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帰ってきたクーカイさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 201-300

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帰ってきたクーカイさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 201-300
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LOUDNESS - THE SUN WILL RISE AGAIN ★★ (2014-08-03 17:19:50)

 それで、UNISONICの2ndと比較するのもアレなんですが、なんの期待も持たずに聴いたら、予想を遥に超えて格好良かったのが本作。
 とは言え、私はこのバンドの熱心なファンではないので、'80年代の代表作と、二井原さん復帰後のアルバムを数枚持っているだけなのですが。そんな私でも、近年のテイストと昔の雰囲気を、上手くまとめたなと感心しました。高崎さんのギターが、狂気を孕んで弾き倒されているのには痺れましたね。素直に、「おぉ。格好良いな」と。
 なかなかの良盤です。私は好きです。


LOUDNESS - THE SUN WILL RISE AGAIN - The Sun Will Rise Again ★★★ (2015-11-14 20:39:33)

 今日、通勤の途中に車内で聴いていた。
 あらためて「リフが格好良いな」と思った。いや、このリフ良いよね。
 サビのヴォーカルメロディも悪くない。
 ギターソロがピロピロいっているのも、’80年代ぽいっちゃあぽいんだが、曲自体は単なる懐古趣味に染まるはずもなく、なんだか今日的にモダンな空気やズッシリとヘヴィな雰囲気もまとっている。それでいてアップテンポ。繰り返すけど格好良いよな。
 現在のLOUDNESSでしか作れない名曲ですね。


MANIC STREET PREACHERS - Send Away the Tigers ★★ (2014-06-24 20:47:31)

 2007年発表。多分8作目のスタジオ・アルバム。
 本作は、私の中でMANIC STREET PREACHERSというバンドに対しての想いの“輪”が閉じたアルバムだ。「閉じた」という表現は適切ではないかもしれないが、本作を初めて聴いた時、そう感じた。言いかえるならば「完結した」、「球形になった」という表現を用いても良い。
 正直な話、このバンドの作品は1stアルバムが最も好きだ。良い曲が揃っているし、思い入れもある。
 次に好きなのは5th、『This Is My Truth Tell Me Yours』だ。SONYが宣伝に使った、「Nobody Loved You」は名曲だと思う。
 その次に好きなのは7th『Lifeblood』。トータルで良く出来ている。
 だが、本作は1stを除き以上のアルバムを凌駕している。メロウで、エッジも効いていて、ハードでもあるマニックスが、ようやく聴けた。私がこのバンドに求めていた諸要素が、年を経たせいかずいぶんと穏やかな風情を漂わせつつも、やっと戻ってきた。そう思った。そのような意味で、輪が閉じたのだ。

 名作だ。
 しかし、本作以降の作品に対する興味が無くなってしまったという意味でも、輪が閉じてしまった。
 私の中で、マニックスはこの上なく最良な形で結末を迎えた。

 本作が、最終章でエピローグだ。


MANIC STREET PREACHERS - This Is My Truth Tell Me Yours - Nobody Loved You ★★★ (2015-05-18 21:25:33)

 何コレ珍名曲④

 いや。これも普通に名曲なのだ。
 だが、まさかマニックスが1st収録曲以来、こんなにリスナーフレンドリーなキャッチーな曲をを書くことが、最初信じられなかったので。
 
 その昔、SONYのビデオのCMに使われていて、「おぉ!マニックスの曲が・・・!」と感動したものだ。
 この1曲が収録されているので、アルバムの印象もかなり良かった。


MANOWAR - Kings of Metal - Heart of Steel ★★★ (2014-05-14 00:51:12)

 この曲は大好きだ。
 非常に優れたバラードだと思う。
 それだけでなく、歌詞が良いんだな。


 立ち上がり、戦え。
 心のままに生きるんだ。
 もう一度挑め。
 俺は死ぬことを恐れない。
 立ち上がって戦うんだ。
 正直に言え。
 鋼鉄の心とともにあれ。


MASTODON - Crack the Skye ★★★ (2015-06-27 21:13:18)

 評価するのに時間がかかる作品、というのが存在する。
 音楽的情報量がもの凄く多くて、全体像を把握するのに何度も聴き返さなければならないという作品が。そして、こういう作品の一部には一聴して、「これはまだ良く分からないのだが、名作なのかもしれない」と思わせるものがある。本作は、そういう作品の一つだ。

 この作品は、後半にいくに従いテンションが尋常ならざるレベルまで上がっていく。
 終盤あたりの楽曲は、リズムが緩急自在だし、メロディの展開が次から次へと開けていき、全く気が抜けない。発表されてからもう何年も経つのだが、この作品は凄い。ヘヴィでありつつプログレッシヴであり、このアルバム自体が一つの世界であるかのごとくだ。
 傑作である。


MASTODON - Emperor of Sand ★★ (2017-04-14 23:00:45)

 久しぶりにこのバンドの新譜を購入した。『Crack the Skye』の時と同じくブレンダン・オブライエンがプロデューサーとして参加しているから。
 私は『Crack the Skye』の一つの壮大な世界が構築されているようなスケール感と、そこにみっちりと詰め込まれた神秘的かつ幻惑的な音像(神話を表現した細密画のような、と言い換えても良い)が好きなのだが、本作はその世界観をそのままに、よりアップテンポな曲やリスナー・フレンドリーなフックを持つ楽曲が増量された印象を受ける。
 今は3曲目(「Precious Stones」)がお気に入り。この曲って、全開バリバリでスペーシーなヘヴィプログレバンドだったころのVOIVODを彷彿とさせる。
 名盤。


MCAULEY SCHENKER GROUP - Save Yourself ★★ (2012-10-12 22:59:02)

 つい最近購入した。発表当時は、またいで通った。M.S.G.の良さが今一つ理解出来ていなかったので。
 いきなりイングヴェィばりの弾きまくりから始まり、やる気は伝わるものの何か“らしくない”感が漂ってくるのだが、最後まで聴くとかなり良い。
 今さらながら、もっと気の利いたプロデューサーを使えば良かったのに、と思わなくもないが(特に1曲目を聴くと。ベースの音、ちょっと問題ではないか。楽曲がブツブツ切れて聴こえる)、基本的に良い作品である。
 名盤であろう。


MEAT LOAF - Bat Out of Hell II: Back Into Hell - I’d Do Anything for Love (But I Won’t Do That) ★★★ (2017-04-21 21:51:06)

 『Braver Than We Are』を聴いたら、ボーナストラックでリレコーディングされたものが収録されていた。
 その時初めて聴いたのだが、「おおっ!これは・・・」という感じだった。

 もう問答無用の名曲であろう。

 こういうの苦手な人も世の中にはいるのかもしれないが(「歌い方が暑苦しい」とか「長すぎる」とか「仰々しすぎる」とか)、普通に良いメロディが好きな人なら間違いなく気にいると思う。展開も凝っているので長さを感じさせないし。飽きる暇などないというか。

 他に似たようなことをやっていて、ここまでの完成度を誇る曲がないので(要するに比較対象となる曲がない。唯一無二の孤高の存在)、時代を超越した名曲と言えるのでしょうね。


MEAT LOAF - Braver Than We Are ★★ (2017-04-21 21:36:39)

 本アルバムは”以前から気になっていたのだが手が出なかったアーティストが新譜を発表したので、これを機会に聴いてみようかな”的な感じで入手したもの。
 ちなみにこのアルバムで初めてMeat Loafを聴いた。

 なかなか良くて、入手後しばらく聴いていた。
 4th・5th頃のQueenに似た、大袈裟で大上段に構えたつくりがなんとも良いんだな。オペラティックで。
 ただ歌唱の迫力はというと、全盛期(本作から遡って『Bat Out of Hell Ⅱ』を入手し聴いた)にはやはり及ぶべくもなく。まぁ当たり前だよな。もう結構な年齢だし。
 とはいえ、他の作品を聴いてみたい気にさせるアルバムというのは、基本的には出来が良いのだ。そのようなわけで本作も、このアーティストの往年の名声に恥じない出来の良作。

 


MEGADETH (2015-04-03 20:09:15)

 ↑エイプリルフールじゃないですか?
 と思ったら、4月2日発表ですね。
 いやはや魂消た。


MEGADETH - Dystopia ★★★ (2016-02-20 15:36:24)

 久々に何の留保もなく、素直に「これ良いね」と言える作品が届けられた。
 古い革袋に注がれた汲んだばかりの新しい水。
 良く冷えていて美味しい。

 冒頭3曲のインパクトが絶大な前半が最高だが、インストゥルメンタルやFEARのカヴァーが良いアクセントになっている後半も味わい深い。


MEGADETH - Super Collider ★★★ (2013-06-24 13:06:33)

 このバンドは本当に働き者だ。
 すでに、『Crypticwritings』(7th)や『Risk』(8th)を作っているので、メロディを追及する路線も、いずれはありだと思っていた。そのあたりは、永いこと第一線で活躍しており、様々な実験にも余念がなかったバンドの持つ特権と言えよう。
 全体的な印象は、かの名盤『Countdown To Extinction』(5th)に良く似ている。ただ、7thも少し混ざる。5thが7割、7thが3割といったところで、そのような意味では、前作で提示されている、キャリア各期からのブレンドという路線を大きく逸脱するものではない。
 ちなみに、2曲目のタイトル曲は、MEGADETH史上最もキャッチーな一曲ではない。これよりもキャッチーな楽曲はある。例えば「ALMOST HONEST」、それに「BREADLINE」とか。
 私は、やはり初期のキレ具合が好みなので、近作では前々作(『Endgame』)がお気に入りなのだが、本作のエッジのあるメロディアスな作風も良いと思う。
 やる気に満ちた良作だ。


MEGADETH - Th1rt3en ★★★ (2011-11-02 02:39:08)

 私も、ヤングラジオさんと同じく、本作は5thアルバムに近いという印象を抱きました。
 ただ、感触的にはかなり好く、繰り返し聴いてその度になにかしら発見しています。
 ギターは、前作から暴走気味に過剰なまでに弾き倒されていたりしていて、それがまた格好良かったりするのですが、本作でもその方法論は踏襲されています。デイヴもそういうスタイルに対し、手応えのようなものを感じているのではないでしょうか。
 惜しむらくはアートワークに表現されているように、単なる13作目というだけでなく、これまでの集大成の作品というものが意識されているようなのですが、1st~5thまでに獲得したスラッシーな方法論は有効に用いられているものの、6th~8thで見せた、テンポの遅い曲におけるへヴィでありつつキャッチーなリフや、バラード系の曲での抒情的な歌メロというのがあまり意識されていない、もしくは故意に避けられている点でしょうか。
 まぁ、特に『RISK』では虎児を得ようと虎穴に入ったら、手ぶらではなかったけれど半死半生で出てきたイメージがあるので、忌避されても仕方ないのかもしれません。そういうところがまた、5thで見せたある種突き放したように無機質な印象につながっていくのですが。
 ともあれ、私は普通に名盤だと思いました。5thに似ているのは印象のみで、楽曲的には螺旋階段を上るように、別のレベルに到達しているところも、脱帽です。


METALLICA - Death Magnetic ★★ (2011-12-04 02:00:30)

 結論から書くと、良い作品です。愛聴もしています。
 でも、なんだか“尖っていない(実験していない)METALLICA”は、本作が初めてのような気が・・・。
 しかし!大丈夫。彼らは次作ではやってくれますよ!『LULU』の制作でかなりの“何か”を掴み取ったようですからね!


