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netalさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1-100

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netalさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1-100
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Ⅵ - De Praestigiis Angelorum ★★ (2015-11-19 20:18:34)

フランスのブラックの1st。
メンバー全員が、AntaeusやAosothといったフレンチブラックの大物に在籍中(していた)というバンド。

昨年面白いトレモロリフを次々と披露したThantifaxathと言うバンドが現れたが、このアルバムは、それを攻撃的にし、衝動性や破滅性を増した印象。
気持ち悪く音程が揺らぐカオティックなトレモロ連打を中心としつつ、キャッチーなリフや疾走感も用いており、陶酔性は比較的薄めである。
世界観の追求と言うよりかは、神にまつわる危うさや矛盾を弾劾するような哲学的・抽象的なフレンチブラックといったところで、
フレンチブラックにおいては、DSOの名曲『Mass Grave Aesthetics』に近いスタイルと言えると思う。

フレンチブラックとしては珍しいものではないものの、一つ一つのリフが充分な背徳性を纏っており、フレンチブラック好きは気に入るだろう。
バンドの遍歴に恥じぬアルバムである。

気に入り度…90/100

おすすめ… Il est trop tard pour rendre gloire. Ainsi la lumière sera changée en ombre de la mort.


Ⅵ - De Praestigiis Angelorum ★★ (2015-11-19 20:23:32)

なお、アルバムタイトルの英訳は「The Angels' Illusion」、曲のは
1. And in the dust of my death.
2. By the judgment caused by its poisons.
3. The earth will continue to burn.
4. Look at your bodies because it does not allow you to be buried them.
5. A place among the dead.
6. This is the man who does not take you as Lord.
7. It is too late to give glory. Thus light will be changed into the shadow of death.
8. No more member shall be made.
だろうか。


1349 - Beyond the Apocalypse ★★ (2013-11-22 21:24:53)

強烈なブラスト(音量のデカいスネアが凄い)を中心とした名手Frostの爆走ドラム、そして全てを薙ぎ倒すブルータルリフの両者共に素晴らしいファストブラック。
また、ファストブラックという事で邪悪なトレモロも多いが、一方でスラッシーな刻みやはっちゃけたような疾走感もある。
そういう意味ではファストブラックとしての無慈悲さは少な目で、ブラックの中ではキャッチーであるとさえいるが、
アルバムを通して聴くのに飽きさせないようになっていて、マイナスになるどころか良い意味での個性になっている。
②の猛烈で、キャッチーで、ヘドバンせざるを得ないリフ捌き等に代表されるように、
ファストブラックとしての無慈悲さを脇においても、エクストリームメタルとして十分なクオリティ。
勿論、ブラックとしての邪悪さや不穏さを湛えたパートのクオリティも十分である。⑤の不気味な3拍子リフ等、そういうパートでもしっかり楽しめる。

気に入り度…87/100

おすすめ…Perished In Pain


9MM PARABELLUM BULLET - Termination ★★ (2015-04-04 16:07:57)

縦横無尽に弾きまくるリードギターとハイテンションな疾走感、それに反するように懐メロで歌う脱力的ヴォーカルや一瞬の静寂など、
それらの要素を違和感なく纏め上げる力量は1stにして既に現状の最高傑作と言える出来。
個人的には、他の作品に比べて、特定の要素に特化しすぎてないからかと思うが、そういう所は何が正義か分からなくなった退廃の世紀末のようである。

また、アルバム全体の構成も良い。
色々なヴァリエーションの曲を散りばめていて全体を聴くのに飽きさせないし、
大局的には、疾走とキャッチーなメロディを主体とする前半、退廃と叙情を歌う後半と、ゆっくりと崩壊に向かう世界のよう。
そして最後に爆走曲で締め、世界の悲惨な末路を示すという、ストーリー的な感じである。

ポストハードコアをベースに、メタルや歌謡曲など色々と鍋に入れて煮込んだ結果、独自のロックができてしまった、闇鍋みたいなアルバム。
ありきたりなメロデス等々よりずっと面白い作品である。

気に入り度…82/100

おすすめ…Termination


9mm Parabellum Bullet - Termination ★★ (2015-04-04 16:07:57)

縦横無尽に弾きまくるリードギターとハイテンションな疾走感、それに反するように懐メロで歌う脱力的ヴォーカルや一瞬の静寂など、
それらの要素を違和感なく纏め上げる力量は1stにして既に現状の最高傑作と言える出来。
個人的には、他の作品に比べて、特定の要素に特化しすぎてないからかと思うが、そういう所は何が正義か分からなくなった退廃の世紀末のようである。

また、アルバム全体の構成も良い。
色々なヴァリエーションの曲を散りばめていて全体を聴くのに飽きさせないし、
大局的には、疾走とキャッチーなメロディを主体とする前半、退廃と叙情を歌う後半と、ゆっくりと崩壊に向かう世界のよう。
そして最後に爆走曲で締め、世界の悲惨な末路を示すという、ストーリー的な感じである。

ポストハードコアをベースに、メタルや歌謡曲など色々と鍋に入れて煮込んだ結果、独自のロックができてしまった、闇鍋みたいなアルバム。
ありきたりなメロデス等々よりずっと面白い作品である。

気に入り度…82/100

おすすめ…Termination


AGALLOCH ★★ (2012-07-08 15:09:25)

Ulverの1st、2nd辺りが好きな人は気に入ると思う。
Ulverに比べるとブラック色が薄く、アンビエント・フォーク要素が強い気がする。


AGALLOCH - Ashes Against the Grain ★★ (2012-05-16 17:27:55)

アメリカのフォーク/アトモスフェリックブラックメタルバンドの3rd。2006年。

様々なアレンジを効果的に用いて雄大ながらも侘しい雪原を忠実に描いた前作に比べ、今作はアレンジは控えめで、アコギと小曲のサンプル位である。
メタリックなバンドアンサンブルが中心で、音も以前より分厚く重厚になった。
その恩恵か、 雰囲気としては悲哀や儚さの色がより強く、①や⑦等に如実に現れているようにメランコリックさも増したように思う。

但し、亡霊のような掠れヴォーカル、疾走しないドラムの性で攻撃性は殆ど生じていない。
ブラックと言えどそういった要素を抑え、情景を淡々と描くようなスタイルには個人的に好感が持てる。
10分近い曲ばかりではあるが、終始濃密な雰囲気を味わえ、ダレもない。
また少なくなったとはいえ、美しくも物悲しい雰囲気を醸し出すアコギ等、アレンジの上手さは相変わらずである。

気に入り度…87/100

おすすめ…Not Unlike The Waves


AGALLOCH - Ashes Against the Grain - Fire Above, Ice Below ★★ (2013-02-13 22:34:27)

物悲しくも美しいギターメロディが素晴らしい。アルバム中最長曲だが、ダレることなく良メロを味わえる。


AGALLOCH - Ashes Against the Grain - Limbs ★★ (2012-10-22 18:45:13)

これまでにない暗さと重さを感じさせる曲。
曲調が変わるところのアコギが物悲しく、効果的である。
勿論メロディの悲哀感は健在だ。


AGALLOCH - Ashes Against the Grain - Not Unlike the Waves ★★ (2012-12-04 19:54:34)

歌詞にもあるが、オーロラのような儚い光に包まれた情景が浮かんでくる。


AGALLOCH - Ashes Against the Grain - Our Fortress is Burning, Pt.2 : Bloodbirds ★★ (2012-07-08 20:28:55)

