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帰ってきたクーカイさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 101-200

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帰ってきたクーカイさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 101-200
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DISTURBED - Immortalized ★★ (2015-09-02 19:17:51)

 ヤングラジオさんの気持ちは良く分かる。
 
 私はこのバンドは3rdからのお付き合いで、正直3rdが一番好きだ。その3rdも超強力盤という評価は実はしていない。好きだけれど、もうひと踏ん張りという感じだった。だけれども、発表当時は他にここまで聴き応えのある作品を提出しているバンドが数少なかったので、確か褒めたおぼえがある。

 私は現時点で2ndは未聴(これは発表当時、試聴して「まぁ、いいや」と思ったので、未だに聴いていない)で、3rd→1st→4th→5thの順で聴いた。好きな順は、3rd→5th→1st→4thである。

 で、本作。良いことは良いのだ。久しぶりだし、やっぱり良いと思う。星二つあげる。
 だが、根源的に抱えているマンネリ感からの脱却は、悲しいかな果しえなかった。とても残念である。私は彼らの音楽のどこに停滞している部分を感じるのかというと、それはドレイマンのヴォーカル・メロディだ。結構な頻度で、「この歌い回し、別の曲でやっていなかったかなぁ」と思わされてしまう。本人が“武器”だと認識しているシンコペーションを効かせた特徴的な歌唱方法は、このバンドの絶対的な個性なのだが、仇にもなっている。これは究極的なジレンマといってもよかろう。

 「こりゃ、すげえな。やっぱ、あんた上手いんじゃん」と思わされたのは、カヴァー曲の“The Sound of Silence”で、これは素晴らしい。でも、カヴァーだから。オリジナル曲で凄さを感じさせて欲しい。

 良いんだけど、このままじゃ、ツアーの後でまた長期休暇に入ってしまいそうな気もするなぁ。


DISTURBED - Indestructible ★★★ (2017-05-08 20:34:44)

 最初に謝ります。このバンドを見誤っていました。ごめんなさい。
 ライヴ盤でバンドの本質がすっきりとクリアに見えたわけで、今、旧作を改めて聴き直している。
 本作は発表当時なんだか楽曲にすっと馴染めなくて、ちょっと好きになれなかった。
 だが、今聴いてみると全然良い。当時の自分は何を聴いていたんだろうと思うくらい、文句なしに格好良い。
 冒頭のタイトルトラックから2曲目の流れなんか完璧だったんですね。本当、すみません。
 この2曲の流れに乗って前半は気持ち良く聴けるのだが、後半だって良い曲そろっていたんですね。
 ようやくバンドにどっぷり惚れ込むことが出来たわけで、そういう意味でレッドロックスのライヴ盤には感謝だ。曇っていた視界をクリアにし、このバンドの楽曲が持つ本当の魅力を教えてくれたのだから。
 多分、いつか2ndも購入すると思う。


DISTURBED - Live At Red Rocks ★★★ (2017-04-30 14:20:39)

 良いライヴ盤を聴くのが好きだ(嫌いな人などいないだろうけど)。音の分離と抜けが良くエッジも効いており、何より演奏に熱が入っている。会場の空気をパッキングしたかのようなライヴ盤。なかなかそのような優れたライヴ盤にはお目に書かれない。音は良いんだけど妙に演奏が大人しいとか。プレイは良いんだが音がちょっと良くないとか。会場での反響や歓声があまり聴こえず、スタジオライヴか?というものとか。
 もちろん本作は違う。
 完璧に理想的なライヴ盤。それがこのアルバムだ。

 正直、このバンドの曲はたまにどれも同じように聴こえてしまい、スタジオ盤だと場合によっては退屈することもあったのだが(ドライヴの時のBGMとしては良い。寝る前や座ってじっくり聴こうとするといけないことがある)、このライヴを聴いて目からウロコが落ちた気分だ。同じような曲が並んでいても、全然良いではないか!いやいや、ノッて聴いているとどんどん差別化出来てきたぞ。
 それで気づいたのである。このバンドはAC/DCタイプのヘヴィメタルバンドなのだと。
 なにせノリが本当に良い。テンポよくガンガンくる。客とのやり取りもイカしている。こういう流れの中にある「The Sound Of Silence」。悪かったよ、スタジオ盤での収録について素直に褒めなくて。完全にノックアウトされてしまった。劇的にもほどがあろうというものだ。ライヴの山場を演出している。

 繰り返すが本ライヴアルバムは、完全無欠、向かう所敵無しのライヴ盤だ。
 DISTURBEDをこれまで聴いて来なかった人は本作を聴いてこのバンドに惚れるであろうし、私のような少し斜に構えて接していた人間は、このバンドの良さを再確認し惚れ直すだろう。
 上で火薬バカ一代さんが書かれているように、入門編としてうってつけであり、古くからのファンも納得の一枚であろう。


DOKKEN - Back for the Attack ★★ (2011-06-17 23:32:43)

 実のところ、DOKKENというバンドを、長い間敬して遠ざけてきた。
 初めてドンのヴォーカルに接したのはDON DOKKENのアルバムであり、それはそれで名盤なのだが、しばらくの間、ドンのヴォーカルとメロディアスなギターとの組み合わせが何か物足りず、”少し柔弱?”などという感想まで抱いていたためだ。
 しかし、本作を聴いて物足りなかったのは何かがわかった(遅まきながら)。
 それはギターのエッジだ。
 「カミソリ・ギター」とは良く言ったもので、ジョージのギターサウンドは切れまくっている。その切れ味の鋭さは尋常ではない。このアグレッシヴなギターならば、ドンの高音が良く伸びるメロディアスなヴォーカルは、持ち味を最大限に発揮できる。
 楽曲も、1曲目の格好良さはは言うまでもなく、他のものも粒揃いである。
 今更ながらだが、名盤だ。


DREAM THEATER - A Dramatic Turn of Events ★★ (2012-03-26 17:55:30)

 音楽としての質については、非常に高い。だが、今更ながら(以前、自分で「彼らはプログレッシヴ・ロック・バンドではなく、“テクニカル・メタル”バンドだ」と書き込んだにもかかわらず、だ)愚痴をちょっと。
 実のところ、前々作以降、皆同じに聴こえている。違いがようわからん。もう完全に“進化”を止めたんだと思う。

 と、少し前に書いたのだが、今思うに、今回は大きな変化を望まれないタイミングだったと考えると、これがベストだったのかもしれない。
 前作と聴き比べると、今作は明るく透明な印象があり、前作はダークで湿っている感じがある。そういう意味では、全く違いがないわけでもない。現時点では前作の方が自分の好みだ。

 RUSHの新譜を聴いて改めて思ったんだが、このバンドはRUSHとはその出自が大きく異なる。
 これは仕方の無いことで、バンド成立時に基本的コンセプトをMETALLICA+RUSHとし、それが奏功したわけなのだから、今の在り様は“理想像(という一つの型)の追及”という方向性で考えれば、やはり正しい“進化”なのだ。後追いするものの宿命を負っているわけであり、可変域にも限りがあることを考えると、善戦していると言っても良い。

 だが、(やはり愚痴るのだが)今作は楽曲が滑らか過ぎて、耳にひっかかってこないように思う。綺麗なんだけど・・・。
 次の作品が実は正念場だったりするのではないか。
 ま、なんだかんだ言って楽しみにしている自分を再確認ってことで(元のコメントから結論がガラリと変わった。今作は悩ましい作品だな)。 






 


DREAM THEATER - Dream Theater ★★★ (2013-10-05 01:15:24)

 正直なところ、このタイミングで本作のようなアルバムが発表されたことに、大変驚いている。
 本作については、もうこれは絶賛せざるをえない。
 近年、私はこのバンドに対しどちらかというと批判的な立場で接してきた。それはドラマーの脱退とは全く無関係で、冗長な楽曲群が型にはまって聴こえ、退屈だったからに他ならない(「だったら聴くなよ」という声が聴こえそうですね。でも、一度は惚れたバンドなので・・・)。良い例えではないが、積極的に別れを切り出すタイミングを逸したまま、ずるずると続いている交際みたいなものか・・・。
 故に、本作が“ここ数作における、いつものドリムシ定食”だったら、もうアルバムを購入することは金輪際しないつもりでいた。
 ところがどっこい。1st・2ndの頃を思い出させる充実作。なんだ、やれば出来るじゃん。
 本作で最も評価したいのは、コンパクトな楽曲を目指した点である。各曲の聴きどころが、これまでになく明確になっている(いや、1stの頃は、こんな感じだったんですよ)。
 ストレートに格好良いリフと、キャッチーなヴォーカルメロディが印象的な3曲目「THE LOOKING GLASS」は名曲だろう。4曲目のインスト(「ENIGMA MACHINE」)も聴いていてゾクゾクする。このバンドの曲を聴いてスリリングな気分を味わうのは、本当に久しぶりだ。9曲目の組曲(「ILLUMINATION THEORY」)は、オケだけのパートがあるとは・・・。組曲でなければならない必然に満ちた、感動の一曲だ。
 強いて言うなら、5~8曲目の中に、途中で思いっきりベタなバラードか、逆に超へヴィ(もしくはファスト)な曲が入っていたら、アルバムの構成がもっと起伏に富んだものになったと思うが、まぁ、それは贅沢ってものだろう。
 短い曲、長い曲、組曲。これまでに獲得した手札を惜しげもなく並べた本作は、まさにセルフタイトルにふさわしい充実の、そして渾身の一作だ。「お見事!」と言うしかない。


DREAM THEATER - Dream Theater - False Awakening Suite ★★★ (2013-10-05 01:55:03)

 オープニングのために作られた楽曲。
 短いながら、メリハリのある展開が良いのだと思う。無駄に長くないから良いのだ、と感じる。
 長い楽曲も良いのだけれど、楽曲が長いものとして存在しなければならない必然性がないとね。意味や理由(要するに、聴かせどころっすよ)が存在しないと、ただの冗長な楽曲になってしまう。
 某IR〇N MAI〇ENも、そろそろ気づいてくれないものだろうか・・・。


DREAM THEATER - Dream Theater - The Looking Glass ★★★ (2013-10-05 01:42:04)

 キリーさんの仰るとおりだと、私も思う。
 この曲のように、シンプルなギターリフが引っ張っていくタイプの楽曲が収録されるようになったのは、やはりマイク・ポートノイが脱退し、ジョン・ペトルーシが主導権を握ったためであろう。
 バンドの裏事情はともかく、良い曲は良い曲。
 やっと、なんでも好きに出来る自由をバンドが獲得したのは、バンドにとっても、我々聴き手にとっても喜ばしいことだ。
 ただ、バンドの現状に最も行き詰まりを感じ、おそらく現状打破のために気分を刷新したいと、誰よりも強く願っていた人物が辞めた結果、バンドがブレイクスルーしたのは、皮肉としか言いようがないが・・・。


DREAM THEATER - The Astonishing ★★ (2016-02-20 15:48:50)

 感想としては上のこ~いちさんとほぼ同じものを持つ。
 聴いていて気持ちが良い。しかし長いね。2枚連続は難しいので、1枚目と2枚目を個別に聴いている。

 “ときにヘヴィ。ときにダーク。テクニカルかつフックのあるメロディを持つのがDREAM THEATER”との定義を前提に聴くと、「これはDREAM THEATERではない」となると思う。
 だが私自身は、2ndの世界観を明るく壮大に(恐ろしく広大な風呂敷を広げっぱなしにした、とも言える)した作品という受け止め方。
 結構良い(少なくとも嫌いではない)、というのが結論。

 ただ、次作も同じようだとかなり引く。


DURAN DURAN - Seven and the Ragged Tiger - The Reflex ★★ (2016-06-26 18:44:25)

 この曲は絶対にアルバム・ヴァージョンの方ではなく、12インチシングル・ヴァージョンの方が格好良い。上でけむさんが、9年前に書いているが本当の話だ。
 歌詞の内容はなんだかチョビっとハードボイルドな感じ。 

 ’80年代ってポップスもロックもメロディがとても重視されていたように思う。
 この曲も「踊れる」とか「踊れない」なんていう価値基準で判断する以前に、曲として非常に良く出来ている。
 全編、ポップ職人の気合の入った仕事(メロディ)に痺れまくる名曲。
 そんでこのバンド、基本はロックなんだよね。1stから4th(ライヴアルバム)は、今でもたまに聴く。
 我が青春のバンドとも言えようか。
 


EAGLES - Hotel California - Hotel California ★★★ (2013-08-12 19:01:56)

 知らない人はいないという超名曲。
 アメリカのバンドって、たまに、あっけらかんと明るいだけでなく、この曲のようにイギリスのバンドとは異なる湿り方をした切ない曲を発表したりする。
 国の違いって、本当に面白くて興味が尽きないが、それはまぁいい。
 この曲は凄い。
 売れたからとか、超名曲で誰でも知っているから、とかではなく、妖しい。妖艶である。
 なんか、この一曲を聴いただけで、人生のハイライトを体験したような気になるし、人の持つ感情である、喜怒哀楽のうち、怒りを除いた全てが込められているような気がする。

 人が、自分の頭の中から、このような時代や民族や地域を超越した名曲を、作り上げたことは、言祝(ことほ)ぐべきだと思うのですが、いかがでしょうか。地球人以外の、宇宙に住む生命体全てに聴かせてあげたい。


EAGLES OF DEATH METAL - I Love You All The Time ★★ (2017-10-24 19:55:42)

 このバンドもQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・オムがかんでいる。
 興味を持ったのはパリのバタクランで起こったテロの被害にあったからだが、バンド名が「?」だったからだ。
 「デス・メタルのイーグルス」って何だ?それでYoutubeでPVを見てみたら、これが結構良い楽曲があるではないか。そのようなわけで、えっちらおっちら遠出してCDなんぞを探すわけなのだが、「ここはあんだろ」というデカいCD屋にもない。Youtubeはチョロッと楽曲を試聴するにはいいが音が恐ろしく悪いので、やはりちゃんとした音源が欲しいなと思い早数年。
 ライヴアルバムが日本盤で発売された。

 日本盤で発売、ということはCD屋に行くと手に入るわけだ(音源をネットでポチることはしないので)。

 聴いてみたらこれが結構面白い。今時珍しいロックである。変にヒネていないし、やたらとガレージっぽくもないし。なんかノリ一発でバカっぽいところもあるのだが、これがロックだよな!という説得力にも満ちている。良い楽曲も数多く含んでいるし(結局PVを観た曲は代表曲ということで良いらしい)。

