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クーカイさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 301-400

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BRUCE DICKINSON - Scream for Me Brazil ★★ (2002-03-11 23:19:00)

'99年発表。ライヴアルバム。すでにライヴアルバムをものにしていた彼らだが、本作の布陣は完璧である。エイドリアン=スミスにロイ=Z。
ライヴ盤を買うのは何故か?オリジナルヴァージョンでは聴けないプラスαを期待して買うわけだが、本作はそういう意味で期待を裏切らない。私は正直なところ『THE CHEMICAL WEDDING』は嫌いではないのだがあまりにも重すぎ、暗すぎたため少々苦手だった。しかし、本作での『THE CHEMICAL~』収録曲はなんと素晴らしく格好良いことか・・・。
全ての曲がヴァージョンアップしている、ライヴアルバムのお手本のような作品。


BRUCE DICKINSON - Accident of Birth ★★ (2002-03-11 23:05:00)

'97年発表。ロブ=ハルフォードにとっての『RESURRECTION』と同様の位置付けができると思う。いわゆる復活作である。ただ、ブルースの場合は決して駄作は発表してこなかったので、このアルバムでHMのフィールドに"帰ってきた"時には嬉しい反面「無念だったろうな・・・」と少し同情を覚えた。
しかしそれは余計なお世話だった。今のブルースはMAIDENにいることをこの上なく楽しんでいるようだし、HMが嫌になってMAIDENから抜けたのではないことが明白だ。
さて、本作である。徹頭徹尾HM。しかも相棒にエイドリアン=スミスを呼んでいる。鬼に金棒とは正にこのことだ。MAIDEN時代からこの2人が書いた曲はキャッチーでハードでスピーディーな名曲が多い。なかでも聴き所は6曲目の「ROAD TO HELL」。やった本人も「あまりにMAIDENっぽかったので収録するかどうか迷った」と言っていたが、こんな名曲を闇に葬り去るなどとんでもない話だ。収録して大正解である。


BRUCE DICKINSON - Alive in Studio A ★★ (2002-03-11 22:53:00)

'95年発表の2枚組みライヴアルバム。1枚目はスタジオライヴ、2枚目はマーキーで収録されたもの。よって1枚目は既発の曲をこの当時固まっていた"新バックバンド"(後日SKUNKWORKSに発展)によって再演・再録したという趣き。ライヴの面白さは断然2枚目のほうが上。
次作の『SKUNKWORKS』は曲がいまいちだった。だが、演奏的にはそれほど悪くなかったことを本作を聴いて思う。
本ライヴでの演奏はどちらかというとHM起源の演奏ではなく、ヘヴィロックやオルタナティヴに影響を受けたものだ。だがそれがかえって曲に新しい生命を吹き込んだような気がする。同様な内容のCDが2枚で少々価格的に高めだが、買って損はなかったと思わせられた力作。


BRUCE DICKINSON - Balls to Picasso ★★ (2002-03-11 22:41:00)

'94年発表。ソロ2作目。
この人の場合何がえらいかって歌が上手いこともさることながら、格好良いフックやリフを"知っている"ということが偉い。従って本作も当然のことながら佳曲、名曲が多い。特にのけぞったのは⑤と⑨。⑤は引きずるように重いリフながらもキャッチー。⑨はとにかくリフが格好良い。しびれる。もちろん①や⑥、⑩も忘れてはならない。聴きどころ満載の名作。


SOUNDGARDEN - Louder Than Love ★★ (2002-03-09 21:46:00)

'89年発表。メジャーデヴュー作。
C3さんのリクエストにお答えして・・・。というわけではないが、SOUNDGARDENは優秀なHRバンドであった。サイケデリックな側面もたまに見せたりもしたが、彼等の根本にあったものはBLACK SABBATHでありLED ZEPPELINであった。「グランジ・オルタナ」バンドとして考えるのは誤りではないかと思う。
NIRVANAやPEARL JAMとひとくくりにして考えられることが多いかもしれないが、この3バンドのなかで純粋にグランジだといえるのはNIRVANAだけであろう。PEARL JAMはヘヴィ・ロックの中でもロックンロール寄りのバンド、そしてヘヴィメタル寄りだったのがSOUNDGARDENだったと解釈している。
さて、本作だが個人的に最も気に入っているのが③である。リフの格好よさもさることながら、スローテンポで重々しく始まりながら、徐々にテンポアップしていく楽曲構成は秀逸である。ただただ格好良い。


ROLLINS BAND - The End of Silence ★★ (2002-03-09 21:26:00)

'92年発表。もとBLACK FLAGのヴォーカリスト、ヘンリー=ロリンズが結成したニューバンドの記念すべき1st。
皆さんはどうしても暴れたくなったとき、聴くCDが決まっているだろうか?私は迷わずこれを聴く。ヘヴィでグルーヴィーで、ハード。ロリンズのヴォーカルは神がかりしているかのような錯覚さえ覚える。ド迫力。
バックを務めるメンバーはいずれも技巧派。ある種プログレッシヴともいえるプレイで、ヘヴィな楽曲を彼等独特のものにしている。
ヘンリー=ロリンズは俳優業もこなしている。映画『JM』(キアヌ=リーヴス主演。原作はウィリアム=ギブスンの『記憶屋ジョニィ』。原作は傑作だが映画は駄作だった)にスパイダー役(映画オリジナルキャラクター)で出演している。黒縁の眼鏡をかけた彼の姿は少しトホホだった。共演していたビートたけしの方がよほどクールだった。


THE MAD CAPSULE MARKET'S - The Mad Capsule Market's ★★ (2002-03-09 21:10:00)

'96年発表。ベストアルバム。ただし、リレコーデッドの。
彼らがヘヴィ・メタル寄りの作品を発表した直後に再録音されたベストなので、各楽曲のアレンジは徹頭徹尾ヘヴィでハードで場合によってはスラッシーですらある。
特に1曲目は『4 PLUGS』収録ヴァージョンがアップテンポのアレンジになっており、殺傷力が格段に増し目茶苦茶格好良い。
このベストの後、区切りをつけたようにヘヴィ・デジ・ロック路線に進んでしまったのは、個人的にはいかにも残念であった。


THE MAD CAPSULE MARKET'S - 4 Plugs ★★ (2002-03-09 20:58:00)

'96年発表。現在の彼らは知らないが、本作の彼らは日本がほこるヘヴィ・コア・バンドだった。スラッシュ・メタルに共通する切れ味の鋭いギターリフ、グネグネとグルーヴィーにうねりまくるベース、機械的に刻まれるドラム。
MINISTRYに代表される、スラッシュ起源のインダストリアル・ミュージックへの日本からの回答、といってよい彼等の音楽はこの当時抜群に格好良かった。歌詞も独特の世界観を提示しており、彼らが唯一無二の存在であることを強烈にアピールしている。
冒頭から3曲目までが超絶品。日本のバンドだ、デジロックバンドだなどの理由で未聴の方が居たらぜひ聴いてみてほしい。格好いいぜ。


THE BLACK CROWES - Lions ★★ (2002-03-04 23:24:00)

'01年発表。オリジナルアルバムとしては6作目。
ジミー=ペイジとの共演で得たものがどのように咀嚼され、自らの音楽に発露していくのか興味津々だった聴き手にとっては、いささか小粒の佳曲が集まった地味な出来だった。前スタジオ作で顕著だったダイナミズムは影をひそめ、ハードさも退行している。しかし、ある意味ゆったりとしたイメージがアルバム全体を支配しており、実はスケールの大きい作品であるとの評価も出来る。いずれにせよ、彼等の新境地を切り拓くパワーに溢れた作品であることには間違いない。
これを最終作にしないで欲しいと切望するものである。


THE BLACK CROWES - Amorica ★★ (2002-03-04 23:16:00)

'94年発表。3rd。
これを聴いて思った。2ndって目茶苦茶キャッチーだったんだな、と。
この3rdはかなり泥臭く、彼等の出てきたところ、出自を強烈にアピールしている。2ndほどひんぱんには聴かないけれど、やっぱり格好良い。ジャケットアートがちょっと下品。


THE BLACK CROWES - Live at the Greek ★★ (2002-03-04 23:11:00)

'00年発表。正確にはJIMMY PAGE&THE BLACK CROWES名義。
いやあ、選曲が渋い。「ZEPっていえば4枚目のA面までが好きですね」という人には少々きつい選曲かもしれないが、なかなか格好良い。クリスのVoも良い味出している。なんといっても各人が非常に気持ちよさそうにプレイしているのが最大の魅力。ああ。生で見たかった・・・


HUGHES TURNER PROJECT - Hughes Turner Project ★★ (2002-02-13 20:15:00)

祈、継続的活動。1プラス1で2以上のものが作り出されている。この2人には明らかにケミストリーが存在している。
音像はRAINBOWよりDP色の方が濃い。名作『BURN』の楽曲に用いられたフレーズがひょっこり顔を出すなど、思わずニヤリとさせられる。また、即効性で致死量のスピードナンバーの存在は大きい。痒いところに手が届くアルバムである。
興奮しすぎて何を書いているのかわからなくなってきたが、まだ聴いていない人は是非聴いてください。


MD.45 - The Craving ★★ (2002-01-22 22:46:00)

'96年発表。MEGADETHのデイヴ=ムステインと、知る人ぞ知るドリンキング・ビア・ハードコアバンドFEARのVoリー=ヴィングのプロジェクト。
正直なところ"MEGADETHのデイヴ"のギターを期待すると肩透かしをくらう。楽曲もHMというよりはハードコア。しかし、気持ちよくギターを弾いている姿が目に浮かぶデイヴのプレイはなかなか格好良い。単なるガス抜き以上のものを提供してくれている。
発表当時のインタヴューでVoのリーが「MD.45のこたあいいから、FEARの話をしようぜ!」的なのりでインタヴューに応じていたのが笑えた。全くしょうもない親父だ(笑)。


LOADED - Dark Days ★★ (2002-01-22 22:29:00)

2001年発表。元GN'Rのダフ=マッケイガンのバンドの1st。
スラッシュのバンドが体現したのがグルーヴィなROCKだとしたら、ダフが目指したのは突進するROCK。小気味良く繰り出される、PUNKやHARDCORE起源のスピーディーな楽曲は、ただただ気持ちが良い。
本人も自信作の1曲目「SEATTLEHEAD」はGN'R在籍時の狂騒を回顧。名曲。


