この曲を聴け!
netalさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 501-534
YES

MyPage

netalさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 501-534
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5
モバイル向きページ 


Tod Huetet Uebel - Malícia ★★★ (2015-11-15 10:42:16)

ポルトガルのブラックの1st。2015年。

①のイントロ、柔らかいポストロック風のギターから、Altar Of Plaguesの『Mammal』辺りに近い音楽性かと一瞬思ったが、
喉を枯らす様な金切声やドスの効いたがなり等を使いこなすヴォーカルや豪速ブラストが魅力のドラム等、全体的には彼らより暗黒性が更に強いアルバムである。
儚いメロディも僅かに混じる所があるものの、ポストロック的な幻想性よりかは、瘴気により蹂躙され、荒廃しきった世界を思わせており、
全体としては、ポストロック要素はブラックの放つ禍々しさを増強している要素として機能している印象。

その暗黒性だが、パンドラの匣が開いたが如き、圧倒的な禍々しさを湛えているのが素晴らしい。
方向性は違うが、DSOの『Paracletus』の様に、不条理な力が世界の破滅を齎す様を感じる。

ポストロックとブラックの融合は今や珍しくも何ともないが、今まで聴いてきた同種の作品の中ではトップクラスに好きな作品。
この手のブラックに暗黒性を求める人は是非。

気に入り度…94/100

おすすめ…Ⅰ(2曲目)


ULCERATE - Everything Is Fire ★★★ (2014-10-16 23:52:17)

デスメタリックな蠢く低音リフとブラック的なトレモロも交えた高音リフが主とするが、このリフ捌きが本当にえげつない。
自由自在に荒れ狂う様は、さながら人の統制に余る天変地異の蠢きのよう。
更に、単体でもえげつないリフがカオティックな展開とブルータルかつ手数の凄まじいドラムに乗って複雑に絡み合う様は圧巻で、
強大な外力により急速に変異していく生命体の如しである。
特にブラック的なフレーズの使い方が実に印象的で、不穏さは勿論デスメタルらしからぬ神秘さすらも漂わせている。

そういった意味でDeathspell Omegaに通ずるものがあるが、
ことリフ捌きに関して、4th以降のDSOを軽く凌駕しているはおろか、『Kénôse』にさえも匹敵する凄まじさである。
リフ捌きだけでなく、曲展開の方も混沌としていながら決して飽きさせず、凄まじいリフ捌きに対する違和感も無い。
人を選ぶアルバムではあろうが、個人的には芸術の域にまで昇華された、衝撃的なテクデスであると思う。

気に入り度…96/100

おすすめ…Drown Within


ULCERATE - Shrines of Paralysis ★★★ (2017-07-09 17:14:58)

5th。
赤と黒を基調としたジャケットから、勝手に2nd路線への回帰かと思ったが、
実際は難解で混沌を極め、神秘的ですらある雰囲気がより強くめていくという、リリースの度に生じている傾向は変わらず。
その様な要素とブルータリティとの両立の塩梅については、個人的に2nd程好きではないものの、Ulcerateにしかなし得ないリフ捌きの壮絶さについては全く問題無し。
他のアルバムに比してどれ位気に入るかは個人の趣向レヴェルである。

それにしてもこのバンド、アルバムを出す度に総ランタイムが長くなっているが、次は愈々1時間以上の作品を出してきたりするのだろうか…
毎回もの凄いが、そうなればどこまで壮絶なアルバムになるのか楽しみになる。

気に入り度…9.5/10

おすすめ…Shrines Of Paralysis


ULTHA - Converging Sins ★★ (2017-07-16 23:08:36)

ドイツのブラックメタルの2nd。

荘厳さを仄かに湛えつつ不穏な雰囲気を醸すトレモロを主体とするカスカディアンブラック。
カスカディアンの中でもAsh Borerの1stやLake Of Bloodの2ndに類似した暗黒性強めなスタイルであるが、
タイトで暗黒度の高い音像、僅かに掠れたがなり声、ヘヴィな刻みといった要素が目立ち、それらの先達よりも更にブラック由来の攻撃性や暗黒性を付加した感じである。
一方でアトモスフィア醸成というカスカディアンらしい所も抜かり無く、暗黒性を無駄にしない程度のいいバランスで、霊的存在を讃えるかの様なトレモロでも魅せてくれる。
カスカディアン好きはチェックしてみるとよいかも。