 バカ上手いことは全くないのだが、恐ろしく下手でもない。なんかテンポが怪しい場面もあるのだが、押さえ所はきちんと押さえている。
 
 要するにいかにもロックなのである。
 ロックを聴きたい人には本作を力一杯お勧めしたい(真面目すぎる人は聴かない方が良いかもだけれど)。
 


EAGLES OF DEATH METAL - I Love You All The Time - Complexity ★★★ (2017-10-24 20:05:08)

 このバンドで最も好きな2曲のうちの1曲である。
 PVも好きだ。
 なんか昔のテクノ・ポップ・デュオみたいな佇まいの二人。笑える。

 でもライヴ・ヴァージョンはしっかりロックの楽曲で、「ほほう・・・」と感心してしまった。
 普通にロックソングなのである。キャッチーなメロディを持つので惑わされてしまった。

 名曲。


EAGLES OF DEATH METAL - I Love You All The Time - I Want You So Hard (Boy's Bad News) ★★★ (2017-10-24 20:19:19)

 それでこれがこのバンドで最も好きな2曲のうちのもう1曲。

 PVが可笑しい。少しいやらしく思いっきりバカっぽい。こういうユーモアは嫌いではない。好きである。

 ライヴではアンコールでやっており、DURAN DURANのSAVE A PRAYERの後に演奏している。やっぱりこれ演らなきゃ盛り上がらないよね!っていう扱いの楽曲だ。

 ガレージパンクっぽいノリなのだが、やっぱりフォーマットはロック。終始明るく、憂い気だるさは皆無〔あくまでメロディだけの印象。何を唄っているのかは知らないので。どうせロクなこと唄っちゃあいねぇんだろう?(笑)〕。

 名曲。


EARTH WIND & FIRE - Electric Universe - Magnetic (2014-06-01 01:46:57)

 長い間忘れていて、今しがた思い出したのだが(おそらく30年くらいぶりに)、生まれて初めて小遣いで購入したシングル・レコードがこの曲だった。B面には確か「Spread Your Love」が収録されていた。
 今の今まで忘れていたくらいなので、購入当時、あまり気に入らなかったのだと思う。現時点で改めて聴いてみても、やはりピンとこなかった。懐かしいことは懐かしかったけれど。
 ほぼ同時期に入手した(こちらは両親に誕生日のプレゼントか何かで購入してもらった)初めてのアルバム・レコードが、STYXの『Kilroy Was Here』だった。こちらはまだ実家にあり、CDで後日購入し直し手許にある。
 シンセサイザー全盛期の音作りと言う意味では共通していたのだな、と思う。さらに思えばVan Halenの「Jump」も、シンセによる印象的なフレーズで、聴き手の心を鷲掴みにしていたし。
 もしかすると、当時の自分はSTYXに惚れ込んだがEARTH WIND & FIREには入れ込めなかったため、ロック寄りの音楽に聴き進んでいったような気もする。「Magnetic」がもう少しイカシテいたら、もっとブラックでファンキーな路線の音楽を好んでいたかもしれない。
 そういう意味では、感慨深い一曲(今まで忘れていたけど)。


EARTH WIND & FIRE - Powerlight - Fall in Love With Me ★★ (2015-02-02 22:24:33)

 今日、アルバム『Powerlight』の中古盤を購入してきた。
 冒頭の曲がこれ。

 昨年末にとある温泉地のペンションに泊まりに行ったら、マスターがレコードを所有していたので聴かせてもらった。この曲がかかって「これ、聴いたことがあるな」と思った。
 多分、N兄ちゃんのステレオで、レコードをかけてもらったのだろう。
 前作の「Let’s Groove」と同系統の曲で、コーラスのメロディも良い。名曲であろう。

 僕と恋に落ちようよ。後悔はさせないよ。

 なんて、若くなければ言えない。
 現在の私が若い女性にこんな言葉をかけたら、ただの援交親父とどこが違うのか?という感じだ。だからといって、世代の近い妙齢の女性を相手にしたら、それはそれで洒落にならない事態に陥りそうだ(女性が相手にしてくれたら、の話だが)。
 やはり、若いうちにやっておくべきことは、きちんとやっておこうね、ということで。

 何の話をしてるんだっけ?


EARTH WIND & FIRE - Raise! ★★★ (2014-05-05 00:10:22)

 ’81年発表。何作目ですか?これ。10作目?(どうやらスタジオ作として11枚目らしい)

 このバンドのことを教えてくれたのは、従兄の「N兄ちゃん」だった。私より10歳ほど年上だったので、私の物心がついた時には、N兄ちゃんはもう「大人の人」という印象だった。だが、小さい私や妹を、良く構ってくれ、可愛がってくれた。
 剽軽なところがあり、私の母の実家であるN兄ちゃんの家に泊まりに行くと、私と妹が寝ている部屋の入口の襖が突然スッと開き、誰かの(まぁ、N兄ちゃんの)お尻がプリンと現れ私と妹が大爆笑する、なんてこともあった。面白い人なので、私も妹もN兄ちゃんに会うのを楽しみにしていたものだ。

 そのN兄ちゃんに、小学生の私は本作の一曲目「Let’s Groove」をテープに入れてもらい、良く聴いた。テープには他にYMOの『増殖』や、マイケル・ジャクソン、ロッド・スチュアートなども入っていた。N兄ちゃん自身は、それらのレコードを所有する他に、コモドアーズやJAZZを聴いていた。グローヴァー・ワシントン・Jrとか。

 そんなわけで、EW&FはN兄ちゃんに教えてもらったバンドなので、聴く度に北海道に住む(と思っていた)N兄ちゃんのことを、〝どうしてるかな?”と思い出していた。

 一年ほど前、実家に帰った折に、母に「N兄ちゃん、元気かね」と話した。
 すると母が私の顔を、何か思ってもいなかったところから突然水でもかけられたかのように、少しばかり驚いた様子で見て、こう言った。
 「Nちゃん、亡くなったよ」
 そして付け加えた。「あんたに、伝えてなかったかねぇ」

 死因はクモ膜下出血。自宅で倒れた時、運の悪いことに家族が皆外出していたため、発見された時には冷たくなっていた。
 そうか。亡くなっていたのか。
 二度と会えなくなる前に、このアルバムを聴きながらビールでも飲んで話がしたかったな、と思う。


EARTH WIND & FIRE - Raise! - Let's Groove ★★★ (2014-05-05 00:28:04)

 実のところ、『Raise!』収録曲の中では、この曲の完成度がずば抜けて高く、他の曲の印象は薄い。太陽の光が強い日中に、空の向うにあるはずの星々が見えなくなるように。
 
 『Raise!』本体は、今になってみると低迷期の作品という位置づけのようだが(と言いながらダブル・プラチナムを獲得しているとのこと)、「Let’s Groove」はその頃唯一大ヒットした曲、ということらしい。
 なんというか、ダンス・ナンバーとして数多ある曲の中でも、完璧な一曲だと思う。聴くだけで、自然に人の身体を揺らしてしまう。まさに「Let’s Groove」だ。
 しかも、今聴いても古臭さを感じさせない。ダンス・ナンバーとしてだけでなく、ポップ・ミュージックとして非常に良く出来ているのだと思う。


ENFORCER - Death by Fire ★★★ (2013-03-28 20:25:16)

 いや。正直なところ前作で期待していたのは、まさにこういう音楽っすよ。
 「これ、METALLICAの1st!」、「ここ、初期のIRON MAIDEN!!」
 もうNWOBHM及びそれに影響を受けたバンド達を彷彿させまくり。まさにこのバンド一つでNWOBHM祭り。祭りで身も心も踊りまくりってなもんで。

 本作は文句ない。・・・だが、実のところ次作が思いっきり勝負だと思う。
 我々はすでに知っている。METALLICAやIRON MAIDENがどのような音楽的進化を遂げたかを。そしてどのようなバンドが消えていったかを。
 このバンドは、AC/DCのように、この音楽性のまま、ひたすらリフとメロディを追及するのか。それとも、さらにメロディアスになっていくのか。もしくはスラッシーになっていくのか。あるいはドゥーミーになっていくのか・・・。
 しかし、実のところ処女地は無いのだ。全てが先鋭化され、全てが蒸留、抽出され、全てが混ぜ合わされた現時点では。とは言え、そのようなことは別のバンドにも当てはまっている。そのような中で、オリジナリティをどのように発揮していくのか。次作が実力の見せどころである。

 なんつって、次作が本作とまんま同じ音楽性でも、同程度に質が良いなら黙って買いますけどね。
 とりあえず頑張れ!!
 応援する!!!


ENFORCER - Diamonds (2011-10-29 22:59:42)

 で、ごめんなさい。
 実のところ、WHITE WIZARDと比較して、あんまりピンとこなかったのがこの作品。まだ、聴きこみが足りないんだと思います。それに期待が大きすぎたのかも。IRON MAIDENの1st・2ndを比較対象として出されると、そりゃあ期待するなっていうのが無理ってもんでしょう。でも、あんまりMAIDENを感じなかった。
 ただ、質は高いような気もするし、たまに“聴こうかな・・・”という気にさせるということは、心のどこかにひっかかっているためなので、将来的に「こりゃ傑作!!」というふうな評価に変わる可能性もあります。しかし、今のところは「次作に期待」。


ENFORCER - From Beyond ★★ (2015-03-28 21:47:11)

 4thアルバム。
 前作も良かったが、本作もかなりな力作だ。正直、好きだ。

 方法論としては、IRON MAIDENが1st・2ndの頃の音楽性を変えず、楽曲の質を向上させていったら、どうなっていたか。あるいはMETALLICAが1st・2ndの頃のまま・・・(以下同文)。というのが、選択されている。
 それで、そのやり方は正しい。“あのバンドのあの頃の音楽性”での新曲っていうのは、当のバンドはまず作らないからだ(そういう意味では、皆、SCORPIONSの爪の垢を煎じて飲んだら良い、と思わないでもない)。
 このバンドは作品の質をリリースする毎に上げている。
 本作は、単なる懐古趣味を満足させるのみに留まらない、このバンドが持つ潜在的な力(底力というか)を感じさせる。
 将来が楽しみなバンドである。


EXODUS - Let There Be Blood ★★★ (2015-02-16 17:58:01)

 EXODUSはこれしか持っていないし、最近の活動もフォローしていないのだが、このアルバムは最高だ。リフが格好良い。パープルにしろ、Zeppにしろ、サバスにしろ、リフやメロディがキャッチーとかじゃなくて「格好良い」と表現するしかない楽曲が数多くあった。
 本作の楽曲も、しっかりとしたフックを持ち、耳に残る。非常に爽快。
 本作発表後、オリジナル盤もCDで(確か紙ジャケで)再発されたのだが、ちょっと手が出せなかった。大好きなMegadethの1stも、現行版と聴き比べて以前のは、やはり音質の悪さが気になったからだ。格好良い曲は出来るだけ良い音で聴きたい。モコモコしているのが味な場合(The Firmの2ndとか)もあるのだが、ある一定の基準は満たしておいて欲しい。
 YJMとか、セルフ・プロデュースをやめて欲しいのは、その一点なんだよね。カーステレオだけで音楽聴いているわけじゃないからさ。
 話が逸れたが、本作はオリジナル(聴いていないけど)が傑作なのは疑いないが、本作も相当イケてる。名盤。


FASTER PUSSYCAT - Faster Pussycat (2012-03-07 01:14:27)

 上の方々のコメントが本作の内容を的確に表現している。
 このバンドは3rdなんかを聴くと、決して才能がない人たちではないので、本作は当時多かったメジャーレーベルによる青田買いの代表作として思い出す次第だ。
 だが、このチープさ、安っぽく青臭くなったTHE ROLLING STONESというか、これが妙に悪くなかったりする。不思議なアルバム。


FOO FIGHTERS - Concrete and Gold ★★★ (2017-10-24 20:50:13)

 この前のEPが滅法良かったので、本作は期待していた。

 期待を裏切らない傑作である。デイヴは「MOTORHEADが『SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』を作ったような作品にしたかった」みたいなことを言っていたらしい。そのとおりなのではないか。

 これさえあればとりあえず他はいらない、と思わせる名盤(と言いつつ他にも色々聴いちゃうけど)。
 


FOO FIGHTERS - Saint Cecilia Ep - Saint Cecilia ★★★ (2016-02-20 15:25:15)

 このサイトに書き込みをしたりそれを覗いたりしている人達は、この私を含めて多かれ少なかれ音楽に慰められたり癒されたりした経験を持っていよう。
 デイヴが唄うように、音楽は必ずしもメッセージを届ける上で万能のヴィークルではないが、それでも誰か一人の心の内をあたためる力を十分に持つ。一歩を踏み出す勇気を与えてくれる。世界を変えるにはえらく手間がかかり遠回りにも見えるが、季節の移り変わりのように確実に変化を促していく。


  今はもう隠し立てしていないというわけではない
  俺の名はあなたのドアの外に引っかかったまま
  ただのありふれた目障りなもの

  俺が得たこの感覚を、今はもう押さえつけておけない
  少しばかりの癒しをもたらしてくれ
  聖セシリア、俺を安息の場所へと運んでほしい
  あなたの家、傷ついた遺骸の

  あなたを目にしていないと、つい忘れてしまう
  座ったまま色褪せたあなたの肖像画をじっと見つめる
  ほんの冗談だ

  俺が得たこの感覚は、今はもう押さえつけておけない
  少しばかりの癒しをもたらしてほしい
  聖セシリア、俺を安息の場所へと運んでくれ
  あなたの家、傷ついた遺骸

  わかっている。たとえ俺が何を言おうとも
  日々は来たり過ぎ行く
  俺が何を言おうとも、結実したものなどない
  俺が何を言おうとも
  日々は過ぎ行く


FOO FIGHTERS - Sonic Highways (2014-11-16 20:23:15)

 むー。
 忌憚ない所を書かせてもらうが、このバンドのアルバムを聴いて「ん?!・・・んーん?」となったのは、今作が初めてである。
 何がそうさせたのかというと、1曲目だ。
 途中から出てくるこのリフは、DIOだよね。
 DIOの「Holy Diver」だよなぁ。どう聴いても。何回聴いても。

 で、解説とか読まないで聴いていたので、引っ張り出して読んだんだが、ロニーへのオマージュで作ったらしいよとはどこにも書いておらず。いや。可能性あるから。デイヴ、メタルヘッドだし。

 実際どういうことなんだかわからんのだが、リスペクトの発露で作られた曲だったとしても、「あーん?」(ヤンキーが下から、アゴを上げながら相手を挑発して見るイメージで)という感じ。