SLASH'S SNAKEPIT - Ain't Life Grand ★★ (2002-01-22 22:21:00)

2000年の発表。SLASH'S SNAKEPITとしては2作目。
1stのあまりの地味さに本作もどうかと思ったが、バッチリ、スケールアップに成功。この手の音楽の中ではかなり格好良いことをやっている。
個人的には④と⑫が名曲。特に⑫の格好よさは只事ではない。次作ではもっとこういう曲を増やしてほしい。


ALICE COOPER - The Last Temptation ★★ (2002-01-14 20:59:00)

'94年発表。私が購入したのは「日本のみの生産限定スペシャル・パッケージ」というやつで、5曲入りライヴCD('91年のライヴ)とニール・ゲイマンのコミックが付いている。
売り文句に「巨大なコンセプト・アルバム」とあるように、本作は"見世物小屋"、"クリープショウ"をモチーフにしたコンセプト・アルバムである。ただ、作品のスケールは巨大でもなんでもなく、むしろ小粒だがなかなか良い曲がそろっている小曲集という趣き。
結構佳曲が並んでいるが、なかでも出色の出来なのは6曲目の「STOLEN PRAYER」。哀愁を帯びた曲調なのだが、徐々に盛り上がり感動的なラストに至るこの曲は名曲である。


KINGDOM COME - Kingdom Come ★★ (2002-01-14 16:18:00)

凄え!凄いよこれ。
これも最近中古盤屋で見つけて、先日はじめて聴いたんだけれど、いやあ・・・。
本作が出た当時、ゲイリー=ムーアとかオジーがさあ、"LED CLONES"って苛めてたり、バッシングも相当なものだったんだけれど・・・。こりゃ苛められるわ。まんまZEPだもの。これさ、「ZEPがHRにこだわって新作作りました」ってアナウンスされたら信じちゃうよ。俺。
特にびっくりしたのは6曲目。ははは。これ本当に「KASHMIR」そっくりだったのね・・・。
しかし。しかしである。ここまで歌い方も声質も似ていて、曲もいかにもZEPが今風(あくまでも発表当時'88年頃のという意味で)のHRをやったら、こんなふうだろうなと思わせるようなもので、しかも出来が良いのなら・・・。これはこれで凄いんじゃない?素直に「名盤だ!」と言い切れない部分があるのは事実だけれど、聴いて損はないね。というか聴いて良かったと思っているよ。今。
プラントさんも「歌い方パクリやがったな!」などと怒るよりは、「いやあ彼等のおかげで、またZEPが注目集めちゃったね・・・。ハハハ」とかなんとか笑いとばしていたら男を上げたんじゃないかね。だって、実際に俺、これ聴いている途中でZEPが聴きたくなって、引っ張り出したもの。CD。


DEEP PURPLE - Scandinavian Nights ★★ (2002-01-12 02:09:00)

'70年のスウェーデンはストックホルムでのライヴを収録したもの。マシーンヘッド発表前なので、Mk1の頃の曲やROLLING STONESのカヴァーなども演奏されている。しかし、どエライ迫力!インプロヴィゼーションの嵐!2枚組なのに収録されているのは7曲!(まあ、CDフル収録ではないけれど)
『LIVE IN JAPAN』は最高だけどさ、このライヴ盤もなかなか捨てがたい。荒削り、破天荒、みんな若えもんなあ!


DEEP PURPLE - Live at the California Jam ★★ (2002-01-12 01:59:00)

悪いが今回に限っては、このCDをお薦めできない。音、悪すぎんだろ!これ!
とはいうものの、もともとレコードにして売ることを前提としていないので、仕方がないと言えば仕方がないのである。トホホ。
リッチーがぶち切れてアンプまで燃やした"あのライヴ"ってところに価値を見出す他は、MkⅢのメンバーでの「SMOKE ON THE WATER」と「SPACE TRUCKIN'」が聴けるというのもまあ面白いところか・・・。でも、もし興味を持った人がいるなら、CDはやめて映像作品の方を買ってください。まだ売っているかどうか知らないけど・・・。


TREVOR RABIN - Can't Look Away ★★ (2002-01-12 01:46:00)

'89年発表。当時、同じ時期に発売されていたのがABWH(クリス=スクワイア抜きYES)の『ABWH』だった。『ABWH』の方は購入して、この『CAN'T LOOK AWAY』はレンタルで借り、テープに落として聴いていた。どちらが好きか?と訊かれると、うーん。迷うな。ただ、ポップ職人としてのトレヴァー=ラヴィンが堪能できるという意味で、本作は名作と言って良いだろう。
特に好きなのは⑥から⑧にかけて。特に⑧のサビはキャッチーでありながら哀愁も感じさせるという秀逸なもの。また、こういうソロ作品を作ってくれないかな。映画音楽もいいけどさ。
ちなみに、テープで聴いているのはもったいないので結局CDを買いなおしました。


GLENN HUGHES - Feel ★★ (2001-12-29 00:32:00)

'95年発表。ソロ復活後2作目。
これ、はっきり言ってHR/HMではありません。でも、何故かたまに無性に聴きたくなるんだよねえ。①と⑤が面白い。ソウルフルなロックを聴きたければ、是非。


BLUE MURDER - Nothin' But Trouble ★★ (2001-12-29 00:25:00)

'93年発表。2nd。
購入当初は、「随分ぬるいつくりだなー」と思った。1stに聴こえた独特の湿りや陰影が失せ、やたらと明るいつくりになっている気がした。
しかし、改めて聴き返してみると・・・。やっぱこれも名作だよ。③なんかサイクス節全開だし。⑦も良い。勢いのある①は勿論、Voを変えての⑥、それに⑨も名曲だろう。
こう考えると、本当にかえすがえすも惜しいな。2ndで空中分解してしまったのは。ドラムは上手い人なら誰でもいいから、トニー=フランクリンと再結成してくれないかな。BLUE MURDER。


U2 ★★ (2001-12-28 23:16:00)

「夜の火に照らされベドウィンが見える。
曙光に照らされ油田が見える。
オリーヴの葉を口にした鳩が降り立つ
洪水のひいた後は全ての色が鮮明だ」
U2はHRバンドか?
否。
しかし、ボノは現代最高の詩人の一人だ。
それは間違いない。


MR. BIG - Mr. Big ★★ (2001-12-28 00:31:00)

'80年代末期に誕生した"スーパーバンド"の中でも、最もテクニカルなプレイヤーが集まったのが、このMR.BIGだった。しかもブルースを基盤に置いたHRをやるという・・・。FREEのスーパーチャージャー・ヴァージョンか?一体どんなものを聴かせてくれるのだろうか?当時個人的に最も期待していたのが、このバンドだった。
しかし。どうもビリーが狙っていたものを他のメンバーが理解していなかったのではないか?そんな気がしてならない。勿論、個々の楽曲の出来は申し分ない。だが、正直なところ楽曲の基盤にあるのはあくまでもアメリカンなHRで、ブルースは軽く振られたコショー程度だったように思えてならないのだ。
このような個人的な肩透かし感を別にすると、本作は間違いなく傑作である。①、⑥、⑧、⑨、⑩は名曲。これを聴かずして死ぬなかれである。
ちなみに2nd以降はますますブルースっぽさが消え、私のこのバンドに対する思い入れも次第に薄れていってしまった。この1stが一番好きである。


BLUE MURDER - Blue Murder ★★ (2001-12-28 00:14:00)

'80年代末期に結成された3つの"スーパーバンド"のうちの一つがこのBLUE MURDERである。
HRのダイナミズムを、時にオリエンタルなフレーズや繊細なプレイをまじえながら表現したBADLANDSや、超絶技巧派集団がフックのある楽曲にこだわってアルバムを作るとどうなるか、というのを思い知らせてくれたMR.BIGの作品が逆立ちしてもかなわないのが、本作『BLUE MURDER』の完成度の高さであった。
とにかく楽曲が粒ぞろいで、しかもひたすらサイクスのギター、フランクリンのベースが気持ちいい作りとなっている。個人的には'80年代後半から現在に至るまでの間に発表された、全HRアルバムの中でも10本の指に数えられる傑作ではないかと思っている。
2ndも力作だったのに、活動が続かず消滅してしまったのはいかにも残念だ。


BADLANDS - Badlands ★★ (2001-12-27 23:59:00)

'80年代末期、スーパーグループと呼ばれるバンドが3つも誕生し、相次いで作品を発表した。そのうちの1つがこの『BADLANDS』である。
BADLANDSはOZZY OSBOURNEバンドにいたギタリスト、ジェイク=E=リーが結成したバンドで、ヴォーカルはBLACK SABBATHでも歌ったことのあるレイ=ギランだった。
他の2つの"スーパーバンド"と比較すると、メンバーがジェイク以外地味な感があり、またアルバムの内容も他の2つのものと較べると、荒削りすぎるきらいがある。しかし、その"荒削り"なところが大きな魅力であったことも事実で、発売当時はMR.BIGより良く聴いていた。稀代のリフ・メイカーである、ジェイクの才能が随所にギラリと光っており、HR特有のダイナミズムが思う存分味わえる好盤である。


DEEP PURPLE ★★ (2001-12-27 23:35:00)

私もDEEP PURPLEのファンをやっていて久しくなりますが、勿論柴が2匹さんのキャリアにはかないません。なにせ、同時代的に初めて聴いたDPのアルバムが、MkⅤの復活作『PERFECT STRANGERS』だったもんで。
そんな私は、柴が2匹さん分類ではどの辺に位置しているファンなのかというと、とりあえず「2」ですかねえ。MkⅠの頃のアルバムと、MkⅣのアルバムは1枚も持っていないしねえ。要するにリッチーが居て、しかも全盛期の頃の作品が好きなんですなあ。
しかし、「2」のファンも細分が可能で、「リッチーの存在が全てだ」というファンと、「実は他のメンバーにも好きなのが居るぞ」というファンの2つに細分できると思います。当然私は後者です。イアン=ギランが好きなんですね。
やはり、最も思い入れが深いのは、DPがHRマシーンに大化けしたMkⅡの頃です。で、この頃のDPのVIPはやっぱギランでしょ。彼のシャウトがなかったら、リッチーのDP改造計画も成功していなかったのではないでしょうか。
てなわけで、リッチー抜きのDPも(ゆるい作風とはいえ)喜んで聴いていたりするのでした。


