このバンドもQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・オムがかんでいる。 興味を持ったのはパリのバタクランで起こったテロの被害にあったからだが、バンド名が「?」だったからだ。 「デス・メタルのイーグルス」って何だ?それでYoutubeでPVを見てみたら、これが結構良い楽曲があるではないか。そのようなわけで、えっちらおっちら遠出してCDなんぞを探すわけなのだが、「ここはあんだろ」というデカいCD屋にもない。Youtubeはチョロッと楽曲を試聴するにはいいが音が恐ろしく悪いので、やはりちゃんとした音源が欲しいなと思い早数年。 ライヴアルバムが日本盤で発売された。
もうすでに上に書かれた方々が言い尽くしているけれど、確かに「実験」的。ある種プログレッシヴな香りすらある。 そして明るい(「明るくキャッチー」と言い換えても良い。特に「South Bound Saurez」「Fool in the Rain」「Hot Dog」の3曲)。 全体的にシンセサイザー・キーボード・ピアノなどの鍵盤楽器が活躍しており、それらにより印象的なメロディ・フレーズが奏でられる曲が多い。特に鍵盤大活躍なのが5曲目の「Carouselambra」で、狂騒的に回転木馬が回り続けるような曲調がやみつきになる(個人的には大好きな曲)。 冒頭の「In the Evening」は出だしの中東っぽい雰囲気といい、スローテンポで行進していくような様子といい「Kashmir」の兄弟みたいな曲。重厚さも持ちつつ明るく展開していく良い曲で、なんだか本アルバムの多面性(「一筋縄ではいかないぞ」)というの)を上手く宣言しているようにも思える。2曲目(「South~」)はジャジーなピアノが軽快な楽しい曲。3曲目(「Fool~」)はレゲエっぽいリズムで、中盤はサンバ。なんというかトロピカルな曲。この曲あたりが本アルバムの色彩を豊かにしてくれている。4曲目はカントリーっぽい曲で、この曲が一番ジミー・ペイジのたどたどしい(独特のひっかかりというかタイム感を持つ)ギターが楽しめる。ちなみにジミー、結構本アルバムの各曲でギターをちゃんと弾いている。確かに鍵盤主導の作風ではあるが、ソロもバックもギターメロディはいかにもジミー・ペイジだ。そこは安心して浸っていられる。 6曲目の「All My Love」は上で皆さん書かれているとおり、感動のバラード。名曲。ラストの「I'm Gonna Crawl」はブルージーな佳曲。アルバムをしっとりと締めてくれる。 そのようなわけで名曲・佳曲が並んだ本作は名盤。そして、しっかり実験もしているので上の方々が口を揃えるように「この次の作品が聴きたかった」。