 この冒頭の1曲がなければ、星二つ以上は間違いなく付くのだが、何だか今は喉の途中に小骨が引っかかっているような気がするので、コメントのみで。

 でも、DIOを聴いたことがない人なら大丈夫。良い作品ですよ。8枚目のスタジオ・アルバムで、自然体で作られていて、格好良いです。


FOO FIGHTERS - Wasting Light ★★★ (2013-01-20 12:54:15)

 2011年発表。スタジオ作としては7枚目のアルバム。
 7枚目にして、ほぼ最高傑作としていいような充実した内容。個人的には大好きな1st・2ndと並ぶと思う。
 やはり疾走する曲が格好良く、冒頭の「BRIDGE BURNING」は白眉。4曲目の「WHITE LIMO」も良い。他にも6曲目「THESE DAYS」、11曲目「WALK」など、優れた曲を要所に配し、アルバムを通して聴いても緩急に富み、全体的な完成度が高い。

 
 全ては巡り
 橋は全て落ち
 もう、引き返すことは出来ない
 (BRIDGE BURNING)

 永遠に、何があっても、俺は死を望まない
 去りたくない
 別れなど告げない
 (WALK)

 つい先日、生まれて初めて葬儀の施主などをやった。結構大変。仕事を休まずにやって、終わった次の日からも仕事に行ったら何だかヘトヘト。今、グッタリしている。

 人はいずれは死ぬものだし、デイヴが歌っているのはカートのことを念頭においてのことだと思う。寿命が来るまではベストを尽くしたい。自分から退場はしない。そういうことだと思う。
 私も引き返すことが出来ない年齢になってきているので、今年は長年の懸案事項に挑戦してみたいと思う。死んでしまう前に。


FOREIGNER - 4 - Juke Box Hero ★★ (2015-01-13 09:38:56)

 ちょっと好きな一曲。
 ハードだし、‘マット’ラングのプロデュースに特徴的な、ファットなボトムが曲のヘヴィさを増している。ロック賛歌、エレクトリック・ギター賛歌だしね。
 聴けば血潮も熱くたぎります。


FREE - Fire and Water - Fire and Water ★★★ (2013-08-03 22:36:26)

 ポール・ロジャースのVo.メロディは勿論なのだが、私はどうもメロディアスなベースが気に入っている。この曲だけではなくFREEの楽曲はみな、そうなのだが。
 ジェイク・E・リー率いるBADLANDSで、ジェイクが「Fire and Waterをカヴァーしようぜ」と言おうとしたのを、「Fire and Rainを・・・」と言ってしまい、バンド・メンバーは巧者揃いなのでそのままプレイして、出来が良かったので、そのままアルバム(2ndね)に収録されたのは、今となっては知っている人も少ないだろう。
 BADLANDSがプレイする「Fire and Water」も聴きたかったな・・・。と思うのは、やはり今となっては私だけなんだろうな。


FREE - Highway ★★★ (2011-09-20 16:49:58)

 いや、どうも前作が売れていて、バンド内の関係も良好で、そしてこの内容で売れなかった理由は、164さんが書いたとおりっぽいですよ。
 発売時、レヴューに「この“Highway”はいいバンドだ。彼らは驚くほどフリーに似ている」と書かれたらしいですから。
 間違いなく、音楽的滋養に富んだ名盤です。上で皆さんがおっしゃっているとおり。


From Dusk Till Dawn ★★ (2014-07-05 17:17:57)

 このサウンド・トラック・アルバムは、映画そのものが面白かったから購入した記憶がある。
 この時期(’90年代中頃)、私はクエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスに嵌っていた。
 ロドリゲスさんもタランティーノさんも、音楽に拘るタイプの監督なので、サウンド・トラック(以下「サン・トラ」と略す)もなかなかに楽しい。
 本サン・トラはメキシカンなノリに溢れていて良い調子なのだが、中でも気に入ったのは9曲目のZZ Topによる「She’s Just Killing Me」と11曲目のTito & Tarantulaによる「Angry Cockroaches(Cucarachas Enojadas)」だ。
 特に後者は、「怒ったゴキブリ」って?という曲名もイカしているが、チープでキャッチーでメキシコの空気にブワッと包まれる感じがたまらない。
 途中に、映画本編での山場・見せ場のセリフも入って、ジャケットのB級感は微妙だが、極めて良心的、かつ格好良いサン・トラだと思う。


GAMMA RAY - Blast From the Past ★★ (2012-04-01 16:08:41)

 ここのところ、カイの歌唱の再評価を行っている。
 カイ≒デイヴ・ムステインという捉え方で聴いた場合、カイの歌声もなかなかなものだ、というのが、『TO THE METAL!』で得た素直な感想。
 それを基準に本作の特にDISC1を聴くと、うん。悪くない。
 少し前までは、どうしても聴き馴染んでいたシーパースの歌(GAMMA RAYの1stは結構好きで良く聴いていたもので)が思い出され、①~④が通しで聴けなかったのだが、いや、なかなかどうして。
 私は彼らの楽曲全てを聴いたわけではないので、選曲がベストなのか否かの判断はできないのだが、少なくとも本作収録の曲は、どれもワクワクするメタルだ。
 このバンドの実力と歴史が、納得いく形で示された良盤だと思う。


GAMMA RAY - To the Metal! ★★ (2011-12-04 01:29:53)

 久しぶりにGAMMA RAYの作品を聴いた。
 私は4thで挫折してしまった人間で、これまで敬して遠ざけていた。
 以前、1stのコメントの中で「Vo.にまともな人を入れたら良いのに。自分で歌うのはエゴではないか」(当時、ラルフ=シーパースは脱退していた)みたいなことを書き、おそらくは良識あるファンの方々の眉をひそませたものと思うのだが、本作を聴いて思った。
 “カイの歌ってMEGADETHのデイヴみたいに味があるんだ”
 味があるんだというより、出てきたと言った方が良いのかもしれないが、少なくとももう下手ではなく、個性である。立派なものだ。
 たまにどこかで聴いたようなギターのフレーズがあったりするが(RAINBOWっぽいのとか・・・)、それは別にマイナス点には思わない。なかなかの意欲作だと思う。


GARY MOORE - Wild Frontier - Thunder Rising ★★★ (2014-06-16 21:13:40)

 傑作『Wild Frontier』の中盤に入ったところを、ガッツリ締める名曲。
 私はアルバムの中では、1曲目と同じ位この曲が大好きだ。本当に良い曲だと思う。
 ただ、どうしてなのか理由がわからないのだけれど、この曲になると音のレベルがガクッと下がる。それは大昔に買ったヴァージョン(曲順が変でしたね。ボーナストラックが真ん中あたりに入れられていて)も、2002年のリマスターヴァージョンも同じ。その後のことは知らない。さすがに、いくら好きだからといっても、同じアルバムを購入するのは2回が限界だ。給料だって安いし。

 歌詞に出てくる、ク・フーリンというのは、アイルランドの伝説の英雄。“雷鳴の轟き”というのは、ク・フーリン(の活躍と彼の勇名)を指すのですね。
 さて。ク・フーリンはアイルランドの伝説の中でも、極めて重要な位置を占める。そしてク・フーリンに色々と余計な(そして悪意に満ちた)ちょっかいを出すのは、アイルランドのもう一つの国(確か主な国が三つあり、三つ巴で対抗していたような気がする)の女王メイヴ。地母神の祖形の一つとされている。

 このメイヴがかなり極悪非道。当然、見た目は美しいわけなのだが(なにせ女神のテンプレートの一つだから)、まぁ、欲深いし、嫉妬深いし。母性や女性に関する古代の人々の考察結果が、凝縮されているのだ。
 一例を挙げると、「あの隣国の牛、良く育っているわねぇ。いただこうかしら」みたいな理由で、女王の号令のもと隣国に攻め込み、アイルランド全域が戦乱に巻き込まれ多くの人々が死ぬはめになったり。

 余計な話だが(ここから先は、あくまで神話の分析の話ですよ。一般論として言っているのではありませんよ。女性の皆さん!)、女性と言うのは美しいし、ひよわだし、守ってあげたくなっちゃうし、という側面を持っている。だから男性(のうち異性愛者)は女性のことが気になってしかたなかったりする。だが、女性(母性)は一方で怖い面も持っているのだ。他人の子どもをガンガン食べちゃったり(鬼子母神・インド)、頭頂あたりにもう一つ口があって、おにぎりをバカスカ放り込んだり(二口女房・日本)、なんていう伝説・昔話は世界各地に残されている。
 それは、一つには女性と言うのは自然の力を身に纏った、ある意味超自然的な存在でもあるからだ。だって、子供を産むなんて、昔の人は不思議だったと思いますよ。生命を自らが生み出してしまうのだから。それに、神社の巫女さんは女性ですよね。卑弥呼の末裔と思っていただいてよろしいんじゃないかと。

 というわけで、いくら頑張って働いても、「あなたは仕事ばっかり!」と怒られている世の男性は、あきらめて下さい。古代の人が結論付けているとおり、一所懸命仕事をした上でプラス・アルファがないと、評価の対象にすらできない、というのが女性の基本的な形(あくまで神話・伝説の話ですよ!)なのです。

 そして、世の女性の皆さん。(もちろん)メイヴほどに強欲でなく、良識があって賢明で、心優しい現実の女性の皆さんは、男(「ヤロー」と呼んでもらって結構です)は馬鹿だから、気が向いたらで結構ですので、ちょろっと優しくしてやって下さい。多分、色々頑張ります。鞭を打つのは、やさしく持ち上げても効果がないことがわかってからでも、遅くはないですよ!

 全く、曲に関係なかったですね。しかも、多分このサイトの約半数の人たちを敵に回した気がします・・・(あ、でも僕、女性好きですよ。尊敬していますよ!)←(遅いって)。


GLASVEGAS - Glasvegas ★★ (2012-11-26 09:46:13)

 2008年発表。1stアルバム。
 私は輸入盤を購入したので、何を唄っているのか詳細はわかりませんが、曲調はいかにも英国な感じ。少しケルト調も入るような。Vo.がまた切ない声を張り上げ、もの悲しさを倍増させているわけですが、この声が苦手って人もいるかも。私は好きですが。
 サウンドは、この1stに限って言えば、ギターが壁のように迫ってくるので、かなりHRっぽい。曲も新人とは思えないほど質が高く、名作です。感触としては、OASISの1stを聴いた時を思い出しますね。「おおっ!?お主ら、なかなかやるな!」みたいな。
 ただ、次作はギターが奥に引っ込んでしまい、曲もなんだか味が薄まったような出来栄え。本作が最高傑作だった、ってなことにならなければ良いのですが・・・。


GRAVE DIGGER - Knights of the Cross ★★ (2012-03-11 06:18:24)

塩野七生さんの『十字軍物語』を読んで③

 それで、本作である。他にも十字軍に題材をとった作品があるのかもしれないが、今思いつくのはこんなところ。
 このバンドはギタリストが変わる以前は、どうもリフに一味足りなくて、この作品もちょっと聴いて長らくしまいこんでいた。
 今回、改めて引っ張り出し聴いたところ、サウンドプロダクションに多少の難があるが、決して悪くないことに気付いた。特に、⑤・⑦・⑫はなかなかの名曲だ。リフに勢いがあり格好良かったり(⑤・⑫)、クリスの歌メロが魅力的だ(⑦)。
 良い作品だと思う。


GREEN DAY - American Idiot ★★★ (2014-08-29 00:34:39)

 これは傑作である。
 ずいぶん後になってから購入したのだが、まさかこのバンドが『dookie』を超えるアルバムを出すとは思わなかった。「『dookie』を超える」どころか、(繰り返すが)一大傑作アルバムだ。
 タイトル・トラックに耳を引かれ購入を決めたのだが、それだけではなく名曲が複数収録されている。素直に、凄いと思う。
 『dookie』で「お。良いじゃない」と気に入ったのだが、次作が完全に波長が合わなかった。変な例えで申し訳ないが、良い笑顔でこちらに歩いて来た知り合いの顔面の皮膚が、いきなりズルリと剥け、それでも知り合いは笑顔のまま、という感じの気味悪さを感じた。音楽性は『dookie』と大差ないのだが、どうにもドロリと澱んだ何かの臭気が感じられたのだ。
 故にそのアルバムは売り払い、以後、GREEN DAYのアルバムは聴かなかった。
 そのため、GREEN DAYは『dookie』と本作しかもっていない。

 話はガラリと変わるが、以前このサイトから(というかインターネットそのものから)5年ほど離れていたのは、「仮面うつ病」(身体症状が“仮面”のように前面に出、その陰に鬱病が隠れている、という鬱病の一種らしい)の診断を受けていたのが、ネットから離脱する少し前にどうにか回復したことと、無関係ではない。鬱状態からは回復したのだが、鬱の原因は依然としてそのままであったため、色々と頭の中を整理する必要があったのだと思う。
 HIGASHIさんと死生観の話をしていたのも、つまるところ、その少し前の期間に死ぬことを頻繁に考えていたからに他ならない。
 そういう意味では、このサイト(及び、当時参加していた方々)とこ~いちさんには感謝している。ここがなかったら、冗談抜きで、今生きていなかったかもしれない。結構つらい状態だった時期もあったのだが、ここで好き勝手に書き込んで、なんとか露命をつないでいたように思う。

 まだ死んでいなくて、GREEN DAYの新たな傑作を聴くことができたのは、言祝ぐべきことだ。
 GREEN DAYが一発屋で終わらなかった、ということも、随分勇気づけられることだ。


GUNS N' ROSES - Chinese Democracy ★★ (2012-07-17 17:46:09)

 本作は名作である。
 だが、やはりGN’R名義での発表には正直なところかなりの違和感を感じる。
 まぁ、そこのところは言っても仕方がない。
 内容は、冒頭の曲はなんだかピンとこなかったのだが、②・③は名曲だと思う。中盤も曲調を変えて様々な曲が収録され、後半にも疾走曲(ベドウィンの歌。これも大好きだ)を配し、本当に良く考えられた曲順である。勿論、各楽曲はアレンジに細心の注意が払われており、完成度の高さは流石と言えよう。
 UYIⅡのラストで提示し、アーノルド・シュワルツネッガー主演映画のサントラに収録された曲でも踏襲された方向性が(勝手に「「サイコ・デジロック」路線」と呼ばせてもらう)、HR寄りに振れたような内容である。天才アクセルだけに提示できた、ある意味芸術品だ。
 であるからして、GN’Rの1stとはもう文脈を異にして成立していることは明確であり、聴き手はそれを黙って認めるほかはない。
 GN’Rの1stは、当時のメンバーで、あの時代だからこそ作ることができた作品であり、存在自体が奇跡なのである。今後、同じくらい素晴らしいものが元メンバー達だろうが、他の誰かだろうが、創造できるとはとても思えない。と、思うんですがどうでしょう。
 ついでに書くと、アクセルは本作を最後にアルバムはもう作れない(作らない)と思います。少なくともあと15年ぐらいは(何故なら、アクセルってその天才とナイーヴなところが、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンに少し似ている気がするから)。


