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帰ってきたクーカイさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1-100

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帰ってきたクーカイさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1-100

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ALICE IN CHAINS - Rainier Fog - Never Fade ★★ (2018-10-26 19:41:59)

 アルバム収録曲中最もアップテンポな曲。このバンドにしては珍しく威勢が良くて元気。
 歌メロがそこはかとなくキャッチー。特にブリッジやコーラスのところ。
 前作・前々作にも、「お。良いねこれ。好きだ」という曲が1曲は必ずあったわけだが、今回のアルバムで言えばこの曲がそれ。
 アルバムの展開にも素敵な起伏をつけてくれており、良い仕事をしています。
 


STONE TEMPLE PILOTS - Stone Temple Pilots(2018) - Thought She'd Be Mine ★★★ (2018-10-22 22:14:28)

 アルバムの6曲目。
 とても良い曲だし、いかにもSTPのメロウサイドの曲だ。

 歌詞の内容は、ある程度の年になった異性愛者の男性なら「うん。わかるわかる」というもの。誰かを好きになったらこういう目に会う事ってあるよね。

 単なる甘ったるいバラードにならないのはスコット在籍時と変わらない。
 この曲をとっても、見事な復活だと思う。

 中盤にこういう素敵な曲を配し、次の7曲目にハードな曲を持ってくるところが、アナログな感じで好きだな。要するにこの曲がA面ラストで7曲目がB面の始まりなのかなぁと。


STONE TEMPLE PILOTS - Stone Temple Pilots(2018) ★★★ (2018-10-22 21:56:22)

 もう半年以上前にリリースされており、新譜紹介というには今更ながらの感が無きにしもあらずだが、本当に良い。このアルバム。

 アップテンポな1曲目が格好良いのに感涙。それを聴いて思うに、スコット在籍時のひねくれポップセンスに裏打ちされた歌メロが変わりなくここにある、ということだ。
 以前、スコットが唄メロを書いていたのは間違いないと確信している。何故ならVELVET REVOLVERでもその天才的なメロディセンスを発揮していたからだ。確かスコットは、ありきたりなリフ(や骨組みとなるメロディ)の曲は取り上げない、と発言していた。自分が歌メロを載せるのにふさわしいか否か選別していたのだ。

 だが、本作でもスコット在籍時と変わらぬ、甘いというよりは苦い、ストレートというよりはカーブが多い、素直なというよりはひねくれている、それでいて絶妙なバランスでポップな歌メロが、新ヴォーカリストにより歌われている。
 歌メロを誰が書いているかはこの際、脇に置いておく。肝心なのはこの新作がSTPの新作以外の何物でもない、ということだ。

 1曲目はまぁ頑張ったが2曲目以外はまぁまぁ、という作品ではない。全曲、いける。全曲、STP。
 個人的にはアルバムトータルでみて、あの名盤である2ndに肉薄するような充実の度合いを見せていると感じる。

 よくやりました。偉いよあんたら。


SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS - Living the Dream - Boulevard of Broken Hearts ★★★ (2018-10-22 21:28:17)

 このバンドのアルバムって、前作もそうだけどこの曲のように終盤にも(個人的に滅茶苦茶)格好良い曲を仕込んでくるのが特徴だと思う。聴いていて良い意味で気が抜けない。昔ながらにアルバム単位で作品を提示し、そして最後の最後まで手を抜かない職人気質の仕事ぶりが感動なのだ。

 イントロのダークなリフの刻みから、やや明るく展開していく歌メロ、けれども基調としてはシリアスな、個人的にとてもツボな一曲。アルバムを聴いていて最初に気に入った曲でもある。

 もちろんスラッシュのソロも格好良い。月並みな言い方だけれども、もう「格好良い」以外に言いようがない。弾き過ぎておらず物足りなくもない、曲が必要としているメロディが十全に提示されている。

 聴き手としては「だからアンタが好きなんだよ。これからもついていくよ」というしかないですね。
 


SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS - Living the Dream - The One You Loved is Gone ★★★ (2018-10-22 21:14:43)

 5曲目にもややメロウな曲(Lost Inside the Girl)があり、それもとても良いのだが(特に盛り上がるサビの部分やその後のスラッシュのワウワウいって最後はメロディが泣きまくるソロが)、8曲目に配置されたこういう王道のバラードもたまらなく良い。全く似ていないのだが、スラッシュが在籍するもう一つのバンドの「11月の雨」を想起してしまった。

 マイルズは本当に曲に合うメロディを自然な感じで載せていく、(曲の枝葉を)伸ばしていくのが得意なのだが、そのあまりにもスムーズなメロディを「物足りない」として評価しない向きもあろう(私はマイルズの“自然な生成”の歌メロが好きだけど)。しかし10曲に1曲くらいの割合で、自然に伸びていったものが本当に驚くほど美しい曲に成長したことを目の当たりにすることがあるのだ。それは多分私だけでなく、多くの人が同意してくれると思う。この曲がその一曲だ。

 スラッシュのソロも、まさにこの曲の中にあってこれ以上のものはなかろうという絶品のメロディを奏でているのは、もう言うまでもない。

 名曲。


SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS - Living the Dream - Mind Your Manners ★★ (2018-10-22 20:54:04)

 ミドルテンポでグルーヴィーな2曲目(Serve You Right)と、アップテンポで始まるも一筋縄ではいかない変化球的な3曲目(My Antidote)を挟み、再び全開で突っ走る4曲目。
 どこまでも気持ち良く伸びるマイルズのヴォーカルと、ハイウェイをガンガン飛ばしていくがごとくに気持ち良いスピード感が最高な一曲。もちろんソロも弾きまくり。


SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS - Living the Dream - The Call of the Wild ★★ (2018-10-22 20:37:15)

 本作の冒頭を飾る。イントロが始まり高まる期待は、次の瞬間にトップスピードで突っ走り始めるともう裏切られることはない。
 この1曲目の出来の良さは、本アルバムの質の高さを十二分に提示しているわけだ。
 アップテンポでフットワークも軽快。ソロもスリリングなこの曲はアルバムの開幕を高らかに宣言するにふさわしい。
  
  啓示のように
  一筋の光明のように
  精霊のように
  三位一体
  死後の世界

  それは新たな宗教
  それは最適なやり方
  それは新たな夜明け
  俺達が入れ替わるまでは 
 


SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS - Living the Dream ★★★ (2018-10-22 19:28:26)

 2018年発表。“SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS”名義となってからの3枚目。マイルズやTHE CONSPIRATORSの面々と組んでからのスラッシュの仕事ぶりには絶大な安定感を感じる。仕事好きなアーティスト(スラッシュ)が、腕っこきを揃えて伸び伸びと好きな音楽を作っているわけだが、その路線は1stの方向性を揺るぎなく追及している感だ。
 前作に三つ星を付けたので、可能なら五つ星を付けたいくらいである。本作はそれぐらいのお気に入りだ。

 このアルバムを聴いていると、青々と茂り、香りのよい花や甘い果実をたくさんつける木が頭に浮かぶ。
 例えば、スラッシュが思いついたクールなリフが種子だとする。それに水を与えるのがマイルズだ。リフや曲の骨組みを聴き、それに合う歌メロを作り出す。曲の種子が発芽するわけだ。それをメンバー全員で面倒をみて育てる。肥料をやる。水を注ぐ。剪定をする。クールなプレイが曲をどんどん膨らませていく。だが、決して樹木(曲)が望まない方向で育てることはしない。

 そのようにスクスクと気分よく生い茂った、花を咲かせた、実を結んだ素敵な12曲が、本作に収録されている。
 アメリカン・ハード・ロック(若干のブルーステイストあり)の一つの到達点と言って良いと思う。

 そりゃあオールド・スタイルだが(当たり前だ。そういう自分達が好きなジャンルの音楽を追及しているわけだから)、驚くほど瑞々しく新鮮だ。


STONE TEMPLE PILOTS - Stone Temple Pilots(2018) - Middle of Nowhere ★★ (2018-10-13 18:23:20)

 Vo.にジェフ・グートを迎え製作された「バタフライ・アルバム」の冒頭を飾る一曲。
 「復活の狼煙」という言葉があるが、この曲こそ”Stone Temple Pilots復活の狼煙”という表現にふさわしい。

 アップテンポでライヴの幕開けにもジャスト・フィットではなかろうか。このバンドだけでなく、最近購入した他のバンドのCDの曲の中でも、格好良さからするとベストだと思う。もちろん繰り返し聴いている。
 ジェフ・グートがスコットに似ているかとか、スコットと較べるとどうかというのは、あまり意味がない。なにせスコットがもう他界しているので。だから似ているかどうか、上手いかどうかという見地から聴いてはいないのだが、聴いて思うのはSTP以外の何物でもないということだ。この曲だけでなく、他のアルバム収録曲も合わせて思うに。


  夜行列車に入れ込まないことだ。
  辺鄙なところで降ろされるのがおちだからな。
  犯罪者たちがこの全てを手中にしている。
  だから全てが終わるまで戻って来るな。

  宣伝文句は耳馴染が良い。
  だがあまり期待しない方が良いな。
  俺が言うべき言葉を、お前は好まない。
  しかし、だからといってお前が言えることは何もない。
  お前に打てる手はないよ。

  正しいやり方がある。
  そして間違ったやり方がある。
  それから、俺のやり方がある。
  おまえはそれを忘れない方が良い。

  彼女は飾らない男に恋をした。
  お前は自分がどこにいるのか見当もつかないだろう。
  お前は彼女の望みをかなえられないんだよ。
  というわけで、もっと大人になんな。