STYX - Cornerstone ★★ (2001-12-16 22:38:00)

'79年発表。名曲「BABE」、「BOAT ON THE RIVER」を含む。アメリカン・プログレ・ハードものとしては、これが最後の作品であろう。本作の次に発表されたのが、爆発的なヒットとなった『PARADISE THEATER』だが、『PARADISE~』以降はコンセプト作は作ってもすでにプログレ・ハードではなくなっている。
同じアメリカン・プログレ・ハード・バンドであるKANSASも、プログレ・ハードからの転向を同じ時期に試みていたが、KANSASの方は上手くいかなかった。STYXは見事に成功したわけだが、それも束の間、ライヴ・アルバム『CAUGHT IN THE ACT』発表後、分裂・解散状態になってしまう。
'70年代の手法を用いて最高のものをつくりあげ、'80年代型STYX快進撃の布石としたという意味でも、本作の存在は大きい。
ただ、現時点でのKANSASとSTYXを比較してみてみると・・・。複雑なものを感じてしまうのも事実なのであった。


IRON MAIDEN - Live After Death ★★ (2001-12-16 22:20:00)

'85年発表。'85年3月のカリフォルニアでのショウを収録したもの。
実はメイデンにはまったのはこのアルバムからだった。リリース直後に購入したメタルの師である親友Kからダビングさせてもらい、繰り返し聴くうちに虜になっていった。というわけで、実はメイデンの全カタログ中でも、もっとも思い入れが深い作品である。メイデンにはライヴ・アルバムが多いが、その中でも一番のものは?と訊かれれば、ちょっと迷ってこれを推す(ドニントンのライヴも音質に問題はあるが捨てがたいのだ)。
でもなあ。俺が持っているのはCD1枚になっている昔のやつなんだよねえ。だからCD屋に行く度、凄い迷う。2枚組新ヴァージョンのものを買おうかどうか。しかし追加収録されたCD2の楽曲は昔テープに落として聴きまくっていたわけだから、内容は知っているし・・・。
というわけで、いまだにCD1枚のものをたまーに聴いているわけなのでした。


WARRANT - Dog Eat Dog ★★ (2001-12-16 22:01:00)

3rdアルバム。ファンの間では評価が低いのだろうか?やたらと中古盤屋で目にするし。
俺は1stとこれしか聴いていないのだけれど、個人的にはかなり好きな作品。彼等一流のキャッチーさを残しつつも、ストロングスタイルの侠気溢れる格好良いHRに仕上がっている。バラードも織り込みつつ全体の構成に気を使っており、特に後半部分での緊張感は何度聴いても感心させられる。
素直な気持ちで評価を下せば、"名盤"だと思う。


VOIVOD - Nothingface ★★ (2001-12-07 23:20:00)

'89年の作品。これでVOIVODは化けた。3曲目にPINK FLOYDの「ASTRONOMY DOMINE」のカヴァーを配すことで、自らの目指すところを強烈にアピールしている。プログレッシヴで、テクニカルで、妙な具合にポップで、スラッシーなサウンドがここに誕生した。
この作品と、『ANGEL RAT』、『THE OUTER LIMITS』の3作品ははっきり言ってがっちりと独自の世界を築き上げており、傑作と言いきれよう。


THE CULT - Sonic Temple ★★ (2001-12-07 23:07:00)

実は売っちまっただよ・・・。中古盤屋に・・・。仕事がら自費で資料を買ったりすることが多くて、金にちょっと困ってついつい・・・。魔がさしたっつーか、他に売っておくべきCDがあっただろうと思うんだけどね。
売っておいてなんだけど、良いアルバムです。どこかちょっと湿った、なんか少し屈折した、それでも爽快で痛快なHRが聴けるアルバム。だった・・・。
他に売った後ですげえ後悔したのがもう1枚ある。THE CULTと畑は全く違うけど、REVERENDっていうバンド(METAL CHURCHのVoだった人が作ったバンド)の『PRAY GOD』というアルバム。曲名は忘れたんだけど1曲すげえ格好良い曲があったんだよなあ。なんで売っちゃうかねえ、我ながら。全く。


PINK FLOYD - Delicate Sound of Thunder ★★ (2001-12-02 06:58:00)

'88年発表の2枚組ライヴ盤。もうアルバムのアートワークと、タイトルだけで十分名作の域に達していると思う。内容は『A MOMENTARY LAPSE OF REASON』発表後のライヴなので、1枚目はほとんど『A MOMENTARY~』からの曲で構成されている。2枚目は「吹けよ風、呼べよ嵐」で始まり、「RUN LIKE HELL」で幕を閉じる。その間は往年の名曲が6曲。当時はライヴ・ヴァージョンのベスト盤として活用していた。
PFはロジャー=ウォーターズ脱退以降の活動については、思想的・イデオロギー的に死んだ脱殻のような存在との指摘もされたが、このライヴ盤を聴いているとそんなことはどうでも良くなってくる。PFが同時代的なバンドとしてしっかり生きていることを実感させてくれる。
しかし気になるのは邦題。『光』って・・・。見たまんまだろう、そりゃ・・・。確か『THE DIVISION BELL』にも『対』とかつけていたな。・・・良かった、『P・U・L・S・E』が『点・滅』とかつけられないで・・・。


SINNER - The Best of Sinner -noise Years- ★★ (2001-12-01 02:39:00)

'94年発売の日本独自編集ベスト盤。
古い曲の中にはギターの音がモヤモヤして少しイライラするものもあるが、それを除けばスピーディーかつメロディックな正統派HMのオンパレードだ。ひたすら気持ちいいぞ。


SAXON - Killing Ground ★★ (2001-12-01 02:29:00)

ははは。実は俺もこのアルバムは予約して買った。同時購入はGRAVE DIGGERの新作。HIGASHIさんの言うとおり、『UNLEASHED THE BEAST』と比較するとほんの少しインパクトに欠けるか・・・。
しかし、個人的にはもう全然OK。名盤として愛聴させてもらう。GRAVE DIGGERのところでも述べたが、なんせこういうHMは貴重である。朱鷺を保護するのと同程度の注意をはらわないと絶滅するのではないかとも思う。
ちなみにアルバムのアートワークにとりあげられたのは、サットン・フーの墳墓から出土した兜。墳墓に葬られたのは7世紀のアングル人の王とのこと。なんせ"SAXON"だから。


W.A.S.P. - WASP ★★ (2001-12-01 01:24:00)

'84年発表の1st。「人を見かけで判断しちゃいけません」というのが正しいことだとわかる良い見本。見かけはバッチくてお馬鹿だが、音は大層格好良いHR。今聴いてもほとんど古臭さを感じさせない。時代を感じさせないというのは名盤であることの証であると思う。どうせ聴くなら'98年に出されたリミックス盤を。「ANIMAL(FUCK LIKE A BEAST)」が1曲目に据えられ、他にボーナス曲2曲も入ってお得。


YES ★★ (2001-11-23 23:17:00)

『FRAGILE』と『CLOSE TO THE EDGE』を聴くといつも思うのだけれど、やっぱりYESの楽曲の背骨にあたる部分っていうのはクリス=スクワイアのベースなんだろうな。
「ROUNDABOUT」のベースプレイを初めて聴いたときは、そのメロディアスでスピード感のあるプレイに圧倒された。かと思えば「CLOSE TO THE EDGE」では、一聴するとものすごく単純なフレーズなんだけれど、ベースが他の全ての楽器(Voも含む)の音を繋ぎとめている。この曲は各プレイヤーの演奏のテンポが合わず、楽曲自体がバラバラに崩壊してしまうのではないかという危機感を感じさせるのが凄くスリリングで魅力的。最初に聴いた時はこのような曲が存在すること自体が信じられなかった。
しかし、このようなクリスのベースプレイを際立たせているのは、やはりあくの強い他のメンバーの存在であることも事実。特に、唯一無二の"天上の声"の持ち主であるジョン=アンダーソンの存在は、YESの楽曲の持つ特異性を一層強くアピールする。
最近ではもうかっての(黄金期の)エキサイトメントは望めないけれど、それでも質の高いYESサウンドを構築しているのはさすがといえる。形骸化した等との声も聴こえるが、YESの先にも後にも似たようなことをやって成功したバンドがないことを考えると・・・。やっぱり現在進行形で目が離せないバンドである。


YES - Magnification ★★ (2001-11-23 20:13:00)

2001年発表。
オーケストラとの共演ということなのだが、そのオーケストラが完全にキーボードの替わりとして機能させられているという点が、いかにもYES。そしてとても痛快。
聴いて笑いが止まらなかった。3曲目が特に好き。


DIO - Strange Highways ★★ (2001-11-23 20:01:00)

'93年発表。Gがトレイシー=Gに変わり、DIOらしからぬモダン・ヘヴィネス路線に転向したという点で、本作を嫌っている人は多いと思う。確かに全盛期の作品と比較すると内容に厳しさを感じるが、個人的には1曲目がKING CRIMSONの「21st CENTURY SCHIZOID MAN」に似ている点を除けば、実は復活作の『MAGICA』より好き。


PINK FLOYD - Animals ★★ (2001-11-23 19:44:00)

「よぉ、豚の旦那。あんたちょっと妙な感じだな」
工場の上に浮かぶ巨大な豚もシュール。
プログレッシヴ・ロックと聞くと、「技巧派が揃って難解な音楽をやっている」というふうに思われる方もいるかもしれない。しかしPFを聴けば、構成が複雑ではなく、テクニカルであることを全面に出さなくとも"プログレッシヴ"にロックしていることを思い知らされる。
脳の深奥に直結し、自身の内面から人類全体の集合無意識の海へと飛び込んでいくような、遊離感と感覚の跳躍を喚起する音楽がここにある。


PINK FLOYD - P·u·l·s·e ★★ (2001-11-23 19:23:00)

'95年発表のライヴ盤。2枚組なのだが、本作の売りはなんといっても『THE DARK SIDE OF THE MOON』がライヴ・ヴァージョンで完全収録(DISK2)されていることである。
ちなみに1枚目は、比較的新しい曲の中に代表曲がちらほら見えるという構成なのだが、その中に「ASTRONOMY DOMINE」が・・・。シド=バレット作のこの曲、好きなのだが結構怖かったりする。
いずれにせよ、PFの魅力を堪能できる作品。パッケージに点滅するLEDが付いているのはご愛嬌。私は速攻で電池を抜き取った。


MEGADETH - Peace Sells... But Who's Buying? - Wake Up Dead ★★★ (2001-10-08 23:26:42)

「起きたら死体!、起きたら死体!」
死んでいたら目が覚めないんじゃないの?なんていうツッコミは野暮。
とにかく格好良い。こんな格好良い曲そう無いよ!