METALLICA - Hardwired… to Self‐Destruct ★★ (2016-11-20 21:10:40)

 俺の感想はニッチュさんのそれに一番近いかな。
 そう。聴きやすい。
 キレッキレで血管がブチ切れそうなMETALLICAを望むと必ずしもそうではないのだが、でも俺は好きだな。正直とっても気に入っている。実験しているかどうかというと、していないような気がする。だけれども、良い意味でも悪い意味でも自然体なんだよね。
 「リフの繰り返し、多すぎねぇか?!」
 「良いんじゃね?!だって気持ち良いじゃん!」
 「そうだな!ま、良いか!」
 みたいな、ジャムりながら作って自分達が気に入ったからそのまま入れました的な楽曲が多いのだが、聴いているこちらも気持ち良いので「ま、良いか!」

 正直、前作は自分達のスタイルみたいなものを“再確認”している感じで、聴いていて「良いんだけど、なんか一味足りねぇな」という感想をもったのだが(実のところ数曲、個人的に退屈な曲もあった)、今作は本人達が気持ちよさそうにやっている音楽が、聴いているこちらも気持ち良いっちゅうか(アップテンポの曲が思ったより多いしね。あ、スラッシーじゃないけれども)。
 ブラックアルバム以降久しぶりに、通しで聴いて寝なかったし(怒られるかもしれないけれども、リスニング環境が“車内”か“寝る前の布団の中”なので、車内で聴いていない場合にはマジで寝ちゃうのよ。ちなみに今作は布団の中で聴いたけれど、寝なかったね)。
 2枚組で一曲一曲が長いっちゃあ長いんだが、それが気にならず気持ち良く聴いているうちに全編聴きとおしており、じゃ、もう一回最初から、という名盤かな?
 いや、名盤だろこれ。 

 俺は3枚組を購入したのだが、3枚目のボーナスディスクも面白かったな(ちなみにボーナスの内容は本作の評価には加味しません)。
 何が面白かったのかというと、RAINBOWのカヴァーメドレーと、DEEP PURPLEのカヴァーが聴けたから。
 どちらも良かったね。モノにしてたしな。そういう意味でやっぱりMETALLICAというバンドは凄いよ。
 RAINBOWのメドレーはタイトルの通りロニーの時代の曲が4つ5つ繋がってた。もちろん代表曲ね。アレとかコレとかソレとか・・・。2ndの曲が多くて、3rdのもやってたね。それぞれそれなりの長さで繋いでんな。
 ま、聴いてみてのお楽しみっちゅうことで。


METALLICA - Lulu ★★★ (2011-11-02 03:03:37)

 本作は正直なところ、LOU REEDの項にもアルバム・タイトルを登録していただきたいほど、ルーの色が濃い作品です。
 聴いていて語りたいことが、頭の中から箱根・大涌谷の湯のように湧き出てきたのですが、それを全て書き連ねても、本作を語りつくすのは不可能と感じています(いずれ他の機会に書くかもしれませんが)。一言だけいうと、世紀の問題作であり、かつ美しくも猛々しい傑作ということです。
 楽曲は、ルーのソロの曲がハードになったようなHR調のものや、METALLICAでしか鳴らせないリフとリズムが鋭く格好良いもの、楽曲の元になったと思われるサウンドスケープが禍々しく響く中、ギターリフがザクッと切り込んでいくものなど色々です。それらに共通するのは、ピンと張りつめた緊張感と、腕の良いミュージシャンが音楽で会話する、物語を紡いでいくスリルに満ちた展開です。
 ただ、ルーのVo.は基本、“歌”ではなく“語り”なので、それがダメな人はちょっと聴くのがつらいかもしれません(慣れちゃうと、良いもんなんですけどね・・・)。
 ルーのファンで、METALLICAは聴いたことがないっていう人は、どんな評価を下すのかなぁ。結局、長々と書いちゃいました。


MICHAEL MONROE - Horns and Halos ★★★ (2013-08-31 07:21:53)

 やっと、なんら留保なしで褒めることが出来る作品が発表された。
 私がマイケル・モンローのアルバム(ハノイとソロ双方。全て持っているわけではないけど)を聴くときに基準としているのは、あの名盤『Not Fakin’ It』である。あの傑作と比較し、どれくらいイケているか。それがアルバムを評価する際の基準だ。
 本作は、かなりイケている。前作が満足度75~80%だとしたら、本作は85%以上だ。
 前作は、ジンジャー色の濃い楽曲が、良い曲ではあるのだがどうもマイケルっぽくなかった。私にとってマイケル・モンローという歌い手は、パンキッシュで、ちょいとブルーズも入る、イカシタロックンロール・シンガーだ。アンディと組んでいた頃は、オリジナル・ハノイも再結成ハノイも、ロックな曲とポップな曲が混在し、曲数も多く、どうも聴いていてピリッとこなかった。意欲作であったことは認めるのだが。
ジンジャー在籍時も私にとっては、いささかポップな(いや、好きなんですけれどね)曲が多かったな、と。
 今作は、かなり漢(おとこ)っぽいし、アルバム全編にブットいロックな芯が通っているように感じる。
それに、名曲が多い。中でも2曲目「Ballad of the Lower East Side」は、久しぶりに聴くホームラン級の名曲だ。
 やったね。マイケル。


MICHAEL MONROE - Horns and Halos - Ballad of the Lower East Side ★★★ (2013-08-31 08:29:16)

 最近のマイケルの曲の中では、ダントツの出来。ただ、書いたのはギターのスティーヴ・コンテだけど。
 でも、誰が書こうが良い曲なら歌うというのは、正しいことだ。スティーヴの隠された才能が開花したという意味では、ジンジャーがいなくなったのは、これも正解だったようだ。
 ともあれこの曲は、パンクとブルーズとゴスペルが絶妙に混ざり合った、本当に格好良いロックンロールの名曲だ。


MICHAEL MONROE - Sensory Overdrive ★★ (2011-11-23 01:20:53)

 この作品はバンドとしてのMichael Monroeが発表しているものなので、ソロ作と分けなくてはいけないのかもしれないが、細かいところはさておき。
 復活後HANOIの2・3作目をフォローしてきたのだが、どうも私はアンディの作曲センスに共感が抱けず、曲数も多すぎて今一な感じだった。
 しかし、本作はアンディと袂を分かち、ようやくマイケルの良い部分が存分に楽しめる作品が発表されたような気がする。
 “ジンジャーはすぐに辞めちゃうだろうな”と思っていたが、予想通り脱退してしまい、残念ではあるが仕方がない。個人的にはちょっと甘酸っぱいポップな曲が多い本作は、少しハードさが足らずやや物足りないが、まぁ今後に期待。


MICHAEL SCHENKER FEST - Resurrection ★★★ (2018-03-17 22:56:28)

 久しぶりに書き込む。
 なんか昨年の夏頃からジェットコースターに乗せられて、そのままグルグル回り続けていた感じ。秋まではそこそこ余裕があったのだが、そっから先はもう・・・。だが、もうすぐ終わる。良い終わり方かそうでないかは別として。

 新譜はチョコチョコ購入していて、この間、Loudness→Saxon・The Slut Banks→Black Label Society→Judus Priestの新作及び本作を聴いていた。
 それぞれホント良い作品で、中でもLoudnessは一時期ヘヴィ・ローテーションだったのだが、その後繰り返し聴いていたのが本作だ。

 自論だが、「それを聴いて昔の諸作品を聴き直したいと思わせる新譜は名作」というのがある。
 本作がまさしくそれで、これを繰り返し聴いた後、UFOやMSGの諸作品を無性に聴きたくなって聴いていた。そして時々本作を聴くこともしていた。

 本作がマイケル・シェンカー全盛期の諸作品と同レベルのアルバムかと問われると、さすがにそうではないだろう。だが、私は正直マイケル・シェンカーというアーティストの本質が、実際のところ本当には理解できていなかったことを本作を聴くことによって気づかされた。
 曲にスッと良く切れるナイフのように切り込んでくるソロのメロディの豊潤さ。実はキャッチーかつロックなリフワーク。これらは本作においても十二分に体現されている。聴いていて「あれ?なんだかとっても格好良いぞ?!」と思わされた。それで旧作を改めて・・・というわけだ(もちろん旧作の楽曲群が悪いわけないですよね。本当に(初期)全盛期のマイケルがつむぐメロディって「神」の域です。改めて惚れ直しました)。

 あとこれはアルバム本体の評価とは全く無関係なのだが、歴代主要ヴォーカリストの集結、バックを固めるアーティストにクリス・グレン(B)・テッド・マッケンナ(Ds)や、ロビン・マッコーリーと組んでいた頃のスティーヴ・マン(G・K)を起用するなど、昔組んでいた人々からチョイスし皆がそれに応じていることにマイケルの人徳を感じる。これを懐古的すぎると批判する方もおられようが、個人的には腕の良い、もしくはマイケルが気に入っていた連中に「俺達のやってきた良い仕事ぶりを一緒に祝わないか?」と声をかけ、「あぁ。そりゃあ良いアイデアだな」と皆で集まっているのが良い。
 「金だろ?」という人もいるだろう。だが、万が一参加アーティストの中に「提示された金額に目がくらんで参加しました」という人がいたとしても、マイケル・シェンカーがいまだにそういう金額を用意できるほどの活躍を出来ているということなら、それは別の意味で悪くはない話だろう。

 話を戻すが、本作はマイケル・シェンカーという天才的なアーティストの特質がきっちり提示され、その仕事が非常に高い質をキープしていることを証明している良いアルバムである。そりゃあ往年の傑作と同レベルだとは言いませんよ。でも、結構なところまで肉薄しているんじゃないかなぁ。


MICHAEL SCHENKER GROUP - Assault Attack ★★★ (2013-07-18 19:00:38)

 正直、グラハムのVo.は苦手であった。RAINBOWの諸作品の中でも、グラハムがVo.を担当した『Down To Earth』は、良いとは思うのだけれど、他の作品より聴くことが少なかったし。
 何が苦手かというと、やはりガナるような声か。パワーシャウターってのは良い表現だが、私はどうにも好きになれなかった。
 だが、グラハムのVo.について、私にも再評価する機会があって、今では、まぁ普通に聴ける。
 本作は、5曲目の「Desert Song」が白眉だ。名曲である。3曲目の「Dancer」も、キャッチーな佳曲である。
 素直に名作だと思う。  


MICHAEL SCHENKER GROUP - Built to Destroy ★★★ (2013-07-18 20:31:39)

 これはリマスター盤を購入した。信じられないが、オリジナル・ミックスと、USミックスが1枚に収められている。同じ作品が、ミックス違いで丸っと2枚分聴ける。お得なのかそうではないのかの判断は難しいのだが、私の好みで言うと、オリジナルで十分だ。USミックスより、シングルB面収録曲や未発表曲はなかったのか?と問いたいところだが、収録に値するような楽曲はなかったのかもしれない。
 ともあれ、MSGについては最近、改めて聴いているのだが、本作は良く聴く。名盤である。
 ゲイリー・バーデンのVo.は、メロディラインが時折不安感を誘うのだが、同じガナり系のグラハム(前作を担当した)ほど押し付けがましくなく、善戦していると思う。
 楽曲は押しなべてキャッチーな印象をまとうのだが、弾くべきツボははずさずに弾いているマイケルのギターは、やはり流石だ。
 私は、1曲目の「Rock My Nights Away」や、5曲目の「Captain Nemo」、それに7曲目の「Red Sky」が好きだ。特に「Captain Nemo」は、1stアルバムに収録されている「Into The Arena」と並ぶ、ギター・インスト曲の逸品である。「マイケルって天才だよなぁ」と、5曲目を聴くたび、しみじみと思う。


MICHAEL SCHENKER GROUP - MSG ★★★ (2012-10-01 19:35:27)

 すでに多くの方々が発言されているとおりなのだが、私もM.S.G.の1stは、2曲(あるいは3曲)の名曲の収録を認めるものの、アルバム全編を通してだとあまりピンとこなかった。だから、マイケル・シェンカーのギターを聴きたくなった時は、UFOを聴いていた。
 だが、つい最近本作を中古盤屋で見つけ、“ちょっと気になっていたから”と聴いてみたところ、これが意外と良かった。何か、手にピッタリとサイズの合った手袋を見つけたように嬉しくなってしまった。
 それをきっかけに、今更ながらこのバンドにズッパリはまっている。
 というわけで、マイケルのギター(とメロディ)を気持ちよく聴ける楽曲が揃っている本作は、疑いなく名盤。


MICHAEL SCHENKER GROUP - Rock Will Never Die ★★★ (2012-10-02 21:10:45)

 さて。私も現時点でこちらのライヴ盤しか持っていないのだが(もう一枚の方は多分近日中に購入すると思う)、内容は悪くない。どころか、かなり好きだ。
 マイケルのギタープレイについては、言うことは無い。この人は精神的にゆらぎのふり幅が大きいようだが、天才だ。
 ゲイリー・バーデンは上手いか上手くないかときかれると、「上手くない」と思うが、下手か下手ではないかときかれると、「そんなに下手ではない」もしくは「思ったより下手ではない」と答えるだろう。少なくともヘタウマではあるし、味がある。ヴォーカリストは味があるだけでオーケーだと思う。ルー・リードを聴けばわかる。
 何故、こちらのライヴを先に買ったのかというと、①の存在がその理由。だが、①だけではなく、全編を通して滋養に富んだ良い演奏が聴けるように思う。色々と綻びや、まずい点などが少し見えはしても。
 名ライヴ盤だと思う。


MILES DAVIS - Doo-Bop ★★ (2015-02-23 00:34:51)