ALICE IN CHAINS - Rainier Fog - The One You Know ★★ (2018-10-08 19:05:07)

 音が以前にも増して抜けが良くなったように聴こえる。あくまで印象の話だが。ドロンとした感じが減ったような。これも気のせいかもしれないが、何だか聴きやすいんだよ。
 レイン不在で3作目。だがあくまでAIC。これまでの焼き直しに堕すことなく、バンドの可能性を追求し続けているある意味職人的な仕事がここに。そういうアルバムの開幕を告げる、これまでどおりなのだが清新な何かを含む一曲。


  俺がいようがいまいがどうでも良いことなのか教えてくれよ。
  場面転換。詐欺師。

  お前の知っている俺じゃない。

 

 
 


HAREM SCAREM - Mood Swings - No Justice ★★★ (2018-08-26 19:23:46)

 個人的には完全無欠の名曲だと思う。
 私にとってHAREM SCAREMというバンドの最も良い部分が表現されている曲は、この曲だ。

 THE BEATLESばりに最も美味しいメロディを冒頭とコーラスに配し、サウンドはヘヴィ。QUEENとTHE BEATLESとを起源に持つHRの一つの到達点であろう(今でも心の底からそう思う)。

 『MOOD SWINGS』発表当時、私はLOU REEDとTHE VELVET UNDERGROUND、そしてSONIC YOUTHやNIRVANA・PEARL JAM・SOUND GARDENなどを好んで聴いており、HM/HRは気になるバンドの新譜を買いはしても共感することが少なかった。
 あの頃の心象風景は殺伐としたもので、そのサウンドトラックにはLOU REEDやSONIC YOUTHがとってもしっくりしたものに感じられたのだ。

 だが、ある日『MOOD SWINGS』を“まぁ、せっかく購入したし聴かなきゃもったいないよな”的なノリで聴いていたところ、“あれ?このバンドこんなに格好良かったっけ?!”と、「NO JUSTICE」を聴いて思ったのである。それをきっかけに『MOOD SWINGS』が大好きになったし(改めて聴くと、アルバムに収録されている他の曲の全てが名曲であった)、再びHM/HRを素直に楽しむことが出来るようにもなった。そのような意味でこの曲は想い出深い曲であるし、今でも“完璧な曲”である。
 私にとってこのバンドを代表する一曲は、この「NO JUSTICE」である。


RICHIE SAMBORA + ORIANTHI - Radio Free America ★★ (2018-08-19 20:35:41)

 4月から職場が変わった。それまでは自宅から10~15分くらいだった移動時間が、今では(出勤・帰宅で)CDを1枚聴けるくらいだ。
 そのような訳で、この待ち望んでいたリッチー・サンボラとオリアンティのアルバムも、じっくり聴くことができた。
 本当に待っていたからな。早く出せよと。そうしたら「配信でEPを」ということでガッカリしたのだが(ダウンロードでは絶対に購入しないから)、良かった。CDが出て。

 まぁ、熱心に聴いた。運転中なので100%音楽に集中しているわけではないのだが、何日も車内でかけましたね。もちろん就寝前にも聴いていた。
 悪くない。とても良く出来ている。ソングオリエンテッドで、ギタリスト二人が好き勝手に作りましたっていう作品ではない。良い曲を作り、曲が求めているプレイに徹底するという姿勢。例えて言うなら、オリアンティのソロ一作目(『BELIEVE』)が渋くなったような。だが、リッチーのソロ三作目(『AFTERMATH OF THE LOWDOWN』)を聴いた時にも思ったのだが、「良いんだけれども、一味足りない」

 何が(あくまでも個人的にね)足りないと思ったのか。もう少し、二人のエゴが出ていても良かったんじゃないかな。
 オリアンティの1stに収録されていた「HIGHLY STRUNG」のようなインスト曲で、二人がバリバリ弾きまくる曲があっても面白かった。
 それにぶっちゃけ、ソングオリエンテッドというなら1曲でいいから“突き抜けて良い曲”を聴かせて欲しかった。もちろんそれはとても贅沢な要求なのだけれど。
 ①②⑩あたりがパッと耳を引くが(⑩は一部HEARTのヒット曲「NEVER」のフレーズに似たメロディが。もちろんパクったわけではなく、たまたまなんだろうが)、他の曲もそれぞれに聴き応えがある。ブルージーなもの、ダークなものなどバラエティに富んでいる。もちろん基礎となっているのはカラッとしたアメリカン・ハードロックだ。

 次作がCDでリリースされるなら間違いなく購入する。次作も大いに期待したい。そして徹底的な名曲を聴かせてくれないかな。だって二人ともボスはもう自分達なんだから。
 


宇多田ヒカル - 初恋 - 大空で抱きしめて ★★★ (2018-08-19 19:35:11)

 以前から書いているが、この人が好きなのだ。
 何が良いって、どの曲もタナトスの香りがするのがたまらない。
 
 この人の場合、やはりお母さんとの関係性が何らかの形で作品中に影を落としているように見受けられる。
 そして、その影はある意味呪いのようなものでもあるし、本人が消したくても消せないスタンプみたいな感じになっている。
 その呪いやらスタンプにとても誠実に、そして真摯に向き合っている姿勢に好感が持てるわけだ。個人的には。

 この曲も何だか一聴したところではハッピーな曲調なのだが、歌詞を良く聴いていると「あれ?」ということになる。

 遠距離恋愛で、あまり上手くいっていないのだ。歌詞の中の二人は。多分。
 それでおそらく、男性側の独白と女性側の独白が、あまり境界線が明確になっていない状態で混じり合っている。
 それでおそらく、女性側の要望が(韻を踏んで)羅列されている(笑)。

 多分この二人は最後には上手くいくよ。そう思わせる可愛らしい曲です。


BLACK LABEL SOCIETY - Grimmest Hits ★★★ (2018-04-26 19:21:14)

 実は4thアルバム以降、長い間ご無沙汰していた。BLSには。
 久しぶりに購入して聴いてみたら、むせっかえるようなサバス臭。凄い。
 一瞬、オジーが来て歌ってんじゃねぇかと思ったが、どうもそうではないようだ。クレジットされていないし。
 ザックのVo.がまるでオジー。まるでサバス。でもよく考えてみると、昔から似たような声質だったなぁとも思う。
 ヘヴィな楽曲の中に所々しっとりとする曲も混ぜ、なによりどの曲もリフ命、メロディ命。アルバムのトータルな完成度が半端ない。
 名作です。サバスやオジーが好きな方々にはお勧めです。


BLACK LABEL SOCIETY - Grimmest Hits - Disbelief ★★ (2018-04-26 19:14:03)

 アルバム自体が素晴らしいのだが、この曲が良い。好きだ。
 Black Sabbathの5th『Sabbath Bloody Sabbath』収録「A National Acrobat」のリフのうち前半部分を使って新たな名曲を作っている。歌メロは勿論全く別のメロディをのせているわけで、それがまた良いメロディなんだよ。オジー・オズボーンやサバスへの敬意がひしひしと伝わってくる。
 ザックは「サバスは偉大なんだよ!俺は好きなんだよ!」って声を大にして言いたいんだろうなぁ、ということをしみじみと感じますね。


PAUL MCCARTNEY(WINGS) - Chaos and Creation in the Backyard - English Tea ★★★ (2018-03-21 19:13:47)

 10年以上前の作品なのだが、最近引っ張り出して良く聴いている。
 購入当時も今もお気に入りなのがこの曲。

 一緒に座って
 紅茶でもどう?
 のんびりと
 僕とね
 晴れた日の朝には

 愉快なお喋りに
 勝る喜びはないよね

 ばあやが焼くのは
 可愛らしいケーキ
 日曜の朝にはいつだって

 なんかいかにもイギリス貴族階級の休日って感じじゃないですか。
 でも多分これってポール自身からみても想像上の「イギリスの朝」なんだよね。
 だからこそ、聴いていて「なんか良いよな」と思える。

 実体験だったら単なる自慢話みたいなもんなんだけど、そう聴かせないのがこの人の天才的なメロディセンス。
 どこか牧歌的で、神話的とも言える世界が眼前に広がるから。


THE SLUT BANKS - ダイレクトテイスト ★★ (2018-03-17 23:08:37)

 楽曲については、前スタジオ作(Roxy Baby)の方に好きなものが多く収録されている。
 だが、今作も悪くない。同じくらい好きだ。
 音がね。音が良いんすよ。バンドの狙っているところに届いているね。

 カネタクさんのドラムの音が本当に良くとれている。ギターの音色も『Roxy』より良いかな。
 蛮音感が半端なくレベルアップしているね。最高に格好良いっす。

 ホント最高です。


MICHAEL SCHENKER FEST - Resurrection ★★★ (2018-03-17 22:56:28)

 久しぶりに書き込む。
 なんか昨年の夏頃からジェットコースターに乗せられて、そのままグルグル回り続けていた感じ。秋まではそこそこ余裕があったのだが、そっから先はもう・・・。だが、もうすぐ終わる。良い終わり方かそうでないかは別として。

 新譜はチョコチョコ購入していて、この間、Loudness→Saxon・The Slut Banks→Black Label Society→Judus Priestの新作及び本作を聴いていた。
 それぞれホント良い作品で、中でもLoudnessは一時期ヘヴィ・ローテーションだったのだが、その後繰り返し聴いていたのが本作だ。

 自論だが、「それを聴いて昔の諸作品を聴き直したいと思わせる新譜は名作」というのがある。
 本作がまさしくそれで、これを繰り返し聴いた後、UFOやMSGの諸作品を無性に聴きたくなって聴いていた。そして時々本作を聴くこともしていた。