MANOWAR - Louder Than Hell ★★ (2001-10-08 23:20:00)

その昔はまるでパロディーバンドのような扱いをされ、笑われていたこともあったっけ。
でも理屈ぬきで、本当に「これぞMETAL」でしょう。彼らの存在は。
MANOWARのアルバムはどれを聴いても格好良いけど、'96年発表の本作が個人的には一番気に入っている。
今一番新譜を待ち望んでいるバンド。早く出ないかな。


KANSAS - Live at the Whisky ★★ (2001-10-08 23:11:00)

'94年発表。ライヴ盤。
当然、曲目などは名ライヴ盤『TWO FOR THE SHOW』とだぶる物が多く、往年のオリジナルメンバー達の名演と比較すると、若干見劣りがすることもしょうがないことだろう。
だがしかし。本アルバム発表当時のKANSASは、「おいおい、まだいたのかよ」とでも言われるような存在であった。バンドのキャリアは死んだと思われ、正真正銘のダイナソーバンドと思われていた。
そんな中、個人的にはリリースして活動状況を知らせてくれただけでも非常に嬉しかった一枚。
当時は現在のような状況など、夢に見ることすら叶わなかった。本当に。夢のようだよ今は。


KANSAS - Always Never the Same ★★ (2001-10-08 22:55:00)

'98年発表。
オリジナルメンバー再集結の契機となった作品。であるとともに、ロンドン・シンフォニー・オーケストラと共演を果たした企画盤。
もともとメンバーにヴァイオリニストを含んでいるぐらいだから、楽曲自体のオーケストラとの相性が良いのは言うまでもないこと。
カヴァー曲を含む名曲の数々がスケール感を増して楽しめるという、ただただ幸福な一枚。


BLUE OYSTER CULT - Extraterrestrial Live ★★ (2001-10-08 22:45:00)

'82年発表。ライヴ盤としては3枚目・・・だっけ?
『FIRE OF UNKNOWN ORIGIN』発表後のライヴなので、「BURNIN' FOR YOU」を含む名曲の数々が聴けます。
初期の頃の楽曲も代表的なものはおさえてあるし、下手なベスト盤(また、BOCには下手なベスト盤多いんだよ・・・。いや。持ってるんだけどさ・・・。『CAREER OF EVIL』・・・)を買うよりよっぽど良いでしょう。
楽曲自体も初期の頃のものは、オリジナル収録を聴くと少しテンポが遅かったりするけど、ライヴではややアップテンポで演奏にも熱が入っているので格好よさが増しています。例えば「DOMINANCE AND SUBMISSION」とか。
鉛筆によるジャケットアートも、BOCワールドの魅力を余さず表現。いやあ。たまらんです。


BLUE OYSTER CULT - Heaven Forbid ★★ (2001-10-08 10:22:00)

'98年発表。
BOCの最盛期('70年代中ごろから'80年代初頭までか?)のアルバムというのは、それぞれが一つの時代をつくり上げてきた重みをもつ。だが「全曲捨て曲なし」と言い切れるような作品は意外と少ないように思う。
'90年代も終わりに発表された本作は、"アルバム単位"で見たときに実は最も完成度が高いような気がする。スピード感溢れるハードな楽曲が満載。短めの収録時間もGOOD。ベテランがくりだした渾身の一撃。傑作。


SAXON - Unleash the Beast ★★ (2001-10-08 10:08:00)

まったくそのとおり。HIGASHIさんの意見を全面的に支持します。
過剰なまでにヘヴィなもの、徹底的にダークなもの、激烈にハードなものもいいけれど、やっぱりどうしても"普通の"HR/HMが聴きたくなったとき、その飢えを満たしてくれるのが本作のような作品。
HR/HMの空洞化も極限まで進み、何が核であったかを忘れてしまいそうな昨今。SAXONのようなバンドが現役で"コア"を示してくれたのが嬉しい一枚。
ちなみに僕はキャッチーな「MINISTRY OF FOOLS」も大好きです。


RUSH - Hemispheres ★★ (2001-09-25 17:43:00)

'78年発表。7作目。
傑作『2112』で花ひらいた大作志向も、本作において極まった。
1曲目「CYGNUS X-1 BOOKⅡ HEMISPHERES」は約18分、6部構成の大作。前作に収録された「CYGNUS X-1」の続編である。
白鳥座Ⅹー1と名づけられているブラックホールへ突入したロシナンテ号だが、その探索の旅の目的は実は・・・。ぜひ、訳詩とともに聴いて欲しい。プログレッシヴかつハードな楽曲が紡ぐ物語は、宇宙の神秘にとどまらず人間の精神世界までも言及している。まぎれもなく'70年代後半のHRシーンが到達した最高峰といえよう。
本作の"売り"は1曲目だけではない。
続く2曲のコンパクトな楽曲は、彼等独特のポップセンスが堪能できる名曲である。それはあきらかに次作における大ブレイクを予兆するものだ。
加えて最終曲(4曲目)は「YYZ」と双璧をなすインストゥルメンタルの傑作である。
プログレッシヴ・ハードロックバンドとしてのRUSHを堪能したければ、本作をお薦めする。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday - The Magician's Birthday ★★ (2001-09-23 22:58:01)

アルバムのタイトルトラック。展開が少しプログレッシヴなドラマティックな楽曲。
途中の「ハッピーバースデイ トゥー ユー」のくだりがお茶目。


BLUE OYSTER CULT - Curse of the Hidden Mirror ★★ (2001-09-23 22:47:00)

2001年発表。
前作はBOCの世紀末ヴァージョンだった。音づくりは新しく若々しさに満ちており、それでいてBOCらしさを濃厚に主張した名作であった。
そして、本作である。てっきり前作と同じ路線を行くのかと思いきや・・・。少し戻りましたね。'70年代に。一歩進んで二歩下がるというか・・・。下手すると『IMAGINOS』より雰囲気が古いぞ。しかもちょっと地味だ。
でもこれで良いのだと思う。
'70年代のHRが好きな人は是非、聴いてみて欲しい。少し泥臭くてちょっぴりキャッチーで、ガツンとハードなHRが聴けます。いや、今時のギタリストでこんな風にソロを弾いている人いないよね。早弾きなのに味があるという。
傑作ではないんだけれど、好きな人にはたまらないという作品です。オカルト路線のジャケットも秀逸。彼らにはこのままAC/DCのような存在を目指して頑張ってもらいたいな。


STONE TEMPLE PILOTS - Shangri‐La Dee Da ★★ (2001-09-23 22:27:00)

2001年発表。5作目。
ここ日本では、彼らの一般的な認識としては"グランジの残党"ぐらいにしか思われていないのではなかろうか。しかしそれは必ずしも誤りではないが、大正解というわけでもない。
「単なるロックバンド」それが彼らだと思う。しかも極上のキャッチーなフックをもつHRを聴かせてくれるバンド。
彼らを"純正"なHR・HMバンドとは認めない人も多いだろう。確かに、彼らの全楽曲がHR・HMにカテゴライズできるかと聞かれれば、「否」と答えるべきだと思う。しかし、全体の少なくとも半分弱はHRの方法論が用いられているし、出来がいい。「グランジだから」と聴かないでいるのは損というものだ。
さて、本作は久々に良好な制作環境の元でつくられており、全体を包む明るいトーンが何とも微笑ましい。①から④まではキャッチーなHRで、流れのテンポも良い。また、彼らの魅力の一つでもある抒情的な楽曲としては⑦が挙げられよう。
ここ3作のうちではベストである。『PURPLE』と同等(質感は異なるが)の名作と言って良いと思う。


RUSH - Grace Under Pressure ★★ (2001-09-23 22:07:00)

'84年発表。12作目。
前作『SIGNALS』を契機としたテクニカル・ハード・ポップ路線が、更に発展した作風となっている。ただ本作の特徴はそれだけにとどまらない。全体的なトーンが暗いのだ。それはグランジロックなどに見られた内省的なものではなく、宇宙の深淵をのぞき込む時に感じる戦慄に似たものといえる。
そうした音づくりはもちろん詩世界と連動している。1曲目「DISTANT EARLY WARNING」(彼方なる叡智が教えるもの)が本作の表現するものを代表している。
他にも3曲目「RED SECTOR A」は"警鐘"ともいえる詩世界が展開しており、緊張感溢れるメロディとスピード感は本作でも随一である。
本作はRUSHの全カタログ中でも異色作として位置づけられようが、彼ら独自のポップ感覚の切れ味はますます冴えわたり、プログレッシヴかつハードポップなHRの名盤であることは疑いない。


RUSH - Signals ★★ (2001-09-23 21:43:00)

'82年発表。11作目。
全体的な方向性としては、前作『MOVING PICTURES』の延長線上に位置づけられる。ただし前作がまだ'70年代HRの余韻(の中でも極上な物)を感じさせたのに対し、本作ではシンセサイザーの大幅な導入により、より現代的な(といっても'80年代前半に特徴的なアプローチではあるのだが)作風に"進化"している。
楽曲はゲディのベースラインとシンセがメロディの主体となっている。アレックスのギターは本作ではやや地味だが、ソロパートでは実験的かつ激しいプレイが聴ける。
加えてニールのドラミングは、コンパクトかつ幾分キャッチーな楽曲における変拍子の織り込み方が芸術の域に達した。
前作が'70年代に模索・獲得した方法論の集大成であったと共に、大作主義から楽曲のコンパクト化へのシフトチェンジが完了した分岐点となる作品であるとすれば、本作は'80年代におけるキャッチーかつメタリックな方向性への、真の意味での出発点となった作品として評価できよう。


KISS - Destroyer ★★ (2001-09-12 19:13:00)

