし、激しさもしっかり保たれています。 たぶん、ずっと聴き続けられるアルバム。
いやー、これはほんとメロスピ/メロパワ系ジャーマンの醍醐味を味わわせてくれる作品ですね。今聴いてもこの疾走感は強烈。さりげなく「LORD OF THE RINGS」みたいな叙情的な曲が入ってるのも良いなぁ。 やっぱり1番好きなのは5thだけど、かなりの快感を与えてくれる、ストレス解消にもってこいのアルバムです。たまにこういうのが猛烈に聴きたくなります。
マグナムのヴォーカリスト、ボブ・カトレイがTENのゲイリー・ヒューズと組んだソロ作の2枚目。なーんて言ってまだマグナム聴いたことないです。そのうち買おう。 TENを聴いてていつも思うのが、メロディアスでいいけど、ゲイリーの歌い方がもうちょっと熱かったらな~ってことでした。歌い方も歌メロも煮え切らなくて、もどかしいままに終わってしまうことが多い。 それが、彼の曲をボブ・カトレイが歌ったらあなた、素晴らしく胸を打つじゃありませんか。ゲイリーには他人にたくさん曲を提供してもらいたいものです。 このアルバムの内容は、シンフォニックでクサクサなメロディアス・ロックです。さすがに気恥ずかしくなるような曲や、やっぱり煮え切らない曲もありますが、全体的に感動的な美しい作品。情感のこもった湿り気を帯びた歌声がたまりません。 『嵐が丘』に題材をとった感動的なバラード(7)「A BEAUTIFUL NIGHT FOR LOVE」と、胸の奥に熱いものが広がる(10)「WHERE THE HEART IS」がお気に入り。
このアルバムはアップテンポのロック曲が多くてバラードが少なめになるという話だったのに、聴いてみるとそんなでもなくてちょっとがっくり。 でもまあ80~90年代のボン・ジョヴィとは違いますが、これはこれで良いです。 9.11のテロ事件に題材をとったダークでヘヴィな感触の(1)「UNDIVIDED」から、ポジティブで前向きな先行シングル(2)「EVERYDAY」の流れでもう引き込まれました。名曲とされる前作の「IT'S MY LIFE」よりもこの曲の方がずっと好きです。 そして開放感あふれるストリングス・アレンジがたまらない(3)「THE DISTANCE」から(4)「JOEY」のピアノ・イントロへのつながり…今回は曲順が練りに練られてる印象で、つい聴き入ってしまいます。 (5)「MISUNDERSTOOD」のサビの「ア~アア~アア~ィ♪」はいかにもボン・ジョヴィらしくて微笑ましいし、ストレートなラヴ・バラード(6)「ALL ABOUT LOVIN' YOU」、(1)のようにヘヴィに始まってサビでいきなり弾ける(7)「HOOk ME UP」と、なかなかにバラエティ豊か。 (8)「RIGHT SIDE OF WRONG」は…いかにもジョンの好きそうな曲で、歌詞含めてけっこう評価が高いみたいですが、個人的に「強盗やってメキシコに逃げようとしたら、警察に踏み込まれて…」みたいな歌詞に欠片も魅力を感じないので。(4)(8)が昔からのボン・ジョヴィのファンに人気みたいなのに、何故かこの2曲がなかったらなぁ、なんて思ってしまうんですよね~。曲自体は別に嫌いじゃないんだけど。 (9)「LOVE ME BACK TO LIFE」は大盛り上がりのサビを一緒に大声で絶叫したら気持ち良さそう。 スティングの「FIELDS OF GOLD」みたいな感触の温かく穏やかなラヴ・バラード「YOU HAD ME FROM HELLO」は、全然ロックじゃないけど、このアルバムで一番好きです。こういう曲は年齢を重ねたからこそつくれた感じですね。かと思うと(11)「BOUNCE」は気恥ずかしくなるくらい若々しいロック・ナンバー! で、最後は「OPEN ALL NIGHT」でしっとり優しく締めると。しかしボーナス・トラックは収録方法が煩わしい。せめて頭出し可能にして欲しかったなぁ。 しかしまあ、アルバムとしての出来はなかなか。長く楽しめそうないいアルバムです。
これまた良質のハード・ロックがたっぷり詰まったアルバムです。爽やかで華やかなだけでなく、土臭さもけっこう目立ってきて、いかにもアメリカらしいバンドですね。 ただ1曲1曲はいいんだけど、けっこうイントロで待たせられる曲が多いのが少しかったるい印象も。勢いが途切れるので、もう少し流れがいいと嬉しかったです。おまけみたいな曲も入ってますし…。 でもキャッチーな(3)「BORN TO BE MY BABY」や情熱的なバラード(10)「I'LL BE THERE FOR YOU」を始め、名曲や有名曲たっぷりなので、このアルバムも必聴盤でしょう。