巣を燃やされ、傷ついた鳥を表現した曲。
非痛感に溢れている。


AGALLOCH - Pale Folklore (2012-07-07 13:41:58)

アメリカのフォーク/アトモスフェリックブラックメタルバンドの1st。1999年。

寒々しくも情感あるフレーズが印象的で、以降のアルバムと比較すると勇壮な感じが強い。
時折出てくるギターソロも秀逸で、これに関しては以降の作品よりも優れていると思う。
時折正統派メタルを彷彿とさせるようなリフも出てきており、普段ブラックやアンビエント系を聞かない人にもお勧めできる。

おすすめ…As The Embers Dress The Sky


AGALLOCH - Pale Folklore - As Embers Dress the Sky (2012-12-03 18:27:32)

物悲しいメロディが良い。
特に中盤のアコギと叙情的なクリーンギターによるパートが素晴らしい。


AGALLOCH - Pale Folklore - She Painted Fire Across the Skyline, Part 1 (2012-10-20 13:45:35)

2:54からの泣きギターフレーズがツボ。
暗くメランコリックなメロディの中にも美しさと雄大さを感じる。


AGALLOCH - The Mantle (2012-04-11 21:11:42)

USAのフォーク/アトモスフェリックブラックメタルの2nd。

アコギを多用し、仄かに哀愁感のある雄大なメロディをミドル~スローで奏でる、フォーク/アトモスフェリックブラックメタル。
ややノイジーな儚いトレモロや掠れたデス声というカスカディアンブラックにも通ずる所があるが、
ネオフォーク&ポストメタル要素がかなり多めで、この手のブラックの中でもブラック要素は薄い方である。
その分、ジャケットの鹿が佇む雪原のように、暗いけれどもそこに潜む美を感じるといった世界観を純粋に味わえる。

次作と比べると、SEや鹿骨打楽器の使用などアレンジは多様であるものの、全編に亘って貫かれる物悲しいトレモロが無い分、やや淡々とし過ぎとは思う。
そこは個人的に物足りないけれども、好みの問題であり、ネオフォークやアンビエント等が好きな人にとっては寧ろ良いかもしれない。

おすすめ…A Desolation Song


AGALLOCH - The Mantle - ...and the Great Cold Death of the Earth ★★ (2013-02-13 17:00:59)

アウトロに1曲目と同じフレーズを使っていることから1曲目とセットだと思われる。
時折見せる雄大なギターメロディが美しく素晴らしい。


AGALLOCH - The Mantle - A Desolation Song ★★ (2012-07-08 15:05:56)

アコギによる寂寥感漂う渋いリフが印象的。
酒が飲める人は歌詞のように一杯傾けながら聴くのも一興かも。


AGALLOCH - The Mantle - In the Shadow of Our Pale Companion ★★ (2012-12-03 22:56:57)

15分近い長尺曲だが、メロディや雰囲気が良いためダレない。
終盤の泣きのギターソロはなんとなく初期Metallicaを感じさせる気がする。


AGALLOCH - The Mantle - Odal ★★ (2012-10-21 14:30:08)

メロディが非常に幻想的で綺麗な曲。
雪の降る静かで美しい風景が浮かんでくる。


AGALLOCH - The Mantle - The Lodge ★★ (2013-07-06 18:40:26)

雄大なアコギのリフと後ろで鳴るコントラバスが美しく、心地良い。


AHAB - The Call of the Wretched Sea ★★ (2014-02-08 20:56:48)

狂気に駆られたエイハブ船長と乗組員達がモビーディックを捕らえようとするシーンが中心となって描かれている訳だが、
それを象徴するかのような空間のある歪んだへヴィリフとその背後でうっすらと聞こえる幽玄なメロディが印象的である。
曇天と濃霧の中で生まれる狂気のシーンが目に浮かぶようだ。
不穏で陰鬱な雰囲気が捕鯨に執心する船長の心情を、幽玄なメロディがどこか悠然とした白鯨と大洋を象徴しているのだろうか。

小曲④を除き全曲10分前後であり、聴き通すのは少しきついが、フューネラルの好きな方、不穏で幽玄なムードに浸りたい方にお薦めできる作品である。

気に入り度…89/100

おすすめ…Below The Sun


AKHLYS - The Dreaming I ★★★ (2017-04-05 22:07:17)

また一つ、トレモロフェチ必携の名盤が現れた。

靄の掛かった様なトレモロが渦巻くブラック、という点では特に真新しい所はないが、その催眠性・サイケ感が凄まじい。
放たれた瘴気が耳から入って全身を犯す感触とでもいうべきか、
兎に角精神を蕩けさせる具合でいえば、ブラックの中でもトップクラスだと思う。
それこそ、タイプは違えどKralliceの全盛期にも劣らぬ程である。

気に入り度…9.5/10

おすすめ…Breath And Levitation


ALCEST - Les Voyages de l'âme (2012-10-26 15:42:07)

前作と同様に、光に包まれたような幻想的な世界観と美しくも浮遊感あるメロディを堪能できる。
今作の雰囲気はより儚さが強く出ており、どこか高貴さを感じる。
相変わらず上質なシューゲイザーブラックを提供し続けるNeigeは凄い。

おすすめ…Autre Temps


ALCEST - Les Voyages de l'âme - Autre temps ★★ (2012-12-06 18:09:10)

「別世界の時」初めて聴いた時儚い光が見えた気がした。
勿論実際にはそんなことはないけれど、そんな錯覚を抱いてしまう曲。


ALCEST - Les Voyages de l'âme - Les Voyages de l'âme ★★ (2013-02-15 21:56:41)

「魂の旅路」この曲を聴くと本当に魂が昇華していきそうだ。


ALCEST - Souvenirs d'un autre monde ★★ (2012-10-24 18:30:03)

ブラックと言えば、通常はネガティヴ(邪悪、混沌、陰鬱etc.)な雰囲気や攻撃性に覆われているものだが、このアルバムはそういった要素は皆無。
ヴォーカルはまろやかなクリーンヴォイスのみであり、ギターも清浄でノスタルジックなトレモロやクリーンが殆どである。
唯一トラディショナルなブラックと共通するところはノイジーなギターであるが、それすらもノスタルジックさに拍車を掛けている。

タイトルは異世界の記憶という意味であるが、確かに聴いていると何となく幻想的な理想郷みたいなものを想起させられる。
清浄なトレモロが異世界の美麗さを思わせる一方、ノスタルジックでしっとりとしたパートが現実世界において理想郷への憧れを象徴している。
私の場合、そう思えてならない。

気に入り度…86/100

おすすめ…Printemps Emeraude


ALCEST - Souvenirs d'un autre monde - Printemps émeraude ★★ (2013-02-14 01:08:33)

泉から湧き出る穢れ無き水のように澄んだメロディが非常に美しい。


ALCEST - Souvenirs d'un autre monde - Souvenirs d'un autre monde ★★ (2012-12-04 22:43:10)

切ないようなそうとも言い切れないようなえも言われぬ気持ちにさせてくれる曲。
癒し効果さえ感じてしまう。


ALCEST - Souvenirs d'un autre monde - Sur l'autre rive je t'attendrai (2013-04-16 18:42:54)

ノイジーながらも清浄なトレモロリフと女性ヴォーカルが合わさっていいムードを作り出している。
終盤の静かなパートになってからのしっとりとしたギターメロディも良い。


ALCEST - Écailles de lune ★★ (2012-10-25 22:37:50)