中学生の頃、友人の兄貴からテープに落としてもらって聴きました。
"KISSって格好良いなあ。いずれ他のも聴いてみてえもんだ"と思い、成人してから『ROCK AND ROLL OVER』、『LOVEGUN』とメイクアップ時代の名盤と言われているやつを聴いてみました。
私個人としては、ダントツでこの『DESTROYER』が好きです。
本作はKISSの作品としてはかなり作りこまれており、メンバーもレコーディングはかなり辛かったみたいです。他の作品とは毛色が違いますが傑作です。


RUSH - A Farewell to Kings ★★ (2001-09-12 14:07:00)

'77年発表。6作目。
10分を超える大作2曲(②と⑥)を収録する本作は、『2112』で用いた方法論がさらに洗練されている。HR/HM然とした"音"は変わらないが、全ての曲において明らかに『2112』の楽曲より曲の持つ"フック"がレベルアップしている。
また、アレックスのギターは楽曲によってソロの印象がかなり異なる。1曲目のタイトル曲では、イントロがアコースティックギターでリリカルに始まるが、ソロパートはある意味凶暴とも言えるようなアグレッシヴさに満ちている。そうかと思えば、3曲目「CLOSER TO THE HEART」(嗚呼、永遠の名曲!)では美しく優しいメロディを奏でる・・・。
この他にも3人のプレイが絡み合い、壮麗な大伽藍を構築するような②や⑥は圧巻である。
特に⑥は白鳥座X-1(我々の銀河で代表的なブラックホール)に向かう宇宙船ロシナンテ号の物語であると同時に、人間の精神の深奥へと向かう旅について歌っている。歌詞の世界もますます広がりと深みを獲得したといえる。
個人的には③を収録しているというだけでも傑作中の傑作なのだが、RUSHに初めて触れようという人はまず『2112』を聴いてみてからの方が良いかもしれない。
・・・そして、ロシナンテ号の冒険は次作『HEMISPHERES』に続く・・・。


RUSH - 2112 ★★ (2001-09-09 23:51:00)

'76年発表。4作目。
20分を超える大作「2112」を収録。初期RUSHの代表作にして、傑作として数えられる一枚。
RUSHが最もHRバンド然としていた時期の作品で、ここでニール=パートの大作志向が大きな花を咲かせた(ニール加入後の2作目以降、組曲が収録されるようになっていた)。
「2112」は7部構成になっており、現在の文明が崩壊した後の西暦2112年にギターを再発見した一人の若者の物語を、スリリングな演奏と劇的な展開で表現した曲である。一つに統一された宗教の司祭達が支配する地球は、個々人の個性が抑圧され閉塞感で満ち満ちている。そんな世界の中で、若者は発見した美しい音色を出す楽器の素晴らしさを説くのだが・・・。
ぜひ訳詩を読みながら聴いてもらいたい。
2曲目以降はRUSHらしいひねりの利いた楽曲が並ぶ。まだ荒削りな面が多いが、彼等独特のポップセンスの萌芽が見られる佳曲が聴ける。


RUSH - Power Windows ★★ (2001-09-09 00:29:00)

'85年発表。13作目。
『SIGNALS』から推し進めてきた、テクニカル・ハード・ポップ路線を基軸とした上で、もっともHR然とした作風でつくられたのが本作である。当時はMTV全盛期でありHR/HMシーンも隆盛を誇っていたことが、作風に多少影響していると思われる。
1曲目「THE BIG MONEY」は、キャッチーな楽曲の中に3人のテクニカルなプレイが随所に見られる名曲。4曲目「MARATHON」は複雑なベースラインが耳を引くが、ポジティヴな歌詞の内容にも注目して欲しい。
①、③、④、⑧がこの頃のライヴの定番だったが、他の曲にも聴き所は多い。個人的にはRUSHのアルバムの中では最も好きなアルバムの一つである。
これからRUSHを聴こうという人には、本作と『MOVING PICTURES』をまずお薦めしたい(ライヴ盤も捨てがたいが・・・)。


RUSH - Presto ★★ (2001-09-09 00:03:00)

'89年発表。16作目。プロデュースはルパート=ハイン。
ウサギのジャケット・アートがなんともユーモラスな作品。音的には『HOLD YOUR FIRE』で完成された(テクニカル)ハードポップ路線に基軸を置いている。しかし、少し作風を変えてハードロック然とした部分が減少し、楽曲がよりシンプルかつコンパクトにまとめられている。
彼らの全カタログ中最もポップな一作と言えなくも無いが、基本的に彼らの場合、過去の自分達が習得して来た表現技法や方法論を無視することは無いので、本作もきっちりとHRの文法にのっとったつくりになっている。派手な部分、激しい部分を少し削ぎとり、各楽器の有機的な作用を重視したつくりとでも言えばよいだろうか。
個人的にはアルバムタイトル曲の6曲目「PRESTO」と、続く7曲目「SUPERCONDUCTOR」、10曲目「HAND OVER FIST」が気に入っている。
6曲目はアコースティックギターの音色が優しい気分にさせてくれる佳曲。7曲目は本作品中で最もハード。欲を言えばアレックスのギターソロをもっと聴かせて欲しくなる曲だが、この躍動感は見事。
本作をRUSHを初めて聴こうとする人には薦めないが、作品全体に満ちた"優しい雰囲気"は一聴の価値があると思う。
高度な技術は見せびらかすためにあるのではなく、自らの表現したいものを十二分に現すためにのみ存在しているのだ。ということを教えてくれる作品。


VINCE NEIL - Exposed ★★ (2001-09-08 00:15:00)

'93年発表。1stソロアルバム。
電撃的な解雇の後、心機一転し思い切りきらびやかなアルバムを作った。相棒に選ばれたのはスティーヴ=スティーヴンス。
どの曲も聴き応えが十分だが、特に①のもつ疾走感と、⑨のもつキャッチーなところが気に入っている(⑨はトミー=ショウとジャック=ブレイズが提供している)。
この路線でソロ作を重ねてくれるのなら、モトリーに戻れなくてもいいや。と私は思っていたのだが、続く2ndは新機軸を打ち出したものの消化不良をおこし、中途半端な作品となってしまった。もちろんこの時点でスティーヴはいない。
結局、紆余曲折の末ヴィンスは元のさやに収まったわけだが、モトリーの『NEW TATTOO』は、この1stソロ作と較べても小粒な楽曲が多く、ヴィンスが今後いかにはじけることができるかが、モトリーの命運を決めるのではないかと思う。


MOTLEY CRUE - Shout at the Devil ★★ (2001-09-07 23:55:00)

'83年発表。2ndアルバム。
個人的には、このアルバムに出会ってなければHR/HMを聴いていなかっただろうというほど、自分の中ではDPの『FIREBALL』、IRON MAIDENの『LIVE AFTER DEATH』と共に最も重要なアルバム。
とにかくリフが良い。「SHOUT AT THE DEVIL」にしろ、「LOOKS THAT KILL」にしろ20年に1度生まれるかどうかの格好良いリフが刻まれている。
アルバムの構成としてはアナログのB面にあたるところで若干だれるが、それでも先に述べた2曲以外に「BASTARD」、「RED HOT」、「DANGER」などの佳曲があり、全体的には充実しているといえよう。
演奏面ではまだ初々しさが残るが、この作品から彼等の快進撃が始まったといえよう。バンドの歴史のみならずHR/HMの歴史の中でも名を残す、一里塚的なアルバム。


DIAMOND HEAD - Singles ★★ (2001-09-07 23:36:00)

'92年発売。日本編集盤。
オリジナル・アルバムではないので、ちょっと反則かもしれないけれど紹介させてもらいたい。本アルバムは、伊藤政則氏が監修した『NWOBHM貴重盤コレクション』の中の一枚である。
『SINGLES』という題名が指すとおり、本アルバムはシングルで発表された楽曲を集めたもので、ベスト盤といって良いものだ。
DIAMOND HEADというとMETALLICAがカヴァーすることで注目を集め、再評価されたバンドであるが、NWOBHMという大きなムーヴメントの中で誕生し、その一翼として活躍したにも関わらず、成功には恵まれなかった悲運のバンドとしても知られている。
本アルバムは彼らの息吹をNWOBHM勃興当時の空気とともにパッキングしてある。聴いていると、その当時の音楽シーンが持っていた独特の雰囲気が蘇るようだ。
METALLICAのカヴァー・ヴァージョンも良いが、オリジナルもヴォーカルの線の細さが気になるものの十分な破壊力を持つ。ぜひ一度聴いてみて欲しい。


PAUL RODGERS - Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters ★★ (2001-09-07 00:03:00)

'93年発表。言わずと知れた、マディ=ウォーターズに捧げられたトリビュートアルバム。
ポールの歌については、まあ上手いのは当然なのだが、それにも増してこの作品を凡百のトリビュート作品とは異なる特別なものにしているのは、ゲストギタリストの豪華さである。
BUDDY GUY、TREVOR RABIN、BRIAN SETZER、JEFF BECK、STEVE MILLER、DAVID GILMOUR、SLASH、GARY MOORE、BRIAN MAY、NEAL SCHON、RICHIE SAMBORA・・・。
この錚々たる顔ぶれ!全く信じられない。こんなことが出来るのもポールの人徳だろう。
ちなみに老婆心ながら、主なギタリストの所属(していた)バンドを列記すると、YES、PINK FLOYD、GUNS N' ROSES(SLASH'S SNAKEPIT)、QUEEN、JOURNEY、BON JOVIである。
いや、本当。凄い。鼻血が出そうです。


THE FIRM - Mean Business ★★ (2001-09-05 23:59:00)

'86年発表。2作目。
発表当時B誌のレヴューで69点をつけられていたっけ?音が凄まじくこもっていて、ちゃんとプロデュースしたのかとか言われていた。
ごもっとも。確かに音は良いとはいえない。
だが、やっぱりこのアルバムも私は大好きなのだ。
本作の特徴としては、トニー=フランクリンが大活躍している点を挙げられよう。さすがフレットレスベースの名手。いや、もうたまらん。
トニーは作曲面でも貢献しており、彼が書いた6曲目「DREAMING」が私にとっては本作のベストである。まさに夢の中を漂うかのようで、ジミーのソロと曲の後半にテンポアップするスリリングな展開も申し分無し。
1stと本作では、本作のほうが好きな曲が多い。やはりアルバム隋一のハードロック曲①、ウルトラヘヴィーブルーズの②、ちょっとAORな③と④、単純なリフが妙に格好良い⑤、先にも取り上げた幻想的な⑥、1stアルバムの最後の2曲もそうだったが、清々しくも感動的な⑦と⑧など・・・ってこれじゃ全曲だな。そう、アルバムまるごと好きなのだ。
客観的に見れば、本作も1st同様かなりの聴き込みを要するのかもしれない。しかし、もし私が死んだら棺に入れてもらう5枚のCDには本作と1stが入っているだろうし、無人島に持っていく10枚のCDの中にも間違いなく含まれているだろう。
ジミーさん。ライヴ、録音してあるんでしょう?ZEPの後でいいからTHE FIRMの未発表音源、リリースしませんか?