 マイルズ・デイヴィスの最晩年のスタジオ録音を主体に構成されたアルバム。録音は'91年で、ラッパーのイージー・モー・ビーがプロデューサーとして呼ばれ、サンプリングとプロデュースを行っている。 マイルズはイージー・モー・ビーに「いつものようにやってくれ」と言ったとされ、イージー・モー・ビーもそれに応えた。ゆえに本アルバムに参加しているのは、マイルズとイージー・モー・ビー、それにキーボーディストの3人のみ。楽曲のほとんどはサンプリングとマイルズのトランペットで構成されている(一部の曲にイージー・モー・ビーのラップがのる)。
 本アルバムを評価する上で、とりあえず“マイルズ・デイヴィスのラスト・レコーディングが収められている”という点は、あえて評価対象の枠外に置いておく。というのは、それをポジティヴに評価すると、「マイルズは最後まで旺盛な創作意欲と、新しい音楽に対する強い興味を失わず・・・」みたいなコメントを書きたくなってしまう(いや、書いたって悪い事ではないのでしょうが)。また、逆にネガティヴに捉えると「その演奏におけるテクニックの劣化は、全盛期のそれと比較するに疑いようもなく・・・」みたいになってしまうかもしれない(書かないけど)。
 本アルバムの評価基準は、クールか、否か、の一点だけだ。マイルズもそれ以上の物差しは必要としていないだろう。だって、これを吹き込んでいる時に、「これは俺の最後の作品だから」とは思っていなかっただろうから。
 それで、本アルバムはクールである。
 今聴いても、古臭いように感じない(多分、ラップやヒップ・ポップの方法論も、この当時と現在とで大きく変わっていないだろうし。・・・いや、最近のは全く知りませんが、多分)。マイルズが部屋の窓から聴いていた人々の雑踏や道行く自動車の音、あるいは夜のバーでの様々な呟き、会話。それらの持つ都会ならでは雰囲気を、イージー・モー・ビーが上手くサンプリングで表現し、マイルズが(決して饒舌ではないし、元気溌剌でバリバリ吹く、というのでは全然ないけれど)トランペットをのせる。
 マイルズの目論見は達成されたように思える。それもかなり格好良く。


MOTORHEAD - Bad Magic ★★★ (2015-09-03 21:05:48)

 『Bastards』と『Inferno』が好きな人は、本作は絶対に買いだ。
 キャメロン・ウェブがプロデュースした作品群は、個人的にはハズレがない(唯一弱く感じたのは『Motorizer』か)のだが、本作は抜きんでて良い。
 これを聴くと、今の3人組がMotorhead史上、最強の布陣だし、デヴュー40周年を迎え(レミーは齢70にも達しようとしている)、最高の状態にあることが納得できる。

 まぁ、とにかくHR・HMが好きな人は・・・全員聴け!!!


MOTORHEAD - The Wörld Is Yours ★★ (2011-10-08 01:11:10)

 購入した後、結構へヴィ・ローテーションになっていた。
 ここ数作のMotorheadのアルバムは、どれも充実の作品で外れがない。良いプロデューサーを見つけたんだと思うのだが、中でも本作は飽きが来ず、聴き終わるとまた最初から聴きたくなってしまう中毒性を持っている快作だ。
 音としては、そんなに激しいものではないのだが(とは言え、十分やかましい。そこはそれ、Motorheadだから)、メロディがキャッチ―で、それぞれの曲にフックがあるため、あれよあれよという間に聴き終えてしまう。
 会心の出来だと思う。


MR. BIG - Defying Gravity ★★ (2017-06-25 13:48:10)

 9thスタジオアルバム。
 方向性は前作(『…The Stories We Could Tell』)と同じ。
 だが、本作はドラムを助っ人マット・スターが叩いており(監修・指示はもちろんパット・トーピー)、録音も皆で揃って「せーの、どん!」と録っているためライヴ感が5割増し。
 音も前作では良く聴こえなかったベースがとっても良く聴こえるし、ポール・ギルバートとビリー・シーンの絡みが随所に仕込まれているので盛り上がらないわけがない。
 そして曲はおしなべてキャッチー。音楽的には当然異なるのだけれど、印象としてはBAD COMPANYの2nd(『Straight Shooter』)に似たものを得た。あの作品もなんだかカラッと明るくキャッチーなんだけれども、しっかり渋みを感じさせて聴き飽きしない名盤だ。それを思い起こさせる。
 4th以来久しぶりにプロデュースをケヴィン・エルソンが担当。冒頭で「OK,we're rolling」と聴こえてきて“あぁ、1stと一緒だ…”と。彼らも長い時間かけて色々あって、グルッと回って理想の音楽を作り上げてるんだと思うと、なんだかグッとくるものがありますね。
 まぁ、そういうわけで本アルバムは名作。個人的にも好み。


MR. BIG - Get Over It (2014-10-07 00:13:39)

 あれ?旧名義の時に発言していなかったんだ。
 本作は、正直嫌いじゃない。
 でも、少しばかり泥っどろになりすぎ。

 ハイ・テクなブルーズ風味のHR、という狙いが、ハイ・テクなHR風味のブルーズ・ロックになった時、似て非なる世界が現れた、というところかな?

 ちょっと惜しい一枚。

 ↑あ、ちなみに4年越しでツッ込ませてもらうのも恐縮ですが、FREEです。THE WHOではなくて。


MR. BIG - Hey Man (2014-10-06 22:49:52)

 それで、実は最新作(2014年発表のね)を買いに行く前に、これとコッツェン在籍時の2枚目を聴いていた。もしかしてこんな感じなのかなぁ、なんて。

 結論としてはそうでなかったわけなのだが、意外なことに本作も決して悪くない事を再発見した(『Actual Size』の方も)。

 結局、このバンドは駄作を一枚も発表していないことがわかって、嬉しい(意外な)収穫である。と言っても、他の作品と比較すると、最も後部座席の方に定位置を発見するわけなのだが(やっぱり、ちょっとハードにロックしてもらった方が、このバンドの格好良さが際立つよね)。

 でも悪くない。
 そのことに気づくまで、20年近くかかってしまったけれど。


MR. BIG - What If... ★★★ (2012-03-07 01:59:04)

 VAN HALENの新譜を聴いて思い出したのだが、傑作大復活アルバムとしては本作も挙げられる。
 最高傑作かどうかという話だと、当時それこそ舐めるように繰り返し聴いた1stの方が(思い入れもあって)上かなと思うのだけれど、本作はそれに次ぐ作品として十分に名盤だ。完成度という見地からなら、1stを凌ぐだろう。
 “問答無用の超名曲が1曲欲しかったな”と思わないではないが、アルバムトータルとしてはどの曲も聴き応えがあり、終盤に至って駄目押しのファスト・チューンも配置され、曲の流れからしても申し分ない。
 ライヴ感に溢れた録音は、ケヴィン=シャーリーに感謝したい。
 繰り返すが、名盤。


MR. BIG - …The Stories We Could Tell ★★ (2014-10-06 22:30:41)

 仕事が一山超えた。
 まだ終わっていないが、なんとかなりそうだ。
 家でも、職場でも(当たり前か)仕事をしている。家で仕事する場合は一回寝る。9時頃に。で、早朝の2時か3時頃に起きる。4・5時間でもしっかり寝ているから、それなりにはかどる。翌日もそんなにつらくない。
 ちなみに、カウンセラーの先生にとある研修でお会いしたから話をしたのだが、“鬱病に良くないのは睡眠時間を削る事”とのことだ。
 同感である。一時期(10年以上前)、おかしかった頃は、夜中の3時まで起きていて仕事をどうにかしようとしていたから。結局どうにもならないし、翌日は眠くて仕事にならない。

 それでこの度、家で仕事をしている時に本作を聴いていた。良いんだな、これが。

 繰り返し聴きたくなる。このバンドが創立時に掲げていた、“ブルージーなHRをハイ・テクニックで聴かせる”というのが、しっかり体現されている。まぁ確かにビリーのベースがちっと控えめだが。楽曲が良い。あくまでHRにこだわるというのが、とても良い。冒頭から終わりまで、旨味がギッシリだ。
 個人的には1st>前作>本作>2nd>3rd>5th>4th・6thという感じで好きだ(2ndは完成度と貫録と言う意味では文句なく最高傑作なのだが、ちょっと好みじゃないんだよね)。

 ちなみに星二つ(三つというのは、よほどでないと付けないことにしている)で好評価っていうのは、ドラマーの病気とは一切関係ない。
 だって、LEPPSのアルバム(『Hysteria』以降の名作群)を聴くときに、ドラマーが隻腕であることを加味して作品を評価するか?
 私はしません。

 純粋に作品の内容だけを評価し、私は本作をとても気に入っている。新たな名盤だと思う。


MUDVAYNE - L.D. 50 - Dig ★★★ (2012-06-27 00:03:34)

 曲単位で語りたくなることなんて、滅多にないんだけれど、この曲は好き。
 PVがまた良かった。
 エンタテイメントとしてギリギリの狂い具合が策士を感じさせたが、クレヴァーな格好良さの方が強く印象付けられた。
 ちょっと忘れられない一曲。


NEIL YOUNG - Le Noise ★★★ (2013-10-05 01:29:49)

 発表されてから2・3年経つので、今更ながらなのだが、DREAM THEATERの新譜と共に購入した(本当はDREAM THEATERの話は全く無関係なのだけれど、想像以上に出来が良かったので・・・ここでも宣伝)。

 一聴すると、周りの風景が少し違って見えるようになる。または、自分のいる部屋の空気が一変する。そういうアルバムが、世の中には稀に存在する。本作はそのレアな一枚。

 ただ単にノイジーなギターを掻き鳴らしながら、ニールが唄っている、というだけの作品ではない。
 ギターのノイズはプロデュースを担当したダニエル・ラノワによってコラージュされ、神秘的なものさえ感じさせる。それでいて、やっぱりエレキ・ギターならではの喧しさ、格好良さがこれでもかと表現されているのだ。ドラムは無し。ベースも無し。エレキギターと歌のみ。
 まさに、神がかった(絶品の)ロック・アルバムだと思う。


NICKELBACK - Dark Horse ★★★ (2011-12-04 01:03:53)

 この作品から聴きだした。
 こんなに良いバンドがいて、すでに爆発的に売れていたことを知らずにいた己の不明を恥じたもんである。
 音はもう、上の方々も触れられているとおり、マットの音。でも、NICKELBACKの偉いところは、願い倒して弟子入りし、しっかり音作りを習得してしまったところだ。次作を聴くと、その素晴らしい成果が良くわかる。
 これより前にはまだ遡って聴いていないんだが、ま、お楽しみにとっておくっつうことで。
 今さらながらだが、本作は超絶クールで格好良い、王道ど真ん中で参勤交代の大名も道を譲る名盤です。


NICKELBACK - Feed the Machine ★★ (2017-06-17 21:35:47)

 前作はソフトというかポップな曲も交えつつ、バラエティ豊かな作風だった。
 今作はというと、一本芯が通っており硬質な感じ。一曲目のFeed the Machineがゴリッとした質感をもつ曲で、本アルバムが硬派であることを宣言している。
 とは言っても、そこはNICKELBACK。③の「Song on Fire」は久々にキタコレ。バラードの名曲。問答無用の出来だろうこれは。④はリズミカルなヴォーカルが一聴ポップな風なのだが、楽曲のトータルイメージはハードだ。アルバムの流れにアクセントをつけており、配置も絶妙と言えよう。⑤はバラード調の曲。③より少しだけヘヴィか。毛色は明らかに異なり佳曲。⑥はミッドテンポの曲でリフのグルーヴが気持ち良い。⑦は再びバラード調の曲。③・⑤よりややダーク。これまでにみるように、③以降はバラード(“調”の曲も含む)とロックしている曲を交互に配置しており、アルバムの流れについてとても気が遣われている。そしてバラード(調)の曲は、似たような曲は収録されていない。何気に凄いことだと思う。
 ⑧はダークでハード。なにか漢っぽくて格好良い。⑨は歌メロのサビの部分に哀感が滲む、どこかハードボイルドな良曲。⑩は一転始まりがアコースティックで口直し。アルバム終盤において雰囲気を変えている。明るくなりきれない切なさが後を引く。⑪は⑩の流れをしっとりと引き継ぐ、アコースティックギターのメロディが印象的なインストゥルメンタル。
 前作も悪くないと思ったけれど、作風でいうなら本作が好み。ハードとヘヴィとダークが3割増し。でも前作あってこその本作なのだろう。
 とても気に入りました。名盤。


NICKELBACK - Feed the Machine - After the Rain ★★ (2017-07-15 06:08:35)

 始まりのメロディやリズムの使い方は、(前に似たような曲があったような・・・)と思わせるのだが、サビのメロディは明るくやや翳りをみせつつ展開していく。クライマックスの「ウェイエイエイエエーイ」の部分が好きだ。
 こういうコンパクトなのだが少しばかり複雑な色遣いを見せる曲を聴くと、「このバンドは本当、職人だなぁ」と感心する。


NICKELBACK - Feed the Machine - Every Time We’re Together ★★ (2017-07-15 06:49:27)

