94年の4th。ジェフ・ウォーターズがギターのみならず、ベースとヴォーカルも務め、 ランディ・ブラック(Dr)と2人でレコーディングしたアルバムです。 そのジェフのヴォーカルは太い声質でしっかりとしていて、リードヴォーカルとして充分安心して聴けますし、 個人的には、前作『SET THE WORLD ON FIRE』で歌っていたアーロン・ランドールよりも好みです。
さて、内容はといいますと、前作と同じく、スラッシュ的な要素はほとんど存在していなくて、 メロディアスさと抒情性を含んだ、幅広いタイプの楽曲を収録しています。 ②"King Of The Kill"・⑧"Second To None"・⑭"Fiasco"のようなスピードメタルがカッコよく、 ⑤"Only Be Lonely"や⑪"In The Blood"、⑫"Catch The Wind"などの哀愁チューンもイイですね。 ③"Annihilator"や⑥"21"のリフ、④"Bad Child"のメロディも素晴らしい。 ただ、上の皆さんがおっしゃるように、①"The Box"はちょっと残念ですが。 ジェフ・ウォーターズのセンス、実力を堪能できる、とても良いアルバムですよ。
91年発表の5th。これを最後にEUROPEは長い間、活動停止状態に入ります。 前作同様にハードポップ路線の作品ですが、音質が格段に向上し、 力強いリズム隊の音が支えていて、骨太な印象がありますね。 ①"All Or Nothing"・②"Halfway To Heaven"・③"I'll Cry For You"・④"Little Bit Of Lovin'と、 頭から明るくさわやかな良い曲を連発し、⑦"Prisoners In Paradise"や⑨"Homeland"などの バラードも素晴らしいし、締めの⑫"Girl From Lebanon"も良いですね。 何曲か中途半端な曲もあるものの、このように印象的な曲も多いので、前作よりも聴くことが多いです。 ただ、やはり中弛み感もあるので、曲数を絞ったらもっと良かったかなと思います。
1994年にリリースされたミニアルバムです。 "No Justice"・"Mandy"・"Hard To Love"のライヴヴァージョン、 "Honestly"と"Jealousy"のアコースティックヴァージョン、 "If There Was A Time"と"Something To Say"のエディットヴァージョンの全7曲収録。 ライヴは少々音がこもり気味だけど、やはりイイですね。特にピートのギタープレイが素晴らしい。 アコースティックアレンジも凄くマッチしてます。HAREM SCAREMの曲はアコギも良く似合う。 エディットヴァージョンはただギターソロを省略しているだけなので、オリジナルを知っている人には価値なし。 この2曲の代わりに、ライヴとアコースティックを1曲ずつ入れてくれたら、さらに良かったのにと思います。
こういうミニアルバムって、気軽に何度も聴けるし、なんだかとてもお得感があって好きです。 これと『LIVE IN JAPAN』とのカップリングで『LIVE ONES』としても売られているので、手にしてみて下さい。
エフェクト処理されたヴォーカルとパーカッションが印象的なアコースティックナンバー。 "Planet Caravan"を思わせますね。アルバムの中の、しばしの癒しタイム的な存在です。 歌詞の世界観も相まって、強い浮遊感がありますね。独特の雰囲気に包まれます。 「Lost in time I wonder will my ship be found.」の部分の哀メロが特に大好きです。
また,久々にメンバー揃ってのアルバム製作という事で,初期への回顧を意識している面も多々感じられます。 例えば、大胆なリズムチェンジをみせる①"End Of The Beginning"・②"God Is Dead?"や、 ジャジーでアコースティカルな④"Zeitgeist"、ブルージーでジャミング的な⑦"Damaged Soul"などは、 70年代のSABBATHの名作に含まれていた魅力的な要素を、顕著なかたちで表わしているように感じました。