「月の鱗」と題されたこの2ndは、(世界観は違うが)憧れていた世界を遂に目の当りにしたかのように幻想性を強めた作品となっている。
「黄昏の木霊を聞くと、私は海底にて眠っていると知るだろう」(ブックレット最終ページより)

特筆すべき事は、前作には無かったスクリームやブラスト等、ブラックらしい要素が垣間見える事である。
しかし、それで幻想性が損なわれているかというとそうではない。
寧ろ、溢れ止まない光の如き幻想性を高めていて、より聴き手を異世界に惹き込む力が増したように感じる。

また音質に関しては、前作のようなノイジーさは殆ど消え、マッシヴで普遍的なメタルらしい音質となっている。
その御蔭で儚さをも含む前作とは違って、より陰影と輪郭のはっきりした世界を生み出している。

ただ欲を言えば、もう少し前作で見せたような胸を打つようなトレモロメロディがもう少しあれば良かったかも。本当に敢えて言えば、だが。

2014年12月23日追記:聴き直してみると、頭の対曲2曲のダイナミックさ・ドラマティックさ、中盤以降の幻想性が前作以上に良いなと思うようになりました。

気に入り度…84/100

おすすめ…Écailles De lune - Part 2


ALCEST - Écailles de lune - Percées de Lumière ★★ (2013-02-15 00:59:22)

「光の裂け目」それを象徴するかのような4:16からのトレモロメロディが非常に美しい。


ALCEST - Écailles de lune - Écailles de Lune - Part 2 ★★ (2012-12-05 17:22:56)

序盤でブラストとスクリームというブラック的要素を用いているのに美しい。
この矛盾したようなコントラストがたまらない。
静かな波打ち際で海に誘われているような気持ちになる。


ALI PROJECT - 薔薇架刑 ★★ (2014-12-25 00:52:20)

シンフォブラック等にも劣らぬ華美なシンセと物悲しいストリングス、そして俗世から離れた壮麗な箱庭にトリップしそうな耽美的かつ妖艶なヴォーカルを中心に据えた、
「ゴシックロック」。
元々ローゼンメイデンのop(①②⑩)目当てで買ったので、それらの曲が気に入ったのは勿論だが、4.のように幻想的でどことなく古風な曲など他の曲も気に入った。
アップテンポにより更に際立つ華美さ、物悲しくダークなストリングス等、色々な音楽性を見せてかつそれらを全て纏めきったアーティスティックな所もあり、
ローゼン好きという事を差し引いても、純粋に一枚のアルバムとして良い作品である。
アリプロは他に『私の薔薇を喰みなさい』や『凶夢伝染』位しか聴いてないので適当な事は言えないが、彼女らの良い所が凝縮した良盤ではないだろうか。

気に入り度…88/100

おすすめ…聖少女領域


ALTAR OF PLAGUES - Mammal ★★★ (2016-02-07 15:19:56)

暗黒性と退廃性を伴ったポスト/シューゲイザーブラックである点は前作と同じだが、前作にはあった清浄感が減衰している印象。
主体となるトレモロの魔的な感触が増し、ブラックメタルが持ちうる暗黒性や陶酔性を更に取り入れたアルバムとなっている。
①の夢想的なトレモロの長大なリフレイン等はWeaklingに、③の中心を占めるアルペジオのリフはDSOに似ている…と、
独自の暗黒性を放つブラックメタルの先達のツールも上手く取り入れつつ、相変わらずの優れたポスト/シューゲイザーブラックを披露している。

ポスト/シューゲイザー要素としては、クリーンギターによる儚いメロディやメロディックなトレモロも使われてはいる。
だが、希望を感じさせるというよりかは寂寥感や神秘性を醸し出し、暗黒性との対比というよりかは、暗黒性の一部をなしている。
そのため、このバンドの魅力だと思っているポスト/シューゲイザーと暗黒性の両立が更に引き立った作品として、前作以上に気に入った作品である。

気に入り度…95/100

おすすめ…Neptune Is Dead


ALTAR OF PLAGUES - White Tomb ★★★ (2015-08-26 21:37:11)

ポスト/シューゲイザーブラックのお手本のような煙たいプロダクション、
攻撃性は強めながら、邪悪さや寒々しさではなく、神々しいトレモロが放つ退廃的な美を主体とする作品。
例えば、③において初っ端からCastevetの様な荒々しいトレモロで攻め立ててから、精神を圧迫された様な歪んだヴォーカルがえぐいスラッジパートに突入したり、
アンビエント調のパートも少なくなかったりするが、小細工なしの上質のトレモロの雰囲気が素晴らしい。
メロウさを適度に抑え、アトモスフィアと攻撃性を上手くマッチさせているのが気に入った点である。

しかも、それだけでなく、アンビエントパートもトレモロ等のフェードインによってドラマティックに仕上げたり、
テンションが引くパートにおいても、流れを切らずに敢えて荒々しさを残すことで曲全体の神々しさをキープしたりしているなど、
曲展開の面でも飽きさせないアイディアがある。
その御蔭で、4曲50分強という長さも苦にならない。

奇を衒わず、飽くまでトレモロの美やダイナミクス等ブラックのツールのクオリティに拘った、良質のポスト/シューゲイザー系ブラックであり、
WITIR等この手のブラック好きは聴いておくとよいだろう。

気に入り度…93/100

おすすめ…Earth: As A Womb


ALTAR OF PLAGUES - White Tomb - Earth: As a Furnace ★★ (2015-11-23 17:10:53)

1曲目の流れを汲み、途中で高めのスクリームを披露する等、激情性を高めている。
8分辺りから入るアンビエント調のパートも、トレモロ等のフェードインによってドラマティック。


ALTAR OF PLAGUES - White Tomb - Earth: As a Womb ★★★ (2015-11-23 17:10:19)

一聴して名曲確定の神々しいトレモロリフが印象的で、リフ自体に特に工夫が無いながらも、逆にメロディの良さが際立つ様に感じた。
テンションが引くパートにおいても、流れを切らずに敢えて荒々しさを残すことで曲全体の神々しさをキープしている。


ALTAR OF PLAGUES - White Tomb - Through the Collapse: Gentian Truth ★★ (2015-11-23 17:12:25)

奇怪なトレモロのイントロで始まり、アンビエントから徐々にフェードインして、ミドルテンポの中神々しいトレモロを浴びせ続けるパートへ。
最後は、全てのネガティヴな感情を鎮圧するかの様な静パートで締める。


ALTAR OF PLAGUES - White Tomb - Through the Collapse: Watchers Restrained ★★ (2015-11-23 17:11:26)

初っ端からCastevetの様な荒々しいトレモロで攻め立てるダイナミックな曲。
…と見せかけて2分50秒から精神を圧迫された様な、歪んだヴォーカルがえぐいスラッジパートに突入し、最後は出口無き暗闇を彷徨うようなインストで終わる暗黒性強めの曲。


AMIA VENERA LANDSCAPE - The Long Procession ★★★ (2015-04-16 20:00:34)

イタリアのポストハードコアの1st。

複雑なリフ捌きと高めのアグレッション&テンションで畳み掛ける所等、Convergeにも通ずる要素もあるが、
あちらの錯乱したかのようなカオティックさは薄めで、代わりにポストロック風な美メロが際立っている。
淡い光を放つ様なクリーンギターや激情のトレモロ等、真新しいものはそれ程多くないが、非常に素晴らしい美メロであり、
あの『Jane Doe』の最終曲終盤にも勝るとも劣らぬ美しさを兼ね備えた曲が並ぶのが特徴。
Convergeのみならず、IsisやEnvy等、ポスト/カオティックハードコアの良い所を凝縮した作品である。