気に入り度…8.5/10

おすすめ…The Night Took Her Right Before My Eyes


ULVER - Bergtatt: Et eeventyr i 5 capitler (2012-06-26 20:53:45)

霧掛かった空気の様にぼやけた音像による幽玄で壮大な音が、時にゆったりと、時に荒々しく流れており、ブラックとフォークのエッセンスが程良く融合している。
森の暗澹たる美と同時に、そこで彷徨う人間の不穏な心境や自然の冷酷さをも感じるといった趣である。
不穏さといっても、禍々しさは殆ど無く、大自然に包まれるような癒し効果も人によってはあるかも。
また、まろやかなクリーンヴォーカルと硬質ながなり声の対比もそれに拍車を掛けている。
随所に入るアコギやフルート等の挿入部も巧く、
アルバムの丁度真ん中に当たる、③における少女が息を切らして森を彷徨うSEとピアノ等、リスナーのストーリーイメージを良く喚起する。

1stにして、フォークブラックの金字塔と言えるアルバム。

気に入り度…87/100

おすすめ…Caiptel Ⅰ: Troldskog Faren Vild


ULVER - Bergtatt: Et eeventyr i 5 capitler - Capitel I: I Troldskog faren vild ★★ (2012-10-08 11:30:10)

デスヴォイスも疾走もないが、むしろそれが雄大な情景を思い起こさせる。
彼らの素晴らしい描写力が感じられる曲。


ULVER - Bergtatt: Et eeventyr i 5 capitler - Capitel V: Bergtatt - ind i Fjeldkamrene ★★ (2012-11-25 15:29:48)

アコギパートが美しく、森の中に引き込まれるような感じを覚える。
疾走パートのメロディも中々良い。


ULVER - Kveldssanger (2012-07-19 18:54:10)

ブラックから離れ、今作はアコギ主体の完全なるフォークである。
暗いけれども穏やかな夜の森の中を歩いているような気持ちにさせてくれる。
Garmのヴォーカルも今回はクリーンのみで、登場瀕度は高くないが、やはり美しい。
クワイアみたいなパートなどは感動的だ。

おすすめ…Høyfjeldsbilde


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden ★★★ (2012-07-04 20:46:20)

タイトルは英語で「The Madrigal Of The Night - Eight Hymnes To The Wolf In Man」の意。

音質に癖のあるものが多いブラックメタルの中でも際立ったノイジーなギターが特徴。
しかしそれを除けば音の分離は悪くなく 、一つ一つのフレーズを聴きとる分には問題ない。
むしろそのノイジーさが、過ぎた激情に駆られた苦しみや狼の牙が今にも襲い掛かりそうな恐怖を感じさせ、この作品にとってある意味理想的な音像に貢献していると思う。

そしてこのノイジーさを乗り越えて聴けるメロディも極上。
激情や苦悩、狂気を象徴する寒々しいトレモロや刻みリフが実に壮絶である。
加えて残酷なまでの月夜の美しさを感じるフォーキッシュなメロディも時折飛び出し、堪らない。

激情のノイズと寒々しいメロディが壮絶に交錯し、聴き手の心身を削る名盤。
ノイジーな音質など知った事か、という人は是非。

気に入り度…95/100

おすすめ…I


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden - Hymn I: Of Wolf and Fear ★★★ (2012-10-09 19:16:52)

最初聴いた瞬間鳥肌が立った。
寒々しいトレモロメロディが素晴らしすぎる神曲。


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden - Hymn II: Of Wolf and the Devil ★★★ (2012-10-17 19:23:51)

アルバム中最もメロディが暗い曲。
イントロとアウトロの壮絶な三連刻みリフが残酷さを助長し、非常に気に入っている。


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden - Hymn III: Of Wolf and Hatred ★★ (2013-06-29 19:44:36)

