'97年発表。ロブ=ハルフォードにとっての『RESURRECTION』と同様の位置付けができると思う。いわゆる復活作である。ただ、ブルースの場合は決して駄作は発表してこなかったので、このアルバムでHMのフィールドに"帰ってきた"時には嬉しい反面「無念だったろうな・・・」と少し同情を覚えた。 しかしそれは余計なお世話だった。今のブルースはMAIDENにいることをこの上なく楽しんでいるようだし、HMが嫌になってMAIDENから抜けたのではないことが明白だ。 さて、本作である。徹頭徹尾HM。しかも相棒にエイドリアン=スミスを呼んでいる。鬼に金棒とは正にこのことだ。MAIDEN時代からこの2人が書いた曲はキャッチーでハードでスピーディーな名曲が多い。なかでも聴き所は6曲目の「ROAD TO HELL」。やった本人も「あまりにMAIDENっぽかったので収録するかどうか迷った」と言っていたが、こんな名曲を闇に葬り去るなどとんでもない話だ。収録して大正解である。
'00年発表。正確にはJIMMY PAGE&THE BLACK CROWES名義。 いやあ、選曲が渋い。「ZEPっていえば4枚目のA面までが好きですね」という人には少々きつい選曲かもしれないが、なかなか格好良い。クリスのVoも良い味出している。なんといっても各人が非常に気持ちよさそうにプレイしているのが最大の魅力。ああ。生で見たかった・・・
'70年のスウェーデンはストックホルムでのライヴを収録したもの。マシーンヘッド発表前なので、Mk1の頃の曲やROLLING STONESのカヴァーなども演奏されている。しかし、どエライ迫力!インプロヴィゼーションの嵐!2枚組なのに収録されているのは7曲!(まあ、CDフル収録ではないけれど) 『LIVE IN JAPAN』は最高だけどさ、このライヴ盤もなかなか捨てがたい。荒削り、破天荒、みんな若えもんなあ!
悪いが今回に限っては、このCDをお薦めできない。音、悪すぎんだろ!これ! とはいうものの、もともとレコードにして売ることを前提としていないので、仕方がないと言えば仕方がないのである。トホホ。 リッチーがぶち切れてアンプまで燃やした"あのライヴ"ってところに価値を見出す他は、MkⅢのメンバーでの「SMOKE ON THE WATER」と「SPACE TRUCKIN'」が聴けるというのもまあ面白いところか・・・。でも、もし興味を持った人がいるなら、CDはやめて映像作品の方を買ってください。まだ売っているかどうか知らないけど・・・。
'79年発表。名曲「BABE」、「BOAT ON THE RIVER」を含む。アメリカン・プログレ・ハードものとしては、これが最後の作品であろう。本作の次に発表されたのが、爆発的なヒットとなった『PARADISE THEATER』だが、『PARADISE~』以降はコンセプト作は作ってもすでにプログレ・ハードではなくなっている。 同じアメリカン・プログレ・ハード・バンドであるKANSASも、プログレ・ハードからの転向を同じ時期に試みていたが、KANSASの方は上手くいかなかった。STYXは見事に成功したわけだが、それも束の間、ライヴ・アルバム『CAUGHT IN THE ACT』発表後、分裂・解散状態になってしまう。 '70年代の手法を用いて最高のものをつくりあげ、'80年代型STYX快進撃の布石としたという意味でも、本作の存在は大きい。 ただ、現時点でのKANSASとSTYXを比較してみてみると・・・。複雑なものを感じてしまうのも事実なのであった。
'88年発表の2枚組ライヴ盤。もうアルバムのアートワークと、タイトルだけで十分名作の域に達していると思う。内容は『A MOMENTARY LAPSE OF REASON』発表後のライヴなので、1枚目はほとんど『A MOMENTARY~』からの曲で構成されている。2枚目は「吹けよ風、呼べよ嵐」で始まり、「RUN LIKE HELL」で幕を閉じる。その間は往年の名曲が6曲。当時はライヴ・ヴァージョンのベスト盤として活用していた。 PFはロジャー=ウォーターズ脱退以降の活動については、思想的・イデオロギー的に死んだ脱殻のような存在との指摘もされたが、このライヴ盤を聴いているとそんなことはどうでも良くなってくる。PFが同時代的なバンドとしてしっかり生きていることを実感させてくれる。 しかし気になるのは邦題。『光』って・・・。見たまんまだろう、そりゃ・・・。確か『THE DIVISION BELL』にも『対』とかつけていたな。・・・良かった、『P・U・L・S・E』が『点・滅』とかつけられないで・・・。
'84年発表の1st。「人を見かけで判断しちゃいけません」というのが正しいことだとわかる良い見本。見かけはバッチくてお馬鹿だが、音は大層格好良いHR。今聴いてもほとんど古臭さを感じさせない。時代を感じさせないというのは名盤であることの証であると思う。どうせ聴くなら'98年に出されたリミックス盤を。「ANIMAL(FUCK LIKE A BEAST)」が1曲目に据えられ、他にボーナス曲2曲も入ってお得。