 本作がマイケル・シェンカー全盛期の諸作品と同レベルのアルバムかと問われると、さすがにそうではないだろう。だが、私は正直マイケル・シェンカーというアーティストの本質が、実際のところ本当には理解できていなかったことを本作を聴くことによって気づかされた。
 曲にスッと良く切れるナイフのように切り込んでくるソロのメロディの豊潤さ。実はキャッチーかつロックなリフワーク。これらは本作においても十二分に体現されている。聴いていて「あれ?なんだかとっても格好良いぞ?!」と思わされた。それで旧作を改めて・・・というわけだ(もちろん旧作の楽曲群が悪いわけないですよね。本当に(初期)全盛期のマイケルがつむぐメロディって「神」の域です。改めて惚れ直しました)。

 あとこれはアルバム本体の評価とは全く無関係なのだが、歴代主要ヴォーカリストの集結、バックを固めるアーティストにクリス・グレン(B)・テッド・マッケンナ(Ds)や、ロビン・マッコーリーと組んでいた頃のスティーヴ・マン(G・K)を起用するなど、昔組んでいた人々からチョイスし皆がそれに応じていることにマイケルの人徳を感じる。これを懐古的すぎると批判する方もおられようが、個人的には腕の良い、もしくはマイケルが気に入っていた連中に「俺達のやってきた良い仕事ぶりを一緒に祝わないか?」と声をかけ、「あぁ。そりゃあ良いアイデアだな」と皆で集まっているのが良い。
 「金だろ?」という人もいるだろう。だが、万が一参加アーティストの中に「提示された金額に目がくらんで参加しました」という人がいたとしても、マイケル・シェンカーがいまだにそういう金額を用意できるほどの活躍を出来ているということなら、それは別の意味で悪くはない話だろう。

 話を戻すが、本作はマイケル・シェンカーという天才的なアーティストの特質がきっちり提示され、その仕事が非常に高い質をキープしていることを証明している良いアルバムである。そりゃあ往年の傑作と同レベルだとは言いませんよ。でも、結構なところまで肉薄しているんじゃないかなぁ。


OUTRAGE - Raging Out ★★★ (2017-11-04 19:15:54)

 やっと入手した。
 もう一曲目からシビれっぱなしである。
 冒頭からガンガンつっ走るし、ガラッパチなキレっぷりがもうたまらない。
 前作(企画盤じゃなくて『Outraged』の方)も前々作もそりゃあ大変良かったのだが、今作はそれらを上回ってきている。

 もの凄い格好良い。

 名盤。


THE BEATLES - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band ★★★ (2017-10-24 21:03:32)

 それでこれ。FOO FIGHTERSの新譜を聴いたら聴きたくなった。
 22.の方も言及されているが、50周年記念エディションが発売されており、2枚組である。1枚目は「NEW STEREO MIX」で、音がとっても良いように思える。まるで今のバンドの最近の作品みたい。
 アルバムの内容については、もう今更言うまでもなく。
 ロックのエッジも立ちつつ、豊かなメロディがもうとめどもなく。

 2枚目は「SGT.PEPPER SESSIONS」でアルバム収録曲順に使われなかったテイクやインストヴァージョンを並べている。最後に「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」のアウト・テイクと2015年ステレオ・ミックス、「PENNY LANE」のインストヴァージョンと2017年ステレオ・ミックスを収録。

 お祭りアイテム。みんなで祝いましょう。


FOO FIGHTERS - Concrete and Gold ★★★ (2017-10-24 20:50:13)

 この前のEPが滅法良かったので、本作は期待していた。

 期待を裏切らない傑作である。デイヴは「MOTORHEADが『SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』を作ったような作品にしたかった」みたいなことを言っていたらしい。そのとおりなのではないか。

 これさえあればとりあえず他はいらない、と思わせる名盤(と言いつつ他にも色々聴いちゃうけど)。
 


EAGLES OF DEATH METAL - I Love You All The Time - I Want You So Hard (Boy's Bad News) ★★★ (2017-10-24 20:19:19)

 それでこれがこのバンドで最も好きな2曲のうちのもう1曲。

 PVが可笑しい。少しいやらしく思いっきりバカっぽい。こういうユーモアは嫌いではない。好きである。

 ライヴではアンコールでやっており、DURAN DURANのSAVE A PRAYERの後に演奏している。やっぱりこれ演らなきゃ盛り上がらないよね!っていう扱いの楽曲だ。

 ガレージパンクっぽいノリなのだが、やっぱりフォーマットはロック。終始明るく、憂い気だるさは皆無〔あくまでメロディだけの印象。何を唄っているのかは知らないので。どうせロクなこと唄っちゃあいねぇんだろう?(笑)〕。

 名曲。


EAGLES OF DEATH METAL - I Love You All The Time - Complexity ★★★ (2017-10-24 20:05:08)

 このバンドで最も好きな2曲のうちの1曲である。
 PVも好きだ。
 なんか昔のテクノ・ポップ・デュオみたいな佇まいの二人。笑える。

 でもライヴ・ヴァージョンはしっかりロックの楽曲で、「ほほう・・・」と感心してしまった。
 普通にロックソングなのである。キャッチーなメロディを持つので惑わされてしまった。

 名曲。


EAGLES OF DEATH METAL - I Love You All The Time ★★ (2017-10-24 19:55:42)

 このバンドもQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・オムがかんでいる。
 興味を持ったのはパリのバタクランで起こったテロの被害にあったからだが、バンド名が「?」だったからだ。
 「デス・メタルのイーグルス」って何だ?それでYoutubeでPVを見てみたら、これが結構良い楽曲があるではないか。そのようなわけで、えっちらおっちら遠出してCDなんぞを探すわけなのだが、「ここはあんだろ」というデカいCD屋にもない。Youtubeはチョロッと楽曲を試聴するにはいいが音が恐ろしく悪いので、やはりちゃんとした音源が欲しいなと思い早数年。
 ライヴアルバムが日本盤で発売された。

 日本盤で発売、ということはCD屋に行くと手に入るわけだ(音源をネットでポチることはしないので)。

 聴いてみたらこれが結構面白い。今時珍しいロックである。変にヒネていないし、やたらとガレージっぽくもないし。なんかノリ一発でバカっぽいところもあるのだが、これがロックだよな!という説得力にも満ちている。良い楽曲も数多く含んでいるし(結局PVを観た曲は代表曲ということで良いらしい)。

 バカ上手いことは全くないのだが、恐ろしく下手でもない。なんかテンポが怪しい場面もあるのだが、押さえ所はきちんと押さえている。
 
 要するにいかにもロックなのである。
 ロックを聴きたい人には本作を力一杯お勧めしたい(真面目すぎる人は聴かない方が良いかもだけれど)。
 


QUEENS OF THE STONE AGE - Villains ★★★ (2017-10-24 19:12:38)

 長らくバンド名は「石器時代の女王」だと思っていた。
 それはそれで興味深く、階層未分化の石器時代に女王が存在することはあり得ないわけで(だってそもそも国という概念がないわけだし、国が無い以上王権もないわけなので)、なかなかクールなバンド名だな、と。
 実は「石器時代のオカマ」という意味だったようだ。
 それもクールだ。石器時代にも男性・女性という二分にとまどいを感じていた人は居たろうから。もちろん現在の“クイーン”のように自らの存在をしっかり認識し、他者に開示するということはしなかったろうけれど。

 で、本作である。
 一聴して「デヴィッド・ボウイみたいだ」と感じた。
 声もそうなのだが、何より音楽性がひねくれポップ・(ハード)ロックだ。ボウイが遺した楽曲には、ハード・ロック寄りにエッジの立ったキレている曲が存在するが、それらを想起させる。

 ジョシュ・オムという人物はなかなかの切れ者である。


BOB WELCH - French Kiss ★★ (2017-10-21 01:02:12)

 PARISを頻繁に聴いている。そのためBOB WELCHに興味を持ち、ちょっと集めてみた。
 FLEETWOOD MACのBOB WELCH在籍時の作品まで手が伸びていないのだが、ソロアルバムは思いのほかすぐに集まった。6枚しか出てないから。
 本作はPALISの3枚目に収録するつもりで用意されていた楽曲が、PARISが解散したためにBOB WELCHのソロ第1作として発表されたという経緯を持つ。そのようなわけなので当然ながらソロ作品の中で最も興味を引きますよね。だってPARISが大好きなんだもん。

 結論を先に言うと、とっても良いです。

 1~3曲目の流れが良いかなぁ。3曲とも名曲だと思う。メロディが良いし、ボブのヴォーカルが何とも言えず瑞々しい。
 ストリングスを用いたアレンジが、村上春樹さんの短編に出てくる「エレベーターミュージック」(個人的には例えば「白い恋人たち」とか。これはゲレンデミュージックと言った方が良いか?)を想起させるのだけれど、ギリギリのところで良いアクセントになっているものもある。ロックとエレベーター(ゲレンデ)ミュージックの融合。
 7曲目のEbony Eyesが名曲として言及されることが多いのだが、この曲のストリングスのメロディはくさすぎる。いや、決して悪くはないんだけれど、若干エレベーター(ゲレンデ)的世界に振れ過ぎているというか。まぁでも悪くない。悪くないよね。
 終盤にもしっとりしたメロディを持つ佳曲が収められ、アルバム全体としてバランスの良い仕上がりになっている。

 プラチナムを獲得しているのも納得な名盤です。


STONE SOUR - Hydrograd - Somebody Stole My Eyes ★★ (2017-08-26 20:58:03)