しかも、クリーンギターによる幻想パートでもアグレッシヴなドラムでテンションを保ち、雲の隙間から注ぐ一条の光の様なアンビエント色の強い④等、
本当にここぞという時にテンションを落として幻想性を徹底的に高める等の工夫により、それらの要素を難なく纏め上げる点も良い。
加えて、クリーンギターに非常にマッチした清浄なクリーンヴォイスやシンセによる幻想をもたらすアレンジ等、
ハードコア・激情パートに対比される要素も、ありがちな幻滅性はなく、曲のドラマティックさを更に高めている。

ハードコアやポストメタル辺りのジャンルに好きなバンドがいる人ならまず間違いなく気に入るであろうアルバム。
1stにして既にポストハードコアの最高峰に位置しているのではないだろうか。

気に入り度…92/100

おすすめ…A New Aurora


ANAAL NATHRAKH - Eschaton ★★ (2015-07-02 19:38:20)

マシンとはいえ、違和感の全く無い豪速のブラストに乗せて叩き込まれるブラックらしい荘厳で禍々しいリフやブルータルな刻みや疾走感を中心とする
グラインド/ブルータルブラック。
全体を迸る異常なテンションや発狂具合、最長5分弱という曲の短さなどからして、ややグラインド寄りである。

先述もしたが、特筆すべきはその異常なまでのテンション。
聴いているとヘドバンのし過ぎで首がもげ、噴出した血液が一瞬で蒸発しそうな程で、史上最もハイテンションでブルータルなバンドの一つと言っても過言ではないと思う。
またそれだけでなく、クリーンヴォイスや印象的な刻みやメロディも適度に交えており、アルバム全体を通して飽きさせない。
最終曲⑨がくどくて無くてもよかったとは思うが、それを除けばブルータルミュージック好き歓喜のフレーズ満載の良盤である。

気に入り度…86/100

おすすめ…When The Lion Devours Both Dragon And Child


ANEKDOTEN - Vemod ★★ (2014-09-01 19:38:21)

King Crimson直系のプログレに、北欧的な叙情性を加えた音楽。
自分自身、プログレを聴いた量がそこまで多くないので確実な事は言えないが、簡潔に言えばこんな感じだろうか。

「動」の部分では難解ではないがタイトな演奏による不穏なムードが味わえる。
テクニカルさや奇抜さよりもタイトさに重点を置いている点が個人的には好印象。

そして何より魅力的なのが「静」の部分。
メロトロンやチェロ、アコギ等、方法自体は新しくないが、哀愁や迸る悲しみを存分に感じさせる素晴らしいメロディの宝庫である。

最後に一つ、日本盤ボートラの『Sad Rain』はボートラにするには惜しいクオリティ。
こちらを正規のエンディングに持ってくるほうが個人的にはベターである。

気に入り度…88/100

おすすめ…Karelia


ANNIHILATOR - Alice in Hell ★★ (2015-04-17 19:32:05)

2ndでも同様に書いたが、1stたるこのアルバムの時点で既にシャープさとテクニカルさの塩梅が絶妙で、ちょっとした刻みの変化やアクセントの付け方等は負けず劣らず。
しかし、全体的な雰囲気や曲展開の面では違いも見られる。
曲展開の複雑さに関しては、凝り過ぎな所もある為か、2ndよりは散漫な気もする。
一方で、狂気を滲ますヴォーカルも相まって独特の不穏さもあり、過剰な曲展開もそこまでマイナスになってはいない。
寧ろ、美しいプレリュードをやっておきながら、本編のイントロでもまだ複雑に展開していく②等、良い意味で頭がいかれたシアトリカルな展開を演出している所も多い。
全体の完成度は次作に譲るが、癖と複雑さのあるフレーズやリズム、曲展開を難無く聴かせる手腕だけでなく、独特の淀んだ空気をも味わえるテクニカルスラッシュ。

気に入り度…81/100

おすすめ…Alison Hell


ANNIHILATOR - Never, Neverland ★★ (2015-01-05 19:27:08)

疾走こそ少ないが、シャープさとテクニカルさの塩梅が絶妙で、テクニカルさがリフやリズムワークの巧みさに繋がっている。
滅茶苦茶心地良い細かい刻みの効いたリフ、偶に出てくる美麗なクリーン等による展開での揺振り等、
全体的に癖と複雑さのあるフレーズやリズム、曲展開を難無く聴かせる手腕が見事である。
前作1stでもそれを存分に発揮してくれたが、一方では過剰なまでに凝った曲展開もみられた。
しかし本作ではそれが大きく改善され、よりワンランク上のテクニカルスラッシュに仕上がっている。
無機質さと熱さ、時に妖しさをも併せ持つ名手Jeff Watersのギターワークは、スラッシュひいてはメタルにおける理想の一つとも言えるのではないだろうか。

気に入り度…87/100

おすすめ…The Fun Palace


ANOPHELI - The Ache of Want ★★ (2016-02-20 14:47:58)

アメリカのポストハードコア/クラストコアの1st。2015年。

悲哀を滲ませたメロディを滲ませつつの疾走を基本とし、儚げなチェロや清浄なメロディが絡むスタイルで、チェロ以外は比較的オーソドクスなポストハードコアといったところ。
疾走パートが一本調子な所に退屈感を多少感じるが、一方では、儚げなチェロや清浄なメロディは、一本調子な攻撃性の中に一石投じる良い役割を果たしている。
このため、激情よりは、どちらかというとダークな雰囲気や燻る葛藤を強く感じさせる音楽性である。

気に入り度…82/100

おすすめ…Awoken


ANTHRAX - Among the Living ★★★ (2016-08-31 16:05:56)

「キャッチー」の一言に尽きる。
徹頭徹尾、約50分間ヘドバンを誘発し続けるキャッチーで躍動感あふれるリフ&リズムが熱い。
他に何の要素も必要としない、唯只管に潔いスラッシュである。

気に入り度…92/100

おすすめ…Among The Living


AOSOTH - Iii ★★★ (2015-12-07 20:06:09)

禍々しさ極まるリフと呪詛染みたがなりを放ち続けるMkMのヴォーカルを主体とするフレンチブラック。
DSOの3rdのような厚みがありドスの効いた音質であるが、あちらの様に宗教的で冷涼な雰囲気というよりかは蠢く毒沼の様な生々しい邪悪さを演出している印象。

それとの対照をなすカルティックなスロー・ミドルのウェイトも高いが、
そこでも邪悪さの余韻を残しつつ、次なる悪の到来への準備と言わんばかりの陰鬱さを演出しており、邪悪さを減じる事は無い。
加えて、音響までもが更なる恐怖を予感させるように巧みに用いられ、全てがフレンチブラック好きならまず納得できるクオリティと邪悪さを演出している。
激烈なリフ捌きによるストレートな邪悪さだけでなく、連鎖的にやってくる陰鬱さをも味わえる優れたフレンチブラックである。

気に入り度…93/100

おすすめ…Ⅰ


ARCTURUS - The Sham Mirrors (2012-05-17 19:53:44)

Hellhammerらブラックの大御所達が集うバンド。
なのだが、今作はブラストが無かったり、⑥以外でデス声が無かったりと、ブラック要素は殆ど無い。
美麗なシンセ・ピアノやGarmの多彩なヴォーカルを軸にした、スペーシーなアヴァンギャルドメタルである。
各人の高い演奏力と時に奇抜なヴォーカルやアンビエントで魅せてくれ、アンニュイさを孕む芸術性と壮大な宇宙を思わせる。