寒々しさと荘厳さをも感じさせるリフが素晴らしい。


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden - Hymn VII: Of Wolf and Destiny ★★★ (2012-11-25 18:21:48)

アルバム中最もシンプルでプリミティヴらしい泣ける曲。
後半のリフは救い様のない者の悲哀めいたものを感じる。


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden - WOLF AND PASSION ★★ (2013-02-12 18:38:28)

イントロとアウトロの月明かりを想起させるフレーズが良い。


VEKTOR - Black Future ★★★ (2015-09-24 23:45:41)

このバンド、DestructionやVoivod等、スラッシュの中でも癖のあるバンドとよく比較されるようである。
成程、確かにリフの緻密さと複雑さ、リフ連打の猛烈さはかなりのもので、一聴強引に思えるような所も無くはない。

さて、このアルバムが素晴らしいのは、徒に手数を増やしているのではなく、それら全てがスラッシュ好きのツボを完璧に押さえている所で、
絶妙な刻みを巧みに絡めたリフの連打による快感には堪らないものがある。
更に、それと対照的に配置されたサイバネティックだったり、物悲しかったり、荘厳だったりする旋律も絶妙に用いられていて(トレモロ多めなのも個人的嗜好にマッチしている)、10分を超える長尺曲でも苦にさせないスリリングさもある。
要するに、リフ連打の齎す快感と精神が宇宙を旅しているかのような夢想的空間を味わえる、1枚で二度美味しいアルバム。

個人的には、スラッシュにおいてはSlayerの3rdやMetallicaの2ndに匹敵する位気に入った作品。
テクニカルスラッシュの頂点に位置する…というのは言い過ぎだろうか。

気に入り度…95/100

おすすめ…Accelerating Universe


VEKTOR - Outer Isolation ★★ (2016-07-23 23:03:12)

絶妙な刻みを巧みに絡めたリフとスペーシーな感触という、1stの軸をそのままに、よりコンパクト、アグレッシヴ、そしてソリッドになった印象の2nd。
それ故に、前作と比べるとやや曲の多様さや壮大さを欠くため、個人的には前作程好きではない。
しかしながら、テクニカルスラッシュとしての質は何ら問題の無いレヴェルで、前作同様、他では味わえない快感を味わえるアルバムである。

気に入り度…89/100

おすすめ…Tetrastructural Minds


VEKTOR - Terminal Redux ★★★ (2016-07-29 23:29:31)

まず、Vektorの要たる、絶妙な刻みを巧みに絡めたリフの連打が齎す快感は今作も健在で、それだけで大いに聴く価値有りである。
…というのに、叙情メロや荘厳なトレモロ、メロウなムードに乗せたクリーンヴォーカル等、多様なツールを的確に用いながら進行するという、
自分が1st『Black Future』で度肝を抜かれた部分までも強化されたのは実に嬉しい限り。
それらが創出するスリリングな曲展開は、星雲の如き華々しさを感じさせ、スラッシュを超えた壮大なる芸術の域に達したというのがこのアルバムの印象で、
アルバム全体のランタイムが73分強というのは必然。
個人的には、どんなメタラーにも薦めたいとまで思わせる、彼らのセンスが爆発しまくった珠玉の一枚。

気に入り度…98/100

おすすめ…Recharging The Void


VEMOD - Venter på stormene ★★ (2015-08-24 19:34:01)

ノルウェーのブラックの1st。

今年Alcest等が所属するレーベルProphecy Productionに加入したという事で、ポストロックやシューゲイザー色の強い作品かと思ったのだが、
オーロラのうねりを思わせる美麗さと北欧らしい冷気を伴ったノイジーなトレモロ、怒りや恨みを滲ませる低めのがなり声等、ブラック要素の強い作品である。
更に、一瞬静謐な星空を見せるような2.の中間部、瞑想により精神的に光に満ちた世界に到達したかのような3.の荘厳なチャーチオルガン等、
アンビエントも大体的に取り入れていて、幻想性を強めている。