THE FIRM - The Firm ★★ (2001-09-05 23:34:00)

'85年発表。1作目。
ジミー=ペイジとポール=ロジャースが組んだ"スーパーバンド"。それがTHE FIRMである。
リズムセクションは、ベースをトニー=フランクリン、ドラムをクリス=スレイドが務める。そう、トニーは後にBLUE MURDERに、クリスはAC/DCに加入する。スーパーバンドという呼び名はともかく、実力派がそろったバンドであった。
しかし本作の内容はというと・・・。地味である。目茶苦茶、地に足をつけた音楽。華やかなところ煌びやかなところが一切無し。ブルーズベースのハードロックなのだが、LED ZEPPELINやBAD COMPANYと同等のものを期待すると見事な肩透かしをくらう。
でも、私はこのアルバムと次作が好きでしょうがないのである。
ジミーのつくるリフはなんか冴えないのだけれど、逆にそのもったりした雰囲気というか音が、たまらなく魅力的なのだ。そこにポールのどことなく虚空を移ろうような歌がのっかると、もういけない。
一聴しただけでは、とてもつまらない作品と思ってしまうかもしれない。だが、聴き込むほどに幽玄の美が感じられる。
個人的にはアルバム随一のハードロック曲である①、ほんわかした④、大昔のバンドのカバー⑥、霧の立ち込める湿原の上に星空が見え、ぽっかりと満月が浮かんでいるかのように清明で幻想的な(ってどういう例えだろ)⑧と⑨が好きだ。特に⑧と⑨の流れはいつ聴いても感動してしまう。


EMERSON, LAKE & PALMER - Pictures at an Exhibition ★★ (2001-09-05 23:02:00)

'72年発表。
クラッシックをあまり聴かない人でも、ムソルグスキーの『展覧会の絵』は聴いたことがあるのでは。その『展覧会の絵』を下敷きにしてライヴ録音で作成したのが本作。
はっきりいって、いっちゃってます。私達の知らない世界へ。
EL&Pはキーボードとベース(Voを兼任)、ドラムのスリーピースバンドなのだけれど、この3人の技術というか音楽的感性のぶつかり合いは、超新星爆発をエンドレスで見せられているような凄まじさ。野蛮。過激。クラッシックをモチーフにしていると聞いて、お上品な音を想像していると怪我しますぜ。
とにかく、もう存在自体が奇跡のような作品。圧倒されます。


DIO - Sacred Heart ★★ (2001-09-05 22:28:00)

'85年発表。3作目。このアルバムを最後に、ヴィヴィアン=キャンベルが脱退する。
DIOって、やっぱり1stと2ndが名作として揺るぎない評価を受けてるんだろうな。で、この3rdはちょっと地味な作品と考えられているのかも。
確かにスケールの大きさや荘厳さを感じさせるファンタジックな楽曲は、2曲目の「SACRED HEART」くらいなもんで、あとはややキャッチーで"小粒"な楽曲が並んでいる(1曲目を除く。この曲はDIOらしい、スピード感溢れ威厳を感じさせる名曲)。
ちょっと、歌詞が投げやりじゃない?という話も聞く。まあ「SHOOT SHOOT」なんかはサビの部分を訳すると「やめた、やめた!もう俺は知らん」ってな感じになるのかな。
だが、しかし。このアルバム、私は結構好きである。DIOのキャッチーでポップな面がいい感じで表現されているように思えるし、ヴィヴィアンのギターだって聴かせどころはきちんと押さえている。名作っていうことでいいんじゃないだろうか。これも。
ちなみに4曲目「ROCK'NROLL CHILDREN」は当時よくMTVでかかっていたし、5曲目の「HUNGRY FOR HEAVEN」も映画「ヴィジョン・クエスト」に使われたりして、結構知っている人は多いのではと思う。


BILLY SHEEHAN - Compression ★★ (2001-09-03 23:55:00)

2001年発表。1stソロアルバム。
これを出してくれたおかげで、もうMR.BIGには未練がなくなりました(MR.BIGファンの方々、御免なさい。でも俺だってMR.BIGのオリジナルアルバムは全て聴いたんだよ)。
"良い曲"を聴きたければMR.BIGを、ビリー=シーンのベースが聴きたければ本作を聴きましょう。歌心に触れたければMR.BIGを、ロックしたければ本作を、とも言っておきたい。
とにかくビリーのベースが耳に心地良いです。曲の出来は「よくできました」。結構いいです。だけどまだまだこんなもんじゃないでしょう。ビリーは。次作ではもっと派手に"ロック"してもらいたいと思います。
ヴォーカルはというと、これがまあ淡々としておりエリック=マーティンの正反対の方向に向かって爆走しています。だけど下手じゃありません。聴かせてくれます。
個人的には①、⑤、⑦、⑪が気に入ってます。特に5曲目の「CHAMELEON」はスティーヴ=ヴァイも参加しており、否が応でも盛り上がりますなあ。
スティーヴとビリーでアルバムを作ってくれないかね。新しいプロジェクトをとは言いません。お互いのソロに参加という形でいいから。


AC/DC - Fly on the Wall ★★ (2001-09-03 23:36:00)

'85年発表。通算・・・何作目だ?これ。
どうもAC/DCのアルバムの枚数って数えずらいよね。オーストラリア盤2枚が1枚に編集されてメジャーデヴュー盤になっているとか・・・。CD化されていないオーストラリア盤と『LIVE AT ATLANTIC STUDIO』を除くと11作目ですか?間違っていたら御免なさい。
このアルバム、世間的評価としては"地味"な1枚とされているのだろうか。あまり誉める言葉を聞かない。だがしかし、彼等のポップでキャッチーな面が嫌味なく出ており個人的にはお気に入りの1枚である。
1曲目「FLY ON THE WALL」、2曲目「SHAKE YOUR FOUNDATIONS」、4曲目「DANGER」、7曲目「STAND UP」」などが良い。


CINDERELLA - Night Songs ★★ (2001-09-02 17:18:00)

こういうのって、たまに無性に聴きたくなるよね。
BON JOVIの弟分なんだけど、音的には似ていない。1曲目は"どことなくAC/DCっぽいな"という印象を受けるミディアムテンポの曲だったりする。まあ、ヴォーカリストが金切り声だからそんな風に感じただけかも知れんけど。
世間的には3曲目の「NOBODY'S FOOL」が有名なんじゃなかろうか。この曲は当時MTVにかじりついていた人間なら、誰でも一度以上聴いていると思う。
今聴いても古臭い感じはせず、楽しく聴ける。いいバンドだったよね。いろいろ言われていたけど。


PEARL JAM - No Code ★★ (2001-09-02 00:57:00)

'96年発表。4作目。
PJの全カタログ中最も暗鬱で重い作品。
当時のバンドの内情(チケット・マスターとの抗争によりツアーが出来ない状況、メンバー間の人間関係の悪化)を反映したとも思われるような、閉塞感に満ちている。
音楽的方向性は完全に解体され、拡散している。自分達の持ち札をバラバラにし、それを床一面に並べて熟考しているかのような印象を受ける。二ール=ヤングのアルバムに参加した経験も、大きな影響を与えている。
しかし、結果的にPJはこのアルバムを制作することにより、脱皮し大きく空に羽ばたく事が可能となった。そういう意味では記念碑的、通過儀礼的な作品である。


PEARL JAM - Vitalogy ★★ (2001-09-02 00:41:00)

'94年発表。『生命学』と題された3作目。
前作でその兆しを見せた"解体"が一層進み、本作は恐ろしいほどヴァラエティーに富む内容を誇っている。しかし、その個性は失われず(逆により一層明らかなものとなり)アルバムは奇跡的な統一感を感じさせている。
「最終出口」と歌う1曲目「LAST EXIT」とそれに続く「SPIN THE BLACK CIRCLE」はザラリとした質感を持つハードな楽曲。その対極にあるのが5曲目の「NOTHINGMAN」や11曲目の「BETTER MAN」。この2曲は穏やかさ、明るさ、優しさが感じられる。
他の楽曲には実験的なものもあり、アルバムの初めから終わりまで飽きさせない。


PEARL JAM - Vs. ★★ (2001-09-02 00:21:00)

'93年発表。2作目。
前作と比較して、方向性がより普遍的なロックに歩み寄った。その作風はパンキッシュな一面や、アコースティックな一面も見せており、表現の幅は確実に広がっている。前者の代表が1曲目の「GO」であり、後者を代表するのが3曲目の「DAUGHTER」である。
個人的には本作はPJの全カタログ中、最も好きな曲が多いアルバムである。「GO」、「DAUGHTER」、「GLORIFIED G」、「DISSIDENT」、「REAVIEWMIRROR」がベスト。


PEARL JAM - Ten ★★ (2001-09-02 00:02:00)

'91年発表。1作目。
初めて聴いた時には、このアルバムが馬鹿みたいに売れている(アメリカでね)というのが納得できなかった。
だが、繰り返し聴くうちに「ああ。そうか」と思えてきた。
本作はPJの全カタログ中最もHR/HM寄りの作品である。名曲「EVEN FLOW」、「ALIVE」、「JEREMY」を含む。
彼らの音楽がもつ独特のうねりと浮遊感はもうこのころに完成されている。
2nd以降、彼らは様々な方向性を試しつつ(解体、拡散、再構築)、"等身大の音楽"を模索していくことになる。


PEARL JAM - Binaural ★★ (2001-09-01 23:41:00)