…ただ、自分の趣向の問題だとは思うけれども、感性には訴えるが聴いてて昂ぶる所がさほど多くなく、間違いなく良盤以上と言えない部分もある。
折角の美麗なパートが尺や繋げ方の問題で味わいきれないだとか、アンニュイさやアグレッションが要らないだとか、そういう所に少し勿体無さも感じた。
5.のイントロの、星の瞬きを其の儘音にしたかのような超美麗なエレキピアノとか、そういう所をもっとフィーチャーしていた方が個人的には良かったかも。

まあそれに関しては個人の趣向の問題で、ジャンルに関わりなく様々なリスナーに聴かせられるアルバムであるとは思う。

おすすめ…Star-Crossed


ARCTURUS - The Sham Mirrors - Kinetic ★★ (2012-10-27 18:18:22)

宇宙航海に出ているかのような壮大さと神秘性を感じる。
ファルセット等の技巧も凝っており、アルバムを代表する曲だ。


ARCTURUS - The Sham Mirrors - Star-Crossed ★★ (2013-02-16 22:11:00)

イントロの非常に綺麗で星の輝く夜空を想起させるエレキピアノが素晴らしい。
本当にこのアルバムでのSverdの貢献度を痛感できる。


ARTILLERY - By Inheritance ★★ (2013-10-02 16:15:50)

テクニカルだが聴き辛さを感じさせない緻密なリフが印象的で、MegadethやCoroner等とはまた趣の異なるスラッシュを堪能できる。
中々にパワフルなハイトーンヴォーカルもあって、正統派メタルにも通ずる部分があるとも感じた。
そしてこのアルバム最大の特徴は時折組み込まれてくるギターメロディである。
叙情的なフレーズに加え、中近東を感じさせる神秘的なフレーズもあり、これが素晴らしい。
アルバム後半は少しダレる所があるように感じたが、全体的には良質なスラッシュであると思う。

気に入り度…81/100

おすすめ…By Inheritance


ARTILLERY - By Inheritance - By Inheritance ★★ (2013-11-28 20:12:24)

疾走感・切れ味共に抜群のリフの刻みが鳥肌もの。
随所に見せるメロディックなリードも素晴らしい。


ARTILLERY - By Inheritance - Khomaniac ★★ (2013-11-28 20:08:09)

オリエンタルなリードが非常に印象的なドラマティックスラッシュ。
当時の世界情勢を考えると致し方ないのかもしれないが、オリジナルの日本盤にこの曲が収録されてないのは残念なことである。


ASH BORER - Cold of Ages ★★ (2014-10-19 22:19:16)

靄の掛かった様な、アトモスフェリック・トレモロによる陶酔感、
及び神秘的だが不穏な物質で空気を切り裂くような感触を持つこの手にしてはノイジーなギターが心地良いアルバム。
アンビエントパートや神秘的なシンセを主体にしたパートが少なからずあるとはいえ、1曲平均15分オーヴァーであり、一つ一つのフレーズのリフレインに多く時間を取っている。
冗長さが無いとまでは言えないが、個人的には十分許容範囲内であり、かつアトモスフィアの増強にも繋がっているので問題は無い。

リフレインの多さや大作主義な部分等、今は亡きWeaklingに似ている部分もあるが、
彼らに比べると陰鬱さを始めとするネガティヴィティは薄く、よりアトモスフィアの醸成に重点を置いているのが特徴である。
そのアトモスフィアによって、抽象的かつ超越的な何かを描いているように感じた。

カスカディアンの中でも有力な作品として名高いようだが、それも納得のクオリティを持つ良盤である。

気に入り度…89/100

おすすめ…Convict All Flesh


ASH BORER - The Irrepassable Gate ★★★ (2017-04-22 18:30:51)

陶酔感のあるトレモロを主体にリフレインの時間を多く取ってアトモスフィアを醸成するという、前作の路線を踏襲しつつ、
よりダークでカルティックなムードを強めた作品となった。
DSO系統のブラックに見られる様な暗黒トレモロやスラッジーなパートの比率が増え、個人的にはより好みの作風に。
通れるはずの無い門を潜った先にあるのは、音楽によるトランスを齎す闇の儀式であった。

気に入り度…9.5/10

おすすめ…The Irrepassable Gate


AT THE GATES - Slaughter of the Soul ★★★ (2012-05-18 23:53:40)

(メロデスにしては) 辛口なリフがこのアルバム最大の特徴。
ダークさを孕んだ冷徹さが素晴らしく、しかもその刻み方も多彩であり、アルバム全体を聴き通すにあたって飽きさせない工夫も十分である。
加えて、最小限度に組み込まれた慟哭メロも曲に彩りを与えており、メロデスの肝である叙情性の面でも魅せてくれる。③のトレモロを含めたギターソロ等は悶絶ものである。

一方、疾走感を煽るタイトなドラミング、激情的で魂のこもったデスヴォイスも素晴らしい。
冷徹なリフや泣きメロとの相乗効果によりアルバムのテンションをより高めている。

一曲平均で3分強、リフのシャープさ、疾走感、そして慟哭のメロディという研ぎ澄まされた武器をもって小細工無く進む様に、
Slayerの『Reign In Blood』にも似た潔さを感じる(インスト2曲は無くても良かったとは思うが)。
メロデス、デスラッシュ好きにはマストである。

気に入り度…92/100

おすすめ…Blinded By Fear


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Blinded by Fear ★★★ (2011-09-10 23:50:14)

ここまで激情と哀愁とを併せ持った曲はそうない。
リフとわずかなソロだけで圧倒的な激情を味わわせてくれる名曲。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Cold ★★★ (2012-10-28 15:47:20)

ヴォーカルがいつにも増して感傷的で素晴らしい。
トレモロを活かした泣きのギターソロはは必聴である。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Slaughter of the Soul ★★ (2012-12-07 17:00:52)

独特なノリのリフがブルータルでありながらも格好良い。
「Go!」のところは思わず一緒に叫びたくなる。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Suicide Nation ★★ (2013-02-17 16:20:34)

アクセントの付け方が独特なリフが良い。
勿論疾走感とかっこよさは健在。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Unto Others ★★ (2013-05-23 13:39:44)

後ノリのヘヴィリフが素晴らしい。
Suicide Nationでも感じたが、このアルバムは後ノリのリフの使い方が本当に上手いと思う。


ATHEIST - Unquestionable Presence (2013-02-16 23:45:49)

ドラムの手数と自由度の高さが何より印象的。もはやギター以上にリードをとっているんじゃないかと思えるほどで、特に予測不能なスネアと音色の多いタムが聴いていて面白い。
曲展開の方もそれに呼応するかのように自由度が高いが、必然性や展開の妙といった要素は殆どなく、一聴すると乱雑にも思える。
だが、その自由度の高さこそこのアルバムの最大の魅力であって、その点はあまり気にならない。
オールドスクールデスらしいかっこいいリフや良い意味でメタルらしくないファンキーなギターソロも随所で見られる。

おすすめ…Mother Man


ATHEIST - Unquestionable Presence - Mother Man ★★ (2013-04-17 14:43:32)

オープニングからトリッキーかつ手数の多いドラミングで魅せてくれる名曲。
1:52辺りから始まるファンキーなギターソロも素晴らしい。


ATHEIST - Unquestionable Presence - The Formative Years ★★ (2013-05-21 14:57:55)

疾走部分のヘヴィな刻みリフが中々にかっこいい。


BARREN EARTH - Curse of the Red River (2013-05-25 14:10:17)