リフレインを多用し、情景描写を重視した作品ではあるが、その手のブラックによくある様なぼやけたプロダクションではなく、北欧ブラックらしい耳障りさを残しているのも特徴。
Ulverの3rdにおける超絶なノイジーさが寧ろメロディの烈しさを引き立ている様に、それが寒々しさの演出という点でプラスに作用しており、
アトモスフィアをじっくり味わうよりかは、荒々しく変わるオーロラの夜空に圧倒される感触を受けた。
ノイジーさとアトモスフィアの両立という面で、激情が北欧ブラックの寒々しさに置き換わったDeafheavenとも言えるかもしれない。

普通のアトモスブラックに烈しさが無くて物足りないという人にお薦め。

気に入り度…84/100

おすすめ… Venter På Stormene


VULTURIUM MEMORIAE - Nato Per Ragioni Ignote ★★ (2015-11-20 22:53:40)

イタリアのアトモスフェリックドゥームの1st。2014年。

スローで単調なドラムと、ややノイジーで、儚く物悲しいドローン気味のギターによる、揺蕩うようなリフがほぼ全体を占めており、
全体を通してアンビエント/ドローン調に展開していくアトモスフェリックドゥーム。
一応、ベースがリフ的なフレーズを弾いたりしているが、
それでもなお余りにロック的なダイナミズムが無く、時間の概念が消え失せ、あらゆる事象の境界が消え失せた世界の様なものを連想した。
曲毎の違いが殆ど無く、「フォンフォン」とでも擬音付けられそうなサウンドを約43分に亘りほぼずっと聴かされる為、心を空にして聴くと少し癒される感じがしないでも無い。

しかし、一方では、④で清浄なクリーンギターの醸す清浄な雰囲気を絡めるなど、メロディの起伏はある程度用意されている。
その御蔭で、単なるヒーリングだけではなく、アルバム全体を通して飽きずに何とか聴けるようにはなっている。
その点、borisの『Flood』等とも似ている印象であり、また音楽性は違うが、Burzumの『Tomhet』等が聴ける人なら十分楽しめるアルバムだと思う。

気に入り度…81/100

おすすめ…選べない


VULTURIUM MEMORIAE - Nato Per Ragioni Ignote ★★ (2015-11-20 22:55:30)

なお、曲名はイタリア語で、
1. Fading Of Reason
2. Psychic Waves Of Consciousness
3. Mirage Through The Memories
4. Born Due To Unknown Reasons
5. Open Sky Greyness
6. Along The Farewell Horizon
と言う意味らしい。


WARNING(UK) - Watching From a Distance ★★ (2016-08-27 16:11:24)

一貫して悔恨と苦悩を滲ませるヴォーカルやメランコリックなギターを用い、兎に角メランコリックさを追求したエピックドゥーム。
リフレインが多く、展開も抑揚が乏しい為、アルバム全体約50分を通じてずっと似たような曲調であり、聴いているだけで生気が奪われていく。
ある意味、生半可なフューネラルドゥームよりも聴き通すのが辛い作品である(ドゥームにとっては、それも褒め言葉だが)。
My Dying Bride辺りが好きな方は聴いてみるとよいかも。

気に入り度…85/100

おすすめ…Watching From A Distance


WATAIN - Lawless Darkness ★★ (2014-08-20 23:36:11)

妖しくメロディックなブラックをベースに、スラッシーなリフの切れ味や疾走感、更にはロックンロール的なノリの良さをも取り入れたスタイル。
シンガロングやギターソロ等ブラックでは珍しい要素も多分に盛り込みながら、いずれの要素も打ち消しあう事無く聴かせる点が素晴らしい。
10曲73分と長めで冗長な所もあるが、押し並べてフレーズが良いが故にあまり気にならない。

ブラックとしても、様々なメタルの良い所を凝縮したエクストリームメタルとしても質が高いアルバムで、
ブラックの良さを殆ど消さずにキャッチーさと両立できている作品の好例になっている。
そういう意味では、スタイルは違うがKeep Of Kalessinの『Armada』等と同様、21世紀のブラック像の一つを示した作品と言っても過言ではないと思う。

気に入り度…85/100

おすすめ…Malfeitor


WEAKLING - Dead as Dreams ★★★ (2014-08-27 03:16:59)