GUNS N' ROSES - Use Your Illusion I ★★ (2012-07-14 21:27:58)

 SLASHの新譜『APOCALYPTIC LOVE』の出来があまりにも良いので、思わずスラッシュの過去の仕事を再確認している。
 UYIはⅠとⅡの2枚発表されており、私は発表当時からⅠのほうが好きだ。それは単純に好きな曲がこちらの方が多いからなのだが、実は、好きではあるのだが少しばかり薄気味の悪さも感じている。
 はっきり言うが、本作の中で私は「THE GARDEN」と「COMA」がとても好きなのだが、この二つの曲はかなり気味が悪い。サイコ・ロックの名曲だ。どちらも、ドラッグでわけがわからなくなっている状態で見る妄想や幻影(私は酒は飲むがドラッグはやったことがない。大嫌いだ)を想起させる。
 自らの抱え込む深い深い森に踏み込んでいくかのような、聖杯伝説や村上春樹氏の小説のような、ある種の神話世界にも通ずる心の暗い部分。この二曲はその存在を思い出させる。
 それはともかく、改めて聴き、クレジットを見ると、スラッシュよりアクセルの天才ぶりを強く感じる。だが、天才ってのはムラっけがあり・・・。
 スラッシュも、まぁ天才的に上手いギタリストなのだけれど、アーティストというよりはプロのミュージシャンで、“職人”なんだろうな。そして、人とのアイディアのやり取りや、ツアーが好きなところから、根っからのロッカーなんだなぁ、と思う。


HAREM SCAREM - Mood Swings - No Justice ★★★ (2018-08-26 19:23:46)

 個人的には完全無欠の名曲だと思う。
 私にとってHAREM SCAREMというバンドの最も良い部分が表現されている曲は、この曲だ。

 THE BEATLESばりに最も美味しいメロディを冒頭とコーラスに配し、サウンドはヘヴィ。QUEENとTHE BEATLESとを起源に持つHRの一つの到達点であろう(今でも心の底からそう思う)。

 『MOOD SWINGS』発表当時、私はLOU REEDとTHE VELVET UNDERGROUND、そしてSONIC YOUTHやNIRVANA・PEARL JAM・SOUND GARDENなどを好んで聴いており、HM/HRは気になるバンドの新譜を買いはしても共感することが少なかった。
 あの頃の心象風景は殺伐としたもので、そのサウンドトラックにはLOU REEDやSONIC YOUTHがとってもしっくりしたものに感じられたのだ。

 だが、ある日『MOOD SWINGS』を“まぁ、せっかく購入したし聴かなきゃもったいないよな”的なノリで聴いていたところ、“あれ?このバンドこんなに格好良かったっけ?!”と、「NO JUSTICE」を聴いて思ったのである。それをきっかけに『MOOD SWINGS』が大好きになったし(改めて聴くと、アルバムに収録されている他の曲の全てが名曲であった)、再びHM/HRを素直に楽しむことが出来るようにもなった。そのような意味でこの曲は想い出深い曲であるし、今でも“完璧な曲”である。
 私にとってこのバンドを代表する一曲は、この「NO JUSTICE」である。


HAREM SCAREM - United ★★★ (2017-05-02 01:06:51)

 14枚目のスタジオ・アルバム。
 思えばこのバンドも随分長い旅路を経て現在に至っている。私は4thを聴いた後途中下車し、本格的再始動の前作から再び乗り込んだある意味不真面目な客なので、このバンドの不遇な時代をスルーしている。前作も「良いんだけれど、なんかちょっと、こう・・・」みたいな感じで、結局今に至るまでコメントしていない(今後する可能性はある)。

 そんな私だが、本作は「これ良いから聴いてみて」と素直な気持ちでお勧めできる。
 バンドも吹っ切れたかのように、良い部分を出し惜しみしていない。変に2ndに寄せていくこともしていないような気がするし。好きで得意な事を一所懸命やったら出来上がりました、という感じ。

 このバンドは気の毒なことにいきなり2枚目で最高傑作をスルンと生み出してしまった。しかもそれが、その手の音楽をあまり評価しない時代に。そのため一部の(あるいは一部の国の)メロディックHR愛好家を除きスルーされたという過去を持つ。時代が時代だったら、ものすごい売り上げがあってもおかしくないくらいに全曲名曲揃いの奇跡的なアルバムであったのに。
 悪いことに大概傑作を発表すると、それがそのバンドのベンチマークとなる。皆、それと同等のものや上回るものを求める。
 でも、そんなに大傑作って生み出せない。当たり前のことだけど。

 で、本作については「2ndと比較して」なんてことはすでにどうでも良くなっている。個人的には。あれはもう別格だから。
 しかしながら、アルバムの雰囲気や聴いている時の気持ち良さは、近いものがあるんだな。これが。ハーモニーがビシバシ決まるし、フックも随所に仕込まれているし、良い曲が並んでいるし。
 前作と違って、早い曲やスローな曲やハードな曲やバラードを、上手に並べて緩急つけている。実力派投手が変化球とストレートを絶妙に配球し、三振の山を築いていく気持ち良さが本作にはある。

 断言しましょう。名盤です。


HEAVEN & HELL - The Devil You Know ★★★ (2013-07-04 18:03:58)

 別に、ロニーが亡くなっているから三ツ星というわけでは、ない。
 内容は、上で色々な方々が語っておられるように、素晴らしい。だから星三つ。

 オジーのVoで製作された『13』が、1stから6thまでのサバスをそのまま、タイム・スリップして当時のままにそっくりと持って来たかのような作風であることを考えると、ロニーは最期の最後まで、へヴィ・ミュージックの探究者だったのだと思う。
 DIOの末期でも、多分、自他共に認める全盛期であった1st~4thの作風をただ再現することを考えるのではなく、『MAGICA』の続編を構想していたように、重いことにかなりの拘りを持っていた。

 本作も、かなり重い。正直なところ、前半部分を聴き終えた時には、「これは私の知っている悪魔ではない」と思った。悪くはないのだが、『Dehumanizer』で上手く実験できなかった部分を、新たな機会を捉えて追及しているように感じられた。
 だが、後半になって「あぁ、これは『Heaven And Hell』の頃のサバスだ・・・」と、感じ、これは名作だという思いを強く抱いたわけだが。

 過去をただ焼き直しするのではなく、あくまでミュージシャンとしての探究心・冒険心を優先させた上で、聴衆が求めている部分についてもキッチリ配慮している、という絶妙なバランス感覚を有した作品だという点において、本作は歴史に残る名盤と言って過言ではなかろう。

 ロニー、あなたは最期に本当に大きな花を咲かせましたね。今更ながらですが、やすらかにお眠りください。お疲れ様でした。


HELLOWEEN - Gambling With the Devil ★★ (2014-08-26 03:54:58)

 これも車内で評価が定まったアルバム。
 購入してから随分経つのだが、今一つ聴き込めていなかった。つい最近、通勤途中で毎日数曲づつ聴いていたら、結構良い曲が収録されていたことを実感した。
 バラエティに富んでいて、デリス期ハロウィンがキスク期とは異なる形で、一つのハロウィン流HMを完成させたことを実感する。
 正直な話、デリス期のハロウィンは音(の分離)が悪かったり、ダーク/ヘヴィ路線への振れ方が咀嚼不良な形(数曲は良い曲があったが・・・。)で提示されたりと、私は今一つのめりこめなかった。故にアルバムも現時点で全く聴いていない(購入しなかった)ものが何枚かある。
 だからこのアルバムの評価にも時間がかかったのかもしれない。『Straight Out Of Hell』が気に入ったので、ようやく本作についても素直に耳を傾けられるようになったと言うべきか。
 今さらながらだが、良いアルバムである。ハードなのも、ウエットなのも、少々おちゃらけたというか、このバンド独特の明るいメロディが開いていくのもある。色々あるが、全てにハロウィンの刻印が押されており、バンドの音楽が一つの完成形・理想形に到達したことを感じさせる。


HELLOWEEN - Gambling With the Devil - As Long As I Fall ★★ (2014-08-24 00:01:00)

 本日、帰宅中に車内で聴きました。
 以前から結構良い曲だな、と思ってはいましたが、ウェットな雰囲気から明るく開いていくサビが、たまらないですね。
 前にも書きましたが、運転中に聴くとなにか再発見がありますね。
 耳が無防備な状態(「聴くぞ。聴いてやるぞ!」となっていない)だからかなぁ。
 良い曲です。
 それに、この曲を収録しているアルバムも結構良いですよね。


HELLOWEEN - Gambling With the Devil - Paint a New World ★★ (2014-06-20 04:17:00)

 『Gambling With The Devil』も最近車内で良く聴いているが、この曲には運転中でも耳がとらえて離さないメロディとエッジがある。やはり、アルバムの中盤にこういう良い曲が配置されていると、アルバム全体の印象がグッと良いものになる。
 だが、音楽媒体としてのCDがその役目を終えたなら、「アルバム」という概念もかなり希薄なものになろう。レコードからCDに変化した時に、A面とB面という“面の違い”や、“面の中での曲配置への気遣い”というものがなくなってしまったように。

 それでも音楽自体が無くなることはないし、Helloweenも色々あってメンバーチェンジも度々経験したけれど、いまだに一線級のバンドとして活躍していることは、素直に嬉しい限りである。今は、Vo.がアンディ・デリスに代わって以降の黄金期を迎えているような気がする。
 本当に、こういう“いかにもヘヴィ・メタル”な曲を聴くと、ホッとしますね。


HELLOWEEN - Gambling With the Devil - The Saints ★★ (2014-06-20 04:32:19)

 上で複数の方も触れているが、「Eagle Fly Free」に少し似ている。
 でも聴いていて、7分もあることには全く気付かなかったな。
 この疾走感と、全体的に明るい感じでメロディが展開していくのは、Helloweenならではだと思う。私個人としては今では、少しばかりエッジが効いていたり、ダークやメロウな味付けが仄かになされているのが好みなのだが、「The Saints」も悪くはない。こういう曲ばかり続くと、少し胃にもたれてくるような感じもあるが、要所に楔を打ち込むようにピシリと押さえられてしまうと、もうぐうの音も出ませんね。
 脱帽です。名曲。


HELLOWEEN - My God-Given Right ★★★ (2015-06-16 21:36:18)

 前作が大いに気に入ったので、本作は久しぶりにリリースを楽しみにしていた。
 前作については、車内で聴いたり仕事のBGMにしたりしていて、不意に魅力的なメロディが奏でられ、よくよく聴いてみると名曲、あれ、他にも良い曲あるぞ、あ、このアルバム名盤じゃん。みたいな感じだったのだが、本作は冒頭の4曲がガッチリ「掴みはOK」みたいな良い曲だった。で、問題は5曲目以降で、スルメを齧るように車内で通勤の折に聴いていた。

 結論。大変良いです。

 ミドルテンポの曲もバラードも、それぞれ退屈さなど感じさせない完成度を誇っている。終盤に織り込まれているスピード・ナンバーがこりゃまた格好良い。そりゃあボーナス・トラックを含めて16曲もあれば、「全てが名曲」なんてことはないわけなのだが、結構良い線いっているぜ。これ。なかなか凄いぞ。

 このバンドが新たなる最盛期を迎え、黄金時代を築いているのは疑いない。
 このアルバムは前作と双璧を成す傑作アルバムであろう。


HELLOWEEN - My God-Given Right - Stay Crazy ★★★ (2015-06-01 19:00:43)

 今日、買ってきたばかりなので、全編聴きとおしていないのだが、この曲は一回聴いただけで気に入ってしまった。この曲だけでなく、1曲目からこの4曲目まで、かなり良い。
 HELLOWEENの新譜を心待ちにしていたことなど、本当に久しぶりなのだが、序盤の楽曲群を聴くだけでも『My God-Given Right』は名盤認定して良いように思えるくらいだ。このバンドも歴史が長いので、何を期待して聴くのかということに関しては、各リスナーによってそれぞれ微妙に異なるだろう。だが(あくまで個人的な見解ではあるが)、本作は前作と同じ位(とりあえず冒頭4曲に関して言えば)ツボにハマっている。それで、1枚のアルバムで4曲良い曲が並んでいれば、それだけでもう私について言えばそのアルバムは一定以上の価値を持つのだ。
 本曲に話を戻そう。メタルのエッジと良質なメロディが絶品である。一聴して「おぉ、これ良いわ」という体験は、最近とみに減ってきているのだが、こいつは本当に良い。大いに気に入った。


HELLOWEEN - Straight out of Hell ★★★ (2013-02-12 18:32:11)

 今日、半日ほどこのアルバムを聴きながら(お金にならない)仕事をした。
 ある物を観察しつつ分類して、エクセルでデータ化するという、まぁある意味単純な作業。ただ、ぼんやりしていると大切な手がかりを見逃すので、感覚はちょっと研ぎ澄まされていなければならない。
 というわけで、アルバムに集中して聴いているいるのかというとそうではなく、BGMに用いたのだが結構良かった。
 スピーディーな曲もしくは展開が多いので、作業する上でテンポが絶妙。仕事がはかどった(ような気がした)。もちろん、メロディが魅力的で展開も良く練られているので、聴いていて気持ちが良い。
 今日初めて聴いたわけではなく、これまでも度々聴いていたのだが、ここで結論が出た。本作は素晴らしい。名盤である。
 ヴォーカルがアンディに変わってからは、アルバムによって聴いたり聴かなかったりしているのだが、本作は明らかにレベルが違う(前々作もなかなか良かったけど)。本作はまるでパスが綺麗につながって、ズバッとシュートが決まっていくサッカーの試合を観ているようだ。まことに爽快。
 音も良いし、お勧め。


HELLOWEEN - Straight out of Hell - Burning Sun ★★ (2014-06-16 10:30:57)