5つ(6つ?)のパートで構成された大作。見事な起承転結を魅せるドラマティックナンバーです。 静かに始まり、"Wave"にて曲に動きが「起」き、ハードに跳ねるようなリズムで進み、 "Mad"に入った途端、急にテンポを落として雰囲気が変わりますが、 美しいリードギターを皮切りに再び元のリズムを継「承」し、 "The Opium Den"及び"The Slide"では、一「転」して静かに、女声による日本語も含むつぶやきが響き、 それから、ベースリフが始まって、段々と時間をかけて盛り上がっていってからまた静かに、 そして音が止まり"Standing In The Swing"に入ると、ピアノとヴォーカルで厳かに進み、 最後にバンド一体となった一番の盛り上がりを見せて「結」末へと雪崩れ込む。 …こんな感じでしょうか。12分越えという長さを感じさせない、素晴らしい曲です。
81年に行なわれたライヴを収録した、グレッグ・レイクのライヴアルバム。 グレッグがリズムギターとヴォーカルを務め、ゲイリー・ムーアをリードギタリストに、 さらに、トミー・アイアー(Key)やテッド・マッケンナ(dr)も含んだ、豪華なメンバーでのライヴです。 同年に発表されたソロアルバムからの曲がメインですが、それらの曲はどうももうひとつなので、 それより,ELPの"Fanfare For The Common Man"や"Lucky Man",ゲイリーの"Parisienne Walkways", KING CRIMSONの"21st Century Schizoid Man"・"In The Court Of The Crimson King"が聴き所。 グレッグのソロアルバムながらも、完全にゲイリーのギタープレイが主役ですね。 時にキーボードとユニゾンしながらも、ゲイリー節満開で弾きまくっています。
メロディアスで分かりやすいので、この曲はアルバムで最初に気に入りました。 ヴォーカルメロディ、ギターメロディ、ともにとても素直なメロディをもっています。 サビの「Alone again in the lap of luxury♪」は非常に切なくて印象的で、 強く頭に残り、気付いたらここの部分をついつい一人で歌い出しています。
1979年発表。1stから⑤"Alaska",⑥"Time To Kill",⑦"Presto Vivace",⑧"In The Dead Of Night"、 2ndから②"Rendezvous 6:02",③"Nothing To Lose",⑨"Caesar`s Palace Blues"、 新曲の①"Night After Night",④"As Long As You Want Me Here"を含む全9曲のライヴアルバム。 音がきれいに整えられていて、やたら綺麗なバッキングヴォーカルも入ってたりするので、 良くも悪くも、あまりライヴアルバムという雰囲気はしないですね。 まぁ、3人ともが安定感のある素晴らしいプレイをしているからこそともいえるでしょう。
1983年に発表された3rdで、大ヒットを記録したアルバム。 次作以降と比べると、まだ洗練度は高くないかもしれませんが、その代わりに、 ①"Rock!Rock!(Till You Drop)"・②"Photograph"に顕著なように、若さあふれる元気さ、 ③"Stagefright"のような、アグレッシヴで伝統的なHR/HMの要素が多いのではと思います。 他にも、④"Too Late For Love"や⑥"Foolin'"も非常に良いですね。 個人的には、良い曲とそれ以外の曲の差があるように感じられるので、 全体的な完成度では次作に劣るものの、LEPPSの魅力満載のアルバムだと思います。
前作『WEIGHT OF THE WORLD』は素晴らしい復活作でしたが、 それに続くこのアルバムは、物足りない部分もあるものの、なかなかの出来です。 3分台のごくごくシンプルな曲ばかりが並んでいて、覚えやすいものの、それぞれの曲の印象が薄いので、 メリハリがなく、垂れ流しとまでは言わないまでも、淡泊な感じは否めません。 どうしても、もう少しドラマティックに、ハードに、と求めてしまうのはHR/HMリスナーのサガでしょう。 ①"Reach"・⑩"Lost"のように、シリアスで熱いメロディをもっとフィーチュアしてくれたら嬉しいんだけどな。 とはいえ、メロディアスで聴きやすいアルバムであることは確かなので、安心して聴けますよ。