陰鬱なアトモスフィアを色濃く纏ったブラックが基本にあるが、トレモロはもとより刻みリフやドゥーミーで引き摺る様なフレーズも上手く絡めて展開している印象。
一つ一つのフレーズのリフレインに過不足が無く、徐々に聴き手に情景を植え付けてから、曲展開でも揺さぶるという二重にリスナーの感性に強く訴えるものとなっている。
その御蔭もあり、5曲76分というかなり長尺でありながら、全く聴き飽きない。

ただ、どれだけ趣向を凝らしても陰鬱さや荒廃が常に根底にあって、決して甘い所を見せていない。
例えば、③や④にリズミカルに刻まれるリフが使われているが、旋律の性か、聴き手に高揚感を与えるどころか徐々に生気を奪っていく感じになっている。

そして、このアルバムのもう一つの大きな武器が随所に現れるメロディックな(勿論ネガティヴィティをもろに煽る)ギターワークである。
①の精神崩壊したかのようなギターソロ、②の寂寥感あるいは悪夢の始まりを予感させるメロディ…
いずれも実に素晴らしい。特に②のそれはメタル史上でも屈指の名旋律だと思う。

ちなみに、歌詞がネット含めどこにも載ってない、(私には)聴き取れないということだが、
Encyclopaedia Metallumによれば戦争関連とのこと(③の題名からしてそうなのだろう)。
確かに、罪無き人が殺し殺される恐怖や世界の荒廃といった情景が思い浮かべられる。
だとすれば、⑤のフィードバックの応酬を絡めたエンディングは、死者の怨念が生者を地獄へ引き摺り降ろすかのような感じであり、より恐ろしく感じる。

気に入り度…98/100

おすすめ…Disasters In The Sun


WIEGEDOOD - De Doden Hebben Het Goed ★★★ (2015-11-22 12:24:54)

ベルギーのブラックの1st。2015年。

激情的・叙情的なトレモロを只管掻き鳴らしつつ疾走するカスカディアンライクなブラック…なのだが、このアルバムはこの手の中でも扇情力がトップクラスではないだろうか。
この手合いのブラックはアトモスフィアの醸成に重きを置きすぎて柔らかくなりすぎる場合もあるが、このアルバムではそういった「甘さ」を一切感じさせない所が素晴らしい。
Altar Of Plagues等の様に曲の押し引きをはっきりさせる事は少なく、クリーンギター等による小休止も入ってたりするものの、全体を通して激情性を貫いている所が好印象。

ジャケットに不穏な曇天と強風に靡く草木が描かれているが、そういった大自然のダイナミズムを強烈に感じる作品であり、
個人的にはUlverの名盤『Nattens Madrigal』にも肉薄する激情を感じたものである。
激情性を剥き出しにしてくる辺り、カスカディアンブラック好きのみならず、ポストハードコアも好む人にも受け入れられそうである。

気に入り度…93/100

おすすめ…Svanesang


WIEGEDOOD - De Doden Hebben Het Goed ★★★ (2015-11-22 12:26:40)

なお、曲名の英訳は以下の通りだと思われる。
1. Swan song
2. Evil Blood
3. The Dead Do It Well
4. Going Under


WINTERSUN - Wintersun ★★ (2015-11-23 01:12:49)

個人的に流麗なメロディを前面に出すスタイルのメロデスやパワーメタル等が余り好きではないのだが、
ここまで圧倒的なテンションと流麗さを追及されると、もう素直に心震わせ、ヘドバンするしかない。
徹頭徹尾、猛吹雪も構わず猛然と進軍する戦士の世界である。
更に勇壮なコーラス等、フォーク/ヴァイキングパートも良いアクセントとなりつつ、どの要素も壮大な世界の構築に貢献している点も良い。

美麗なメロディや勇壮なメロディが激しくぶつかり合う、そんな音楽を求める人は是非。

気に入り度…89/100

おすすめ…Beautiful Death


Way to End - Desecrated Internal Journey (2013-07-06 00:50:38)