 それで後半(と言っても終盤だけど)で今気に入っているのがこの曲。

 前半のガムシャラな感じも格好良いのだが、やはりコーラスの部分のメロディの上手さに秀逸なものがありお気に入り。

 コリィ・テイラーは、関わっているもう一つのバンド(私は1st・2ndだけしか聴いていないけれど)でも、あの殺伐とした楽曲群の中にあってハッと耳を引く唄メロを載せるのが得意なのは知っていたが、このバンドの方がその魅力を十分に堪能できることがわかった。

 それはともかく名曲。


STONE SOUR - Hydrograd - Song #3 ★★ (2017-08-26 20:43:14)

 ヤングラジオさんは私より多くのバンドを聴いており、その一部は私が好きなジャンルのバンドも含んでいる。なので、私が未聴で「これ、手を出そうかな。どうしようかな」というバンドでのヤングラジオさんのコメントは大いに参考になる。その内容によって購入しても大丈夫かどうか、なんとなくアタリがつかめるからだ(ヤングラジオさんお世話になっています。有難うございます)。

 このバンドは正解。
 『Hydrograd』で初めて聴いたのだが、結構愛聴している。
 強いて言うなら曲数が多いので、全貌を把握するのにちょっと根気がいるのだが、聴き始めの時期に一番最初に気に入ったのがこの曲。哀愁漂うナイーヴな出だしのメロディに耳を惹かれ、サビの部分も完璧。こういう、キャッチーなメロディを持っているのだがポップでもライトでもない楽曲は好きだ。

 『Hydrograd』は聴き込んでいくと後半にも良い曲が並んでおり、名作だと思う。


IN THIS MOMENT - Ritual ★★ (2017-08-21 22:05:08)

 このバンドは前作から聴きだして(その前作がとても気に入り)、本作の発表が非常に待ち遠しかった。

 前作に勝るとも劣らない傑作の登場である。

 前作ほどブチ切れた局面が多くないようにも思うのだが、曲が良い。
 ①(前奏曲みたいなもん)から⑤の流れは完璧であろう。特に③(Black Wedding)はロブ・ハルフォード参加っていうのもポイントを上げているんだが、なにより曲が良い。⑤もインダストリアル・ゴシックっぽく、妙に明るい曲調がクセになる。

 本作においては、セイレムの魔女裁判がアルバムのテーマみたいになっているのだが、本当にマリアさんは前作(黒い未亡人)といい、女性の多面性というか虐待・差別されてきた歴史を上手くすくって(セイレムの事件って、今日的視点からみればとんでもない人権侵害かつ大量殺人だから。そんなことがあったんだよ、と知らしめるのは、現在各所にて分断(≒差別)が進行中のアメリカ合衆国ではとても必要なことだ)エンタテイメントに昇華させるのが上手い。
 本作は前作の旨味をそのままに聴きやすくなっているので、さらなるファンベースの拡大に貢献するのではないか。

 是非とも(日本じゃ難しいかもしれないけれど)バカ売れしてほしい。
 名盤。


PARIS - Big Towne,2061 - Blue Robin ★★★ (2017-08-21 21:48:06)

 チャララン、チャララン、チャラララーン。

 これもイントロが印象的な曲。始まった瞬間にあの頃の自分を思い出すっていうか。
 「ヘイヘイー」という甲高い声がファニーといえばファニーなのかもしれないが、「味」ですね。

 冒頭に置くならもう少し勢いのある曲が良いような気もするのだが、でも『Big Towne,2061』の冒頭ということでは、この曲しかあり得ないとも思う。奇妙な説得力と(大きな)魅力があるんだよね。

 名曲。


PARIS - Big Towne,2061 - Money Love ★★★ (2017-08-21 21:35:43)

 チャララチャッチャ、チャララチャッチャ、チャララチャッチャ、ジャン!

 イントロが印象的な曲がこのバンドには多いのだが、これも冒頭で耳を持っていかれる。
 その後はチャラッ、チャラッ、チャララチャッチャと結構スピード感を持って反復され、その上に軽快なヴォーカルメロディが乗る。
 なんか似たような曲、好きなヤツでもう一曲あったなぁと思って聴いていたが、Lou Reedの「The Original Wrapper」(1986年発表の『MISTRIAL』に収録)がそうだった。ただ、ギターリフは異なっており(チャッチャッ、チャッチャッ、チャッチャッ、ッツチャララララ)テンポが似ているだけだったんだけど。これも格好良いんだよ(アルバム総体としては今一つなんだが)。

 ハードかっていうとそうでもないんだけど、ギターロックだよね。ギターが印象的っていうか、リフが良いんだよ。
 なんかノレるし、踊れそうでもある(踊らないけれど)。

 格好良いっす。


PARIS - Big Towne,2061 ★★★ (2017-08-21 21:16:29)

 メタル慶昭さんに教えてもらって以来、ちょっと気の利いたCD屋に行くと探していた(絶対にネットでポチらないのは、性というか・・・)。
 ありましたね(ついでにTHE ANSWERの3rdも見つけた)。

 聴いてビックリしたのは(冷静に考えると当然あり得ることなのだが)、エアチェックして聴いていたであろう楽曲が含まれていたこと。イントロのメロディが流れてきた瞬間に、「あ。これ知っているわ。俺、好きだったわ」という曲が、確実なところで3曲(①Blue Robin、②Big Towne,2061、⑥Money Love。もしかすると④のNew Orleansもだが、自信が無い)。懐かしい事この上なく、現在絶賛愛聴中。

 1976年の発表なので、若いリスナーからすれば今聴くとおっそろしく古臭く聴こえるのかもしれない。しかし、今のバンドが持っていない大きな魅力があるんだよ。これが。なんというかキャッチーなメロディなのだが、ポップじゃないというか。いや人によっては「ポップだ」という人もいると思うのだが、ロックとして機能しているんだよ。立派に。で、色々な音楽がごった煮になっているような気配もあるんだが、クロスオーバーとかコジャレタ(洒落てねぇか。死語か)もんじゃないんだよ。まぁ、’70年代のバンドって、みんなこんな雰囲気は持っていたよね。DPもZeppも。メロディが独特なんだよね。好きなんだよこういうの。THE FIRMもそうだったんだけれど。

 そのようなわけで慶昭さんに大きな感謝の念を抱きつつ、今も背後で鳴っています。
 本当に格好良いなぁ。


THIN LIZZY - Jailbreak ★★ (2017-07-15 14:06:29)

 もう、大体のところは上の方々のご発言を読めばわかるのだが。

 最近本作を良く聴いている。
 随分前に購入した輸入盤CD。フランスで作られたもので多分リマスターされていない。録音レベルが低く音はモコモコしている。
 しかも、これもかなり以前の夫婦喧嘩の結果、ブチ切れた妻が報復でCDにコーヒーをかけ(他にも被害多数)、紙の部分はよれておりコーヒーのシミがついている。ただCDの盤面には傷がついていないので、聴く分にはなんら問題はない。

 そういうわけで音はあまり良くないのだが、作品の良し悪しとはあんまり関係なく。なんか聴いていてほっこりする9曲が並んでいる。やはり名曲は①⑤⑥⑨なのだろうが、他の曲もなかなか味わい深い。スコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンのツインリードがどの曲でも気持ちが良すぎるし、ブライアン・ダウニーのドラミングって結構好きだ。勿論唯一無二のフィル・リノットの唄(半ば語りでサビを素敵なメロディにのせて歌う)。

 もうすでに評価も定まっており、改めて言うまでもないのだけれど、名盤!

 ああ、そうそう。夫婦げんかもよい(しょうがない)のだが、相手の所有物に手をかけるのは良くないと思う。見るたびに思い出すから。もちろん、相手に対し「私は怒っていた」ということを生きている間中思い起こさせたいのなら、有効な手段だが。長期的にみるとあまり夫婦関係の良い展望には役立たないけれど。


NICKELBACK - Feed the Machine - Every Time We’re Together ★★ (2017-07-15 06:49:27)

 ハードでダークな色調の曲だけだとアルバムが単調な印象となってしまうのだが、この曲のように明るめでやや軽快な曲が挿入されると、アルバムの印象がグッと違ってくる。色彩は豊かになり、より多面性が増す。

 いつも僕たちは一緒。


NICKELBACK - Feed the Machine - The Betrayal (Act III) ★★ (2017-07-15 06:26:58)

 ギターリフのリズムとドラムのリズムが絡み合って徐々に緊張感を高めていく展開が好きだ。
 冒頭のアコースティックな始まりから一転、ベースのビートが聴き手をダークでタフな世界観にグイッと引き込むあたりが上手い。格好良いと思う。


NICKELBACK - Feed the Machine - Home ★★ (2017-07-15 06:17:47)

 実はイントロだけ取り上げると、この曲がアルバム冒頭にあっても良いように思う。ただ、その後の展開がどちらかというと攻撃的にいくより、ややスローテンポでドラマティックな方向に流れていくので、やはりアルバム中盤のこの位置にあるのが正解。
 今回のアルバムは個人的には捨て曲が無いのだが、収録曲の中でもこの曲を含めバラード系の曲が成功しているように思う。それぞれ曲の個性がはっきりとしているし、似たような王道パターンに堕していかず、良いメロディをいかに有効に作用させるかということに細心の注意が払われているように感じる。


NICKELBACK - Feed the Machine - After the Rain ★★ (2017-07-15 06:08:35)

 始まりのメロディやリズムの使い方は、(前に似たような曲があったような・・・)と思わせるのだが、サビのメロディは明るくやや翳りをみせつつ展開していく。クライマックスの「ウェイエイエイエエーイ」の部分が好きだ。
 こういうコンパクトなのだが少しばかり複雑な色遣いを見せる曲を聴くと、「このバンドは本当、職人だなぁ」と感心する。