フィンランドのメロデス/プログレッシヴの1st。2010年。
Swallow The SunのMikko Kotamäki、MoonsorrowのMarko Tarvonen等が参加。

全編にわたってミドル~スローで統一されており、叙情的で薄暗い世界観を基調としていて、Opethと似ているという意見が多いのも頷ける。
時にアコギやフルート等を用いてフォーキーな要素や霊的なメロディを繰り出してきており、これも効果的だ。
また、Opethと似ている要素が多いのも確かだが、この作品ではOpeth程曲を静と動を大きく使い分けることはせず、
メロデスの生み出す暗く叙情的な世界で一貫されており、独自性もしっかり見せてくれる。

おすすめ…Curse Of The Red River


BARREN EARTH - Curse of the Red River - Curse of the Red River ★★ (2013-07-12 00:41:17)

フィードバック(かな?)を駆使したイントロのギターメロディがシンセと合わさって不穏な空気を生み出しており、これが素晴らしい。


BEHEMOTH - Demigod ★★ (2013-02-17 20:24:11)

中近東チックな旋律と全てを力でねじ伏せるような圧倒的重厚感を放つリフが印象的である。
暴虐性よりも重厚なグルーヴや不穏で時に荘厳な雰囲気の方が重視されており、デスメタルにしては聴きやすい部類。
演奏力も高く、特にInfernoの手数・迫力共に十分なドラミングが素晴らしい。粒の整ったブラストは圧巻である。
ハイライトと言えるような強い印象を受けるフレーズが少なく、ミドル・スローパートの一部に物足りなさもあるものの、
曲の長さは⑩以外5分未満とコンパクトであり、アルバムを通して聴くことを考えるとあまりマイナスにはならないかと思う。

気に入り度…82/100

おすすめ…Sculpting The Throne Ov Seth


BEHEMOTH - Demigod - Sculpting the Throne ov Seth ★★ (2015-01-05 21:55:32)

ブルータリティ渦巻くリフの中に現れる、消え行くようなハーモニクスやオリエンタルなアコギのイントロを始めとするアイディア豊富な良曲。
アルバム全体で、こういった曲がより多ければ更に良かったかも…


BETWEEN THE BURIED AND ME - Colors ★★ (2014-05-21 21:09:21)

メロデス/メタルコア的なヘヴィリフと流麗なギターが絶え間なく交差し続け、たまにアンニュイなアレンジやカントリーミュージック等の飛び道具が炸裂してリスナーを翻弄し続ける64分間であり、曲間が繋がっている事、フリー極まりない曲展開、頻繁かつ複雑なリズムチェンジ、これらのおかげでこれから何をしてくるかが予測不可能であり、かつ後から思い出してどのフレーズが良かったか中々思い出せぬ程のカオティックさを生み出していながらも、個々のフレーズ(特に泣きメロ)が優れており、また静のパートや飛び道具が良いアクセントになっていて、幾多の事象が絡み合いながら全体としては一塊で時間を行く複雑怪奇な現代社会の如く、全体としてみればちゃんと一つの体をなしているという離れ業を成し遂げており、複雑な曲展開でさんざん翻弄しておいて必殺の泣きメロで落とすといういわば「ツンデレ」的なカオティックプログレッシヴメタルであって、何か明確に描きたい何かがあるとも思えないアルバムであるが、リフと流麗なギターの連続爆撃に翻弄される快感を味わえるのがこの作品最大の特徴であって、結局の所は、①の美しいピアノから⑧の劇的なギターソロ→ピアノに至るまで、次々と現れるフレーズによる一瞬を楽しみ続ける、これこそがベストの聴き方ではないかと思う。

気に入り度…87/100

おすすめ…White Wall


BEYOND CREATION - The Aura ★★ (2017-04-23 16:27:33)

ケベック産テクデス。…という事で、期待通りクオリティは中々の物。
お馴染みの粒の揃った流麗なギターに加え、随所でえらく細かい金物の刻みや蕩ける様なフレットレスベースが絡む、王道のテクデスである。
Necrophagistの1stを、より長く、若干プログレ寄りにした感じだろうか。
独自色の薄さが気にならず、この手のテクデスが好きな人であれば、間違いなく楽しめる一品ではある。

気に入り度…8.5/10

おすすめ…Coexitence


BEYOND CREATION - The Aura - Coexistence ★★★ (2017-04-23 16:28:44)

アルバム中最もドラマティックな曲。
2.の4:24~でみせる、幻想世界にトリップさせるかのようなパート等が良いアクセントとなっている。


BLAZE OF PERDITION - Towards the Blaze of Perdition ★★ (2017-07-23 22:42:06)

妖しくメロディックなブラック一本勝負の作品であるが、
禍々しさと良い意味のキャッチーさを両立しているという面で、この手の第一人者であるWatainにも全く引けを取らないアルバム。
蛇足的なアレンジの一切や過剰なローファイさを廃し、高レヴェルなリフ、リズムワーク、曲展開といった基本要素で勝負していく様が好印象である。
鳥肌立つ様な必殺のフレーズが足りないという個人的な欠点が有る位で、ブラック好きであれば殆ど誰もが多少なりとも気に入るであろう良盤。

気に入り度…9点
おすすめ… Misterium Kliffoth


BORIS - Flood ★★★ (2014-04-15 23:22:36)

日本のドローン/ストーナーの傑作。トラックは4つに分かれているが、実質は70分強の超大作1曲のみである。
心地良いクリーンギターとへヴィで精神を飲み込むようなドローンあるいはスラッジ的なリフの両者において質が高く、展開もだれていない。
各フレーズやトラック毎に聴いても素晴らしいけれども、やはり通して聴くのがお薦め。70分間精神をどこかにトリップさせられます。
それだけでなく、何かストーリー性も感じる。
「荒波に揉まれて無人島に漂着する。その漂着先で孤独を感じる内に、人間や世界、自分という存在等について思索を巡らせ、達観の境地に達する。」
みたいな。

気に入り度…91/100


BURZUM - Burzum - Spell of Destruction ★★ (2012-05-20 18:18:00)

終盤のカウントの叫びは本当にヤバイ。
人間が持ちうる全ての負の感情が集約されているかのようだ。
彼の精神状態は演奏時どうなっていたのだろうか…。


BURZUM - Hvis lyset tar oss ★★★ (2013-05-27 14:11:02)

邪悪であるとか寒々しいとか、ブラックの負の側面を表す言葉はいくつもある。
だがこのアルバムは、ポジティヴだとかネガティヴだとかそういう次元を超え、希望や喜びが概念ごと消え失せた世界、光無き闇、虚無感といったものしか感じない。
いくつかのフレーズを繰り返すだけという単調極まりない内容だが、
ミニマルでありながら恐ろしいほどに幻想的な闇に包まれたギターリフとシンセのフレーズ、そしてCountの泣き叫びが、闇と無のみが存在するある種美しい世界を作り上げている。
あまりの虚無感に、聴いていて精神を内側からえぐられる感触さえ覚えた。

②や③はWeakling辺りに通ずる要素を感じるが、その手のブラックに強い影響を与えた事を思わせる。
…この作品を作った時Countの精神状態は極限までイっちゃってたのかもしれないなぁ、などと思ってしまう、そんな作品である。

気に入り度…95/100

おすすめ…Det som en Gang var


BURZUM - Hvis lyset tar oss - Det som en gang var ★★★ (2013-07-13 23:54:10)