 ハードでダークな色調の曲だけだとアルバムが単調な印象となってしまうのだが、この曲のように明るめでやや軽快な曲が挿入されると、アルバムの印象がグッと違ってくる。色彩は豊かになり、より多面性が増す。

 いつも僕たちは一緒。


NICKELBACK - Feed the Machine - Feed the Machine ★★ (2017-07-15 05:59:55)

 実はアルバムリリース前にYoutubeで流しているプロモーションビデオで聴いた(視た)時には、あまり良さがわからなかった。
 しかし、実際にCDで聴いてみるとなかなか良い曲だと思った。少しダークでリフが格好良い。アルバムの世界観を冒頭で表現(紹介)するのに最も適した曲である。もちろんタイトルトラックなわけだし。
 今では曲が始まるとワクワクするし、リフはゾクッとくる。ライヴの開幕にもってこいであろう。

 あまり関係のない話だが、プロモーションビデオの話の筋が今でもよく分かっていない。
 あのマスクをしたガタイの良い男性は人々を支配している悪役(親玉)っちゅうことで良いのだろうか。最初に観た時に(敵の本拠地に忍び込んだヒーローかな)と思い、いつまでたっても活躍しないでボーッと同じところで仁王立ちしている(たまに両腕を広げてみせる)だけなので、「?」と頭の上に疑問符が浮いた。
 何度か観ているうちに、(あぁ、もしかして悪役?)と思ったのだが、今でも自信が持てない。
 いや、本当に曲の評価には関係ないのでどうでも良いのだが、なんか気になって。


NICKELBACK - Feed the Machine - Home ★★ (2017-07-15 06:17:47)

 実はイントロだけ取り上げると、この曲がアルバム冒頭にあっても良いように思う。ただ、その後の展開がどちらかというと攻撃的にいくより、ややスローテンポでドラマティックな方向に流れていくので、やはりアルバム中盤のこの位置にあるのが正解。
 今回のアルバムは個人的には捨て曲が無いのだが、収録曲の中でもこの曲を含めバラード系の曲が成功しているように思う。それぞれ曲の個性がはっきりとしているし、似たような王道パターンに堕していかず、良いメロディをいかに有効に作用させるかということに細心の注意が払われているように感じる。


NICKELBACK - Feed the Machine - Silent Majority ★★ (2017-06-17 22:07:37)

 アルバム後半(レコードで言うとB面)は個人的には⑥から始まり、徐々に盛り上がっていきこの曲あたりでクライマックスになるような気がする。あくまでも個人的な感想だけれど。
 劇的な曲調、高まっていく緊張感がたまらない一曲。ハードボイルドな刑事(探偵)ドラマか、展開に予断を許さない社会派のサスペンスドラマなんかで(歌詞の内容は全く考慮の外にして)山場に使ったら良いかと思う。
 ドラマティック。
 


NICKELBACK - Feed the Machine - Song on Fire ★★★ (2017-06-17 21:53:00)

 NICKELBACKは非常に優れたバラードを多数持っているのだが、この曲はその中でも上位に入ると思う。
 切なく、諦観を感じさせながらも明るく展開していくサビのメロディ。涙を堪えながら笑って見せるというか。

 この歌は燃やしてしまってもいい
 煙にしてしまえ
 川に流してもいい
 ゆっくり沈むのを見る
 紙飛行機に折ってしまい
 月まで飛ばしてしまえ

 世界のために奏でても意味はない
 僕は君に歌っているんだ


NICKELBACK - Feed the Machine - The Betrayal (Act III) ★★ (2017-07-15 06:26:58)

 ギターリフのリズムとドラムのリズムが絡み合って徐々に緊張感を高めていく展開が好きだ。
 冒頭のアコースティックな始まりから一転、ベースのビートが聴き手をダークでタフな世界観にグイッと引き込むあたりが上手い。格好良いと思う。


NICKELBACK - Here and Now ★★★ (2011-11-23 01:09:21)

 前作から聴きだした。前作も良かったのだが、本作も良い。
 音がもう、もろに好み。エッヂがギリリと立ったギター、ドムドムうねるボトムに漢気あるVo.。
 そしてメロディとギターリフも申し分無し。彼らは職人である。
 ぜひとも、AC/DCやLEPPSの正統な後継者として、迷わずこの路線を極めて欲しい。


NICKELBACK - No Fixed Address ★★ (2014-11-24 03:43:44)

 相変わらず上手い。
 何がというと、曲作りと音作り、それにアルバムにおける楽曲の配置だ。
 一曲単位でのダウンロードが主流になりつつある昨今、ここまでアルバム・オリエンテッドな製作姿勢を保持しているのは、まことに好ましい。彼らが我々同様にロック・ファンであり、自分たちが聴き親しんできたもの(形)を大切にしているという証しであると思われるからだ。
 本作はメンバーのコメントにもあるよう、ヘヴィなものはヘヴィさを損なわず(「よりヘヴィに」)、ポップなものはディスコソングに通ずるアレンジが施されているものもある。ホーンが入ったりラップが入ったりしているのだが、それでもきちんとニッケルバックの楽曲であることは、その特徴的なヴォーカルメロディや男気溢れるチャドの声が主張している。バラードも充実しており、全編あっという間に聴き終えてしまうし、すぐにまた聴きたくなってしまう。
 個々の楽曲は一聴して耳を捉えるフックを有すだけではなく、繰り返し聴いても飽きがこない。メロディに深みと滋味があり、アレンジのセンスも良い。
 AC/DC・Def Leppard系のバンドは、ある意味、自らが理想とする楽曲の形が明確にすぎるきらいがある。聴き手も大きな変化を求めないため、基本軸はそのままにしつつ、作品が画一的なものとならないことが至上命令だ。このバンドも同系統のバンドなのだが、今回も上手にマンネリ化を回避した。
 職人の意地、ここにあり、というところか。


NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS - Chasing Yesterday ★★★ (2015-02-28 20:51:42)

 これは来たねェ。
 2nd、待っていたけど、スッと出してきた。だけど自分にとってお馴染みの方法論で、楽に出してきた感じはしない。音楽的実験(冒険)を経てひと回り大きくなった上で、自然体で作ってきた・・・いや作品自身がコロンと生まれてきた?そんな印象を受ける。
 その昔、BLURの2ndを聴いた時に、「これは大好きだが、アメリカじゃ売れないだろうな」と思ったのだが、本作にも同様の感想を持った。骨の髄までブリティッシュというか、イギリスのアーティストでないと作れない作品だろうな。例えばディヴィッド・ボウイとか聴いていても思うのだけれど。アメリカでも売れると良いんだけど(ぜひ売れて欲しい!)。
 1stと異なり、アップテンポにギターのリフでグイグイ引っ張っていく曲や、ポップなメロディが印象的な曲などが、素敵なアクセントになっている。作品の内容を色で例えると、よりカラフルで見通しの良い世界が提示されている。空は青く、草原の緑が広がり、丘をいくつか超えた向うには白く冠雪した山脈がある。右手には銀色に光る入江に面して街があり、オレンジやレンガ色をした建物がいくつも見える、みたいな。
 ブリティッシュ・ロックの職人が、また一つ名盤をものにした。
 最高じゃないか?


NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS - Noel Gallagher’s High Flying Birds ★★ (2014-05-19 17:48:58)

 オアシスのノエル兄ちゃんの1stソロ・アルバム。2011年発表。
 オアシスの解散は残念だったが、正直な話、仕方がないことだったと考えている。どう控え目な表現で評価しても、(4thは未聴なので)5th以降は自らの殻を破れずにいた。もちろん各アルバムには良い曲が収録されていた。だが、このバンドに本当に求められていたのは、U2が『Achtung Baby』や『Zooropa』で見せたような、そしてRADIOHEADが『KID A』で見せたようなブレイク・スルーだったのだと思う。
 オアシスは結果的にそれを為し得なかった。

 本作は、ほどよく実験的精神も盛り込まれており、期待に応える傑作に仕上がっている。欲を言えばアルバム全体のトーンが、物憂げなものに染まりきっているところか。2曲ほど、ちょっとブルーではあるけれども、少し溌剌さを感じさせる楽曲が収められていれば、もっと良かったと思う。
 だが、ノエルは(オアシスでも)こういう音楽が作りたくてたまらなかったのだろうな、ということが良くわかる。それに、アルバムの隅々まで、ノエルの心が通っていることも伝わってくる。
 傑作であろう。


OASIS - Dig Out Your Soul ★★ (2013-05-11 19:22:41)

 現時点(2013年5月)でラスト・アルバムとなっている。
 それで、再結成の声明も出されていないので、本作がOASISというバンドの最後のアルバムであり続ける可能性は高い。
 そのような見地から本作を評価しても、「最後まで非常に質の高いアルバムを発表していた」と言える高いクオリティを持っていると思う。前作までの焼き直しではなく、常にチャレンジングな姿勢を崩さなかったという意味でも、本作の価値は高い。
 だが、ノエル(兄の方ね)は、もっともっと限界を超えたかったのだろう。そしてリアムもそれは同じ思いだったのだろうが、二人が目指している地平線の彼方は、それぞれ異なっていた。
 なので、解散も致しかたなかったと思われる。
 もしかすると、いずれ再結成するかもしれないが、その時は本作を超えるものが創造されないと意味がないだろうな。
 高いハードルであるという意味でも、本作は名盤(1stや2ndは超えていないけど)。


OASIS - Standing on the Shoulder of Giants ★★ (2014-07-05 17:36:43)

 正直なところ発表当時、妹が購入してきたのを(ちょろっと)聴かせてもらって、“自分で買って聴くことはないな”と思ったので、この一枚だけ持っていなかった。
 だが、先日某B〇ok off(伏せてませんね)に行ったら、500円コーナーに4枚も並んでいるのを見つけてしまった。まるで雨に濡れて弱っている仔犬と目が合ってしまったような気がしたので、最も状態が良さそうなものを選んで(日に焼けてない。綺麗。帯っていうか、あの紙の札がついている)買った。
 これが意外と良い。
 少なくとも3rdアルバムより一本芯が通っている、聴き応えのあるアルバムだったことを、今更ながらに確認した。
 もっとちゃんと聴いておけば良かったですね。
 良い作品です。


ONE OK ROCK ★★★ (2011-07-31 11:43:40)

 シングル『Re:Make/NO SCARED』を購入して聴いたんだけど、驚いたね。特に「Re:Make」の格好良さには。
 日本からこういうロックバンドが出てきて、しかも注目を浴びていて、そして何より楽曲が良い。これはとても良いことだと思う。
 Vo.が誰か(と誰か)の息子なんていうのは、もう関係ないね。上手いっていうのもそうだけど、個性が半端じゃないな。おすすめです。


ONE OK ROCK - 残響リファレンス ★★★ (2011-11-23 01:31:52)

 正直なところ、私にとって日本におけるHR/HMは、ANTHEMとOUTRAGEがいてくれれば不満はないのだが(いや、他にもたくさん素晴らしいバンドはいると思いますよ・・・)、このONE OK ROCKもかなり気に入っている。他のバンドを引き合いに出すとアーティストに失礼かもしれないが、近い存在だとFOO FIGHTERSを想起する。いや、FOOと同じくらい格好良いという意味で言っている。
 シングルカットされた曲の出来が良いのは無論のこと、アルバム全編にわたり高いレベルにある。
 このようなバンドが売れているというのは、とても良いことだと思うし、素直に嬉しい。


OUTRAGE - Outraged ★★★ (2013-06-24 12:46:22)

 久しぶりに橋本さんが復帰され、充実度と緊張感が半端ではなかった“復活作”の前作も、喜んで聴いたものだが、本作もかなり良い。
 このバンドは、基本的にはスラッシュ・メタルとハード・コアをバック・グラウンドに持っているのだが、作品によってその混ざり具合というか、発色のしかたが異なる。
 私が大好きな『LIFE UNTIL DEAF』や、前作(『OUTRAGE』)は、スラッシュを出自に持つことを主張しつつも、より普遍的かつOUTRAGEにしか作り得ないHMであり、『Who We Are』はハード・コア色が若干強い。で、私はハード・コア色が薄い方が好み。
 本作は前作の路線を引き継ぎつつ、徹底的に完成度にこだわっているようで、またしてもJapanese HMの傑作が生まれたと言えよう。
 トータル・ランニング・タイムが短めなのも潔く、ただただ格好良い。
 


OUTRAGE - Raging Out ★★★ (2017-11-04 19:15:54)

 やっと入手した。
 もう一曲目からシビれっぱなしである。
 冒頭からガンガンつっ走るし、ガラッパチなキレっぷりがもうたまらない。
 前作(企画盤じゃなくて『Outraged』の方)も前々作もそりゃあ大変良かったのだが、今作はそれらを上回ってきている。