NICKELBACK - Feed the Machine - Feed the Machine ★★ (2017-07-15 05:59:55)

 実はアルバムリリース前にYoutubeで流しているプロモーションビデオで聴いた(視た)時には、あまり良さがわからなかった。
 しかし、実際にCDで聴いてみるとなかなか良い曲だと思った。少しダークでリフが格好良い。アルバムの世界観を冒頭で表現(紹介)するのに最も適した曲である。もちろんタイトルトラックなわけだし。
 今では曲が始まるとワクワクするし、リフはゾクッとくる。ライヴの開幕にもってこいであろう。

 あまり関係のない話だが、プロモーションビデオの話の筋が今でもよく分かっていない。
 あのマスクをしたガタイの良い男性は人々を支配している悪役(親玉)っちゅうことで良いのだろうか。最初に観た時に(敵の本拠地に忍び込んだヒーローかな)と思い、いつまでたっても活躍しないでボーッと同じところで仁王立ちしている(たまに両腕を広げてみせる)だけなので、「?」と頭の上に疑問符が浮いた。
 何度か観ているうちに、(あぁ、もしかして悪役?)と思ったのだが、今でも自信が持てない。
 いや、本当に曲の評価には関係ないのでどうでも良いのだが、なんか気になって。


SOUNDGARDEN - Live on I-5 ★★ (2017-07-09 19:16:24)

 作品の(評価の)良し悪しとは全く無関係ではあるが、ここにきてこのタイミングでクリス・コーネルを失うことになるとは、予想だにしなかった(ニュースを目にした時、正直とても驚いたし残念であった。衝撃を受けたという表現が物足りないほどであった)。彼の魂がどのような深淵を覗き、いかなる風に吹かれ、波のうねりに身を任せたのかは知る由もない。
 ただただ、ご冥福を祈るばかりである。

 このライヴアルバムは確かとうとう日本盤が出なかったと記憶しているのだが、1996年の北米ツアーでレコーディングされたものを編集しまとめたものだ。①~③⑤⑧⑨⑮がカリフォルニア州のデル・マー(11月30日)で、④⑩⑭がワシントン州シアトル(12月18日)、⑥がカナダのヴァンクーヴァー(12月7日)、⑦がオレゴン州セーラム(12月8日)、⑪~⑬⑰がカリフォルニア州オークランド(12月5日)、⑯がワシントン州シアトル(12月17日)となる。
 曲間はフェイドアウトなしで編集されているので、一つのライヴを疑似体験出来る。おそらくはライヴにおけるベストテイクで構成されていると思われ、1996年と言えば5th発表に伴うツアーであり、ある意味全盛期におけるライヴベストという趣きであろう(ちなみに①③④⑪⑬⑯が4th『Superunknown』、②⑤⑥⑰が3rd『Badmotorfinger』、⑦⑨⑫⑮が5th『Down on the Upside』、⑧がThe Beatlesのカヴァー。⑩が1st発表前の『Screaming Life EP』収録曲。⑭がThe Stoogesのカヴァー)。

 言うまでもないことだが、クリス・コーネルの熱唱が本作で聴ける。

 これも言うまでもないことだが、クリスがいなくなってとても寂しい。
 もうSOUNDGARDENの新作が聴けなくなったことも、非常に残念だ。


ANTHEM - ENGRAVED - SACRED TRACE ★★★ (2017-07-01 19:48:25)

 復活後ANTHEMの作品で毎回楽しみなのが、清水さんのギターをフィーチャーしたインストゥルメンタル。
 この曲も圧倒的な構築美とテクニック、そして豊潤なメロディ(泣くんすよ。泣きのメロディっすよ)が完璧な一曲。

 清水さんはもっともっと評価されていいと思う。


ANTHEM - ENGRAVED - ENGRAVED ★★★ (2017-07-01 19:42:29)

 掉尾を飾るタイトル曲。
 凄い格好良い。←ヴォキャブラリーが子供だが、もうそうとしか言いようがない。
 これも結構走っている。ドラマティックかつヘヴィ。このラストの曲に至るまで、今回のクリス・タンガリーディスのプロデュースは完全な成功と言って良いだろう。カリッとして少々ドライな音づくりは、本当にマッチしていると思う。曲の持つハードな質感を損なわず、メロディの豊潤さを際立たせている。
 音づくりはともあれ、本当にこの曲(柴田さんの曲)は問答無用の名曲。


ANTHEM - ENGRAVED - DON'T BREAK AWAY ★★★ (2017-07-01 19:36:19)

 「竜頭蛇尾」という言葉がある。初めは良かったのだが、あれれ。なんだか終盤まで勢いが続かない。むしろ退屈。

 だが『ENGRAVED』に関しては、この曲と次のタイトル曲の存在により完全に「徹頭徹尾」(で名曲揃い)である(勿論、間に挟まれた途中の曲もそれぞれに良いのだ)。

 疾走している。そしてハードかつ爽やかなんだよね。爽快。歌メロもキャッチーなんだけどちょっとありきたりな展開にならない。新鮮な感じ。「あれ?そっち行っちゃうの?でも最高だね!」という。
 清水さんの作詞作曲。
 いやぁ最高。こういうの大好き。


ANTHEM - ENGRAVED - FAR AWAY ★★★ (2017-07-01 19:27:14)

 それで(どのバンドの作品もそうなのだが)、アルバムの2曲目というのは結構肝だ。野球の2番打者が重要なのと同じく。
 1曲目アップテンポ、次は?・・・前の曲同様に突っ走っても良い。あるいはテンポを異にしてアルバムが持つヴァリエーションの豊かさを演出しても良い。ただしどんな手を使おうとつまらない曲はありえない。2曲目で聴き手を退屈させるわけにはいかない(いかにもアルバムありきのアナログな意見だけど。でもいまだにネットで曲単位で購入というのはピンと来ないしやっていない)。
 この2曲目は本アルバムの持つメロディアスな側面をハードに劇的に体現した、ANTHEM一流の名曲であろう。
 歌メロはキャッチーといっても良いかもしれないが、それはもちろん軟弱さを感じさせるものではない。”ドラマティック”と言って良い。ドラマティックさをさらに演出するのが清水さんのギターソロで、この切込み方といいメロディといいこれ以上のものはなかろう。
 実にANTHEMらしいメロディアスな名曲である。


ANTHEM - ENGRAVED - THE ARTERY SONG ★★★ (2017-07-01 19:12:38)

 ANTHEMのアルバム冒頭の曲というのはいつも楽しみだ。
 アップテンポでガツッとインパクトがあり、アルバムの開幕だけでなくその方向性や音を宣言する一曲だからだ。
 この曲もいかにもANTHEMの名曲で、冒頭にあってふさわしい。
 清水さんのギターソロも冴えまくっており(といっても清水さんのソロで冴えていないものなどないのだが)、森川さんの歌メロもきっちり耳を持っていく。
 『ENGRAVED』の成功を確信させる一曲。


ANTHEM - ENGRAVED ★★ (2017-06-28 22:08:48)

 ANTHEMを聴く、ということは私にとって少し特別な体験である。
 例えば、「何か聴きたいな。ANTHEMでもかけてみるか」という聴き方はしない(いや、あくまで個人的な話です)。「よし。ANTHEMが聴きたい。ANTHEMをかけよう」という聴き方となる。どこか居住まいを正すというか、気合を入れるというか。

 本作は森川さんになってから2作目。失恋船長さんが上でおっしゃっているように、「ここ2、3作で感じられるマンネリズム」というのは確かに気になるところである。そして私はと言えば、マンネリズムを良い方向に評価して聴いている。それはバンドにとって良いことなのか、バンドの将来にとって良いことなのか、というのとは全く無関係な、本当に個人的な聴き方ではあるのだけれど、まぁ無反省に好きなのだからしょうがない。
 おそらくANTHEMがANTHEMではない音楽をやりだしたら、黙って(本サイトで悪口雑言を吐き散らすこともなく)聴くことを止めると思う。でも、ANTHEMの音楽を聴かせてくれているうちは喜んで聴き、コメントをする。
 私的に本作は、清水さんのメロディがたくさん聴けてバラエティが豊かになった良作。
 名盤連続記録更新中です。


MR. BIG - Defying Gravity ★★ (2017-06-25 13:48:10)

 9thスタジオアルバム。
 方向性は前作(『…The Stories We Could Tell』)と同じ。
 だが、本作はドラムを助っ人マット・スターが叩いており(監修・指示はもちろんパット・トーピー)、録音も皆で揃って「せーの、どん!」と録っているためライヴ感が5割増し。
 音も前作では良く聴こえなかったベースがとっても良く聴こえるし、ポール・ギルバートとビリー・シーンの絡みが随所に仕込まれているので盛り上がらないわけがない。
 そして曲はおしなべてキャッチー。音楽的には当然異なるのだけれど、印象としてはBAD COMPANYの2nd(『Straight Shooter』)に似たものを得た。あの作品もなんだかカラッと明るくキャッチーなんだけれども、しっかり渋みを感じさせて聴き飽きしない名盤だ。それを思い起こさせる。
 4th以来久しぶりにプロデュースをケヴィン・エルソンが担当。冒頭で「OK,we're rolling」と聴こえてきて“あぁ、1stと一緒だ…”と。彼らも長い時間かけて色々あって、グルッと回って理想の音楽を作り上げてるんだと思うと、なんだかグッとくるものがありますね。
 まぁ、そういうわけで本アルバムは名作。個人的にも好み。