 で、また今日もお金にならない仕事をしている。
 1年以上前に、この曲が収録されているアルバムについてコメントをしているのだが、我ながら全く進歩がない。うんざりである。加えて書くが、別に忙しいことを自慢したいわけではない。冗談じゃない。仕事が忙しいからと言って給料は増えず、残業代だってつけられないのだから。嫌になりますね。
 音楽を聴く時間も、寝る前(と言っても、すでに布団の中にもぐりこんで部屋の電気も消し、ヘッドフォンを装着しての聴取だが)と運転中くらいしか取れない。あと、今日みたいに休みの日で「それ、うるさいから消してくれない?」という家人もいない日とか(でも、そういう日に家に閉じ籠ってることは、あまりない)。
 運転している時が、実は一番音楽に触れているかもしれない。例えば、今まであまり気にしていなかったメロディが、不意に魅力的なものと気が付くとか。そういうことって、すでに「良い曲だな」と思っていた曲にも起こり得る。例えば、この曲だ。
 イントロのツインリードのハーモニーは、初めて聴いた時から良かったのだが、先日車内で改めて実感した。「いや、このメロディは絶品ではないか?」と。
 イントロだけで、もう名曲。もちろんヴォーカル・メロディ、コーラス、隙がない。
 マイケル・ヴァイカートさんは、どうもインタヴュー記事を読んでいると、偏屈者で頑固で、皮肉屋のようだが、まぁ、職人さんなんである。メロディ職人。
 この曲は、そんなメロディ職人が腕によりをかけた、逸品だ。

 で、もちろん、ここでこのコメントを書いている暇があったら仕事をした方が良いことは、私自身も承知しているのだが、そんなに素直に仕事に没入できないのも(だって、今日休みなんだぜ!?)まぁ、「人間だから」(by 相田みつを)。


HELLOWEEN - Straight out of Hell - Waiting for the Thunder ★★ (2014-06-16 10:41:01)

 それで、この曲も好きなのだ。特にサビのメロディが。
 何故か(多分)“Thunder”繋がりでしかないのだが、ゲイリー・ムーアの名曲“Thunder Rising”(『Wild Frontier』収録)を想い出してしまう。

 アルバム中では、「Burning Sun」からこの曲への流れが、私的にはアルバム中盤のハイライトだ。この一山があるからこそ、アルバム全編がスムーズに聴きとおせるような気がする。曲としては、疾走しないし、へヴィでもなく、なんだかバラードに近いような曲ではあるのだが、この切ないメロディは大変良い。好みである。

 名曲ですね。


HELLYEAH - Band of Brothers ★★ (2012-07-22 05:37:22)

 3rdアルバム。
 編成は前作と変わっていないのだが、Mudvayneが活動休止状態となったことからチャドの意識に変化が現れ、ヴォーカル面で禁じ手が無くなっている。①はMudvayneの「Dig」に歌メロが良く似ている。
 PANTERAに似てきた云々の話は、ドラムを叩いているのがヴィニーである以上、今更ながらなのだが、確かに本作では全体的な印象としてアグレッションの高まりを感じる。1st、2ndとHR寄りの空気が支配する瞬間が印象的だったことを思うと、本作はゴリゴリ感が増している。結論を言えば(結局のところ)「PANTERAにより似てきた」と言って良い。
 ただ、私の場合このバンドの楽曲で最も好きなのは1stの1曲目なので、PANTERAっぽさが増したから評価が上がるわけでもない。それを前提に読んでほしいのだが、それでも本作での変化は支持したい。バンドとしてタイトになってきているし、つまるところヴィニーのドラミングは変幻自在・緩急自在のグルーヴで、聴いていて飽きない。制限が無くなったのは間違いなく「吉」と出ている。


HELLYEAH - Hellyeah ★★★ (2012-02-25 18:37:27)

うーん・・・。上の御三方とは感想を異にするのだが、私はこの作品が好きである。
 特に、冒頭に配置されているタイトルトラックの格好良さなどは、ビールを飲みながら聴くことでもあれば、ジョッキ振り上げて「イェー!!」てなくらいのものだ(さすがにこの年齢になると、自宅で飲もうが外だろうが、綺麗な姉ちゃんが一緒だろうが、実際にやることはないけど)。
 まあ、PANTERAがHMの基準になっている人が聴くと、オールド・スクールっぽく聴こえてしまう(要するに“ぬるい”と感じる)のかもしれないとも思うが。
 それはそれとして、この熱さは本物だ。良いバンドだし、息の長い活躍を切望したい。
 


HELLYEAH - Stampede ★★★ (2012-02-25 23:54:33)

 2ndアルバムである。
 Bが、DAMAGE PLANでヴィニーと一緒だったボブ=ジラに代わっている。
 1stは、何というかメンバーそれぞれのルーツが自然に滲み出た好作品であったように思う。本作もその路線を踏襲しつつ、おそらくライヴを通じて強まったのであろうバンドとしての一体感で、各楽曲の完成度がより高まっている。
 本作には、へヴィで勢いのある曲からキャッチ―でありつつ哀愁を感じる曲、チャドの自伝的な歌なのだろうか、“人の親になったのなら、こうなっちゃいけない”と思わせる(別に説教くさい楽曲ではないのだが、聴いていて考え込んでしまう)曲など、様々な楽曲が収められている。
 振り幅の広さと懐の深さを感じるバラエティに富んだ内容だが、それはきっちりとHELLYEAHの楽曲として息づいている。なかなか素晴らしい、獣の群れによる蹂躙である。


HERBIE HANCOCK - Future Shock ★★ (2014-08-04 16:38:33)

 '83年発表。
 この人がジャズのピアノマンだと知ったのは、随分後になってからだ。
 当時は、FMラジオから流れてくる「ROCK IT」を、ただイケてる洋楽の一曲として拝聴していた。まだ、HMやHRを終生の友と認識する以前の話だ。
 だが年齢を重ねてくると、こういう一曲も大切になってくる。このような曲は当時の思い出と直結している。聴けば、なにか具体的な記憶を不意に思い出すことすらあるし。
 アルバム一枚を通して聴くと、当時流行の音作りが妙に古臭くって、『FUTURE SHOCK』というより「フューチャーになって感じるショック」を感じたりするのだが、想い出の一枚っすよねぇ。それだけは間違いない。


HERBIE HANCOCK - Maiden Voyage ★★ (2014-08-04 17:11:10)

 JAZZの人としてのハービー・ハンコックが、どれだけのものであったかは、この作品で知った。
 この玲瓏な空気を湛えたアルバムは、良く切れる日本刀(実際に手入れなどで触ったことがある人ならわかってくれると思うけど、美しいんだけど極めて恐ろしい)を想起させる。
 アルバム・タイトルは、日本語訳すると『処女航海』なわけだが、私も、このアルバム(及び、ここ数年間でリリースされている千円台のジャズ・アルバム)で、ジャズの大海を処女航海させてもらっている。
 基本的には、どうしてもエレクトリック・ギターの歪んだ音色が大好きで、ドラムがドコスカいっており、ベースがベンベン唸っているのが大好きなので、HM/HRほどジャズに惚れ込むかどうかは微妙だが、本当に音楽は面白い。
 良いメロディや超絶技巧、先進的なセンス等の生み出す感動は、どのジャンルでも不変だ。


IAN GILLAN - Gillan's Inn ★★ (2015-11-22 18:17:05)

 イアン・ギランが好きなのだ。
 なにせ、私がハード・ロックに開眼した『FIREBALL』を唄っていたのがギランで、『MACHINE HEAD』も『IN ROCK』も、そして『LIVE IN JAPAN』もイアン・ギランがヴォーカルのDEEP PURPLEだったのだから。
 本作は自らのプロ・デビュー40周年を記念した、セルフ・カヴァー・アルバムである。DEEP PURPLE、GILLAN、IAN GILLAN(ソロ)、BLACK SABBATH、EPISODE SIX(DEEP PURPLE加入前に在籍)時代に歌っていたボブ・ディランの曲など、自らがチョイスした楽曲を、広い人脈からゲストを招き収録している。
 ゲスト・アーティストはジョー・サトリアーニ(1・4・12曲目)、ヤニック・ガーズ(2曲目)、ウリ・ジョン・ロート(3・13曲目)、ロニー・ジェイムス・ディオ(3曲目)、スティーヴ・モーズ(5・10・13曲目)、ジョン・レズニック(5・10曲目)、ジョン・ロード(6・10曲目)、ジェフ・ヒーリー(6曲目)、ロジャー・グローヴァ―(7・8・10・11曲目)、イアン・ペイス(7・8・10・11曲目)、トニー・アイオミ(8曲目)、ジョー・エリオット(14曲目)。
 当然、熱唱しているし、円熟味を増したパフォーマンスを伸び伸びと披露しつつ、スピードナンバーはスリリングだ。新曲も収録。企画盤として良く出来ている。


IN THIS MOMENT - Black Widow ★★ (2015-01-13 09:17:58)

 これはちょいとクールだ。
 このバンドを聴くのは本作が初めてなのだが、大いに気に入った。
 本作は“黒衣の未亡人”をテーマにしたコンセプトアルバムなのだが、作風はダークかつヘヴィな雰囲気を基調にしたサイバー・ゴシック・メタルという感じか。ただ、とにかくダークもしくはヘヴィ一辺倒というわけではなく、ヴォーカルメロディがメロディアスだったり、曲が要求する適切な箇所でウィスパリングヴォイスやグロウルにより唄われるため、各曲はかなりドラマティックな印象を受ける。
 驚いたのはVo.のマリア・ブリンク。この人、本当に凄いな。「上手い」と一言で単純化できない。表現力が半端じゃないくらい高い。クリーンヴォイスで綺麗に(あるいは可憐に)唄うことができるし、ドスを効かせたり、しゃがれさせたり、歪ませたり、上で書いたようにウィスパリングもグロウルも操る。自由自在だ。で、上手い人にありがちな「あれもできるし、これもできます」的なものでなく、曲がその表現を要求しているから、感情を表現するために必要だから、というのが強烈に伝わってくるのだ。
 最近、定番で聴いているアーティスト以外の作品をあまり購入しないのだが、これは超掘り出し物。
 傑作アルバム。


IN THIS MOMENT - Ritual ★★ (2017-08-21 22:05:08)

 このバンドは前作から聴きだして(その前作がとても気に入り)、本作の発表が非常に待ち遠しかった。

 前作に勝るとも劣らない傑作の登場である。

 前作ほどブチ切れた局面が多くないようにも思うのだが、曲が良い。
 ①(前奏曲みたいなもん)から⑤の流れは完璧であろう。特に③(Black Wedding)はロブ・ハルフォード参加っていうのもポイントを上げているんだが、なにより曲が良い。⑤もインダストリアル・ゴシックっぽく、妙に明るい曲調がクセになる。

 本作においては、セイレムの魔女裁判がアルバムのテーマみたいになっているのだが、本当にマリアさんは前作(黒い未亡人)といい、女性の多面性というか虐待・差別されてきた歴史を上手くすくって(セイレムの事件って、今日的視点からみればとんでもない人権侵害かつ大量殺人だから。そんなことがあったんだよ、と知らしめるのは、現在各所にて分断(≒差別)が進行中のアメリカ合衆国ではとても必要なことだ)エンタテイメントに昇華させるのが上手い。
 本作は前作の旨味をそのままに聴きやすくなっているので、さらなるファンベースの拡大に貢献するのではないか。

 是非とも(日本じゃ難しいかもしれないけれど)バカ売れしてほしい。
 名盤。


IRON MAIDEN - En vivo! ★★★ (2012-04-01 15:31:29)

 チリはサンティアゴでの収録。
 ブルースがしきりに煽っている。「叫べ!チリ!、叫べ!サンティアゴ!」
 それを聴いていて思う。この人のテンションって、四半世紀以上前にロングビーチアリーナの聴衆に向かって叫んでいた頃と全く変わっていない(逆に上がっているかも)。
 そして、やはり本ライヴ盤においても、最新スタジオ作収録の楽曲が光を放っている。複雑な展開を持つ楽曲が、エッジの立ったラウドな状態でかっちり演奏されている。これはスリリングだ。こうしてみると、最近の曲が複雑かつ長めなのは、ライヴでのこういう効果を期待しての事かとも思えてくる。
 私は最近DVDを見ることをしなくなったのでCDを購入したが、本作における聴衆のエネルギーの凄まじさを思うと、DVDも一見の価値が十分にあるのではと推察する。
 名ライヴ盤である。


IRON MAIDEN - The Book of Souls ★★★ (2015-09-06 19:15:24)

 まだまだ全然聴き足りていないが、断言しよう。本アルバムは傑作である。10th・11thアルバムを境界線に設定し、このバンドの歴史を前期と後期に分けた場合、本作は後期の代表作として語り継がれることとなろう。キャリアのこの時点で、これほどまでにメロディが芳醇で、ツインリードが耳に心地よく、楽曲の長短が気にならないドラマティックな名作がリリースされるとは。全く予想していなかっただけに(前作までの路線を踏襲した、聴き応えはバッチリでメロディも豊かなのだが、本当の良さがわかるまでに聴き込みを必要とする作風を思い描いていた・・・しかも長めの)、とてつもなく嬉しい。
 あくまで個人的見解だが、本作は8thアルバム(『No Prayer For The Dying』)以降リリースされたアルバムの中で、最も好きだ。もう、随分長い間待ち続け、いい加減あきらめていたのだが、本当にこのバンドの良い所が全て出ている。しかも音も良い。
 ツインリードの絡み。バキバキいうベース。熱演としか言いようのないドラム。そしてブルースの熱唱。
 何より楽曲が素晴らしい。ラストのブルースが作り、他のメンバー全員でその楽曲が成長する様を見守り、皆で作り上げた「Empire of the Clouds」の壮大さ、劇的な展開、豊かなストーリー、ブルース自らが弾いたピアノの美しさはどうだ。他の曲も、どこを切ってもメイデンだ。
 そして、キラーチューンの存在。今、2曲目の「Speed of Light」にハマっている。この曲は久々の(9thスタジオアルバム『Fear Of The Dark』の1曲目「Be Quick Or Be Dead」以来の)名曲だ。格好良いことこの上ない。
 冒頭に書いたが、まだまだ聴き足りない。一日中聴いていても良い。
 壮大で深い内容を有しているにも関わらず、一聴して良さがストレートに伝わってくる本アルバムは、もう一度繰り返すが、傑作である。


IRON MAIDEN - The Final Frontier ★★★ (2012-02-20 20:37:41)