8年に1枚ペースが定着したボストンの4thアルバムです。 発売当時テレビで(1)「I NEED YOUR LOVE」を聴いて、イントロのギターのフレーズがかっこいいなぁと思い、買おうと思った記憶があります。なんかUFOのジャケもかっこいいっても思いました(笑)。 洋楽聴き始めのころで、ハード・ロックに手を出し始めたあたりでした。再結成イエスと似たような感覚で聴いてたなぁ(遠い目)。 このアルバム、ど真ん中の《WALK ON MEDLEY》がどうも好きになれなくて…。そこでダレてしまいます。 それ以外の6曲は爽やかで良い曲なんですけどね~。
'23年発表の、5th(CADAVER INC.時代を含めれば6th)アルバムです。まあ、私は今作が初CADAVERですが。 で、今作をなぜ聴いたのかというと、ロニー・ル・テクロが加入したっていう驚愕のニュースを目にしたせいです。 同郷ノルウェーのレジェンドであるTNTの、『KNIGHTS OF THE NEW THUNDER』収録曲「DEADLY METAL」をカヴァーさせてくださいって言ったら、ギター俺に弾かせてよって本人がノリノリで、そのままアルバム全部とバンドそのものにまで参加しましたとさ・・・って、どんなおとぎ話だYO! そんな流れからの想定としては、漆黒のデス(一時期ブラック)メタル・バンドがメロデス化する悪夢しか思い浮かばないのに、実際出てきたのはプログ・デスとかサイケ・デスと言いたくなるような狂った音楽っていう斜め上展開。 ロニー・ル・テクロって、透明感のある北欧メタルなんて一時期しかやってなくて、TNTもソロもやりたい放題のごった煮プログなクレイジー野郎でしたね。ついでに自分のスタジオでエクストリーム・ミュージックの収録に立ち合い続けた人みたいです。 DEFILEDの新作もそうでしたが、最近のデス・メタルは本当に自由も自由、みんな尖ってればなんでも良いって好き放題やらかしてくれてます。このアルバムも類型にはまらないんで説明が難しいったらありません。 「ヤバいメタル」って感じの音楽デス。ロニー・ル・テクロの所業かどうか知りませんが、変なギター満載の、マニア必聴な異色作。
The American Power Metal Kingsを名乗る一点の曇りもないメタル・バンドの'15年発表の7thフル・アルバムです。 重々しい語りに続いて2曲目のタイトル・トラックが始まり、サビでのスクリームが炸裂した瞬間、思わずガッツポーズですよ。ショーン・ペックすげえっ!! 他のアルバムでも皆さん引き合いに出していますが、まさしくJUDAS PRIESTの「PAINKILLER」の系譜に連なる正統派パワー・メタル。 微塵の緩みも見せない演奏陣の鉄壁ぶりや怒涛の推進力、音圧十分ながらくっきり音が拾えるサウンドプロダクションも含めて、'10年代のアップデート版ピュア・メタルとしての理想形。文句はありません。 何枚か聴きましたが、今のところこのアルバムが一番楽曲が充実していて、お気に入りです。ただちょっと、曲数が多すぎ。この手の音楽は10曲前後でいいです。
邦題は『ハーバー・オブ・ティアーズ——港町コーヴの物語——』 キャメルの中心人物(というより最近はキャメル自体が彼のプロジェクトになってます)アンドリュー・ラティマーの祖母の悲しい実話を基にしたコンセプト・アルバムになっています。 アイルランド人の悲劇的な歴史をたどるストーリーは、あまりにも重く、悲痛なもので、切々と胸に迫ります。前作『DUST AND DREAMS』なんかもそうだったけど、彼らは暗い話をコンセプトに選ぶことが多いみたいですね~。 曲の方は、反則だ~っ!ってくらいに泣きまた泣き。あまりにも哀切なアイリッシュのメロディに、もう金縛り状態。次から次へと泣かせにかかる展開に、涙があふれそうになります。 アンドリュー・ラティマーのギターは神懸かっています。歌メロも素晴らしいです。(3)「Harbour Of Tears」なんてラティマーとベースのコリン・バースがそれぞれ息子と父の役で、別々の歌メロでハモるなんて反則技をかましています。声の質、歌詞、メロディ、全部が哀愁に満ちています。降参。 アルバム後半はインストゥルメンタルだけになるので、ちょっと構成のバランスが悪くも感じますし、メタル的アグレッションは皆無ですが、哀愁や慟哭といった言葉に反応するメロディアス派の方にはお薦めです。