NICKELBACK - Feed the Machine - Silent Majority ★★ (2017-06-17 22:07:37)

 アルバム後半(レコードで言うとB面)は個人的には⑥から始まり、徐々に盛り上がっていきこの曲あたりでクライマックスになるような気がする。あくまでも個人的な感想だけれど。
 劇的な曲調、高まっていく緊張感がたまらない一曲。ハードボイルドな刑事(探偵)ドラマか、展開に予断を許さない社会派のサスペンスドラマなんかで(歌詞の内容は全く考慮の外にして)山場に使ったら良いかと思う。
 ドラマティック。
 


NICKELBACK - Feed the Machine - Song on Fire ★★★ (2017-06-17 21:53:00)

 NICKELBACKは非常に優れたバラードを多数持っているのだが、この曲はその中でも上位に入ると思う。
 切なく、諦観を感じさせながらも明るく展開していくサビのメロディ。涙を堪えながら笑って見せるというか。

 この歌は燃やしてしまってもいい
 煙にしてしまえ
 川に流してもいい
 ゆっくり沈むのを見る
 紙飛行機に折ってしまい
 月まで飛ばしてしまえ

 世界のために奏でても意味はない
 僕は君に歌っているんだ


NICKELBACK - Feed the Machine ★★ (2017-06-17 21:35:47)

 前作はソフトというかポップな曲も交えつつ、バラエティ豊かな作風だった。
 今作はというと、一本芯が通っており硬質な感じ。一曲目のFeed the Machineがゴリッとした質感をもつ曲で、本アルバムが硬派であることを宣言している。
 とは言っても、そこはNICKELBACK。③の「Song on Fire」は久々にキタコレ。バラードの名曲。問答無用の出来だろうこれは。④はリズミカルなヴォーカルが一聴ポップな風なのだが、楽曲のトータルイメージはハードだ。アルバムの流れにアクセントをつけており、配置も絶妙と言えよう。⑤はバラード調の曲。③より少しだけヘヴィか。毛色は明らかに異なり佳曲。⑥はミッドテンポの曲でリフのグルーヴが気持ち良い。⑦は再びバラード調の曲。③・⑤よりややダーク。これまでにみるように、③以降はバラード(“調”の曲も含む)とロックしている曲を交互に配置しており、アルバムの流れについてとても気が遣われている。そしてバラード(調)の曲は、似たような曲は収録されていない。何気に凄いことだと思う。
 ⑧はダークでハード。なにか漢っぽくて格好良い。⑨は歌メロのサビの部分に哀感が滲む、どこかハードボイルドな良曲。⑩は一転始まりがアコースティックで口直し。アルバム終盤において雰囲気を変えている。明るくなりきれない切なさが後を引く。⑪は⑩の流れをしっとりと引き継ぐ、アコースティックギターのメロディが印象的なインストゥルメンタル。
 前作も悪くないと思ったけれど、作風でいうなら本作が好み。ハードとヘヴィとダークが3割増し。でも前作あってこその本作なのだろう。
 とても気に入りました。名盤。


LED ZEPPELIN - In Through the Out Door ★★★ (2017-06-04 06:21:55)

 もうすでに上に書かれた方々が言い尽くしているけれど、確かに「実験」的。ある種プログレッシヴな香りすらある。
 そして明るい(「明るくキャッチー」と言い換えても良い。特に「South Bound Saurez」「Fool in the Rain」「Hot Dog」の3曲)。
 全体的にシンセサイザー・キーボード・ピアノなどの鍵盤楽器が活躍しており、それらにより印象的なメロディ・フレーズが奏でられる曲が多い。特に鍵盤大活躍なのが5曲目の「Carouselambra」で、狂騒的に回転木馬が回り続けるような曲調がやみつきになる(個人的には大好きな曲)。
 冒頭の「In the Evening」は出だしの中東っぽい雰囲気といい、スローテンポで行進していくような様子といい「Kashmir」の兄弟みたいな曲。重厚さも持ちつつ明るく展開していく良い曲で、なんだか本アルバムの多面性(「一筋縄ではいかないぞ」)というの)を上手く宣言しているようにも思える。2曲目(「South~」)はジャジーなピアノが軽快な楽しい曲。3曲目(「Fool~」)はレゲエっぽいリズムで、中盤はサンバ。なんというかトロピカルな曲。この曲あたりが本アルバムの色彩を豊かにしてくれている。4曲目はカントリーっぽい曲で、この曲が一番ジミー・ペイジのたどたどしい(独特のひっかかりというかタイム感を持つ)ギターが楽しめる。ちなみにジミー、結構本アルバムの各曲でギターをちゃんと弾いている。確かに鍵盤主導の作風ではあるが、ソロもバックもギターメロディはいかにもジミー・ペイジだ。そこは安心して浸っていられる。
 6曲目の「All My Love」は上で皆さん書かれているとおり、感動のバラード。名曲。ラストの「I'm Gonna Crawl」はブルージーな佳曲。アルバムをしっとりと締めてくれる。
 そのようなわけで名曲・佳曲が並んだ本作は名盤。そして、しっかり実験もしているので上の方々が口を揃えるように「この次の作品が聴きたかった」。


DISTURBED - Indestructible ★★★ (2017-05-08 20:34:44)

 最初に謝ります。このバンドを見誤っていました。ごめんなさい。
 ライヴ盤でバンドの本質がすっきりとクリアに見えたわけで、今、旧作を改めて聴き直している。
 本作は発表当時なんだか楽曲にすっと馴染めなくて、ちょっと好きになれなかった。
 だが、今聴いてみると全然良い。当時の自分は何を聴いていたんだろうと思うくらい、文句なしに格好良い。
 冒頭のタイトルトラックから2曲目の流れなんか完璧だったんですね。本当、すみません。
 この2曲の流れに乗って前半は気持ち良く聴けるのだが、後半だって良い曲そろっていたんですね。
 ようやくバンドにどっぷり惚れ込むことが出来たわけで、そういう意味でレッドロックスのライヴ盤には感謝だ。曇っていた視界をクリアにし、このバンドの楽曲が持つ本当の魅力を教えてくれたのだから。
 多分、いつか2ndも購入すると思う。


ART OF ANARCHY - The Madness ★★ (2017-05-02 01:26:50)

 2ndアルバム。
 Vo.が1stではスコット・ウェイランドであったのが、CREEDのヴォーカリスト(スコット・スタップ)に代わっている(ウェイランド、亡くなっちゃったからね。もっとも亡くなる前に「あのバンドで俺はパーマネントなメンバーではない」とか言っていたけど)。
 他のメンバーはGUNS AND ROSESにも在籍していたバンブルフット(ロン・サール この人が中心人物)、ベースがDISTURBEDのジョン・モイヤーというわけで、要するに世に言うスーパーバンドっちゅうやつですか?

 それで作風はというと、少しダークな部分もある普通のアメリカンHR。ギターが弾きまくりの部分がポイント高し。歌メロもなかなかメロディアスで、個人的にはこういうの好きですね。なんかサミー・ヘイガー期のVAN HALENがちょいとダークに、そしてヘヴィになったような印象も受けた(4th以前のNICKELBACKと言った方が良いか?)。もちろんギターは激しいっすよ。特にソロが。
 バンブルフット、頑張っているなぁ。今は9曲目の"Dancing With The Devil"が好き。ネイティヴ・アメリカン風味がキャッチーなメロディで仕込まれ、一聴して耳を引く佳曲。


CROWDED HOUSE - Together Alone ★★★ (2017-05-02 00:36:08)

 ’94年発表の4thアルバム。
 音楽の聴き始めが洋楽で、そのうちHR/HMにハマった私も、20代になったらハードやヘヴィでない音楽にも手を出すようになった。このアルバムも何となく興味を持って購入したもの。
 でも当時はやはり耳がHR/HMに聴き馴染んでいるので、威勢の良い曲から好きになっていった。4曲目の"Black & White Boy"や7曲目の"Locked Out"とか。そのうち10曲目の"Distant Sun"のような優しいメロディをもった曲も気に入り、アルバムそのものが全体的にお気に入りに。1枚のアルバムに3曲も大好きな曲を見つけることが出来れば上等ですよね。そしてそれがきっかけになり、アルバムの他の曲の良さにもじんわりと気づいていくという。

 初めて聴いた時から20年以上経つのに、未だに全てを聴き尽くしていない気にさせられる。良いメロディが詰まって、やはりどこかに翳のある名盤です。


CROWDED HOUSE - Crowded House - Don’t Dream It’s Over ★★★ (2017-05-02 00:10:11)

 私はこのバンドを4thから聴き始め、3rd→1stという例によって変な順序で聴いていたのだが、この曲だけは「あ、この曲聴いたことあるな」と思ったのを憶えている。確か大ヒットしているはずなので、ラジオかなんかで耳にしていたのだろう。コンピレーション・アルバムに収録されているのを見たこともあるし。
 ”Dream”という単語を聴いて、長らく”夢見ることをやめちゃいけない(夢をあきらめるな)”的な曲だと思っていた。しかし、久しぶりにCDを引っ張り出して、何故か腰を据えて歌詞カードを読みながら聴いていたら(そういう気分だったんですよ)、「あれ?なんか違っていたかな?」と。


 自由があり、自由がない
 紙コップで豪雨を受けてみなよ
 戦いは進行し、その多くで負ける
 だけど君がこの道の終着点を目にすることはないだろう
 僕と一緒に旅しているうちはね

 ほら
 終わることを夢想しちゃいけない
 さあ、今
 世界はそうなってきている
 彼らは現れる
 我々を壁で分けるために
 僕達は彼らに勝利はないことを知っている