 今頃になって、どっぷり浸かり込み、繰り返し聴いている。
 正直なところ、ここ何年かは1枚のアルバムを繰り返し聴くなんてことはあまりしていない。
 常に、聴きたい複数枚のアルバムがあり、それを限られた時間の中で聴いているため、一つの作品に割く時間が少なくなっている。いけないことだと反省しつつ、そんな私がこのアルバムに入れ込んだということは、やはり気に入ったからなのである。
 一曲一曲が長尺なことは気にならない。どの曲も魅力的なメロディがこれでもかと盛り込まれており、するすると聴けてしまう。“長い”とか“退屈だ”とは感じない。
 だが、しかし。しかし思うのである。これは私がメイデンが基本的に好きだから、「良いなぁ」と聴くのではなかろうか。
 確かに本作の曲はメロディ豊かで聴いていて飽きないが、構成自体は皆、類似する。端的に言うと例えば、突っ走ってそのままお仕舞いという曲は無いわけだ。どの曲もバラせば2・3曲作ることが可能な素材を一曲にまとめ、次々に展開させているので、アルバムトータルでの印象は、“曲毎の差異が明確ではない”とも言えるのである。これは初めてメイデンを聴こうという人には非常に厳しい。
 というわけで、本作は傑作であるが、メイデンを初めて聴く人にはお勧めできない。
 初めて聴く人に、どれか一枚だけということなら、3rdアルバム『The number of the beast』をお勧めする。3rdを聴いて好きになれなかったら、メイデンに縁がなかったということだ。
 逆にいうと、本作を聴いただけで“メイデンが嫌いだ”と思ったのなら、あなたは開くドアを間違えたのだ。


JEFF BECK - Loud Hailer ★★★ (2016-07-16 07:01:33)

 6年ぶりの新作。
 二人の若い女性アーティスト(Vo.:ロージー・ボーンズ  G.:カーメン・ヴァンデンバーグ)が参加している。
 全11曲中、ヴォーカルが入るのが9曲。

 ガラリと変わったわけではないのだけれど、確実にリフレッシュしたジェフの音楽は、アグレッシヴな曲も収録され、前作とは異なった地平にある。
 本人はギター・アルバムではなく、より普遍的なロック・アルバムを作りたかったらしいのだが、それは見事に成功している。

 ロージーの声は、ジェフのギターととても相性が良い。ロージーのしゃがれた(それは場合によってはキュートにも聴こえる)声は、強烈な個性をはなっているのだが、それでも楽曲はどれもジェフ・ベックの音楽としか言いようがない。

 ジェフとロージーとカーメンの3人が写っている写真を見ると、胡坐の上に大きな創作ノートを2冊広げて、歌詞を吟味しているロージーと、カウチに半ば寝そべるように座ってギターを弾くジェフ、床の上でカウチを背もたれにしてギターを弾き、ジェフの方を何とも悪戯っぽく良い笑顔で見ているカーメンがいる。
 その様子は、ジェフと二人の女の子、というものでは全くない。3人の才能あるミュージシャンによる、音楽での対話と創造のシーンだ。
 年季の入ったテーブルの上には2本、キャンティの栓が抜かれ、三つのワイングラスが置かれている。それぞれ半ばまでワインが注がれているが、口を湿らせた程度で、あまり飲まれていないようだ。
 暖炉には火が入っている。壁際やテーブルの上に燭台が置かれ、蝋燭が灯っている。
 ジェフとカーメンはリラックスしながら、部屋に漂っている音楽を捉えて紡いでいるようであり、ロージーはそれを聴きながらも意識の大半は創作ノートに集中しているようだ。

 こういう光景をみると、他の誰かと何か素晴らしいもの(本作のことだが)を作るっていうのは良いな、としみじみと思う。


JETBOY - Feel the Shake (2012-03-07 01:07:16)

 GEORGEさんが書いておられるとおりだと思う。
 ただ、個人的には聴いて何かとても裏切られた思いがしたものだった。
 理由はバンド名とVo.のルックスだと考える。
 だって、「JETBOY」でパンクスのようなVo.がいて、疾走する曲の一つでも欲しいではないか!
 一曲目を聴いて“おっ。AC/DCっぽいな”と思い、勝手に“いつになったら、このリフ主体な感じでつっ走ってくれるのかな”と聴いていたら、この当時によくあったそこそこキャッチ―でバッドボーイズ・ロックンロール的なノリで終始し、気づいたら終わっていたという。
 “でも、当時の空気ってこんな感じだったなぁ。”と、遠い目をして青春時代を偲ぶのに適した一枚。


JIMMY PAGE - Outrider ★★ (2016-11-22 19:11:31)

 これ、以前の職場の先輩(女性)が持っていて、残業時間にBGMでかけていた(今じゃ考えられないけれどな!昔はなんだか色々とゆるかった。良くも悪くも)。
 それを聴いていて、当時はなんだか「モヤモヤしてんなー」という感じだったのだが、嫌いではなかった。THE FIRMのファンだから(笑)。
 初めて聴いた時点で発表から結構な年数が経っており、新譜で購入というわけにはいかなかった。それで中古盤屋に行くと、優先順位は決して高くないのだが、(あるかな?)と見ていた。
 なかったね。

 それがこの間再発されていたのを発見。嬉しかったな(リマスタリングもしてくれりゃあ良かったのに。まぁレコード会社主導の再発だからな。再発してくれただけでも感謝です!担当の方、エライ!)。

 上の御二方が書いているとおり、地味だ。ZEPPの楽曲で見せた突き抜けた感じのリフ(一聴して頭に残るあれら名曲の)を求めると、「あらら、伝説の名刀も錆びちまったか・・・?」というぐらい切れ味が鈍いのだが、それでも「いやいや。これはこれで味が・・・」と思ってしまう。
 私同様THE FIRMのことが嫌いではなくて、まだ本作を未聴の方は良かったらぜひ。
 じんわりと来る良さに気付いてもらえるのではないかと。
 


JOE SATRIANI - Surfing With the Alien ★★★ (2012-03-07 00:54:22)

 ギター・インストゥルメンタル・アルバムの傑作。
 私も『THE EXTREMIST』の出来の良さを認めるが、そちらと本作とどちらか一枚の選択を迫られたら本作をとる。
 何が良いか。それは、冒頭のタイトルトラックとアートワークが表しているとおり、全編に溢れる“遊び心”というか“茶目っ気”というか。何か聴いていてワクワクするような雰囲気をまとっているところだ。
 一曲目で心を鷲掴みにされ、その後はスルスルと聴けてしまう。これを超える作品って、ちょっとないね。


JOHN COLTRANE - My Favorite Things ★★★ (2014-05-14 00:24:57)

 昨日、久しぶりに腰を据えてCD屋を覗いてきた。
 もう、最初から「頭が吹き飛ばされるような、凄い音楽が収められたアルバムを買う」と、心に決めていたので、じっくり見てきた。当然、最初にHR/HMのコーナーを見て(そこでDIAMOND HEADの『Borrowed Time』を見つけた。すぐに手に取ることはしなかったけど)、次にJAZZのコーナーを見た。そこで見つけたのが本作だ。
 ジョン・コルトレーンは『Blue Train』を持っており、たまに聴いてそれなりに気に入っているので、もう1枚欲しいかな、と思ったのだ。
 正直、JAZZのことはほとんど知らない。何枚かは持っているけれど、“テナー・サックスの音が比較的好き”程度のものだ。
 本作を購入した理由には、帯に「ファンの熱烈なリクエストに応え、コルトレーンの代表作で、モダン・ジャズの歴史に残る金字塔的名盤が、オリジナル・モノラル・マスター&24ビット・リマスタリングで、ついに復刻!」とあったことが、まず挙げられる。それに価格が千円だった。
 聴いたら、一曲目で気に入ってしまった。聴くと思わず京都に行きたくなってしまう、あの曲が聴こえてきたからなのだが、それだけではない。どこか憂鬱な空気が流れ、そこはかとなく哀しみも感じられ、みたいな。そしてコルトレーンの演奏は、美しいメロディを奏でているだけでなく、自由闊達なソロもあり、と聴き応え十分だ(ちなみにこの曲ではソプラノ・サックスを吹いている)。マッコイ・タイナーのピアノも、パキパキしているというかシャンとしており、好感が持てる。
 帯に書いてあることが、そのまま納得できることは経験的に言って非常に稀なことなのだが、今回はそのレアな体験が出来た。素晴らしい作品だと思う。頭もほど良く吹っ飛ばされたし。


JUDAS PRIEST - Battle Cry ★★★ (2016-05-09 16:51:54)

 とても完成度の高い、「これぞプリースト!!」と喝采をあげたくなるライヴアルバムである。
 ロブの声は、それは全盛期と較べても遜色ない等と書くと嘘になってしまう。高音はまぁ厳しい。だが、良く出ているのだ。特に「Halls of Valhalla」は、思った通りスタジオ・ヴァージョンを再現出来ているという表現ではヌルく、鬼気迫るものがある。それはラストに収録されている「Painkiller」も同様で、「アルバムと同じか?」と問われると「違う」となるのだが、アルバム・ヴァージョンと同じくらい聴き応えがあり、かつライヴならではのラフでハードな感じがえらく格好良いのだ。
 他の収録曲については、これは言うまでもないだろう。定番の曲は、冒頭の客(8万5千人)との掛け合いや、客が唄う場面など、ライヴならではのゾクゾクするヴァージョンに仕上がっている。
 『Redeemer of Souls』収録曲は、「Dragonaut」と「Redeemer of Souls」は、(スタジオ・ヴァージョンどおり)一番盛り上がるところで低いメロディを唄うのがやはり残念と言えば残念だが、ライヴ・ヴァージョンとして秀逸だ。
 正直に書くと、『A Touch of Evil』の「Painkiller」を聴いて悲しくなった記憶があったため、本ライヴ盤の購入にあたっては躊躇したのだが、買って良かった。
 キャリアのこの局面にあって、本作のように凄まじいライヴ盤をリリースするこのバンドの面々は、正真正銘の“Metal Gods”である。


JUDAS PRIEST - Killing Machine (Hell Bent for Leather) ★★★ (2012-03-26 18:36:37)

 勝手ながら、本作及び前後の作品をもって三部作的に捉えている。
 本作は“メタル化進行中”の作品で、かなり格好良い。この時期は、バンドの実験がとても成功していたと言える。ガラッと変えてしまうのではなく、前作で得たものをきちんと評価し、それを基礎にして更なる高みを目指す、という手法をとったからなのだろう。
 実験のやり方にもいくつかあり、それまでの経緯にあまり頓着せず、まったく別の土地で異なる地平を目指す、というやり方や、構造的には以前のものと類似するのだが、構成要素の一部を思い切って変えてみるなどのやり方があるのだが、このバンドの場合、実験≒博打みたいなところがある。
 まぁ、だから目が離せないっていうことも言えるんだが。
 ちなみに、本作は傑作。


JUDAS PRIEST - Nostradamus (2012-03-26 18:25:44)

 う~ん。正直、個人的に本作は「あ~ぁ。やっちまったかぁ」な作品に分類される。
 いや。意欲は買う。意欲だけは。ヴェテランのここまでの冒険は、なかなか出来ない。しかし、このバンド、3・4作に一回くらいの割合で実験しちゃうんだよねぇ。で、あまり成功しない、と。本作も、その悪い癖が出てしまったように思う。
 ちょっと良い曲も入っているし、決して悪い出来ではないんだが、復活2作目の本作に求められていたのは、コンパクトに良い曲が収められたメタル・ゴッドらしい作品だったのではないか。今でも、そう思う。


JUDAS PRIEST - Redeemer of Souls ★★ (2014-07-27 20:49:06)

 はっはっは。銘菓ひよこさん、ラスト3行でハードルがガチ上がりまくりですよ(笑)。
 本作に似たアルバムがあったなぁ、と考えていて思い出しました。他のアーティストだけどAEROSMITHの『Music From Another Dimension!』を。
 決定打はないのだけれど、サイクルヒットで得点多し、みたいな。これ、逆に言うと、“この1曲!”っていうのが欲しかったな、ということでもあります。でも“基本的には聴き応えのあるスルメ盤”というのが現時点での印象ですね。『Stained Class』の頃のような、まだPriestが半分HRバンドだった時の曲に似たものも収録されているし。『Painkiller』の後半の楽曲を思い出すというか。ブルージーな楽曲の存在は、このバンドの長いキャリアを思い出させます。
 しかし、本作が発表されたことで、前作の『Nostradamus』は、その価値を上げましたね。壮大でスケールの大きい作品を聴きたければ、そちらを聴けば良いと。で、今作は、その(問題作であった)前作があったからこそ、おそらく広く歓迎されることでしょう。
 上手いことやりました。老獪です。そういう意味で、まさに大御所ですな。


JUDAS PRIEST - Redeemer of Souls - Battle Cry ★★ (2016-09-09 19:51:17)

 忙しい。
 年齢を喰っていると、やるべきことや、やらなければならないことが若い時よりよく見えるようになるのだが、体力が追いつかない。やってもやっても終わらないのだが、身体が「おい。そろそろ休まねぇと、知らねぇかんな」と脅しをかけてくる。っていうか、頭も身体も動かない。
 かつてない厳しい進行なのだが、通勤時に『Redeemer Of Souls』を聴いていたわけだ。
 それで改めて思ったのだが、「結構良い曲入ってんだな」ということ。

 この曲なんか結構良いよね。
 本編最後から二番目の位置にあり、ガツっとアップテンポだし。リフもメロディも格好良い。
 イントロが哀愁を帯びつつ重厚な感じで、そこからサビに至るまで良いメロディが展開していく。どうしてライヴ盤じゃイントロだけだったんだろうな、と不思議に思うくらい名曲。

 ま、これ聴いて頑張っているわけっすよ。


JUDAS PRIEST - Redeemer of Souls - Halls of Valhalla ★★★ (2014-08-11 00:14:07)

 スクリーム(シャウト)系・ハイ・トーン系のヴォーカリストは、年齢がある程度に達すると、声帯がそれまでのツケを要求し始める。
 例えばイアン・ギラン。それにロブ。
 だが、この曲は頑張った。下から上まで必死に持って行っている。そしてライブでやっても、これは出せるんじゃないか、と思わせる。一つのハイライトを演出するのではなかろうか、と。
 決死のスクリームが無くとも、この曲は結構良く出来ている。だが、そこにとどまらず、自らの刻印をしっかりとスタンプするかのような、ロブのパフォーマンスには感動を覚えた。そういう意味で、星三つ。


JUDAS PRIEST - Redeemer of Souls - Redeemer of Souls ★★ (2014-08-11 00:05:49)

 ロブ・ハルフォードのソウルを最も感じたのは、この曲と、次の3曲目。
 3曲目が、「おぉ!ここまで声を持って行ったか!」と、“声を頑張ったね!ロブ!”的な曲だとすると、この曲は、“メロディを頑張ったね!ロブ!”的な曲である。
 正直サビの部分のメロディは、昔だったらこの音程にいかないと思う。で、それは昔から聴いている人間なら誰でもそう思うだろうし、“あぁ。声が出なくなったなぁ”と感ずるだろう。
 だが聴いていて、強烈な違和感を感じるか、というとそうでもない。脳内で補正してしまうから。自分で勝手に高い音でメロディをとってしまう。そして思う。多分、ライブでロブはこの曲を歌える。そしてサビの部分は観客の大合唱になるだろう。地響きが起るような合唱が。
 ライヴで完成する曲だな、と感じる。そしてバンドはファイティング・ポーズをとったままだ。「まだまだ」という意志を感じる。