2000年発表。7作目(オリジナル・アルバムでは6作目)。
前作『YIELD』は癒しと復活の喜びを謳歌するものだった。その後の彼等が何処に向かっていくのか・・・。その答えがこの『BINAURAL』だ。
本作での彼等はあらゆる束縛から解放された姿を見せてくれている。表現されているのはロックの持つダイナミズムと、そして圧倒的な存在感だ。その"音"はただ魂を揺さぶるためだけに存在している。
本作の詩世界は暗い。しかし曲調はダークでヘヴィな現実に希望を見いだすかのように、どこかしら明るさを感じさせるものになっている。
「最終出口」はとうの昔に通過してきた。だが、その先は行き止まりではなかった。
本作を聴いていると思い出す光景がある。
数年前、琵琶湖に行った時だ。その日は曇っており、私は岸辺でぼんやりと湖面と雪の残る山々を眺めていた。
すると不意に景色が明るくなった。空一面を覆っている雲から一条の光が湖面に射し込んだのだ。
どんなことにも終わりはあるし、どんな時でも救いの手はさしのべられている。
「NOTHING AS IT SEEMS」と「THIN AIR」を聴いていると、理由も無くそう思えてくる。


KISS - Crazy Nights ★★ (2001-09-01 17:39:00)

同感。
タイトル曲は高校時代コピーしましたなあ。


PEARL JAM - Yield ★★ (2001-09-01 10:37:00)

'98年発表。5作目。
暗鬱で痛々しかった前作『NO CODE』を経て、穏やかな日差しに身を包まれたような、どこか安らぎに満ちた本作が発表された。
本作のテーマは、「癒された傷」だと思う。完全に消えたわけではない傷跡を眺め、ちょっと微笑んでみせる。そんな作品。
全曲、どれも味わい深い。パンキッシュで勢いのある①はPJの十八番。2ndの「GO」や3rdの「SPIN THE BLACK CIRCLE」などと同系統に位置付けられる。そう、決して"牙"や"棘"は失っていない。では、"安らぎに満ちた"とはどういう意味か?
その答えは④と⑤にある。
壮大なイメージを喚起し、救済者の存在を暗示する「GIVEN TO FLY」、ちょっぴり屈折したユーモアを織り込みながら、限りなく優しく歌う「WISHLIST」。
この2曲を聴いてみて欲しい。
聴き終えた時に、少し微笑んでいる自分がいるはずだ。


THE BLACK CROWES - The Southern Harmony and Musical Companion ★★ (2001-09-01 00:12:00)

'92年発表。BLACK CROWESの評価を決定的なものにした2作目。出世作といっていいだろう。
乾いた土埃のにおいがする、ブルージーで軽快なロック。
この作品はアップテンポな①に始まり、グルーヴィーな②、ゆったり、じっくりと聞かせる④、カントリー調の⑥などバラエティーに富んでおり飽きさせない。
仕事から帰り、ネクタイを緩めてウィスキーを口に含むには絶好のBGMになる。そんなアルバム。


THE BLACK CROWES - By Your Side ★★ (2001-08-31 23:56:00)

1曲目「GO FASTER」で、いきなりノリのいい軽快なロックンロールが爆走する。続く「KICKIN' MY HEART AROUND」で完全にノックアウトされ、気づくとあっという間に全曲を聴き終えている。そういう作品。
'99年発表のこの5作目は、彼らのカタログの中でも最もハードでファストな1枚だと思う。
こういう作品に出会えるから、ロックを聴いていて良かったと思うんだよね。
憂鬱な月曜日の朝、気合を入れて仕事にすっとんでいくのに最適な1枚。意味もなく踊りたくなった時もどうぞ。即効性だよ。


OUTRAGE - Life Until Deaf ★★ (2001-08-31 23:44:00)

'95年発表。7作目。
実は、"日本産HMバンドも捨てたものではない"と本気で思ったのはこのアルバムに出会ったからだ。自分の中に無意識のうちに育っていた、日本産HMバンドに対する偏見を完全に払拭してくれた作品。
全篇、硬質なHM。特に好きなのは冒頭の「MEGALOMANIA」、6曲目「ECHO」、8曲目「YOU SUCK」など。
当時、"ギターをザクザクいわせながら疾走するHM"に飢えていた私にとって、このアルバムは旱魃の最中の慈雨のようだった。
OUTRAGEは、現在(2001年8月)Voが脱退したまま3人編成で活動しているが、どうか頑張ってもらいたいと思う。このバンドは日本が世界に誇れるバンドだ。


KING CRIMSON - Discipline ★★ (2001-08-29 22:22:00)

メタルクリムゾンが好きだ。だが、このアルバムも好きだったりする。
『RED』からガラリと雰囲気を変えた本作の特徴は、神経症的に細かいピッキングでプレイされるギターにある。「ミニマム・リフ・クリムゾン」と勝手に呼ばせてもらっている。
'81年の発表当時は「これはクリムゾンとは言えない」とかいう意見もあり、クリムゾンの復活が諸手を挙げて歓迎されたわけではなかったらしい。
が、しかし。これはまぎれもなく彼らにしかできない音楽である。個人的には①、②、⑤が気に入っている。
本作は続く『BEAT』、『THREE OF A PERFECT PAIR』
とともに3部作を構成しているが、俺が思うに3部作というよりは"『Discipline』のボーナストラックでもう2枚アルバムをつくりましたってなところだと思う。
あとの2枚はともかく(といいつつ嫌いではないんだけどね)、本作は間違いなく傑作だと思う。


FAITH NO MORE - King for a Day… Fool for a Lifetime ★★ (2001-08-28 23:44:00)

バラエティに富みポップな面もみせた前作からうってかわって、本作の彼らはかなりダークで攻撃的だ。
1曲目「GET OUT」が強烈。あとは彼らの音楽に蹂躙されるのみ。


ANTHEM - Seven Hills ★★ (2001-08-28 23:01:00)

まず、何よりも疾走感。全篇に漲る緊張感。
シングルカットされた①の出来がいいのは言うに及ばず、②から⑤にかけての畳み掛けるような流れは最高に気持ち良い。
圧巻なのは清水が書いた⑥。インストゥルメンタルなのだが、いやあ、この人たちは本当に上手い!曲調は異なるが思わずRUSHの「YYZ」を思い出してしまった。
しかし、本当に凄いのはここから。7曲目の「RUNNING BLOOD」。これは理屈抜きの名曲。なにより歌詞がいい。これは個人的アンセムとしたい。へこんだ時に聴くと元気が出るぞ。これは。この⑦以降はバラエティに富んだ楽曲が次から次へと繰り出され、本当に圧倒される。
坂本英三の魂のかけらを吐き出すような熱唱が見事。清水のギターも気持ちいい。リズムからソロから変幻自在。そしてボトムを支える二人は職人芸の域に達している。
柴田さん。あなたは日本のスティーヴ=ハリスだ(と勝手に呼ばせてもらう)。


KING CRIMSON - Vrooom ★★ (2001-08-09 22:50:00)

'94年発表。
「メタル・クリムゾン復活か」と期待をあおりつつ、「しかしエイドリアン=ブリューがいるぞ・・・」と一部で"実はディシプリン・クリムゾンなのでは"と不安感もあおった(いや、逆に期待した人もいるかもしれんが・・・)後、満を持して発表されたミニ・アルバム。
発表当時、ダブル・トリオ編成が興味をかきたてた。「おいおい、ギターとベース(一方はスティック)とドラムが二人ずつ?どんな曲聴かせてくれんだよ!」とかなり興奮して聴いた覚えがある。
一聴した感じは特に奇抜ではないのだが、聴きこむうちに音とリズムの絡み合いを堪能できるという限りなく奥の深い作品。「VROOOM」のメタリックなうねりが耳に心地よい。
ちなみに、このミニ・アルバムの発展形が『Thrak』である。こちらも必聴。


ANTHEM - ANTHEM WAYS ★★ (2001-08-08 18:46:00)

ごめん。ベスト盤だけど紹介させてくれい。
本ベスト盤は、ANTHEMの名曲を10曲集めたものだが、そのうちの6曲をリテイク及びリミックス・ダウンしている。で、うち1曲では島紀史(CONCERTO MOON)がソロをとっている。
恥ずかしながら、ANTHEMってこれで初めて触れたんだけど、なかなかどうして、格好良いなあと思った次第ざんす。どうもJAPANESE METALのうち、日本語の歌詞で歌っているものは好きになれなかったのだが、このバンドの場合日本語詩のもつくささが適度な薬味となって、絶妙なんだよね。
『SEVEN HILLS』もトライしてみようかと思う。出来が良かったら紹介するぜ。


STEVE VAI - Alive in an Ultra World ★★ (2001-08-08 18:28:00)

凄い作品。
ツアーで訪れた様々な国にインスパイアされて作曲した曲を、ツアー中にライヴ録音したもの。
2枚組、全16曲(BONUS TRACK含む)。
もちろん日本にインスパイアされた曲もあります。路線的には『THE ULTRA ZONE』と似ているかな。聴いていると心が癒されます。
癒しを求めている人はぜひ。気持ちいいっすよ。


JEFF BECK - Blow by Blow ★★ (2001-07-16 18:54:00)

俺は「AIR BLOWER」が一番好きです。
本当に爽快で気持ちいいアルバム。


JEFF BECK - Who Else! ★★ (2001-07-16 18:40:00)

'99年発表。
とにかく冒頭の「WHAT MAMA SAID」に尽きると思う。格好良すぎるって。この曲。なんかコンピューターで色々いじくってそうだけど、いやはや・・・。おっさん、やるねえ。という感じ。②もデジタルな感じのなかなかの佳曲。と思うと③はしみじみと聴かせつつも鬼気迫るプレイが印象的なブルース。
他にも聴き所満載のこのアルバムは、個人的にはBLOW BY BLOWに肉薄する名作と言っていいと思う。


STEVE VAI - The Ultra Zone ★★ (2001-07-16 18:30:00)

高水準なギタープレイが厭味なく耳になじむ、非常に心地よい一枚。
これを聴いていると悟りがひらけそうな気がしてくる。
①はオリエンタルな雰囲気のヴォーカルがたまらない名曲。⑬では日本のB'Zが参加。
WHITESNAKEでの悪夢を、年老いた狸のようにいまだに執念深く忘れられないあなた。偏見をきれいに捨て、聴いてみましょう。おすすめです。ぜひぜひ。