 もの凄い格好良い。

 名盤。


PANTERA - Vulgar Display of Power ★★ (2012-07-09 16:22:58)

 20年経つのか・・・。
 全く古びず、というか、時代を超越して屹立している。HM史の中でも数少ない独立峰のような作品。
 確か、現バーンコーポレーション社長の酒井康氏が本作品発表当時、B!誌の表紙をPANTERAが飾ったのを見て、酒井氏が馴染み深かったHMが別のものに変化したことを実感した、というようなコメントをどこかでしていたような・・・(間違っていたらごめんなさい)。
 PANTERAがブレイクした後も、HMは様々なスタイルを身に纏い拡散していく方向性にあり、それは現在も変わらない。ただ、今ではこのバンドがHMのコアな部分を象徴する存在のようになっているとともに、その革新性を評価されているというのは、なかなか感慨深い。
 私は本作及び前作が、ただへヴィでハードコアなだけでなく、適度にキャッチ―・メロディアスな部分があり、好きだ。


PARADISE LOST - Host (2012-06-28 20:19:35)

 基本的に、このサイトで書き込んだ作品というのは、昔の「クーカイ」名義であろうが、今の「帰ってきたクーカイ」名義であろうが、心に何かひっかかった作品を対象にしている。
 「お勧めしたい(したくない)」、「これは良い(惜しい)」など、要するに何かしら書き込みたくなる作品だからこそ、シコシコ打ち込むわけだ。
 で、今回はあえて“これは多分、取り上げることは金輪際ないだろうな”という作品を選んでみた。
 アーティストからすると余計なお世話以外のなにものでもない。

 選び方。普段ほとんど聴かないCDをしまっている箱の中から、“これは評価が難しいなあ”というのを取り出してみた。つまり本作である。

 決して質が悪いわけではないし、本当にごくたま~に取り出しては聴いているので、悪い作品ではないのだ。だが、(発売時に購入してもう何年も経っているのに)1曲目以外曲が覚えられないし、聴いているうちにすぐ寝てしまう。
 美しさは理解できるし、この世界観は嫌いじゃない。だが、これの前の作品がとても好きな私は、今作を聴いて以降このバンドの新しい作品を購入することをしなくなった。
 今晩、久しぶりに聴いてみようと思う。
 最近不眠症気味だから。


PARIS - Big Towne,2061 ★★★ (2017-08-21 21:16:29)

 メタル慶昭さんに教えてもらって以来、ちょっと気の利いたCD屋に行くと探していた(絶対にネットでポチらないのは、性というか・・・)。
 ありましたね(ついでにTHE ANSWERの3rdも見つけた)。

 聴いてビックリしたのは(冷静に考えると当然あり得ることなのだが)、エアチェックして聴いていたであろう楽曲が含まれていたこと。イントロのメロディが流れてきた瞬間に、「あ。これ知っているわ。俺、好きだったわ」という曲が、確実なところで3曲(①Blue Robin、②Big Towne,2061、⑥Money Love。もしかすると④のNew Orleansもだが、自信が無い)。懐かしい事この上なく、現在絶賛愛聴中。

 1976年の発表なので、若いリスナーからすれば今聴くとおっそろしく古臭く聴こえるのかもしれない。しかし、今のバンドが持っていない大きな魅力があるんだよ。これが。なんというかキャッチーなメロディなのだが、ポップじゃないというか。いや人によっては「ポップだ」という人もいると思うのだが、ロックとして機能しているんだよ。立派に。で、色々な音楽がごった煮になっているような気配もあるんだが、クロスオーバーとかコジャレタ(洒落てねぇか。死語か)もんじゃないんだよ。まぁ、’70年代のバンドって、みんなこんな雰囲気は持っていたよね。DPもZeppも。メロディが独特なんだよね。好きなんだよこういうの。THE FIRMもそうだったんだけれど。

 そのようなわけで慶昭さんに大きな感謝の念を抱きつつ、今も背後で鳴っています。
 本当に格好良いなぁ。


PARIS - Big Towne,2061 - Blue Robin ★★★ (2017-08-21 21:48:06)

 チャララン、チャララン、チャラララーン。

 これもイントロが印象的な曲。始まった瞬間にあの頃の自分を思い出すっていうか。
 「ヘイヘイー」という甲高い声がファニーといえばファニーなのかもしれないが、「味」ですね。

 冒頭に置くならもう少し勢いのある曲が良いような気もするのだが、でも『Big Towne,2061』の冒頭ということでは、この曲しかあり得ないとも思う。奇妙な説得力と(大きな)魅力があるんだよね。

 名曲。


PARIS - Big Towne,2061 - Money Love ★★★ (2017-08-21 21:35:43)

 チャララチャッチャ、チャララチャッチャ、チャララチャッチャ、ジャン!

 イントロが印象的な曲がこのバンドには多いのだが、これも冒頭で耳を持っていかれる。
 その後はチャラッ、チャラッ、チャララチャッチャと結構スピード感を持って反復され、その上に軽快なヴォーカルメロディが乗る。
 なんか似たような曲、好きなヤツでもう一曲あったなぁと思って聴いていたが、Lou Reedの「The Original Wrapper」(1986年発表の『MISTRIAL』に収録)がそうだった。ただ、ギターリフは異なっており(チャッチャッ、チャッチャッ、チャッチャッ、ッツチャララララ)テンポが似ているだけだったんだけど。これも格好良いんだよ(アルバム総体としては今一つなんだが)。

 ハードかっていうとそうでもないんだけど、ギターロックだよね。ギターが印象的っていうか、リフが良いんだよ。
 なんかノレるし、踊れそうでもある(踊らないけれど)。

 格好良いっす。


PARIS - Paris ★★★ (2017-04-22 16:49:57)

 PARISはフリートウッド・マックのギタリストであったロバート・ウェルチ(G.,Vo.ボブ・ウェルチ)が元ジェスロ・タルのグレン・コーニック(B,Key)、元ナッズのトム・ムーニー(Dr)と組んだトリオバンドである。
 本作は1976年1月にリリースされたデヴューアルバム。
 バンド自体は短命で、商業的な成功からもほど遠かったらしい。本作もチャートの最高位が103位という成績だったとか。日本では渋谷陽一氏がレッド・ツェッペリンに似ているということでプッシュし、そこそこ売れたらしい。

 私がこのバンドを知ったのは’80年代前半から中頃のことで、例によってFMラジオをエアチェックしている中で出会った。やっぱり”渋谷陽一氏がどうのこうの”とアナウンスされていたか、渋谷陽一氏本人がDJをつとめた番組であった可能性もある。4(5?)曲ほど(2曲目の「Religion」、3曲目の「Starcage」、7曲目の「Solitaire」、8曲目の「Breathless」は確実に、そしてもしかすると5曲目の「Nazarene」もそうだったかもしれない)オンエアされ、それを録音して聴いていた。
 当時はまだレッド・ツェッペリンを聴いていなかったので、似ていると言われても「ふ~ん。そうなんだ」という感じであったのだが、今聴くと随分似ている曲が確かにある(2曲目の「Religion」とか)。だが、それだけがこのバンドの特長ではなく、曲は全般的にスペーシーな雰囲気を多少なりとも纏い、不思議な浮遊感を感じさせる。また曲によっては後のインダストリアル・ミュージックに通ずるようなもの(「Starcage」)もあり、当時としてはかなり斬新だ。かと思うとヘヴィブルーズ調の曲(「Breathless」)も収録されており、アルバムの内容はヴァラエティに富む。

 エアチェックのテープは度々引っ越ししているうちにどこかにいってしまったのだが、PARISの音楽はたまに思い出され、気が向くと輸入盤や中古盤でないか探していた。
 すると先日のこと、2013年に発売されていたデジタル・リマスタリングされたSHM-CD仕様の再発盤を発見した。これは嬉しかった。思いもかけない時に意外な人から突然贈り物を貰ったような気分だ。
 久しぶりに(しかも良い音で)聴くと、やっぱり良い。曲は基本ハードで、歌メロもキャッチー。ブリティッシュの匂いもプンプンするし、大好きな音である。
 再発してくれたレコード会社には感謝したい。


PARIS - Paris ★★★ (2017-04-29 20:21:47)

>メタルけいしょうさん

 はじめまして。いつもコメントを拝見させてもらっています。
 メタルけいしょうさんが推薦されておられるのでしたら、これはゲットするしかないですね!2nd。
 有難うございます。


PARIS - Paris - Breathless ★★★ (2017-04-22 17:13:07)

 リフが重いんだけどキャッチーという、「昔のバンドはこういう曲書いたんだよなぁ」と思わず目を細めてしまいそうになる曲。
 キャッチーなヘヴィブルーズというか奇妙な魅力にはちょっと抗し難い。う~む、と黙って聴いてしまう。
 このバンドの懐の深さを感じさせますね。


PARIS - Paris - Religion ★★★ (2017-04-22 16:57:46)

 なんとなくリフや唄い出しがレッド・ツェッペリンの「Black Dog」に似ている。だが、”似ているから良い”のではなく、そんなことには関係なく良い曲のように思う。
 スペーシーなアレンジがなされているが、サイケっぽいとも言えるかもしれない。ほっておくと3人で延々とジャムっていそうな雰囲気も漂ってくる終盤あたりも美味しい。
 名曲。


PARIS - Paris - Solitaire ★★★ (2017-04-22 17:10:10)

 曲そのものはブルージーとも言えるのかもしれないのだけれど、歌メロが妙にキャッチーで後を引く曲。耳に残るんだよね。
 歌い始めのメロディが最もキャッチーで、そこでグイと聴き手の心をつかんでしまうというのはビートルズみたい。
 収録曲中最もポップなような気もするが、やはり中盤の展開はきちんとロックしていて好きだ。


PARIS - Paris - Starcage ★★★ (2017-04-22 17:05:33)

 アレンジがインダストリアルっぽい一曲。あくまで「ぽい」という以上のものではないのだが、当時としては斬新だったのではないかと思うし、今聴いても時代を超越した格好良さがあると思う。
 人によっては「そうかな?」と思われるかもしれないが、私にはなんだか打ち込みっぽく聴こえる(もちろんマシンでもプログラムでもないのだと思われるが)ドラムに、ベースと音を加工したキーボードの反復メロディ(だと思うんだが)が絡み、ちょっと格好良く思える。隙間を埋めるように(あるいは楔を打ち込むように)鳴らされるギターがまたシブいし。

 ちょっと毛色の変わった名曲。


PAUL GILBERT - Fuzz Universe ★★★ (2011-06-18 00:12:38)

 ポールのソロって他に持っていないんですが、これはとんでもなく良いですよ。
 私はJEFF BECKとSTEVE VAIが好きなんで、ギター・インスト・アルバムについては、自分なりに一定の基準を持っているのですが、本作はかなり高いレベルにあります。いや、技術的に優れているというだけでなく、メロディ、サウンド、どれをとっても特筆に値しますね。
 ポールは天才です。こんなに気持ちよくギターを歌わせる人は、現在、第一線で活躍しているギタリストの中でもちょっと他にいないのでは。
 名盤!!


PAUL MCCARTNEY(WINGS) - Chaos and Creation in the Backyard - English Tea ★★★ (2018-03-21 19:13:47)

 10年以上前の作品なのだが、最近引っ張り出して良く聴いている。
 購入当時も今もお気に入りなのがこの曲。

 一緒に座って
 紅茶でもどう?
 のんびりと
 僕とね
 晴れた日の朝には

 愉快なお喋りに
 勝る喜びはないよね

 ばあやが焼くのは
 可愛らしいケーキ
 日曜の朝にはいつだって

 なんかいかにもイギリス貴族階級の休日って感じじゃないですか。
 でも多分これってポール自身からみても想像上の「イギリスの朝」なんだよね。
 だからこそ、聴いていて「なんか良いよな」と思える。

 実体験だったら単なる自慢話みたいなもんなんだけど、そう聴かせないのがこの人の天才的なメロディセンス。
 どこか牧歌的で、神話的とも言える世界が眼前に広がるから。


PAUL STANLEY - Live to Win ★★ (2012-11-26 09:06:19)

 KISSの「MONSTER」の出来が非常に良かったので、改めて引っ張り出して聴いた。
 購入した当初(もう6年も経つのか・・・!)も、「良いアルバムだな」と思ったが、今聴いてもやっぱり良い作品だ。
 上の方々がもう書いておられるとおり、メロディが充実している。だがサウンドはあくまでハード・ロックであり、この人が骨の髄からロッカーであることが示されている。バンドの演奏もタイトで、色々な意味で軸がぶれていないところも潔い。こういうところは、KISSの近作でも貫かれていると思う。
 「やっぱりこの人は偉大なロッカーでありアーティストなのだな」と、しみじみ思わせてくれる名作である。


PEARL JAM - Backspacer - Unthought Known ★★★ (2014-11-06 21:23:03)

 トム・ペティはダブル・ミーニングというか、聴き手が自由に解釈できる優れた歌詞を書くが、トムのことをリスペクトするエディも、優れた作詞家であり作曲家だ。
 「彼女はリズムっていうものを体得しているぜ・・・」と歌うROCKも好きだが(例えばAC/DCとか)、深い意味を湛えているのも好きだ。この曲のように。

 
 思考の総体・・・。君が見ることはない・・・。いつだって考えている・・・。
 頭は絡め取られ・・・。深みにはまり・・・。
 ああ。君は沈んでいくのかい・・・?