「What Once Was」
チープな音質、ギターノイズ、抑揚無きリズム、そして何よりエグ過ぎるシンセの音色が生気を根こそぎ奪う名曲。
一線を超え切った、完全なる無の境地を見た気がする…


BURZUM - Hvis lyset tar oss - Hvis lyset tar oss ★★ (2014-10-29 01:20:21)

「If The Light Takes Us」
怨念を彷彿とさせる陰湿かつ執拗なギターが聴いていて(良い意味で)嫌になる。
一番「まともな」ブラックらしい曲。


BURZUM - Hvis lyset tar oss - Inn i slottet fra drømmen ★★ (2014-10-29 01:20:59)

「In The Castle Of The Dream」
②に続く陰湿で「まともな」ブラック。
後半の物哀しい旋律が何とも美しい。


BURZUM - Hvis lyset tar oss - Tomhet ★★★ (2014-02-17 23:25:18)

「Emptiness」
生命はおろか、物質的存在が全て消え失せ霊魂のみが残る世界…
言葉や存在を超越した世界を感じる名アンビエントである。


Be'lakor - Stone's Reach ★★ (2013-05-31 01:02:04)

オーストラリアのメロデスの2nd。

豪州産、ということで未知数であったのだが、聴いてみると北欧メロデスの良盤、名盤にも引けを取らないと感じた。
暗さを含みつつも美しいメロディが印象的で、デスメタリックな慟哭や激情といった扇情的な要素よりも、空や海を何となく想起させる壮大なサウンドを主体とする。
また、多くの曲が7分以上あるという長尺性、ユニゾンを絡めたテクニカルな演奏、リフを大目に繋いでいく展開等、プログレ的要素も強い。
ラストの曇天へと昇華していく様なアウトロ等は良いが、一方でリフを捏繰り過ぎだったり、決めのフレーズが足りなかったりと、ダレる部分もあるのは残念だったが、
美しく耽美的とも言える雰囲気は結構気に入ったので、それ程気にはならなかった。
メロデスに扇情力を求める人には不向きなアルバムであるが、ダークさと美しさをメロデスに求める人にはお薦めできる良質なメロデスである。

気に入り度…84/100

おすすめ…Countless Skies


Be'lakor - Stone's Reach - Countless Skies ★★ (2013-07-13 00:08:04)

約10分の長尺曲だが、美メロのおかげで全く気にならない。
特に疾走部の3拍子によるリードが美しい。


CANDLEMASS - Nightfall ★★★ (2016-02-28 18:00:29)

エピックドゥームを確立したバンドの代表作の一つ。

ダーク、スロー、ヘヴィというドゥームの王道を行くサウンドを基調としながら、そこに耽美的かつ宗教的な装いを加え、壮大な世界を作り上げている。
どの要素もエピックドゥームの金字塔とも呼びたい出来だが、特筆すべきは、ブックレットで闇の司祭と化したヴォーカル・Messiah Marcolin。
オペラチックな歌唱が重厚なリフと合わさり、畏怖さえ感じさせる芸術性をも帯びているように感じた。
エピックドゥームの金字塔との名声に偽り無しである。

気に入り度…96/100

おすすめ…The Well Of Souls


CARCASS - Heartwork ★★ (2012-07-14 22:39:51)

デスメタル特有のアグレッションやおどろおどろしさを残したもので、
今やメロデスの主流となった華美なメロディやクサいメロディを多く配した北欧的メロデスとは一線を画す、あくまで「メロディックなデスメタル」である。
ただ、メロディの種類は違えど時折切れ込むリードやギターソロは流麗そのもので、曲を適度にメロディックに仕上げている。
それでいてデスらしい重さと攻撃性を全く失っていないのが今作の良いところである。
「グラインド路線こそCarcassだ」という人にとってはともかく、デスメタルにメロディを導入できることを示した偉大な作品である。

気に入り度…86/100

おすすめ…Heartwork


CARCASS - Heartwork - Buried Dreams ★★ (2012-12-10 23:16:46)

3音半下げの不穏なヘヴィリフが印象的。
アルバムのオープニングにふさわしい。


CARCASS - Heartwork - Heartwork ★★★ (2012-10-29 19:04:53)

リフがアルバムの中でも抜群にかっこいい。
が、それ以上に最後のサビのところの泣きのリードギターが最高だ。
いつ聴いても鳥肌が立ってしまう。


CARCASS - Heartwork - This Mortal Coil ★★ (2013-02-17 23:49:17)

リフの刻み方が良い。こういう高速刻みリフは好きだ。


CASTEVET - Mounds of Ash ★★ (2014-12-18 22:41:27)

USAのブラック/ポストハードコアの1st。現在は残念ながら解散してしまっている。

Profound Loreに所属していた事、KralliceのColin Marstonがレコーディングスタッフで参加した事から推測されるかもしれないが、
メロディックな叙情トレモロを多用したブラック。
かといって、Kralliceの二番煎じだったり、Krallice程叙情性丸出しだったりする訳ではなく、
火の粉や風で舞う塵芥を思わせるノイジーなギターの刻み等を用い、通常のメタルやハードコアの攻撃性と躍動感がトレモロに上手く合わさっていているのが特徴である。
それらが嵐や火山の噴火のような自然のダイナミックな動きを思わせ、しかもトレモロの叙情性を減じさせていないのが素晴らしい。
寧ろ、①のように両者が引き立てあい、高揚感と陶酔感を同時に味わえ、減じるどころか相乗効果を生んでいるようにも思える。

シャープでメタリックな刻みもあるという点からも、PLの中では攻撃性などメタルやハードコアのトラディショナルな要素を重視した作品。
トレモロも多用した作品とはいえ、PL所属の中では異色とも言えるのではないかと。
トレモロフェチよりかは、より一般のエクストリームメタラーの方に受け入れられそうなアルバムである。

気に入り度…83/100

おすすめ…Red Star Sans Chastity


COBALT - Eater of Birds ★★★ (2015-05-10 15:26:55)

USAのブラックの2nd。

ブラックらしい背徳感を纏ったメロディックなトレモロだけでなく、
スラッシーな刻みや効果的なタム等を用いるなどして時にトライバルさを演出するドラムも交え、ある種異様に思える高揚感を演出している。
その異様な雰囲気は、全ての生物が闘争本能と狂気に駆られ、一つの弱肉強食の世界に組み込まれたかのようである。
曲展開の方でも、後半で楽器陣がうねり雪崩込む等絶妙で、より一層闘争本能を煽る。

同じ曲名『Ritual Use Of Fire』を冠されたアコギ主体で(ほぼ)インストの③、⑧、⑩は無くても良かったとは思うが、それを除けばアルバム全体の流れも良い。
終盤で無機質な哀愁の漂う8.を挟み、⑨、⑪で再び闘争本能を煽るブラックに戻り、戦歌的なメロディでアルバムを終える様は、
闘争の世界で傷を受け続けてもなお世界の流れと闘争本能に抗えず、終わり無き争いを続けるかのよう。

USAブラックの中でもかなり高く評価されている作品らしく、それも納得のクオリティ。
余程プリミティヴ志向とかでなければ、ブラック好きはもとより、プログレッシヴなエクストリームメタルを好む人全般にお薦めである。
気に入り度…93/100

おすすめ…Eater Of Birds


CONVERGE - Jane Doe ★★ (2015-01-09 18:22:14)