IAN GILLAN - Toolbox ★★ (2001-07-16 00:36:00)

DEEP PURPLE(MARK Ⅴ)を解雇された後、イアン=ギランが発表した作品。'91年発表。
正直言って傑作。
このレベルのアルバムを出し続けてくれるのなら、ギランはもうDPに戻る必要は無いと思ったね。とにかくハード。とにかくシャウト。DP(MkⅡ)が好きな人、DPはギランだと思っている人。本作の存在をもちろん知っているよね?もし聴いていないなら即刻GETだ。損はさせないよ。


DEEP PURPLE - The House of Blue Light ★★ (2001-07-16 00:24:00)

DP再結成第2弾アルバム。
でも、このアルバムって一般的に評価が低いのだろうか。なんか方向性が定まっていないとかの批判も聞くし。
しかし。4曲目の「MAD DOG」はリフが痺れるように格好良い名曲だし、少し力を抜いた5曲目の「BLACK & WHITE」もクールだ。6曲目「HARD LOVI'N WOMAN」は、思わず聴きながら叫びそうになった。「やっぱ、ギラン。あんただよ。DPは」
忘れてはならないのは、10曲目の「DEAD OR ALIVE」。この曲も疾走する名曲。
以上4曲を収めた本アルバムは、捨て曲なしの傑作とは言わないが、十分名作だと思う。
ジャケットも綺麗だぞ。
ちなみに「HARD LOVI'N WOMAN」は、日本語訳されて宝塚で歌われていました。職場の先輩(女)が残業時間中かけていた宝塚に聞覚えのあるメロディーが・・・。
恐るべし宝塚。"ヅカ"をあなどってはならない。


NIRVANA - Nevermind ★★ (2001-07-08 18:55:00)

"彼"が死んだと知った時、「何故死ねるのだろう」と思った。ドラッグが彼を殺したのだが、愛する妻や娘に対する思いは、ドラッグなど凌駕すると私は思ったのだ。
だが、脳内に満ち満ちた唾棄すべき化学物質に死をほのめかされ、彼は逝ってしまった。それが現実だ。
本作はNIRVANAのメジャーデヴュー作にして最大のヒット作だ。1stはあまりにもダークで、かつ破滅的。ほとんど自慰行為に近い(それでも見るべき楽曲はあるのだが)。3rdは本作の成功で反動的に(必然的に)1stの世界観に半分戻ってしまった。NIRVANAの作品で、本作は一番とっつきやすい。
大ヒットしたのも当然だ。時流が鬱を求めていたし、比類なきポップセンスが破壊的にラウドなギターで表現されていたのだ。
耳になじむメロディーを持つハードな楽曲。歌詞はこの上なくダーク。'90年代初頭、皆が望んでいたものがこの上ない形で与えられた。
しかし、この作品が"彼"にドラッグを買う金を無尽蔵に与えたのも事実だ。金を出したのは誰だ?それだけでなく"彼"に人生を幸福に生きるうえで無用のプレッシャーを与えたのは?
・・・我々だ。我々が"彼"を殺したのだ。
本作を聴くと、どうしても"彼"に伝えたかった言葉を思わずにはいられない。
中島らも氏が(うろ覚えだが)こんなことを言っていた。人生には20年、もしくは30年に1回"生きていて良かった"と思う瞬間があるのだと。その一瞬のために生きているのだと。
妻子を得て私も思う。らもさんの言うとおりだぜ。カート。


RAINBOW - Finyl Vinyl ★★ (2001-07-06 22:06:00)

私がRAINBOWを聴いたのは、このアルバムが最初だった。
'86年発表の、ライヴや未発表曲を集めたアンソロジーだが、代表曲(とは言っても、ジョー=リン=ターナー在籍時の曲が主体)が収められており、てっとりばやくRAINBOWに触れるのに非常に重宝した。
1曲目「SPOTLIGHT KID」や2曲目「I SURRENDER」は、スタジオヴァージョンよりこちらのライヴヴァージョンの方が好きである。とにかくリッチーのギタープレイがよりラウドでアグレッシヴなのだ。
圧巻は8曲目の「DIFFICULT TO CURE」で、このライヴヴァージョンでは本物のオーケストラとの共演が聴ける。スリリングかつ感動的な演奏に強い衝撃を受けたことは今でも覚えている。
好企画盤であるとともに、私にとっては永遠の名盤だ。


DEEP PURPLE - Fireball ★★ (2001-07-06 18:54:00)

実は、DEEP PURPLEのアルバムにまともに接したのは、この『FIRE BALL』が最初であった。このアルバムと、MOTLEY CRUEの『SHOUT AT THE DEVIL』を聴いていなかったら、私はHR/HMの世界に足を踏み入れなかっただろう。
たっぷりある思い入れをちょっと脇に置き、幾分冷静になって紹介させてもらう。
DPのアルバムの中でこれほどバラエティに富むものはない。そう断言しよう。
軽快でポップなタイトル曲の①(この曲を聴いて一発でDPが好きになった)、ヘヴィかつキャッチィな②、ライヴでおなじみの③(ただし日本盤のみ)、なんとカントリーの④(佳曲。好きだ)、オリエンタルな⑤(『LIVE IN JAPAN』ではイアン=ペイスのドラムソロが組み込まれていた)、ドラマティックな⑥、ハードで少し実験的な⑦(ライヴで見たけど目茶苦茶格好良かった)というように、捨て曲一切なしの名盤である。
『IN ROCK』、『MACHINE HEAD』は聴いたけれど、まだこのアルバムに接していないそこのあなた、聴きなさい。個人的には『IN ROCK』、『FIREBALL』、『MACHINE HEAD』で三部作だと勝手に考えている(全然、冷静ではなかったね)。


D・A・D - No Fuel Left for the Pilgrims ★★ (2001-07-05 00:47:00)

デンマーク発、雑食性ロックバンドのメジャーデヴュー作。'89年発表。
とにかく、なんでもあり。ポップ、HR、HM、ハードコアなどを放り込んで煮詰めたスープをベースにして、妙に格好良い(中毒になる)ギターリフに甘いポップセンスをパラパラと振りかけて、はいお待ちどう様!という一枚。
まさに暗黒ディズニーランド。Voの声がGN'Rのアクセルに似ていると思ったのは俺だけか?同じ爬虫類系だと思うんだけど・・・。
AC/DC meets METALLICAな素直に格好良い作品。


MEGADETH - Risk ★★ (2001-07-03 16:57:00)

「問題作」と多分世間では言われているんだろう。
実際そうかもしれない。しかし、このアルバムで激変したわけでなく、『YOUTHANASIA』ですでにこの路線への変化は約束されていたのだと考える。
"MEGADETHをより多くのキッズたちに"これが本作のキーワードだ。
大衆に迎合した。ポップすぎるなど、批判的な意見もあるかもしれないが、俺はMEGADETHの全カタログ中最も"なごむ"一枚として本作を位置付けている。BGMにも使えるMEGADETH。いいじゃないの、一枚くらいこういうのがあっても。
個人的には③、④は素直に格好いいと思うし、⑤と⑦も好きだ。
俺は好きだよ。このアルバム。


STYX - Kilroy Was Here ★★ (2001-07-03 16:16:00)

実はなにを隠そうこのアルバムが、私が初めて購入した洋楽だった。
当時北海道に住んでいた私は、士別市から自宅のある旭川市に帰宅する途中、カーステレオから流れてきた一曲に耳を疑った。
「英語の曲なのに、日本語で歌っている・・・」そう。それが「MR.ROBOTO」だった。
前作『PARADISE THEATER』同様、本作もコンセプトアルバムであるが、正直言ってその"コンセプト"は「?」ものである。内容的にも前作には及んでいない。
だがしかし、このアルバムはバラードが充実しているのだ。少し明るめの③、切なく物悲しい⑥、暗から明、静から動への展開がたまらなく感動的な⑧など、タイプの違うバラードが3曲も収録されている。少しポップ過ぎるが・・・間違いなく本作も「名作」の名に値しよう。


KANSAS - Somewhere to Elsewhere ★★ (2001-07-03 15:59:00)

2000年発表。完全復活アルバム。ここでオリジナルメンバーが勢揃いした。
なにはともあれ1曲目の「Icarus Ⅱ」。このアルバムが持つ魅力の全てが、この一曲に集約されている。
「Icarus Ⅱ」は、3rdアルバム『MASQUE』に収録されている名曲「Icarus・Borne On Wings of Steel」の続編ともいうべき作品。一曲目にこれを配したのは、彼らの決意表明とも受け取れる。「これが俺達だ。俺達の音楽だ」
全体を通して聴くと少しおとなしい印象を受ける。しかし"美しさ"に着目すると、こんなに優雅で美しい作品は彼らの全カタログ中でも随一といえよう。名作。
ぜひ次作もこのメンバーで・・・


KANSAS - Freaks of Nature ★★ (2001-07-03 15:39:00)

'95年発表。プレ本格的復活アルバム。というのは、このアルバムで久しぶりにほぼオリジナルメンバーに近い編成になったからだ。音的にも'70年代の黄金期にぐっと近くなった。単に昔に戻っただけなのかって?違う。彼らは"彼らの音楽の本質"を取り戻したのだ。
1曲目はギターソロとヴァイオリンの応酬が爽快なファストナンバー。複雑な曲構成が自らの出自を強烈に主張している。個人的にはこの一曲でKOされた。
他にもヴァイオリンが美しく少し哀しい③(彼らのキャリアの中でも、5本の指に入る名曲と信じて疑わない)、ハードかつプログレッシヴな⑦など、名曲を多数含む。
自らの模倣ではない。原点回帰とはこういうアルバムを指すのだ。


KANSAS - Two for the Show ★★ (2001-07-03 15:20:00)

'78年発表の二枚組ライヴ盤(CDは一枚)。全米32位。プラチナムを獲得。
『LEFTOVERTURE』(全米5位)、『POINT OF KNOW RETURN』(全米4位)それぞれに伴うツアーで収録したものを編集した。
はっきりいってベスト選曲。演奏もライヴならではのグルーヴ感に満ちており、へたなベスト盤よりよっぽど内容が充実している(というより一緒にしては失礼)。
黄金期のKANSASを知るには絶好の一枚。傑作。