JULIAN COPE - Jehovahkill ★★★ (2014-11-01 23:25:34)

 『エホヴァ殺し』である。1992年発表。インディ・レーベルから発表されたものを除き、6作目のアルバム。
 日本人である私だと、今一つピンときていない可能性があるのだが、そのアルバム・タイトルはキリスト教圏の人々が聞いた時には、結構な衝撃があるのではないか。

 キリスト教のことを最もてっとり早く学ぶのなら、阿刀田高氏の『旧約聖書を知っていますか』と、『新約聖書を知っていますか』を読むのが一番だと、個人的には思う。もうちょい詳しく勉強したかったら、犬飼さんの著作を読むと良いのだが、難しい。
 「キリスト教のことなんか、学ぶ必要ないじゃん」
 それは違う。
 欧米の人を相手にビジネスやら何やらしている人なら、一般教養として押さえておくべきだ。絵画や音楽など文化全般に、キリスト教的知識は行きわたっているのだから。
 キリスト教など一神教の国(多くの欧米諸国)の文化と、多神教(日本を含むアジア圏)の文化は、その生成がデフォルトからして大きく異なる。

 たいそう酔っぱらっているので、余計な寄り道をしてしまった。

 本作は名作である。
 〇〇と天才は紙一重というが、ジュリアン・コープって“気〇がい”じゃないかと、ふと思ってしまうくらい、キレまくっている。
 音像は本当にシンプルなロックを基軸とし、たまにデジタル・ロックっぽいインストも含む。だが、どの曲も、「あんた、それ、どっから持って来た?」と問いたくなるように、底知れぬ奥深さを有している。
 本人も言っているように、その傾向は特に歌詞において顕著に現れている。
 故に冒頭に戻るが、「エホヴァ殺し」という言葉の持つ意味は重いのだ。
 要するに、キリスト教が広まる以前の宗教と文化への目配りが必要である、という主張が「エホヴァ殺し」に込められている。
 自分たちの“最初期”に回帰してみよう、というのをロックでやってしまった、というのは凄いと思う。 ここまでやっちゃった人は、他に類を見ないように思うが。どうです? 


Judgment Night (2014-06-30 19:29:32)

 持っているサウンドトラックアルバムを数えてみた。
 意外とあった。
 なんでこんなに持っているのだろうかと、考えてみたのだが、購入当時の記憶を思い出してみると、主に二つのパターンがあった。
 一つは、映画を見ていて気になるメロディの音楽が流れてきたから。
 二つ目は、映画の内容は良く(あるいは全く)知らないが、収録されている音楽に興味があったから。
 本アルバムは後者である。
 基本的に、今となってはラップとへヴィ・ミュージックとの異種格闘技的コラボレイトなんぞ珍しくもなんともないのだが、当時は、ちょっとした実験だったのだ。なにせ、本アルバムの参加アーティストには、すでに名が知られていたバンドやアーティスト(ex.SLAYER・RUN D.M.C.)以外に、当時、名前がバンバンも売れ始めていたバンド(ex.HELMET・LIVING COLOUR・FAITH NO MORE・SONIC YOUTH・MUDHONEY・DINOSAUR JR・PEARL JAM)もいる。なかなかにホットだ。
 中でも気に入ったのはMUDHONEYとSIR MIX-A-LOTの「FREAKMOMMA」。
 チープなのだが、人を喰ったようなキャッチーなリフに、ラップが乗っている。
 これで、MUDHONEYに興味が出て、妹が借りてきていたCDを聴いてみたのだが、イマイチだったという。でも、「FREAKMOMMA」は好きだ。今でも。


KANSAS - The Prelude Implicit ★★★ (2016-11-06 00:42:27)

 前スタジオ作から約16年ぶり。前作〔『DEVICE-VOICE-DRUM』(ライヴ)〕から勘定しても約14年ぶり。
 今、ここでまっさらな新作を聴けるとは思いもよらなかったね。

 メンバーは結構変わっている。Vo.が違うし。しかし、そっくり同じ声の人物を加入させたわけではないのだが(声がかすれない)、全く違和感なし。

 音楽性はまさしく「これぞKANSAS。これがKANSAS」

 やっぱり「ここぞ」というところで奏でられるヴァイオリンのメロディが肝だし、それを必然的なものとしている楽曲構成や、絡んでくるギター・キーボードのメロディがKANSAS以外の何物でもない。’70年代のプログレ・ハード期のKANSASが元気一杯に21世紀にニュー・アルバムをリリースするとこうなる、というのを余すところなく体現している。

 6曲目以降、徐々に高まっていく緊張感がたまらない。
 本編最後の10曲目「Section 60」もラストの曲として本編をピシリと締め、本作は楽曲単位で聴くのではなくアルバム単位で聴き評価すべき作品だと痛切に感じる。

 久しぶりにリリースされたからだとか、どこかで(以前のKANSASで)聴いたようなメロディが聴けるからとかは関係なく、ある一世を風靡したバンドが、往年のスタイルのままに充実した作品をい作り上げたという意味においても名盤。


KING CRIMSON - In the Court of the Crimson King - 21st Century Schizoid Man (including Mirrors) ★★ (2014-08-04 18:02:55)

 で、これも今、背後のコンポで鳴っている。
 ゲームに夢中の次男坊と一緒に聴いている。

 それで、どうして(珍しく)今日一日で書き込みがこんなに多いのか、というと、今日が(私の)3連休の最終日で、その3連休は初日から次男坊が発熱して、3日目の今日(の朝)も熱が下がらなくて、本当に何処にも行けなくて、何も出来なかったから。
 あ、すみません。嘘ついちゃいました。実は初日の午後、やはり何処にも行けなくなったことが判明し超不機嫌な妻と、昼に思い切り口論した後、黙って一人で富士浅間神社にお参りに行っちゃいました。高速道路使って。ばれたら、多分殺されますね。本当に、高速代往復で××千円かけて行って、富士浅間神社に小一時間お参りしただけで帰ってきちゃいましたから。ちなみに、富士浅間神社は薪能の準備で大わらわでした。現金、持ってなかったし、渋滞に巻き込まれるのが嫌だったので、見てこなかったですけどね。

 本当に3日間、次男坊を医者に連れて行き、ご飯の後に薬を飲ませて、それ以外の時間は本読んで、音楽を聴いて、そして昼寝して、と。それ以外の事は酒を飲むことと、本サイトにコメントを書くこと(あと、富士浅間神社に参詣に行くこと)以外、やりませんでした。で、明日から仕事です。
 さっきまでかかっていた「21世紀の精神分裂症患者」(今は「墓碑銘」が、終わるところです)、精神分裂症になるほど、重症ではないですが、せいぜい鬱病にならないように頑張って働いてこようと思います。また、しばらくノンストップ・ワーキングですしね!
 すみません。曲についてのコメントは、また今度!

↑あんまりな上のコメントなので、曲について。
 この曲の肝は、“今までに無かった曲”だと思う。
 ブルーズにジャズに、ロックに、色々なものがゴロッと混ざっていて、とてつもなく凶暴。こんな曲は、The Velvet Undergroundぐらいしか書いてなかったのでは。
 新しい地平を大胆に提示したという意味で、本曲と、これを収録している1stアルバムは、まことに偉大である。


KING CRIMSON - In the Court of the Crimson King - Moonchild (including The Dream and The Illusion) (2014-08-04 18:22:01)

 で、先ほどの「21st Century Schizoid Man」で、書き込みをひとまずやめようと思ったのですが、次男坊が、「このトゲニャンのメロンパン食べても良い?!」と持って来たので、コメントが続きます。で、この曲が背後で鳴っていると。
 ちなみにトゲニャンというのは、『妖怪ウォッチ』という漫画・アニメのキャラクターだそうです。正直、良く知りません。

 この「Moonchild」は、その昔SANYOとかいう会社のCMソングに使われていましたね。この抒情的なメロディは秀逸で、後半、宇宙の彼方に飛んで行ってしまうのは・・・。

 ここまで書いて思い出しましたが、なんか旧名義で似たようなことを書き込んだ気がしてきましたので、「コメントのみ」の書き込みで、星を付けないので許してください。
 自棄酒で、ちょっと酔いすぎたようです。失礼しました。

 あ、ちなみに子育て中のロック父ちゃんと母ちゃんに、あえてお伝えします。うちの次男坊のように、“肝心な時に風邪”も、小学校中学年以降は免疫力もついて、かなり減りますんで。
 でも、今回のはかなり、イラッときましたね。本人には内緒ですがね・・・。


KISS - Monster ★★ (2012-10-30 20:34:47)

 KISSが「KISSらしい」アルバムを作った。
 それだけで高く評価されるということ自体が、いかにもKISSらしい話なのだが、本作は正真正銘、どこを切ってもKISSである。
 私は'70年代だと『DESTROYER』、'80年代だと『CRAZY NIGHTS』が好きで、実はこれらはKISSの全カタログの中ではイレギュラーなアルバムだと思われる。だから、逆に『DESTROYER』の次の「あれ」とか、そのまた次の「それ」なんかは、そんなに好きではなかったりする。いや、決して悪くはないのだが。
 そんな私が聴いても、本作は結構楽しめた。キャッチーでポップなロックンロールが気分良く聴ける。秀作である。’90年代にオリジナルメンバーで復活した時、精神病質曲芸団アルバムは、実は本作のようなものを作りたかったのではないだろうか。


KISS - Monster - All for the Love of Rock & Roll ★★★ (2013-08-09 20:41:11)

 んで、これも名曲。
 いかにもKISSが歌いそうだし、KISSが演奏するからサマになっているという。
 やっぱりコーラス部の、“誰もが歌えるし、誰もが歌いたくなる”メロディは、KISS一流のものだ。
落ち込んだ時にこの曲を聴くと、なんだか「ビールを一杯やって流しちゃおうや」みたいな気分になれるかも。リフも格好良いし、歌メロもキャッチー。KISS必殺の一曲だ。
 


KISS - Monster - Shout Mercy ★★★ (2013-08-09 20:37:19)

 と、いうわけで、やっぱりKISSを良く聴いている。
 前作に引き続き、『Monster』も再評価しているのだが、「いかにもKISSだなぁ」と感心するのが、この曲である。
 KISSの作る楽曲の魅力は、チクロっぽい怪しげな甘みのあるリフやメロディなわけだ。何というか、チープであり、ラフであり、たまにへヴィで、思わず鼻歌で歌ってしまいそうになるキャッチーさが、なんともクセになるという。
 この曲など、その良い例だと思う。
 コーラス部の、「フッフーッ」とか、「オーイェエ」とか、これは民謡で聴かれる合いの手のようなもので、もう伝統芸の域である。
 ライヴでやれば必ず大合唱だろうな、というコーラスが、『Monster』収録曲には、この曲も含めて満載である。


KISS - Monster - The Devil Is Me ★★★ (2013-08-09 20:47:09)

 この曲も最高。
 「悪魔とは俺のことだ」なんて、こんな歌詞の曲がキャッチーなメロディで歌われるのは、このバンド以外にあり得ない。
 『Monster』収録曲の中では、比較的へヴィな曲なのだろうが、やっぱりKISS。やっぱりチクロ。やっぱりラフで、やっぱりチープ。
 それが格好良いし、それ以外に何をKISSに求めるのかって。
 名曲だ。


KISS - Music From "The Elder" (2013-08-01 18:23:31)

 上で、何人かの方が書かれているが、本作はKISS初心者にはお勧めできない。
 かくいう私も、本来ならこの作品を購入する前に、聴いておくべきKISSの名作アルバムがあることは知っている。なら、何故にKISSのコアなファン以外はまたいで通った方が良い本作を、あえて聴き、かつコメントするのか。
 それは、LOU REEDが作詞に一枚噛んでいるからに他ならない。
 だが、結論としては、バンドメンバー以外の誰かが数曲で作詞していようが、音楽性はそうガラッと変わるものでもない。むしろ、本作の雰囲気を決定的に他のアルバムと違ったものにしているのは、プロデューサーのボブ・エズリンである。
 すでに上で言及されているとおり、本作の出来は決して悪くはない。
 だが、KISSのもつ、ラフでキャッチーで、チープなのだが魅力的でもある部分が極端に減退し、緻密で、荘厳な曲作り、アルバム作りが為されている。つまり、完成度は高いのだが「らしくない」のだ。
 しかも、クラシックでいうと、ベートーヴェンの“第九”のように、徐々に緊張感が高まっていき、一番最後が最も盛り上がるような構成になっているため、アルバム全編を聴かないと、良さがわからないのも痛いところだ。
 「The Oath」や「I」など良い曲が収録されているのだが、まぁ勿体ないアルバムと言える。


KISS - Sonic Boom ★★★ (2013-08-08 19:24:08)

 今、結構はまっていますね。遅ればせながら。仕事場へ行き来する車の中で、繰り返し聴いています。
 最初は、実はあまり良さがわからなくて、ちょっと放置状態になっていたのだけれど、『Monster』が、パッと聴いてかなりイケていたので、その前作にあたる本作も、SDカードに入れてみたという。
 正直なところ、聴いているうちにジワジワと好きになっていって、かなりの良盤だと、今は思います。
 ①~③の流れも良いんだけど、④以降が好きだなぁ。
 私は『Crazy Nights』や『Destroyer』がKISSの傑作だと信じて疑わず、実はその他の、特に’70年代のヒット作の何枚かは、未だにあまりピンときていないのですが、本作は『Crazy Nights』で「格好良いなぁ」と聴いていたメロディがヒョッと出てくるので、結構良いです。
 ④~⑧が、今、かなり好きだなぁ。
 本作は傑作。


KISS - Sonic Boom - All for the Glory ★★★ (2013-08-08 20:35:00)

 これも、コーラスのメロディが良いんですよ。
 しかも、歌詞がいかにもKISS的で、ライヴで(演奏しているか知らないけれど)聴いたら、抜群だと思う。コーラス、みんなで合唱で。
 こういうキャッチーで、少しばかりチープなのだけれど耳にしっかり残るメロディは、KISSならではのものだと思う。
 良い曲です。


KISS - Sonic Boom - Danger Us ★★★ (2013-07-30 19:53:53)

 これも、いかにもKISS。
 「危険なお前、危険な俺、危険(な俺たち)」
 こういう歌詞が似合うバンドって、そうない。
 KISSの楽曲の中では、ちょっとへヴィなのだが、それでもチクロ系の甘みが添加されているところが、このバンドらしい。ラフでキャッチーなロックンロールを聴きたきゃ、KISSを聴け!ってなところか。


