Thor - Only The Strong 全曲ミドルテンポの重厚でマッチョな漢メタルを聞かせてくれるバンドです。想像どおり、リーダーでヴォーカルのThorはボディ・ビルダーです。男の中の男になりたい人は是非聴いてみてください。楽曲の完成度は高く、キャッチーで耳に残りやすい、どこかイモ臭いB級ならでは世界を堪能できます。
Saint - Too Late For Living ヴォーカルがロブ・ハルフォードに声がそっくりなバンドです。ただし、中音域からちょっと上ぐらいまでしか音域がないので、あくまでも「声質」がそっくりだと思ったほうがいいです。強烈なハイトーン・スクリームを期待しないでください。一方でこのアルバムに関しては楽曲の完成度が非常に高く、プリーストのような音楽性の幅はないものの、とりあえず一枚の作品として面白く聞けます。1stがゴミのような作品だっただけにこの成長には驚きです(当然、とっくに消たバンドですが)。
Damien Thorne - The Sign Of The Jackal このバンドはかなり個性派だと思います。正当派らしいハイトーンの切り裂くようなヴォーカルの下をゴリゴリと蠢くのは、当時としてはやたらダウンチューニングなギター。リフもザクザクというよりは、ドロドロと不気味なリズムを引きずりながら疾走します。この妙な味は聴いてみないと分からないと思います。一部マニアのツボにヒットしたのか、一度も売れないまま今でも活動してます。
Heavy Load - Stronger Than Evil 知る人ぞ知る北欧メタルの元祖中の元祖です。北欧らしいコンセプトはあるものの、音のほうはNWOBHMに近いです。楽曲の完成度に比して、ヴォーカルやギター音のギコチない安っぽさがまたツボを刺激します。このチクハグさはなんとなくずっと聴いてると洗脳的です。僕には非常に馴染み深い作品でした。
Sanctuary - Refuge Dnied これもダウンチューニングなギターに、ハイトーンが乗っかるタイプのバンド。スラッシュとは言えない感じのリフだけど、突進力があって非常に痛快。荒っぽく攻撃的な正統派を聴きたい人にお勧め。ヴォーカルはクセのある超絶ハイトーンで、聴く人を選びますが、ハマると抜けられない味があります。僕は特にThe Third Warという曲がお気に入りで、何十回も聞いた記憶があります。
Helstar - A Distant Thunder ときどき休止しつつ、なんだかんだ今でも活動しているバンドです。このアルバム全体の完成度はちょっとアレですが、一曲だけWinds Of Warという終盤の一曲が物凄い名曲なんです。僕はこの一曲だけでも買った価値があったと思います。様式美的に緻密に構築された、壮大で劇的な正統派の作品です。