 日々の細い道筋を探り・・・。君が受け入れた道は・・・?
 息が苦しくなり・・・。好機が・・・。ああ、これが生きるということ。

 愛と証しを注視せよ・・・。保つ価値があるか?・・・。
 違うと知っていて鵜呑みにした・・・。それはあまりに悲しく、そして吐いてしまう・・・。

 頭上の虚空を感じよ・・・。青い空の存在を・・・。
 愛で満たせ・・・。漆黒に星の明かり・・・。

 空が君を覆う・・・。宝玉と模造ダイヤ・・・。
 月に照らされた道を見るんだ・・・。君が歩むための・・・。
 君のための・・・。

 何も残っていない・・・。残っていない・・・。
 何も残っていないさ・・・・。残るものは何も無いんだよ・・・。

 


PERFUME - LEVEL3 ★★ (2015-04-26 16:37:03)

 娘に「PERFUMEのCD、何か買ってくれない?」とねだられて買ってきたのがこのアルバム。
 で、娘に「ipodで聴けるようにしてくれない?」と言われてmp3化し、娘のipodに入れ、ついでに車のカーナビにも入れてみた。
 それで車内で聴いて思うのだが、なかなかイケている。
 ズンズンくるビートと小技の効いたピコピコいう電子音の入れ方が絶妙。
 YMOのテクノが、'80年代後半のユーロビートやJESUS JONESもやっていたデス・テクノ、その後のジャングル・ビート、RADIOHEADも取り入れたアレなどを通過すると、こうなるのだろうか(この手のものって、ほとんど聴かないから良くわからないんだけれど)。

 ま、こういう音楽が成立する背景事情はとりあえずどうでも良い。聴いていて気持ち良いなら、それで十分。
 なんか娘にカツアゲ喰らったような気もしたのだが、なかなか格好良い音楽だ。ドライヴに最適で、ノリノリで運転出来る楽曲が納まっている。


PINK FLOYD - Atom Heart Mother (2014-12-15 20:53:52)

 『The Endless River』の項で本作に言及したおり、「そういえば久しく聴いていなかったな」と思い、引っ張り出して聴いてみた。
 どうも本作については、以前聴いた時には1曲目の印象がほとんど全てだったようで、2曲目以降はおまけの認識だったらしい。それで『The Endless River』で書いたような表現となった。
 改めて聴いてみると、2~5はきちんと独立した曲だし(今更何をという感じだが)、それなりのヴォリュームを有している。
 だが、やっぱり印象自体は当初のそれとあまり変わらない。
 それどころか、かなり評価に困る作品であったことを改めて確認した。
 やはり1曲目なのである。問題は。
 凄いと評価している人の気持ちは理解できるが、良くわからない(だが、いずれ凄さがわかるのかも)。好きだと言う人が多いのは認めるが、私はそんなに好きではない(そのうち好きになる可能性はあるが)。と、いうのが正直な感想だ。
 非常に難しい。だが、直観が囁く。「これは名曲だろうな」
 2曲目以降もそれなりに聴かせるものがあるのだが、自己主張はあまり強くない。
 5は“サイケな朝食”というよりは“朝食時の独り言”という風情だ。「マーマレイド。マーマレイド好きなんだよなぁ。マーマレイド、マーマレイド・・・」
 マーマレイド好きなんですね。


PINK FLOYD - The Endless River ★★ (2014-12-07 13:20:07)

 AC/DCの新譜を買いに行ったら、上段に本作が置かれていて非常に驚いた。アートワークからアンビエント系のアーティストの作品かと思っていたらPink Floydの新作だった。まさか20年も経ってから新作が発表されるとは。
 内容はというと、少しばかり取扱い注意だ。
 買ったのは日本盤なのだが、歌詞カードや解説や一切見ずに聴き始めた。
 ずーっとインストゥルメンタルが続く。
 いつになったらヴォーカルが入ってくるのかな?と思っていたのだが、数曲終わっても唄が入らない。
 これはまさか全曲インスト・・・?

 だが、この楽曲群が悪くないのだ。いかにもPink Floydだし、「狂ったダイアモンド」の新世紀版だ。

 最後の1曲だけがヴォーカル入りの普通の曲。それが終わって、アルバムもお仕舞い。

 これから初めてPink Floydを聴こうという人に本作を勧めないが(やっぱり'70年代の名作群のどれかから入った方が良い。もしくはあの2枚組のベスト)、これまでにPink Floydの音楽に触れていて、少なからず気に入っていた人なら、“こういうのもありだよなぁ”と思えるのではないか(『原子心母』も曲調は異なるがこんなんじゃなかったっけ?)。
 亡くなったメンバーに尊敬の念を捧げつつ、ピリオドをはっきりと打った。「さよなら」の言い方としては、いかにもこのバンドらしい。
 これ以上はないという形で終わらせたことに敬意を表し、星2つ。


POISON - Look What the Cat Dragged In (2012-03-07 01:45:28)

 勝てば官軍というわけではなく、2ndの大ブレイクは差し引いても、本作はなかなかのものだと思う。
 チープなのだが、それは多分狙ったのだろう。もしくは、そういうのが好みだったのか(それしか出来なかったという話も)。
 2nd以降はっきりとわかるメロディ・メーカーとしての才能は、本作にもその片鱗が見えている。バンド自体は本作での成功を無駄にはせず、きっちりと2ndから4thまで充実の作品を作ってきた。
 そういう意味でも、価値のある一枚だったと思う。


PRETTY BOY FLOYD - Leather Boyz With Electric Toyz (2012-03-07 01:33:32)

 「青田買い」で思い出すのがこのバンド。
 やはりチープで、出来の悪いMOTLEY CRUEの複製のような印象を受けたものだが、今思うに当時の空気感が良く感じられて、変な意味で「悪くない」。
 でも、正直なところ当時のレコード会社が、“出来はどうあれ売れているジャンルのものだったら、さっさと売り抜けてしまえ”って考えていたことが如実に現れているアルバムでもあり、言うまでもなくレコード会社の姿勢はファンを馬鹿にしている。で、この後グランジ・ロックがメイン・ストリームになるのだから、全くレコード会社の抜け目の無さには呆れる(と言いつつ、こちらの方もそれで良いバンドにたくさん出会ったのだけど)。
 などと愚痴をこぼすわけだが、別にバンドをけなすわけではない。バンドもファンも、“この辺が曲がり角だったねぇ”とメルクマールを知る一枚。


PRINCE - Graffiti Bridge(Soundtrack) ★★ (2013-07-24 00:51:30)

 ’90年発表。何枚目だかは知らない。
 PRINCEは、本作と「Brack Album」しか持っていないのだが、本作は良く聴いた。あ、そうそう。「Purple Rain」も持っていたのだが、夫婦喧嘩した際に妻に捨てられてしまったようで、今、手許に無い。実のところは「Purple Rain」の方が好きかもしれない。
 それはともかく、本作は同名の映画のサウンド・トラック扱いで、存在として良くわからない位置にあるものの、内容はなかなか興味深い。
 1曲目の「Can’t Stop This Feeling I Got」はPRINCEらしい、ポップな名曲だと思うし、3曲目の「Release It」は、ラップが少し入ったクールな一曲だと思う。ラストから二曲目のタイトル曲は、本当にこの人一流の名バラードだ。
 もう今では頻繁に聴くことをしないが、なかなかの良盤だと思う。


QUEENS OF THE STONE AGE - Villains ★★★ (2017-10-24 19:12:38)

 長らくバンド名は「石器時代の女王」だと思っていた。
 それはそれで興味深く、階層未分化の石器時代に女王が存在することはあり得ないわけで(だってそもそも国という概念がないわけだし、国が無い以上王権もないわけなので)、なかなかクールなバンド名だな、と。
 実は「石器時代のオカマ」という意味だったようだ。
 それもクールだ。石器時代にも男性・女性という二分にとまどいを感じていた人は居たろうから。もちろん現在の“クイーン”のように自らの存在をしっかり認識し、他者に開示するということはしなかったろうけれど。

 で、本作である。
 一聴して「デヴィッド・ボウイみたいだ」と感じた。
 声もそうなのだが、何より音楽性がひねくれポップ・(ハード)ロックだ。ボウイが遺した楽曲には、ハード・ロック寄りにエッジの立ったキレている曲が存在するが、それらを想起させる。

 ジョシュ・オムという人物はなかなかの切れ者である。


QUEENSRYCHE - Hear in the Now Frontier (2014-09-08 18:26:27)

 今日、仕事しながら聴いていた。相変わらずお金にならない仕事をしている。いや。お金は貰っているっちゃあ貰っているんだが、休日出勤だ。
 一緒に持っていったのはジョン・コルトレーンとマイルズ・デイヴィス、そしてレナード・バーンスタイン指揮のマーラーの9番。
 もっとも退屈したのが本作だ。
 約11年前の旧名義での書き込みでは、私は『Q2K』と『TRIBE』を絶賛はしていないが、そこそこ褒めている。少なくとも酷評はしていない。寛大である。
 で、今の私は年を喰って偏狭になってしまったのだろうか。本作をそこそこのレベルでも褒める気になれない。悪くはないんだが聴いている時間の7割方は退屈だった。今聴くと、特にグランジっぽくもなくただ退屈。
 なんとなく今の私には、このバンドは5作目で終わってしまったような気がしているのだが、今後『Q2K』と『TRIBE』も改めて聴きなおしてみようと思う。
 どんな感想を持つだろうか。


RADIOHEAD - Kid A ★★★ (2014-05-19 18:40:38)

 すでに上のほうで多くの方々によって語り尽くされているが、あえて付け加えさせてもらう。
 本作は陰惨かつこの上もなく過激な、ロック史上にその名を残す傑作アルバムである。
 ほとんど、音によるジェノサイドと言っても過言ではないし、聴いた後の疲労感と感じさせられる絶望感には、NIRVANAの3rdと同等のものがある。
 故に、常に接していたい音でなくて、良いのだと思う。
 世の中には、聴いた瞬間に「あ、これはこれまでになかったものだ」と感じさせる傑作がある。そして、その中の(ごく)一部には、繰り返し聴くと精神的な負担を強いられるものも、含まれているのだ。
 


RAGE - Unity - Unity ★★ (2016-08-06 19:12:20)

 アルバムについては旧名義でコメントさせてもらっており、自分の評価は定まっている。まぁ気に入っている。
 久しぶりに引っ張り出して聴いているのだが、改めてその良さに驚いている。
 具体的には、ヴィクター・スモールスキの偉大さを改めて痛感していると言って良いだろう。

 本編最後のこの曲は、真に瞠目すべきところが多い。
 テクニカルだが、それだけでなく豊潤なメロディがヴィクターの持ち味だということが、このインストゥルメンタルを聴くと心の底から納得できる。
 プログレッシヴな風味も耳に心地良い。一部YESへのオマージュ的なフレーズも聴ける。
 7分ちょっとの曲なのだが、あっという間に終わってしまうように感じる。

 名曲。
 


RAINBOW - Monsters of Rock - Live at Donington 1980 ★★★ (2016-05-09 17:47:28)

 個人的にはこのバンドの歴代ヴォーカリストの中では、グラハム・ボネットは“3番手”(ロニー・ジョー>グラハム>ドギー・ホワイト)であった。本ライヴ盤を聴くまでは。
 それで、本作を聴いて目から鱗が落ちる思いだ。この人は唄が滅法上手い。存在感もとんでもなくある。なによりロニーが歌った曲(「Stargazer」「Catch the Rainbow」)でも自分の歌にしてしまう。

 それで「グラハムって本当にコージーと仲が良かったんだなぁ」と思う。
 ドラム・ソロの後、「コージー・パウエル!」と3回叫ぶのだ。
 何故か。
 理由を『METALLION』Vol.8掲載のグラハムへのインタヴューから以下に引用したい。