『FRAGILE』と『CLOSE TO THE EDGE』を聴くといつも思うのだけれど、やっぱりYESの楽曲の背骨にあたる部分っていうのはクリス=スクワイアのベースなんだろうな。 「ROUNDABOUT」のベースプレイを初めて聴いたときは、そのメロディアスでスピード感のあるプレイに圧倒された。かと思えば「CLOSE TO THE EDGE」では、一聴するとものすごく単純なフレーズなんだけれど、ベースが他の全ての楽器(Voも含む)の音を繋ぎとめている。この曲は各プレイヤーの演奏のテンポが合わず、楽曲自体がバラバラに崩壊してしまうのではないかという危機感を感じさせるのが凄くスリリングで魅力的。最初に聴いた時はこのような曲が存在すること自体が信じられなかった。 しかし、このようなクリスのベースプレイを際立たせているのは、やはりあくの強い他のメンバーの存在であることも事実。特に、唯一無二の"天上の声"の持ち主であるジョン=アンダーソンの存在は、YESの楽曲の持つ特異性を一層強くアピールする。 最近ではもうかっての(黄金期の)エキサイトメントは望めないけれど、それでも質の高いYESサウンドを構築しているのはさすがといえる。形骸化した等との声も聴こえるが、YESの先にも後にも似たようなことをやって成功したバンドがないことを考えると・・・。やっぱり現在進行形で目が離せないバンドである。
'93年発表。Gがトレイシー=Gに変わり、DIOらしからぬモダン・ヘヴィネス路線に転向したという点で、本作を嫌っている人は多いと思う。確かに全盛期の作品と比較すると内容に厳しさを感じるが、個人的には1曲目がKING CRIMSONの「21st CENTURY SCHIZOID MAN」に似ている点を除けば、実は復活作の『MAGICA』より好き。
'95年発表のライヴ盤。2枚組なのだが、本作の売りはなんといっても『THE DARK SIDE OF THE MOON』がライヴ・ヴァージョンで完全収録(DISK2)されていることである。 ちなみに1枚目は、比較的新しい曲の中に代表曲がちらほら見えるという構成なのだが、その中に「ASTRONOMY DOMINE」が・・・。シド=バレット作のこの曲、好きなのだが結構怖かったりする。 いずれにせよ、PFの魅力を堪能できる作品。パッケージに点滅するLEDが付いているのはご愛嬌。私は速攻で電池を抜き取った。
'94年発表。ライヴ盤。 当然、曲目などは名ライヴ盤『TWO FOR THE SHOW』とだぶる物が多く、往年のオリジナルメンバー達の名演と比較すると、若干見劣りがすることもしょうがないことだろう。 だがしかし。本アルバム発表当時のKANSASは、「おいおい、まだいたのかよ」とでも言われるような存在であった。バンドのキャリアは死んだと思われ、正真正銘のダイナソーバンドと思われていた。 そんな中、個人的にはリリースして活動状況を知らせてくれただけでも非常に嬉しかった一枚。 当時は現在のような状況など、夢に見ることすら叶わなかった。本当に。夢のようだよ今は。
'82年発表。ライヴ盤としては3枚目・・・だっけ? 『FIRE OF UNKNOWN ORIGIN』発表後のライヴなので、「BURNIN' FOR YOU」を含む名曲の数々が聴けます。 初期の頃の楽曲も代表的なものはおさえてあるし、下手なベスト盤(また、BOCには下手なベスト盤多いんだよ・・・。いや。持ってるんだけどさ・・・。『CAREER OF EVIL』・・・)を買うよりよっぽど良いでしょう。 楽曲自体も初期の頃のものは、オリジナル収録を聴くと少しテンポが遅かったりするけど、ライヴではややアップテンポで演奏にも熱が入っているので格好よさが増しています。例えば「DOMINANCE AND SUBMISSION」とか。 鉛筆によるジャケットアートも、BOCワールドの魅力を余さず表現。いやあ。たまらんです。
中学生の頃、友人の兄貴からテープに落としてもらって聴きました。 "KISSって格好良いなあ。いずれ他のも聴いてみてえもんだ"と思い、成人してから『ROCK AND ROLL OVER』、『LOVEGUN』とメイクアップ時代の名盤と言われているやつを聴いてみました。 私個人としては、ダントツでこの『DESTROYER』が好きです。 本作はKISSの作品としてはかなり作りこまれており、メンバーもレコーディングはかなり辛かったみたいです。他の作品とは毛色が違いますが傑作です。