KISS - Sonic Boom - Stand ★★★ (2013-07-30 19:48:10)

 いかにもKISSなアンセム。
 こういう曲を演らせると、本当にKISSっていうバンドは最高だ。
 キャッチーなリフに、ポップなメロディ。そして皆で歌えるコーラス。
 『Sonic Boom』収録曲の中でも、お気に入りである。


KVELERTAK - Nattesferd ★★ (2016-10-01 22:12:57)

 終わらん。
 仕事が。
 だが、一応峠を超えつつあるかな、ということでこのサイトを覗いて書き込みする余裕が出来た。嬉しい。

 ずーっと休めなかったんだけど、この間ブチ切れて、「良いよな!今日本当は休みなんだから!買い物行っちゃお!」とCDを買いに出かけた(と言いつつ午後は仕事した)。
 田舎にいるので、ちょいと気の利いたCDショップに行こうとすると往復で2時間かかる。もう立派な行楽だ。

 そして入手したのが本作。まさかあると思っていなかったので、少し嬉しかった。

 このバンドの作品は本作で初めて接する。
 結論から先に書くが素晴らしい。こういうの好きだ。

 1曲目を最初に聴いた時は、「あらら。こりゃあやっちまったか?」と思った。
 だが、2曲目が蛮音でキャッチー。「これこれ。こういうの期待してたよ」とまさにツボ。
 3曲目も今までにあまり聴いたことがないような粗暴さとキャッチーなメロディ。格好良い。まだ十分に聴き込めてないのだけれど、終盤も良い曲が収録されている。こうなると1曲目の価値がグンと上がる。冒頭はやっぱりガツンと一撃、という意味ではこの曲なのだろう。
 一聴して耳を持っていかれ、繰り返し聴いてまだまだ未発見のメロディが汲めども尽きぬという印象。

 名盤。久々に「買って良かった」新発見。 


LED ZEPPELIN - In Through the Out Door ★★★ (2017-06-04 06:21:55)

 もうすでに上に書かれた方々が言い尽くしているけれど、確かに「実験」的。ある種プログレッシヴな香りすらある。
 そして明るい(「明るくキャッチー」と言い換えても良い。特に「South Bound Saurez」「Fool in the Rain」「Hot Dog」の3曲)。
 全体的にシンセサイザー・キーボード・ピアノなどの鍵盤楽器が活躍しており、それらにより印象的なメロディ・フレーズが奏でられる曲が多い。特に鍵盤大活躍なのが5曲目の「Carouselambra」で、狂騒的に回転木馬が回り続けるような曲調がやみつきになる(個人的には大好きな曲)。
 冒頭の「In the Evening」は出だしの中東っぽい雰囲気といい、スローテンポで行進していくような様子といい「Kashmir」の兄弟みたいな曲。重厚さも持ちつつ明るく展開していく良い曲で、なんだか本アルバムの多面性(「一筋縄ではいかないぞ」)というの)を上手く宣言しているようにも思える。2曲目(「South~」)はジャジーなピアノが軽快な楽しい曲。3曲目(「Fool~」)はレゲエっぽいリズムで、中盤はサンバ。なんというかトロピカルな曲。この曲あたりが本アルバムの色彩を豊かにしてくれている。4曲目はカントリーっぽい曲で、この曲が一番ジミー・ペイジのたどたどしい(独特のひっかかりというかタイム感を持つ)ギターが楽しめる。ちなみにジミー、結構本アルバムの各曲でギターをちゃんと弾いている。確かに鍵盤主導の作風ではあるが、ソロもバックもギターメロディはいかにもジミー・ペイジだ。そこは安心して浸っていられる。
 6曲目の「All My Love」は上で皆さん書かれているとおり、感動のバラード。名曲。ラストの「I'm Gonna Crawl」はブルージーな佳曲。アルバムをしっとりと締めてくれる。
 そのようなわけで名曲・佳曲が並んだ本作は名盤。そして、しっかり実験もしているので上の方々が口を揃えるように「この次の作品が聴きたかった」。


LED ZEPPELIN - Led Zeppelin Ⅱ - Thank You (2017-04-29 23:44:56)

 どこか切なくて、そこはかとなく明るい好きなタイプの曲で鉄板なのがあったな、と思い書き込もうとしたら、11年前の自分がすでに書いてましたね(24番の発言)。
 う~ん。多分夫婦喧嘩した後にでも書き込んだのだろう。しかも酔っぱらっていたのかもしれない。随分な内容です。

 子供は末っ子を除いてすでに「可愛いね」という齢ではなくなり、「君たち、しっかり勉強してよ」という感じ。
 妻とはあまり喧嘩をしなくなりましたね。人間諦めがつくと何かを悟ります。

 ともあれこの曲は素晴らしい(と、今でも思う)。
 高校の頃から好きだったな。繰り返し聴いていました。歌詞の内容で、というのではなく、メロディが大好きだったんだよね。
 こういう、フォーキーな曲はこのバンドの十八番で、こっち方面の引き出しはたくさんある。時に神秘的だったり、時に浮遊感を伴ったり。
 必殺のギターリフによるハードロックだけじゃなく、様々な風合いの名曲をものにしたこのバンドの楽曲中でも、上位に入る名曲だと個人的には思います。


LINDEMANN - Skills in Pills ★★ (2015-07-12 20:58:42)

 最初に書いちゃうと、こういう音って好きだ。
 「音」って書いたのは、歌詞の内容については、あまり共感できないものもあるため。エロ・グロな歌詞もあるっぽい中で、「グロ」は個人的に苦手。エロは良いとしても。グロは想像して気持ち悪くなることがあるし(本作収録じゃないけれど、ぺ〇スを料理して食べちゃう猟奇的な話とか)、それで曲の印象が悪くなるのは勿体ない。
 と、いうわけで本作は店頭にあった三つのヴァージョン(輸入通常盤・輸入特別盤・輸入通常盤に解説・対訳を付けた日本盤)のうち、輸入特別盤を購入した。対訳が無用だったし、ボーナス・トラックが1曲ついていたので。

 最初に戻るが、こういう音は大好きである。
 ゴスでちょっとマシーナリーで、ヴォーカリストが芝居っ気たっぷりで、(それでやっぱり)ギターのエッジが効いていて、猥雑な感じもありつつ良くプロデュースされているこういう音は。
 何か少し似た世界観の作品があったなと思ったら、マリア・ブリンク率いるIN THIS MOMENTの最近作も似たような感じでやっぱり好きだな、と思い当った。彼女も“雌犬”から“聖母”まで変化自在で、ゴスにマシンでエッジありの音が良い所も良く似ている。

 良盤です。


LITTLE ANGELS - Jam ★★ (2013-12-31 17:44:47)

 このバンドの作品はこれしか持っていない。今後2nd、1stと遡って聴こうとも思っていない。しかし、本作はたまに聴きたくなるし、今も聴いていた。必殺の一曲が収録されているわけではないのだが、聴き終えた時の満足感は結構良い感じ。充実作であろう。
 金管楽器が結構な頻度で入ってくるので、「それが多少気に障る」という人もいるかもしれない。だが、こういうのもロックだと私は思う。少しビッグ・バンド・ジャズ風味のあるブラッククロウズ、みたいな。
 イギリスのバンドなので、明るさの中にどこかしら翳りが感じられる。アメリカのバンドが本気を出して明るくやると馬鹿陽気になるのだが(それはまた良かったりもするのだが)、イギリスの人たちは不思議なことに、馬鹿陽気を目指しても、カラリと晴れた青空に突きぬけていくものがない。頑張って、雨上がり直後の虹が見える青い空、くらいか。お国柄というのは、実に面白い。


LORDI - The Arockalypse ★★ (2012-11-13 23:58:46)

 これしか持っていないのだが、本作は名盤。
 ちょっとハードに、そしてモダンになった'70年代のKISSが、フック満載の曲をテンコ盛りにしたアルバムを発表しました、というイメージ。
 なにかビデオクリップもなかなか良く出来ており、素直に感心したものだった。
 見た目で腰が引けている方がいたら、ぜひ聴いてみて欲しい。とっても良質なハードロックだから。


LOU REED (2013-11-10 22:41:16)

 今日まで知らなかったのだ。
 10月27日にルーが亡くなっていたことを。

 ルーの音楽には、これまでの人生で幾度も救われてきた。
 今は何をコメントすべきなのか、なんだか衝撃が大きすぎて頭がまとまらないのだが、とりあえず。

 「ご冥福をお祈りいたします。
 お疲れ様でした。」


LOU REED - Lou Reed ★★ (2013-11-11 18:34:47)

 1972年発表。これが1stソロ・アルバム。
 ルーはまだ自分のバンドを作っておらず、スタジオ・ミュージシャンを呼んで製作されている。
 面白いのは、後にYESのメンバーとして名を馳せる、スティーヴ・ハウとリック・ウェイクマンが参加しているところか。だからといって、ルーの楽曲がプログレッシヴ・ロック的になっているわけではないのだが。こんなところで小銭を稼いでいたのね、という。
 楽曲は、The Velvet Undergroundの(セルフタイトルである)3rdアルバムと、4thアルバムである『Loaded』の間に作られていた楽曲を含む(それらは後にバンドの解散後『VU』に含まれ発表される)。それらの中でも白眉と言えるのは、「Ocean」だ。アルバムの全般的な印象は、ソロとして気概に満ちたものというよりは、「とりあえず、モヤモヤするんで始めちゃいました」的に、どちらかというと地味なアルバムなのだが、「Ocean」一曲を聴くだけでも価値がある。

 ここに大洋が。そして波は海に
 大洋が押し寄せる。そして波はどこへ
 恋する人よ。今夜は泳ぐな
 恋する人よ。海は狂っている
 それは男を狂わせる
 殺人者が徘徊し
 城には死のにおいが
 狂気はあなたを朦朧とさせ
 波が寄せ、浜辺に砕ける
 古よりここにある岩を洗いながら


LOU REED - Rock and Roll Heart ★★ (2013-11-11 20:30:43)

 '76年発表。7作目のソロ・アルバム。
 これも、ルーの全キャリアの中では、あまりぱっとしないアルバムと評価されているものと思われる。
 だが、6曲目の「Rock And Roll Heart」が大好きで、10曲目の「Vicious Circle」は名曲だと思う。


 ロックン・ロール・ハート

  俺は無口さ。だって自分の愚かさを知っているからね。
  だが、心の奥の深いところには、ロックン・ロール・ハートがあるんだ。
  そう、そうさ。心の奥底には、ロックン・ロール・ハートがね。


LOU REED - Sally Can’t Dance (2013-11-11 20:14:01)

 '89年発表の『NEW YORK』以降の作品群を含めると良くわからないのだが、長い間この4thソロ・アルバム('74年発表)が、セールス的には最も良かったと言われていた('90年の段階で)。
 正直、良くわからない。ルーが作ったアルバムで、本作以上に好きなものはたくさんある。実のところ、本作を聴くことは他の作品に比べると、あまり多くない。
 だが、5曲目の「KILL YOUR SONS」は、間違いなく名曲だ。私は、この1曲を聴くためだけに、本作を購入したようなものだ。


 息子殺し

 「精神科医づらしたロクデナシが電気ショックをやっている
  精神病院にいるかわりに
  おやじやおふくろと家で暮らせるようにしてやるからとやつ
   らは言った。
  でも いくら本を読もうとしても
  17ページも進まない
  読んでいるところを忘れてしまうから
  読むことさえできない

  ~(中略)~

  知らないのかい?
  やつらはあんたの息子を殺す」


 『ニューヨーク・ストーリー -ルー・リード詩集-』 
 (Lou Reed;BETWEEN THOUGHT AND EXPRESSION:SELECTED LYRICS OF LOU REED  梅沢葉子 訳  河出書房新社 発行 1992年)より

 


LOU REED - The Blue Mask (2013-11-16 05:31:17)

 このサイトで、また遊ばせてもらうようになった時、こ~いちさんに、「以前書き込みしたところには、書きません」と約束したのだが、少し興味深いことがあったので、星なしのコメントのみで書かせていただく。
 先日書いたように、ルーが亡くなっていることに気づいた私は、まだ、少々さびしい思いを抱えて日々を過ごしている。3日前、たまたま入った喫茶店(もう10年以上前から、あるのは知っていた)に入り、コーヒーを頼んだところ、どこかで聴いたことのあるメロディが。
 ルーの声ではなく、ギターの音色とフェルナンド・ソーンダースのベースで気づいた。
 コーヒーを入れて持ってきてくれた女性店主に、
 「ルー・リード、亡くなっちゃいましたよね」
 と話しかけると、「そうなのよ。もうショックで」と店主。店主もルーのファンだった。
 本アルバムを聴きながら飲んだコーヒーのことは、おそらく一生忘れないだろう。


LOUDNESS - SAMSARA FLIGHT ~輪廻飛翔~ ★★ (2016-07-15 22:01:40)

 本作は、はっきり言って素晴らしい。星三つ付けても良いくらいだが、純粋な新作というわけではなく企画もののセルフ・カヴァーなので、まぁ二つ。だが、限りなく三ツ星に近い二つ星。

 私は最近のLOUDNESSの音と音楽が結構好きなので、この企画盤は少し待ち遠しかった。
 ブットい音なんだが、先鋭的にただただヘヴィさを追求しているのではなく、’70年代から自分の好きなヘヴィミュージックを探究していたら、自然とこういう音に熟成された、とでもいうような、いぶし銀な音作り。そしてフックのあるリフやヴォーカル・メロディを、’80年代にただ回帰するのではなく鳴らす。そのメロディは、これまでに身銭を切って潜り抜けてきた音楽的冒険の成果を、きちんと身に纏っている。そういう現在のLOUDNESSが、初期の音楽をどう鳴らすのか。

 期待を裏切らず、格好良く鳴らしている。

 私は初期3枚は、オリジナルでは聴いていない。正直良く知らない。
 だから本作を聴いて、初期の楽曲が非常にテクニカルなものを含むことに今更ながら驚いた。RUSHを意識していたことなど知らなかったし。音はともかく楽曲については、まったく古臭さを感じない。そのような意味では、このバンドは時代を超越した楽曲を、初期の頃から創造していたのである。


 音楽とは関係ないが、B!誌のオリジナル・メンバー3人へのインタヴューはとっても可笑しかった。
 本作が5割増しくらいに楽しく聴けた。
 二井原さんの唄が引っ込んで聴こえてたのは、それが原因だったんですか!(笑)