 今僕は車を引っ張っていて、そのルーフには穴が開いている
 僕は不審の念にとり付かれているけれど、根拠はないんだ
 今日の新聞は戦争の話と三文記事
 でも君はテレビ欄をめくっている

 さて、僕は再びドラム・ビートの元に歩いている
 そして君の心のドアに至るステップを数えている
 先は翳っているが、頂上はかろうじてクリアだ
 解放と救済の感覚を得るんだ

 決して彼らを勝たせちゃいけない


 この歌を男女関係の歌と解釈しても良いんだと思う。アーティストによっては多義的な歌詞を上手に書いて、「リスナーの受け止め方以上の意味はないよ」と言う人もいるし。聴き手が好きに解釈していい、というスタンスだ。
 でも注意深く聴いてみると(読んでみると)、やはりこの曲は世界の現状を憂い、それに負けないという曲だったんじゃないかな。この曲が発表された当時は、まだソヴィエト連邦が存在しアメリカと冷戦の真っ最中だった。そしてベルリンは壁で仕切られ西と東に分断されていたし。

 それで、この曲の持つ政治的(時代批判的)なステートメントは、今でも十分に有効だ。残念な事に。
 超大国同士の冷戦は形を変えて局地的な戦争とテロリズムになり、ベルリンの壁はなくなったが、色々なところで人々が見えない壁に仕切られようとしている。
 早く「“Don't Dream It's Over”って恋愛の曲だよね」という解釈が主流を占める世界になると良いのに。
 


DISTURBED - Live At Red Rocks ★★★ (2017-04-30 14:20:39)

 良いライヴ盤を聴くのが好きだ(嫌いな人などいないだろうけど)。音の分離と抜けが良くエッジも効いており、何より演奏に熱が入っている。会場の空気をパッキングしたかのようなライヴ盤。なかなかそのような優れたライヴ盤にはお目に書かれない。音は良いんだけど妙に演奏が大人しいとか。プレイは良いんだが音がちょっと良くないとか。会場での反響や歓声があまり聴こえず、スタジオライヴか?というものとか。
 もちろん本作は違う。
 完璧に理想的なライヴ盤。それがこのアルバムだ。

 正直、このバンドの曲はたまにどれも同じように聴こえてしまい、スタジオ盤だと場合によっては退屈することもあったのだが(ドライヴの時のBGMとしては良い。寝る前や座ってじっくり聴こうとするといけないことがある)、このライヴを聴いて目からウロコが落ちた気分だ。同じような曲が並んでいても、全然良いではないか!いやいや、ノッて聴いているとどんどん差別化出来てきたぞ。
 それで気づいたのである。このバンドはAC/DCタイプのヘヴィメタルバンドなのだと。
 なにせノリが本当に良い。テンポよくガンガンくる。客とのやり取りもイカしている。こういう流れの中にある「The Sound Of Silence」。悪かったよ、スタジオ盤での収録について素直に褒めなくて。完全にノックアウトされてしまった。劇的にもほどがあろうというものだ。ライヴの山場を演出している。

 繰り返すが本ライヴアルバムは、完全無欠、向かう所敵無しのライヴ盤だ。
 DISTURBEDをこれまで聴いて来なかった人は本作を聴いてこのバンドに惚れるであろうし、私のような少し斜に構えて接していた人間は、このバンドの良さを再確認し惚れ直すだろう。
 上で火薬バカ一代さんが書かれているように、入門編としてうってつけであり、古くからのファンも納得の一枚であろう。


LED ZEPPELIN - Led Zeppelin Ⅱ - Thank You (2017-04-29 23:44:56)

 どこか切なくて、そこはかとなく明るい好きなタイプの曲で鉄板なのがあったな、と思い書き込もうとしたら、11年前の自分がすでに書いてましたね(24番の発言)。
 う~ん。多分夫婦喧嘩した後にでも書き込んだのだろう。しかも酔っぱらっていたのかもしれない。随分な内容です。

 子供は末っ子を除いてすでに「可愛いね」という齢ではなくなり、「君たち、しっかり勉強してよ」という感じ。
 妻とはあまり喧嘩をしなくなりましたね。人間諦めがつくと何かを悟ります。

 ともあれこの曲は素晴らしい(と、今でも思う)。
 高校の頃から好きだったな。繰り返し聴いていました。歌詞の内容で、というのではなく、メロディが大好きだったんだよね。
 こういう、フォーキーな曲はこのバンドの十八番で、こっち方面の引き出しはたくさんある。時に神秘的だったり、時に浮遊感を伴ったり。
 必殺のギターリフによるハードロックだけじゃなく、様々な風合いの名曲をものにしたこのバンドの楽曲中でも、上位に入る名曲だと個人的には思います。


THE ANSWER - Raise a Little Hell - Gone Too Long ★★ (2017-04-29 23:14:17)

 これも好きな曲(どこか明るくて、それでいて哀しげな)。
 それでこれも愛を失う曲。

 長すぎた不在。

 なんとなくメンバーの実体験が反映されているような・・・。
 ツアーから帰ったら恋人がいなくなっていた、みたいな。


THE ANSWER - Raise a Little Hell - Strange Kinda' Nothing ★★ (2017-04-29 21:10:39)

 相変わらず『Raise A Little Hell』を良く聴いている。
 最近気に入っているのはこの曲だ。
 アコースティックでギターと唄のメロディがそこはかとなく切なげなのが好きだ。まぁこの曲が切ないのは失恋の歌だからなのだが。
 こういうどこか明るくなりきれない諦観を感じさせる楽曲というのは、ブリティッシュロックバンドならではのものだと思う。
 


 それは感じたことのない種類の喪失感
 その始まりから経験のない種類の欠落だった

 もし俺が自分のことをかなりのものだと考えていたなら
 それは誤りだった
 最初から妙な感じのつまらない奴

 負傷兵の叫び
 立ち上がり倒れるために生まれた
 俺は自分が強いと思っていたけれど
 少しも・・・少しもそうじゃなかった

 毎日俺の心はバラバラになっていった
 お前のいない人生
 それは神に見捨てられた奇妙な子守歌

 俺が眠る時、俺の心の中には少なくとも何かがある
 お前が夢に現れるんだ
 それはこちら側にある見たこともない無

 傷ついた兵士の叫び
 栄光と没落のための誕生
 俺は強いと思っていたけれど
 だけど全然そうじゃなかった。これっぽっちもね

 あるいは今にもこの戦いは終わるかも
 やがてそのうち俺達は平穏を見出すだろう
 だけど今はこんな感じの喪失感
 俺にわかるのはそれで全て

 
 


PARIS - Paris ★★★ (2017-04-29 20:21:47)

>メタルけいしょうさん

 はじめまして。いつもコメントを拝見させてもらっています。
 メタルけいしょうさんが推薦されておられるのでしたら、これはゲットするしかないですね!2nd。
 有難うございます。


PARIS - Paris - Breathless ★★★ (2017-04-22 17:13:07)

 リフが重いんだけどキャッチーという、「昔のバンドはこういう曲書いたんだよなぁ」と思わず目を細めてしまいそうになる曲。
 キャッチーなヘヴィブルーズというか奇妙な魅力にはちょっと抗し難い。う~む、と黙って聴いてしまう。
 このバンドの懐の深さを感じさせますね。


PARIS - Paris - Solitaire ★★★ (2017-04-22 17:10:10)

 曲そのものはブルージーとも言えるのかもしれないのだけれど、歌メロが妙にキャッチーで後を引く曲。耳に残るんだよね。
 歌い始めのメロディが最もキャッチーで、そこでグイと聴き手の心をつかんでしまうというのはビートルズみたい。
 収録曲中最もポップなような気もするが、やはり中盤の展開はきちんとロックしていて好きだ。


PARIS - Paris - Starcage ★★★ (2017-04-22 17:05:33)

 アレンジがインダストリアルっぽい一曲。あくまで「ぽい」という以上のものではないのだが、当時としては斬新だったのではないかと思うし、今聴いても時代を超越した格好良さがあると思う。
 人によっては「そうかな?」と思われるかもしれないが、私にはなんだか打ち込みっぽく聴こえる(もちろんマシンでもプログラムでもないのだと思われるが)ドラムに、ベースと音を加工したキーボードの反復メロディ(だと思うんだが)が絡み、ちょっと格好良く思える。隙間を埋めるように(あるいは楔を打ち込むように)鳴らされるギターがまたシブいし。

 ちょっと毛色の変わった名曲。


PARIS - Paris - Religion ★★★ (2017-04-22 16:57:46)

 なんとなくリフや唄い出しがレッド・ツェッペリンの「Black Dog」に似ている。だが、”似ているから良い”のではなく、そんなことには関係なく良い曲のように思う。
 スペーシーなアレンジがなされているが、サイケっぽいとも言えるかもしれない。ほっておくと3人で延々とジャムっていそうな雰囲気も漂ってくる終盤あたりも美味しい。
 名曲。


DEEP PURPLE - inFinite - Time for Bedlam ★★ (2017-04-21 22:53:27)

 アルバム収録曲中、比較的アップテンポ(あくまでアルバム収録曲中での相対的な評価だが)な曲。
 アルバム評でも書いたが、重厚な雰囲気を持つ曲でもある。
 このアルバム冒頭にあって相応しい存在感は、かの名盤『Perfect Strangers』の一曲目、「Knocking At Your Back Door」を想起させる。同程度の名曲だと言うつもりはないが、なかなか良い曲だと思う。


DEEP PURPLE - inFinite - Birds of Prey ★★ (2017-04-21 22:38:49)