'77年発表。6作目。 10分を超える大作2曲(②と⑥)を収録する本作は、『2112』で用いた方法論がさらに洗練されている。HR/HM然とした"音"は変わらないが、全ての曲において明らかに『2112』の楽曲より曲の持つ"フック"がレベルアップしている。 また、アレックスのギターは楽曲によってソロの印象がかなり異なる。1曲目のタイトル曲では、イントロがアコースティックギターでリリカルに始まるが、ソロパートはある意味凶暴とも言えるようなアグレッシヴさに満ちている。そうかと思えば、3曲目「CLOSER TO THE HEART」(嗚呼、永遠の名曲!)では美しく優しいメロディを奏でる・・・。 この他にも3人のプレイが絡み合い、壮麗な大伽藍を構築するような②や⑥は圧巻である。 特に⑥は白鳥座X-1(我々の銀河で代表的なブラックホール)に向かう宇宙船ロシナンテ号の物語であると同時に、人間の精神の深奥へと向かう旅について歌っている。歌詞の世界もますます広がりと深みを獲得したといえる。 個人的には③を収録しているというだけでも傑作中の傑作なのだが、RUSHに初めて触れようという人はまず『2112』を聴いてみてからの方が良いかもしれない。 ・・・そして、ロシナンテ号の冒険は次作『HEMISPHERES』に続く・・・。
'83年発表。2ndアルバム。 個人的には、このアルバムに出会ってなければHR/HMを聴いていなかっただろうというほど、自分の中ではDPの『FIREBALL』、IRON MAIDENの『LIVE AFTER DEATH』と共に最も重要なアルバム。 とにかくリフが良い。「SHOUT AT THE DEVIL」にしろ、「LOOKS THAT KILL」にしろ20年に1度生まれるかどうかの格好良いリフが刻まれている。 アルバムの構成としてはアナログのB面にあたるところで若干だれるが、それでも先に述べた2曲以外に「BASTARD」、「RED HOT」、「DANGER」などの佳曲があり、全体的には充実しているといえよう。 演奏面ではまだ初々しさが残るが、この作品から彼等の快進撃が始まったといえよう。バンドの歴史のみならずHR/HMの歴史の中でも名を残す、一里塚的なアルバム。
'85年発表。通算・・・何作目だ?これ。 どうもAC/DCのアルバムの枚数って数えずらいよね。オーストラリア盤2枚が1枚に編集されてメジャーデヴュー盤になっているとか・・・。CD化されていないオーストラリア盤と『LIVE AT ATLANTIC STUDIO』を除くと11作目ですか?間違っていたら御免なさい。 このアルバム、世間的評価としては"地味"な1枚とされているのだろうか。あまり誉める言葉を聞かない。だがしかし、彼等のポップでキャッチーな面が嫌味なく出ており個人的にはお気に入りの1枚である。 1曲目「FLY ON THE WALL」、2曲目「SHAKE YOUR FOUNDATIONS」、4曲目「DANGER」、7曲目「STAND UP」」などが良い。
'94年発表。『生命学』と題された3作目。 前作でその兆しを見せた"解体"が一層進み、本作は恐ろしいほどヴァラエティーに富む内容を誇っている。しかし、その個性は失われず(逆により一層明らかなものとなり)アルバムは奇跡的な統一感を感じさせている。 「最終出口」と歌う1曲目「LAST EXIT」とそれに続く「SPIN THE BLACK CIRCLE」はザラリとした質感を持つハードな楽曲。その対極にあるのが5曲目の「NOTHINGMAN」や11曲目の「BETTER MAN」。この2曲は穏やかさ、明るさ、優しさが感じられる。 他の楽曲には実験的なものもあり、アルバムの初めから終わりまで飽きさせない。
'98年発表。5作目。 暗鬱で痛々しかった前作『NO CODE』を経て、穏やかな日差しに身を包まれたような、どこか安らぎに満ちた本作が発表された。 本作のテーマは、「癒された傷」だと思う。完全に消えたわけではない傷跡を眺め、ちょっと微笑んでみせる。そんな作品。 全曲、どれも味わい深い。パンキッシュで勢いのある①はPJの十八番。2ndの「GO」や3rdの「SPIN THE BLACK CIRCLE」などと同系統に位置付けられる。そう、決して"牙"や"棘"は失っていない。では、"安らぎに満ちた"とはどういう意味か? その答えは④と⑤にある。 壮大なイメージを喚起し、救済者の存在を暗示する「GIVEN TO FLY」、ちょっぴり屈折したユーモアを織り込みながら、限りなく優しく歌う「WISHLIST」。 この2曲を聴いてみて欲しい。 聴き終えた時に、少し微笑んでいる自分がいるはずだ。
'99年発表。 とにかく冒頭の「WHAT MAMA SAID」に尽きると思う。格好良すぎるって。この曲。なんかコンピューターで色々いじくってそうだけど、いやはや・・・。おっさん、やるねえ。という感じ。②もデジタルな感じのなかなかの佳曲。と思うと③はしみじみと聴かせつつも鬼気迫るプレイが印象的なブルース。 他にも聴き所満載のこのアルバムは、個人的にはBLOW BY BLOWに肉薄する名作と言っていいと思う。
DEEP PURPLE(MARK Ⅴ)を解雇された後、イアン=ギランが発表した作品。'91年発表。 正直言って傑作。 このレベルのアルバムを出し続けてくれるのなら、ギランはもうDPに戻る必要は無いと思ったね。とにかくハード。とにかくシャウト。DP(MkⅡ)が好きな人、DPはギランだと思っている人。本作の存在をもちろん知っているよね?もし聴いていないなら即刻GETだ。損はさせないよ。