フランスのブラックの1st。2009年。

ブラストによる疾走を時折挟み、ミドル~スローで何かに取り憑かれたような少々トチ狂ったメロディを主体とするスタイル。
中音域のがなり声やグロウルもその雰囲気を盛り立てている。
そういった呪術的な雰囲気から、Deathspell Omegaと似ているという意見もある模様(今のところ自分はFas~を聞きかじった程度なので詳しくは言えないが)。
更に、精神を徐々に蝕むような雰囲気で通すかと思いきや、③のようにメロブラ顔負けの叙情的なトレモロやギターソロも大胆に用いられており、普通のブラックとしても中々に良質。
しかもその質が高いだけでなく不穏な雰囲気を殺していない点も良い。

おすすめ…At The Threshold


Way to End - Desecrated Internal Journey - At the Threshold ★★ (2013-08-19 22:58:01)

メランコリックで呪術的なトレモロリフが素晴らしい。
下手なメロブラよりもいいリフだと思う。


YES ★★ (2015-06-29 21:55:55)

『Close To The Edge』しか聴いていないプログレ初心者ですが、このアルバムだけで凄まじいインパクトを感じましたね…
「ベース=縁の下の力持ち」という式が全く当てはまらない多彩なベースプレイはしがないメタラーの耳にも残ります。
RIP


YES - Close to the Edge ★★ (2013-11-18 23:28:18)

たった3曲で37分という長さや芸術性などプログレお約束の要素を多分に含んではいるが、メロディは非常にキャッチーであり、過度な難解さや冗長さは殆ど感じられない。
更に凄いのが、バンドアンサンブルで各人が複雑なフレーズを、しかも独立気味に弾いているのに全体としてちゃんと調和がとれている。
どのパートも常に破綻させず事無く主張し続けられていて、ベースなどはもはやもう一つリフを弾いているんじゃないかと思う程。

個人的にプログレは、どちらかと言えばダークなものが好きという訳で、主観的には90点位に留まってしまう。
しかし完成度が非常に高いアルバムであり、プログレ史上最高傑作の一枚との呼び声にも納得である。

気に入り度…90/100

おすすめ…Close To The Edge


YES - Close to the Edge - Close to the Edge: I. The Solid Time of Change / II. Total Mass Retain / III. I Get Up I Get Down / IV. Seasons of Man ★★★ (2014-08-28 01:35:49)

ユートピア的な壮大な世界観を感じさせる名曲。
美しい光を想起させるチャーチオルガンの荘厳な響きを聴かせる第三部が特に圧巻である。
アルバム最大のハイライトだと思う。


セイコーマート (2015-12-15 19:47:18)

茨城県にある現職場の近くにあり、昼飯で時たま使います。
カツ丼がうまい。


人間椅子 - 黄金の夜明け ★★ (2014-04-08 23:15:03)

和風旋律をもフィーチャーしたサイケデリックでへヴィなリフと、何となく気怠いヴォーカルが印象的。
独特なおどろおどろしさ、不条理さ、そして退廃を演出し、何とも言えぬ淀んだ空気を感じさせる。
それだけでなく、スラッシーなリフや叙情的なアコギ等も良いアクセントとして働いていて、曲展開の方でも飽きさせない。
方言や和歌等を用いた、シニカルでユーモラスな歌詞も面白く、曲の雰囲気と相まって、何というか、耳で聴く怪談やブラックジョークの様である。

70年代のHR/HMやプログレ、そしてトラディショナルドゥームを和風に捻って再構築した作品とも言える、そんなアルバム。
個人的に、これらのジャンルに格別詳しくはないけれども、ドゥーミーな①③⑤⑦⑪は特に気にいったし、他の曲も中々の出来かと思った。

気に入り度…82/100

おすすめ…黄金の夜明け


鴉 - 影なる道背に光あればこそ (2012-10-18 20:56:56)

2009年発表のミニアルバム。

和風な哀愁感と妖しさを兼ね備えた独特のメロディが特徴で、時にジャジーなギターフレーズが飛び出すなどアルバムの中で色んな表情を見せてくれる。
時折飛び出すシャウトも感情表現に一役買っており、叙情性と激情のせめぎ合いを感じさせる。

おすすめ…爽鬱