 「~(前略)俺達は、キャッスル・ドニントンでの『モンスターズ・オブ・ロック』に出たところだった。大きなヘッドライナーとしては初めての仕事で、実に素晴らしいものだった。実際あれは、俺の人生における最良の日の1つだったよ。すごく楽しかった。そして、その夜、コージーが辞めたんだ。だから、俺達は、朝の6時くらいまでお別れを言っていたんだよ。バーでね。(笑) あれは素晴らしい経験だったよ。あの夜、俺は、一睡もしなかった。何もかもが、あまりにもエキサイティングだったからだ。完璧な日だった。」

 本作は色々な意味で最高のライヴ盤だ。


RATED X - Rated X ★★ (2014-11-23 07:56:25)

 ジョー・リン・ターナーがVo.、カーマイン・アピスがDr.、トニー・フランクリンがB.、カール・コクランがG.のニュープロジェクトである。
 音楽はRainbowにDeep Purpleが2割程度混ざり込み、現代風にアップグレードされたような感じ。ジョーはグレン・ヒューズとのプロジェクトでも似たようなことをやっており、それら(2枚のアルバム)も出来が良かった。ジョーの音楽性には全くブレがない。
 だが個人的には、このアルバムで最も注目したのはトニーのベース・プレイである。長い間待ち望んでいた。本当に嬉しい。
 あの特徴的なフレットレス・ベースの演奏は変わっていない。The Firm、Blue Murderで聴かせたトニー独特のフレーズ。この人はただ上手いと言うだけでなく、ベースに良いメロディを歌わせるのが得意なのだ。好きなベース・プレイヤーを3人挙げよ、と言われると必ず入れたいベーシストの一人だ。元気で何より。
 カーマインも67歳という年齢を感じさせない。トニーとカーマインが二人でいると、Blue Murderを思い起こさせる。懐かしい。今回のプロジェクトもカーマインの口利きでトニーが参戦したような気がする。カーマインには感謝せねばなるまい。
 カール・コクランはジョーの引きらしいが、ジェフ・ワトソンが途中で脱退したため呼ばれたようだ。そういう意味では“2番目の男”でファースト・チョイスではないのだが、そのプレイは結構イケてる。心配なのはアルバム製作途中に脳卒中で倒れていることだ。大丈夫か?
 多分、単発的なライヴはともかくツアーは無理だろうが、アルバムが聴けただけで奇跡的だ。言いだしっぺのジョーとカーマイン。有難う。


RICHIE SAMBORA + ORIANTHI - Radio Free America ★★ (2018-08-19 20:35:41)

 4月から職場が変わった。それまでは自宅から10~15分くらいだった移動時間が、今では(出勤・帰宅で)CDを1枚聴けるくらいだ。
 そのような訳で、この待ち望んでいたリッチー・サンボラとオリアンティのアルバムも、じっくり聴くことができた。
 本当に待っていたからな。早く出せよと。そうしたら「配信でEPを」ということでガッカリしたのだが(ダウンロードでは絶対に購入しないから)、良かった。CDが出て。

 まぁ、熱心に聴いた。運転中なので100%音楽に集中しているわけではないのだが、何日も車内でかけましたね。もちろん就寝前にも聴いていた。
 悪くない。とても良く出来ている。ソングオリエンテッドで、ギタリスト二人が好き勝手に作りましたっていう作品ではない。良い曲を作り、曲が求めているプレイに徹底するという姿勢。例えて言うなら、オリアンティのソロ一作目(『BELIEVE』)が渋くなったような。だが、リッチーのソロ三作目(『AFTERMATH OF THE LOWDOWN』)を聴いた時にも思ったのだが、「良いんだけれども、一味足りない」

 何が(あくまでも個人的にね)足りないと思ったのか。もう少し、二人のエゴが出ていても良かったんじゃないかな。
 オリアンティの1stに収録されていた「HIGHLY STRUNG」のようなインスト曲で、二人がバリバリ弾きまくる曲があっても面白かった。
 それにぶっちゃけ、ソングオリエンテッドというなら1曲でいいから“突き抜けて良い曲”を聴かせて欲しかった。もちろんそれはとても贅沢な要求なのだけれど。
 ①②⑩あたりがパッと耳を引くが(⑩は一部HEARTのヒット曲「NEVER」のフレーズに似たメロディが。もちろんパクったわけではなく、たまたまなんだろうが)、他の曲もそれぞれに聴き応えがある。ブルージーなもの、ダークなものなどバラエティに富んでいる。もちろん基礎となっているのはカラッとしたアメリカン・ハードロックだ。

 次作がCDでリリースされるなら間違いなく購入する。次作も大いに期待したい。そして徹底的な名曲を聴かせてくれないかな。だって二人ともボスはもう自分達なんだから。
 


RICHIE SAMBORA - Aftermath of the Lowdown ★★★ (2012-10-12 22:33:25)

 ソロ3作目。
 なんだか色々辛かったのだろうな、というのがカラりと湿らずに伝わってくる。
 私はこの人を“ギター職人”として信頼している。
 人柄については知らないが(もっと言うと「知ったこっちゃない」が)、一人のギタリスト、アーティストとして、とても真面目な人だ。
 自らのルーツに誠実で、理想とするポイントがとても高く設定されており、なおかつそれを実現できる力量の持ち主だと、私は思う。
 本作は、そんな“ギター職人”が、弾くべきところを弾き、唄うべきところを唄った、逸品である。


RIOT V - Rock City ★★ (2012-03-26 17:35:21)

 クローン病というのは、腸の病気で、「線維化や潰瘍を伴う肉芽腫をつくる炎症性のかなりまれな疾患」(電子辞書版『家庭の医学』より)とのこと。軽度の腹痛・腹部不快感・下痢・発熱・貧血などがその症状で、なかなか治らないらしい。
 ツアーの時なんかは大変だったろうな。
 マーク・リアリさんのご冥福をお祈り申し上げます。

 本作は、アメリカ東海岸のバンドが持つ独特の湿り気があり、たまに聴きたくなる。
 正直、作品としてのインパクトは『THUNDERSTEEL』が本作の3倍ぐらいあるのだが、それは後になってから聴いた場合の印象。’70年代終わり頃の発表当時では、かなりの衝撃があったと推察する。同時代の作品では、個人的にはほとんど、JUDAS PRIESTの『STAIND CLASS』と同レベルで語って良いのではと思う。
 名盤である。


RIOT V - Unleash the Fire ★★★ (2014-09-11 18:02:05)

 もう銘菓ひよこさんが、だいたい私が思ったことは書かれていますが、それでも書かせて下さい。
 吃驚ですよ。本作は。
 中心人物不在でも、バンド名に期待されるものを裏切らない作品が作られることは、あります。ありますが、そのレベルを高いものにするのは非常に困難。まぁ稀なことです。
 この作品は非常に質の高いメロディアスなHR/HMです。
 私は正直申しますが、このバンドは1stと『ThunderSteel』しか持っていません。ですが、「あぁ。これはRiotだな」と思いましたし、1stアルバムと同一線上に本作があることを強く感じました。そして『ThunderSteel』の雰囲気もあります。
 なにより、ツインリードが気持ち良すぎますね。それにVo.。この人、上手いなぁ。ボーナス・トラックのライヴ音源歌っているのも同じ人ですよね?こんな逸材いたんだねぇ。
 Riotのファンだけでなく、HR/HMが好きな全ての人に聴いてほしいな。
 あ、東海岸のバンドだからか、ちょっとManowarっぽいところが感じられたのも、微笑ましいところです。


RUSH - Clockwork Angels ★★★ (2012-06-26 20:33:42)

 本人たちの言によると、前作も結構インストゥルメンタル的に弾きまくったらしいのだが、私が受けた印象ではアコースティックな感じだった。
 今作もかなり弾き(たたき)まくっているのだが、前作とは異なり、かなりへヴィだしグルーヴィだ。ゲディのベースがぐいぐいと引っ張っていく曲が多いような気もする。
 ある意味へヴィ・メタリックとも思われる今作は、はからずもドリーム・シアターにちょっと近いような感じもあるのだが、ドリーム・シアターと決定的に異なるのは(リズム・チェンジを多用する複雑な楽曲構成が、こんなに類似しているのにも関わらず!)、やはり、“自分たちは何でも出来る。何処へでも行ける”という自信に裏打ちされた自然かつ自由な実験精神が、作品の隅々まで行きわたっているからだろう。 どのような作風を追及しても、RUSHのアイデンティティは確かなものであり、しかも自らの焼き直しを作らない。それは、“同じことを繰り返さない”と自らに課しているというよりは、“ここをこうすると、どこに行ける?”という純粋な好奇心のためであるように思う。「型にはまる(もしくは、はまらない)」という意識が存在する以前に、そもそも型などないのだ。彼らには。
 全く、稀有なバンドである。
 そして本作も、疑いなく傑作である。


RUSH - Clockwork Angels Tour ★★★ (2015-06-29 00:02:44)

 それで、久しぶりに購入して聴いた(と言っても、もう2年も経つんですね)RUSHのライヴ盤がこれ。この前とさらにその前のライヴ盤はスルーした。『Rush in Rio』(2003年発表)が、まだ聴き込めていなかったし、『Different Stages/Live』(1998年発表)ですら、まだなんか聴き込めていないような気がしていたので。

 だが本作は買った。何故ならあまりライヴでやっていなかったらしい、’80年代後半の楽曲をあえて選曲したツアーであったこと(CD1に収録)と、CD2に最新スタジオアルバム(『Clockwork Angels』の楽曲を、オケ帯同で再現していたからだ(ちなみにCD3収録曲は、オール・タイム・ベストな楽曲群。演奏しないと観客が暴動を起こす多数の名曲が収められている)。
 正直歳喰ったせいか、CD3枚を大人しく聴いている忍耐力はもうない。しかし本作はまぁそこそこ良く聴いたんじゃないだろうか。

 これも(俺のじゃなくて)歳のせいか、ゲディのヴォーカルがたまに音程を怪しくしているような気がするのだが、気のせいか。まぁ気のせいでなかったとしても、さほど気にならない。

 3枚通しではないのだが、1枚ずつ、しみじみと聴き、「やっぱり良いなぁ」と呟いている。


RUSH - Replay×3 ★★★ (2015-06-28 23:40:05)

 この間まで、『Grace Under Pressure Tour』のCD(要するにサウンド・トラックの方)を車内で良く聴いていた。最も気に入ったのは、やはりFear三部作のうちの一曲である「The Weapon」(PartⅡ of Fear)かな。始まるところで“語り”が入るんだけど、これが格好良いというか「うぅぅ。あぁ恐ろしいぃぃ」と、ちょっと怖い(笑)。緊張感が徐々に高まっていき、こういう演出をやらせるとこのバンドは本当に上手い。

 発表時にダイレクトに聴き、視ていたのは『A Show of Hands』なので、そちらの方がやはり思い入れも馴染もある。だが『Grace~』も悪くない。
 聴いていて改めて思うに、『Signals』以降の3枚の時期って、やっぱり好きだな。


Red Dragon Cartel - Red Dragon Cartel ★★★ (2014-03-03 01:03:41)

 アルバムの評価とは全く関係ない話なのだけれど、本来、こういうコメントって発売からあまり間を置かず書きたいものなのだ。やっぱり作品が“旬なうち”にお勧めしておきたいし。
 でも、今年はもうダメ。年明けから(大嫌いな)ジェットコースターに半強制的に乗せられたかのように、ここまですっ飛んできてしまった。もう、3月ですよね?!