カオスなリフ捌き、予測困難なリズムワーク、そして殆ど喚いているだけに近いヴォーカルとアルバム全体に亘って混沌や狂気が漂い続ける。
しかし一方で、キャッチーなリフや奇怪で不条理なメロディを交えた複雑な曲展開をも併せ持ち、喜怒哀楽を含む幾つもの感情が渦巻く形容し難い心情に陥るかの様である。
それだけに、アルバムラストにおける、混沌から解放され、何かを悟ったかの様な荘厳めいた単音メロディが光る。
アルバム後半になるにつれ、不穏さを増していく、アルバム全体の構成も見事である。
推測ではあるが、混沌から最後にハイライトとなる必殺フレーズを持ってくる展開等、Between The Buried And Meの『Colors』辺りに影響を与えていそう。

気に入り度…84/100

おすすめ…Jane Doe


CORONER - No More Color (2013-07-14 23:39:44)

前作2rdと基本的に同路線で、複雑な展開とテクニカルでありながらもかっこいいリフが満載である。音質も向上した。
ストレートな刻みリフが多少増えたような気もするが、その分④に代表されるようにテクニカルなところはさらにテクニカルになり、
テクニカルパートとストレートなパートのメリハリが前作よりも付いていると感じた。
演奏力は言わずもがな。複雑な楽曲を破綻なく聴かせてくれる。
前作同様、テクニカルスラッシュ好きは聴いて損はないかと。

おすすめ…D.O.A.


CORONER - No More Color - D.O.A. ★★ (2013-08-23 16:10:53)

疾走に乗せた変態リフと目まぐるしく変わるリズムで聴き手を翻弄する。
Coronerの中でも変態度高めな曲だと思う。


CORONER - Punishment for Decadence ★★ (2013-02-18 17:11:21)

MegadethやAnnihilator等と並び、テクニカルスラッシュの金字塔の一つ。

普通のスラッシュと比べると、強烈な刻みによるリズム感やストレートな疾走感は若干少なく、
音階が変態チックにせわしなく上下するテクニカルフレーズとオーソドクスな刻みを組み合わせたリフを主体とするテクニカルスラッシュである。
加えて曲展開もせわしないが、リフに十分なフックがあり、徒なテクニカルさを微塵も感じないのが好印象である。
こういうバンドだと妙な切り返しの多さが気になったりするものだが、このアルバムではそういう無駄な切り返しが殆ど無い。
逆にテクニカルリフの創り出す流れが、強引そうで違和感の無い独特な勢いを生んでいる。

気に入り度…83/100

おすすめ…Arc-Lite


CORONER - Punishment for Decadence - Masked Jackal ★★ (2013-05-28 16:51:42)

複雑ながらも違和感のない展開、刻みリフとキャッチーなコーラスが映える一曲。
ギターソロと共に疾走するパートも素晴らしい。


CORONER - Punishment for Decadence - Shadow of a Lost Dream ★★ (2013-04-17 23:27:27)

アグレッシヴな刻みリフがかっこいい。
疾走感、そしてもちろんイヤミを感じさせないテクニカルさもある比較的ストレートなスラッシュチューン。


CORRUPTED - El mundo frio ★★★ (2015-09-29 21:37:05)

1曲71分半のスラッジという、耐性の無い人には苦痛以外の何物でもない音楽。
スペイン語で「冷たき世界」と題されたこのアルバムで披露される、永遠の絶望と冷気に晒され、全ての希望が裏切られ、更なる絶望の糧となる荒廃世界に、
誰もが良くも悪くも悶絶必至であろう。

また、使われている要素は、アンビエントとスラッジ、ポストロック辺りで、これらの要素が数分単位で切り替わるのだが、
これら全てが一縷の希望の余地も無い究極の荒廃世界を示しているのが素晴らしい。
常に「冷たき世界」を意識した、一切の高揚感を与えない余りにも禁欲的な曲展開と合わさり、
如何に美しくとも、如何に聴きやすいフレーズであっても、必ず最終的には絶望と冷気へと繋がってゆく。

人を選ぶ音楽である事は間違いないが、1時間超えの曲も平気であり、Neurosis等を聴いてもなお別の荒廃世界を味わいたい方は聴くとよいだろう。

気に入り度…95/100


CRADLE OF FILTH - Cruelty and the Beast ★★★ (2016-03-04 23:37:03)

複雑ではあるがドラマティックに紡がれるメロディックなリフ&メロディ、荘厳なシンセ&オーケストレーションが素晴らしく、
よくCOFに対して起こる、ブラックメタルかどうかの議論がどうでもよくなるシンフォニック・エクストリームメタル。
また、的なDaniの高音ヴォーカルは、怖いとまでは感じない(同系統のヴォーカルのやばさで言えば、『Wolf's Lair Abyss』期のManiacとかの方が断然上)が、
曲の展開にマッチしていて、妖しさや滲み出る狂気を演出している。

唯一のマイナスポイントは、プロダクションの軽さで、真正ブラックではないのだから、より良い音質が欲しかったところ。
しかし、フレーズの良さや芸術性を味わうにはなんとか大丈夫であり、個人的には許容範囲内ではあった。
音質等に対する先入観は捨てて聴きたい傑作である。

気に入り度…92/100

おすすめ…Thirteen Autumns And A Widow


CROWBAR - Sonic Excess in Its Purest Form (2016-05-14 15:05:25)

煙たく、引き摺る様なリフを主体とするオーソドクスなスラッジに、叙情的なギターや疾走を時折絡め、ダイナミズムもある程度具備した、
トラディショナルなドゥームの色が濃いアルバム。
スラッジというジャンルができて20数年経った今となっては特に真新しい事は無いが、良質なスラッジである。
曲の長さも全て5分半未満であるなど、かなり聴き易い作品で、スラッジ入門としては丁度良い作品かと思う。

おすすめ…The Lasting Dose


CRYPTOPSY - None So Vile ★★ (2012-04-13 23:31:53)

どのパートも変態的なまでにテクニカルかつえげつない手数を誇り、展開も複雑である。
だがフレーズに意外とメロディックな所もあり、全体としてはそれほど聞き辛くはない(あくまでデスメタルの中では、だが)。
また、ブルータルなデスメタルリフにトレモロやうっすらと叙情的なメロディを巧みに組み込んでいる点が面白い。
そういった所によって、単なるバカテクに留まらない、曲或いはアルバムとして十分に聴かせられている作品になっていると思う。

…とはいえ、バカテクぶりに関しては凄まじいの一言。
特に、今やバカテクドラマーの代名詞、Flo Mounierのドラムは最早笑いが止まらないレヴェルである。
複雑でえげつないフレーズを決めまくっていて、グラヴィティブラストを始め、疾走時のスネアの手数が凄まじいことになっている。
ただそれ以上に凄いのは手数が多いだけでなくて、タイミングやフレーズのセンスも絶妙な所。6.のギターソロの後ろで一瞬鳴る3連の金物など、 かなり効果的だと思う。
他にも複雑なリフ&ソロを弾きこなすギター、要所でビヨンと主張するベース、そしてこれまた有名な殆ど歌詞の聴き取れない野獣デスヴォイス…いずれも変態。

要は、クオリティの高いデスメタルとバカテクの二度美味しいアルバム。デスメタル必聴盤の一つである。

気に入り度…89/100

お薦め…Phobophile


CRYPTOPSY - None So Vile - Crown of Horns ★★ (2012-10-30 17:49:25)

絶叫とブラストビートが強烈過ぎてキ○ガイじみている(褒め言葉)。
でもギターソロなど時折入ってくるメロディックなフレーズは素晴らしい。


CRYPTOPSY - None So Vile - Dead and Dripping ★★ (2012-12-11 17:40:34)

ブラストの速さが驚異的。