 とは言え、聴くべき作品には恵まれており、せっせと何とか時間を作り、聴いてはいた。
 本作もそうした中の一枚である。一月になってから店に取り寄せてもらって購入した。珍しく普段なら置いてありそうな店3軒が全滅だったもので。
 正直、「まさか普通に店を介した購入は困難に・・・?」と思わないでもなかったが、店のお姉さんが
 「あ、まだ購入可能です」
 やっぱりちょっと危なかったんだ・・・。

 実際はどうだったのかはわからないが、無事に入手して聴くと、これは感動の出来。
 ジェイク復活、というのは勿論あるのだが、それ以上にここ最近聴いたHRアルバムの中でも高いレベルにあると思う。
 BADLANDSよりHM寄りで、オジーの時よりもへヴィだが、聴けば「うん。ジェイクだ」と納得するこの音。メロディ。

 今は音楽業界の構造が'80年代当時からは激変してしまい、アルバム製作やライヴ活動のための経費を、契約金という形でまとまった額でポンと出すところが無いので、新しいバンドは活動が非常に苦しい。確かに、技術革新でアルバム製作にかかる手間と金額は昔ほどかからないとはいえ、作品を出しても昔のような売れ方をしない、というのは痛い。デジタル配信にしても曲単位での切り売りでは、スマッシュヒット以上の楽曲がないと十分な収入にはならないだろう。それでも新しいバンドは、自らのコンテンツを増やしていかないとならない。バンドがその音楽活動から収入を得るには、何と言っても活発なライヴ活動による興行収入が重要だ。そのライヴを魅力的なものにするためにも、新しい良い曲は必要なのだ。
 このように苦しい状況ではあるのだが、RED DRAGON CARTELには是非とも頑張って欲しい。Vo.のDJ(元HAREM SCAREMのDr.歌が上手い)もキャラが立っているし。
 ちなみに、B誌のレヴューのとおりアルバム後半はゲスト参加のVo.が歌った曲とDJが歌った曲とが交互に配置されており、DJの存在感がやや薄まる。しかし、バラエティ豊かにはなっており、作品トータルの完成度は高い。マリア・ブリンクは初めて聴いたが、なかなか良かった。
 作品と関係ないことも書いたが、とても良い作品です。多くの人に聴いてほしい。


SARAH BRIGHTMAN - Diva the Singles Collection (2014-07-04 21:57:24)

 こういうベスト盤って、滅多に購入しない。
 ベスト盤を購入するというのは、私にとってほとんどの場合“もうオリジナル・スタジオ・レコーディング・アルバム(以下「オリジナル・アルバム」に略す)は集めません”というのを意味している。
 勿論、オリジナル・アルバムをほとんど持っていて、未発表曲があるから購入するベスト盤は別。
 で、サラ・ブライトマンは、これ一枚で十分。これで十二分に堪能できる(あくまで、私はね)。とても便利な一枚。
 何が聴きたかったのかというと、13曲目の「A Question of Honour」と、14曲目に収録されている「Time to Say Goodbye(Con Te Partiro)」。この2曲。
 他の曲はそんなに聴き込んでいないけれど、圧倒的な歌唱力で、ドラマティックな楽曲をダイナミックに歌わせると、彼女の右に出る人ってなかなか思いつかない。歌姫にも色んな人がいるけど、サラって、もの凄い存在感ですよね。
 敬服いたします。


SARAH BRIGHTMAN - Diva the Singles Collection - A Question of Honour ★★ (2014-07-04 22:13:41)

 格好良い曲っすよ。
 何が格好良いかっていうと、中盤でガーッと盛り上がろうかっていう時に入って来るギター。たまらないよねぇ。
 サラ・ブライトマン本人の歌も、なんというか厳かなイントロの歌声から途中で聴ける可憐な歌声から、本当に上手い。でも、ギターの切り込みがあるんでサラの歌も映える、って個人的には思うね。
 名曲です。


SARAH BRIGHTMAN - Diva the Singles Collection - Time to Say Goodbye(Con Te Partiro) ★★ (2014-07-04 23:02:14)

 う~ん。この曲って追加しない方が良かったのかな・・・と、今、思っている。
 何故なら、先ほど書き込もうとして一度エラーが出たから。

 どうして、“書き込まない方が良かったのかもしれない”と思ったのかというと、以下に記すような話を書こうと思って、項目の追加を試みた(そして、一度はじかれた)ためなのだけれど。

 で、結局書いてしまうわけなのだが、この曲を聴いていると二人で手を取り合って三途の川を渡っていくようなイメージが脳裏に浮かんでしまったのだ。
 「さよならを言う時」なのだが、二人で旅立っちゃうわけですよね。要するに恋人との別れの曲ではないんである。

 そんで、こっから先が問題の箇所。
 無事に読めたなら、おそらく、“許された”ということで。

 もう、随分昔のことだが、ちょっとした調査に同行してM(特に名を伏せる。地元の人が嫌な思いをすると申し訳ないので)という島に渡ったことがある。
 その時、夜、一杯やって、宿に帰る組と砂浜に降りる人とで別れた。
 私は宿に帰る一員の中にいたのだが、宿についてしばらくすると、砂浜に降りた二人の先輩方(学生じゃないですよ。もう、良い年したおっさん方でした)が、バタバタと宿に帰ってきた。
 何があったんですか?と話を聴くと、砂浜に二人で並んで座って海の方を見ながら雑談していたところ、気づいたら同じ砂浜の左手、少し離れた場所に座っている人影が見えた。先輩の一人が気づき、おい、ちょっとおかしいぞ(だって結構夜も遅い時間帯で、地元の人が降りてくる気配もなかったので)、ともう一人をうながし立ち上がると、その人影も立ち上がった。怖くなって二人で駆け出したら、その人影が追っかけてきたという。要するに深夜の砂浜でオバケに追っかけられた(のかもしれない)、という話。

 実は、砂浜に行った二人の先輩のうちの一人はその島の出身で、二人が雑談していた砂浜は戦時中に沖合で船が沈没しており大勢の人が亡くなっているため、地元では「出る」と恐れられていることを知っていたんだと。

 そんな所に行くなっちゅう話なのだが、三途の川を渡ることも出来ず、深夜にやってきた人間を脅かしているっていうのも、なんとも言えず。

 何故かそんなことを、この曲を聴いて思い出しました。
 曲と、全く関係ないですが。


SAXON (2012-02-21 20:35:28)

>HIGASHIさん

 おお!
 HIGASHIさん!お久しぶりです。
 同一人物ですよ。お声掛け、ありがとうございます。ちょっと今、感動しています。
 正直なところ、5年ほど自宅のPCをネットに繋がず(プロバイダを解約し、職場以外ではネットを見てませんでした。さすがに仕事場はどこのサイト見ていたか記録が残りますし・・・。長くご無沙汰していたのに特に深い意味はないのです)、過ごしていました。
 ずぼらなもんで、こちらのサイトに登録していたパスワードも、何処かへ紛失(さすがに今回参加させてていただくにあたっては書きとめましたが)。
 新しいPCを購入した(妻曰く「(PCが)無いと、やっぱり不便」)のを機に、いつの間にか居るような感じで復帰させていただいた次第です。ご挨拶もせずに申し訳ございません。

 さて。SAXONですが、ここ数作は本当に素晴らしいと思います。ぶっちゃけ、最近のメイデンより好みですね。ただ、メイデンは中坊のころに出会ってからこのかた(四半世紀以上)、自分の人生の一部(サウンドトラック)みたいになっているので、どんな作品がリリースされても、黙って押し戴いちゃうんですけど。
 私はライヴはほとんど行かないので、先日のSAXON来日も見ていないのですが、HIGASHIさん達の盛り上がっているところを読ませていただいてました。とても良かったみたいですし、何より来日したのは最高ですよね。それに、このサイトでSAXONが好きな人たちが増えているのは、これはHIGASHIさんの努力の賜物でしょうね。

 「死生観」ですか。
 私は最近思うのですが、死生観は各人で全く異なりますね(当然のことですが)。
 私自身は幸いなことにここ数年、「死んだ方がまし」と思わずに過ごせるようになりましたが、まあ、「死」については、死んだ後にゆっくり考えることにします(笑)。
 「寿命が尽きる日まで、自然に生きて自然に死ぬ」というのが、今の私の個人的かつささやかな希望です。

 なにはともあれ、あらためてよろしくお願いします。いや、本当に復帰にあたり挨拶せずにすみませんでした。5年も経っているし、なにやら照れくさかったのです。お許し下さい。


SAXON (2012-03-24 23:31:17)

 HIGASHIさん、今晩は(書き込みしている、今が夜なんで)。
 4・5行目、全く同感です。私も、ネットでの買い物を否定するわけではないのですが、店を回って見つかった時の喜びが、音楽を聴く楽しさの一部になっていますね。
 見つからなかったら、縁が無かったと諦める覚悟は持っているのですが、不思議と見つかりますよね。追い求めていると。
 ちょっと話題がずれますが、京都っていえば私はOUTRAGEの『WHO WE ARE』を購入した思い出があります。あと、お蕎麦屋さんで、にしんそば頼んで意地悪されたことも(私より後に来た人の注文が優先されました。4・5人抜かされて“おかしいな”と思い「まだですか?」と尋ねたら「今できます」だって)。もう15年以上前の話ですが・・・。
 SAXON、「採集」されることを祈っとります。
 


SAXON - Call to Arms ★★★ (2012-02-05 22:19:08)

 うーむ・・・。
 ・・・これは傑作だと思う。
 申し訳ないが前作は未聴なので比較できないのだけれど、前々作(これも傑作だと思う)に勝るとも劣らない素晴らしい内容である。内容がバラエティに富んでおり聞き飽きしないし、なによりスピーディーな曲のリフが格好良い。
 単純な言い方で芸がないのだが、SAXONは“凄い”と思う。


SAXON - Crusader ★★★ (2012-03-11 06:07:56)

塩野七生さんの『十字軍物語』を読んで ②

 『十字軍物語』は大層面白く、刺激的な書物なのだが、これを読んでいて思ったわけだ。
 「十字軍をテーマにした曲が収められた作品があったな」と。
 本作がそうで、私はこのCDを2002年から2005年の間のどこかの時点で、研修か会議で行った宇都宮にて購入している(旅先でのCD屋覗きは楽しい)。
 AXE KILLERというフランスの会社が、2002年に発売した「SPECIAL EDITION」で、本編10曲の後ろに3曲の「RARE TRACKS」が収録されているものだ。
 冒頭の序曲に続くタイトルトラックは、問答無用の名曲である。2曲目以降、獅子心王リチャードであれば、アッコンを目指したところを、気づいたらアメリカに向かっていたのには、確かに若干の驚きは禁じ得ない(2曲目から明るく、からっとした曲が続く。4曲目のタイトルは「SAILING TO AMERICA」)。
 しかし、この2曲目から最後の曲までが、悪くないのだ。
 捨て曲はないし、どの曲もフックがありキャッチ―だ。SAXONらしさも十分あるように思う。
 普通に名盤であると評価したい。

 ちなみに、本編とは関係ないのだが、ボーナストラックの1曲目「CHASE THE FADE」(1986年発表のシングル「WAITING FOR THE NIGHT」のB面収録曲とのこと)が格好良いインスト曲なのだ。これはちょっと嬉しかった。
 


SAXON - Sacrifice ★★★ (2013-07-26 20:20:52)

 当サイトの、HIGASHIさんを筆頭とするSAXON SCHOOLの方々を差し置いて、書き込みさせていただくのは恐縮なのですが、一言、言わせていただきます。
 このアルバム、傑作ですよ!
 HIGASHIさんが「なじょして・・・」と慨嘆されるのもわかりますね。
 私も、別にSATANやDEMONに恨みがあるわけではないのですが、NWOBHM勃発以降、現在に至るまで、先の両バンドに比較し、明らかに存在感で勝っているのはSAXONでしょう。何故、日本盤が出ないのでしょうか。
 本作は1~3曲目までの流れが絶妙で、掴みがOKなだけでなく、その後の疾走曲三連発が悶絶ものです。後半の各曲もテンポは似ていますが、リフや展開に工夫がなされており、興味深く聴けます。
 前作は、ややHR寄りの良作でしたが、本作はややHM寄りの名盤ですね。
 日本盤が出ないのは、何が原因なのかは知る由もありませんが、今からでも遅くはありません。可及的速やかに、日本盤を発売されるべきだと、レコード会社さんに進言いたします。


SAXON - Sacrifice - Guardians of the Tomb ★★★ (2013-07-29 18:34:43)

 『Sacrifice』における悶絶疾走曲三連発の2曲目。
 これがまた、前の曲と疾走する点で共通するものの、趣が全く異なる名曲。
 ビフのメロディ・メイカーとしての才能は、底の見えない井戸のごとく、深いところに通じているようだ。汲んでも汲んでも尽きることが無い(本人は、えらく苦労して作曲しているのかもしれないが・・・)。
 ライヴ会場で、サビの部分を観客が合唱する光景が目に浮かぶ・・・。


SAXON - Sacrifice - Stand Up and Fight ★★★ (2013-07-29 20:44:37)

 そして、この曲が悶絶疾走曲三連発の掉尾を飾る。
 リフ一発でノリも良いのだが、ヴォーカル・メロディがこれまた格好良い。やはりライヴ会場で、観客が「Stand UP and Fight!!」と拳を天に向かって突き上げている光景が目に浮かぶ。
 ツインリードも交えた間奏部の展開も文句なしの一曲だ。


SAXON - Sacrifice - Warriors of the Road ★★★ (2013-07-26 20:32:40)

 冒頭でエンジン音が鳴り響くアップテンポなこの曲は、いかにもSAXONな一曲。
 車を運転している時に聴くと、思わずスピードを上げそうになってしまうので、要注意です。
 「Sacrifice」収録の、中盤での疾走三番勝負の一番目にあたりますが、SAXONの凄いところは、3曲とも疾走曲という点は共通していても、それぞれに違う旨味をもっていることです。
 こういう曲が、惜しげもなくポンポンと入れられているところが、SAXONの凄いところです。