 カヴァー曲のひとつ前に配されており、本編最後を飾る曲。
 スティーヴ・モーズのギターが気持ち良く鳴り響く。

 しかし思うんだが『Infinite』におけるモーズのプレイは、あえて自分の特徴(手癖というか、折に触れて聴かれるモーズならではのフレーズ)を封じて、ここぞという時にメロディを印象付けるプレイに徹しているように見受けられる。
 この曲が最もそういうシブさというか、一撃必殺というか、必殺仕事人的なものを感じさせる。
 自分の技をひけらかさないで、一刀両断とばかりにここぞという所で曲の良さを伝えることだけに徹したプレイは、ある意味新境地と言えなくはないだろうか。

 職人の意地、ここにあり。


DEEP PURPLE - inFinite - On Top of the World ★★ (2017-04-21 22:29:10)

 イアン・ギランがB!誌掲載のインタヴューで語っていた”口の中からゴ〇ブリが米をせっせと運ぶのが見えた”曲。
 オルガンソロが格好良い、明るめのヘヴィブルーズと言って良いか。

 しかし、このときのギランって、大酔いしていたんだろうか。でなかったら何かドラッグでも決めていたのか。
 私はどんなに酔っぱらっても、凄い美人に見えていた女性が、酔いが醒めてから改めてみるととんでもなかったという経験をしたことがないので、ちょっと想像がつかないのだが(もっとも、酔って正体をなくす前に気持ちが悪くなって吐いてしまうんだけど)。

 ゴキ〇リはともかく、歌メロのサビがなかなか気持ち良い。


DEEP PURPLE - inFinite - The Surprising ★★ (2017-04-21 22:19:26)

 このバンドの持つ抒情的な部分やインストゥルメンタルの緊張感がとても良くブレンドされ、展開も起伏に富みドラマティックな一曲。
 『Infinite』は全体的に味わい深い曲が収録されていて退屈しないのだが、その中でもこの曲は中盤にあってガシッと一つの聴きどころを作っている。
 こういうの、好きなんですよ。


DEEP PURPLE - inFinite - One Night in Vegas ★★ (2017-04-21 22:08:55)

 ピアノがなんとも洒落た感じで聴こえてくるミドルテンポながらノレる曲。スイングしているというか。
 でもギターは結構ヘヴィなメロディを響かせることもあり、ギターソロからオルガンソロの展開もこのバンドならではのロックを感じさせてくれる。

 アルバム中盤の始まりを軽快に飾る佳曲。


MEAT LOAF - Bat Out of Hell II: Back Into Hell - I’d Do Anything for Love (But I Won’t Do That) ★★★ (2017-04-21 21:51:06)

 『Braver Than We Are』を聴いたら、ボーナストラックでリレコーディングされたものが収録されていた。
 その時初めて聴いたのだが、「おおっ!これは・・・」という感じだった。

 もう問答無用の名曲であろう。

 こういうの苦手な人も世の中にはいるのかもしれないが(「歌い方が暑苦しい」とか「長すぎる」とか「仰々しすぎる」とか)、普通に良いメロディが好きな人なら間違いなく気にいると思う。展開も凝っているので長さを感じさせないし。飽きる暇などないというか。

 他に似たようなことをやっていて、ここまでの完成度を誇る曲がないので(要するに比較対象となる曲がない。唯一無二の孤高の存在)、時代を超越した名曲と言えるのでしょうね。


MEAT LOAF - Braver Than We Are ★★ (2017-04-21 21:36:39)

 本アルバムは”以前から気になっていたのだが手が出なかったアーティストが新譜を発表したので、これを機会に聴いてみようかな”的な感じで入手したもの。
 ちなみにこのアルバムで初めてMeat Loafを聴いた。

 なかなか良くて、入手後しばらく聴いていた。
 4th・5th頃のQueenに似た、大袈裟で大上段に構えたつくりがなんとも良いんだな。オペラティックで。
 ただ歌唱の迫力はというと、全盛期(本作から遡って『Bat Out of Hell Ⅱ』を入手し聴いた)にはやはり及ぶべくもなく。まぁ当たり前だよな。もう結構な年齢だし。
 とはいえ、他の作品を聴いてみたい気にさせるアルバムというのは、基本的には出来が良いのだ。そのようなわけで本作も、このアーティストの往年の名声に恥じない出来の良作。

 


THE ANSWER - Solas - Left Me Standing ★★★ (2017-04-21 21:19:16)

 そのスピード感と冒頭及び中盤の山場ほかに配される「オオーオオーオオー」というコーラス、歌メロのサビのメロディが格好良い。明るく展開していくキャッチーでノリの良い曲である。

 だが、明るい中にもそこはかとなく哀愁が感じられる。何故かと思ったら、歌詞は愛し合った誰かと別れる内容であった。


 風と共に去りたい。
 遠くへ運んでくれないか。
 遥か遠くへ。


 もう昔のことだが、同じようなことを感じたことがあったな。


THE SLUT BANKS - Roxy Baby - Rock Baby ★★★ (2017-04-21 20:51:23)

 曲の印象がAEROSMITHの「Back In The Saddle」を想起させる(テンポはもっと速い。あえて言うなら「Rats In The Cellar」よりちょっと早いテンポ)。
 リフのガガッ、ガー(デデッ、デーでもジャジャッ、ジャーでも良い)や、唄い出しの威勢の良さといい、ギターソロといい、とにかくイカしている。「イカしている」は死語かもしれないが、イカしているとしか言いようがない。格好良い。
 Rockの格好良さを「これでも喰らいやがれ!!」とばかりに体現してみせた名曲だ。


MASTODON - Emperor of Sand ★★ (2017-04-14 23:00:45)

 久しぶりにこのバンドの新譜を購入した。『Crack the Skye』の時と同じくブレンダン・オブライエンがプロデューサーとして参加しているから。
 私は『Crack the Skye』の一つの壮大な世界が構築されているようなスケール感と、そこにみっちりと詰め込まれた神秘的かつ幻惑的な音像(神話を表現した細密画のような、と言い換えても良い)が好きなのだが、本作はその世界観をそのままに、よりアップテンポな曲やリスナー・フレンドリーなフックを持つ楽曲が増量された印象を受ける。
 今は3曲目(「Precious Stones」)がお気に入り。この曲って、全開バリバリでスペーシーなヘヴィプログレバンドだったころのVOIVODを彷彿とさせる。
 名盤。


THE SLUT BANKS - 1996 Find My Way ★★ (2017-04-14 22:49:12)

 All Time Best Album(①)1枚、New Mini Album(②)1枚、Promotion Video Collection(③)1枚の合計3枚組。値段は多少張るが、こういうのって私のような新しいファンには有難い。
 ①はこのバンドのブレなさ加減がとっても素敵なベストアルバム。全23曲収録。でも、これに収録されていない楽曲で、良い曲が他にもあるのがこのバンドの懐が深いところ。
 ②は7曲の新曲。まだあまり聴き馴染んでいないというのもあるけれど、現時点では『Roxy Baby』収録曲の方が好みかな。だが悪くない。決して悪くない。
 ③は特典映像のインタヴューが非常に興味深かった。動いている増田勇一さんが見られるのも、個人的には得点高し。もちろん内容そのものも濃くて素晴らしい。
 もう20年も前からやっていたんだ。もっと早く聴いていればよかったな。と思いますね。


THE SLUT BANKS - Roxy Baby ★★ (2017-04-14 22:38:02)

 結構色々手を出して、自分の好みのバンドはあらかた把握した気になっていても、やっぱりまだまだ良いバンドはたくさんある。
 このバンドもその一つ。比較的最近の発見。
 全然良い例えではないのだが、Rolling StonesとMotor Headが前者3:後者7くらいの割合で混ぜ合わさったような感じ。とっても格好良いざんすよ。
 歌詞は日本語なのだが、これが良いんだな。クサいんだけど臭くない、歌謡曲ちっくになるギリギリのラインまで攻めていながら、ロックなポイントは外していないというか。日本語(ハード)ロックの一つの到達点だと思う。
 全曲それぞれ良いんだが、今は2曲目(「Rock Baby」)と6曲目(「雨に打たれたとでも思へ」)が特に好き。後者はエレファント・カシマシのやさぐれロック曲の中にほろりと入っている、抒情無頼系楽曲(「風に吹かれて」とか)にテイストが通ずるものがあって、しみじみ良いんすよ。


THE ANSWER - Raise a Little Hell ★★ (2017-03-02 17:58:21)

 『Solas』がとても気に入っているので、その前作(本作のこと)が気になって購入した。
 これもなかなか良いねぇ。1stや2ndの頃に較べると、音作りが若干シンプルになっているかな。ワーッと迫ってくるという感じではなく、幾分スッキリした印象を与える。
 楽曲は昔ながらのハードロック。最初聴いた時は「少し地味かな」と思ったのだけれど、何か引っかかるので(そういう時は大抵、後でジンワリと効いてくるメロディがあるものだ)繰り返し聴いていた。やはり、ありましたね。フッと耳を引くリフやヴォーカルメロディが。わかりやすい(キャッチーな部分もある)前半の楽曲、例えば①・②・④も良いんだけれど、後半の楽曲も侮れない。多分、この後お気に入りの楽曲が増えてくると思う。
 こういう楽しみ方が出来るようになると、もうこのバンドに惚れたということを(私の場合は)意味するので、多分ちょこちょこと3rd・4thアルバムを揃えることになるだろうな。


TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS - Southern Accents - It Ain't Nothin' to Me ★★ (2017-02-06 21:40:48)

 所々で入るホーンも格好良い、ちょっとアップテンポな一曲。ライヴ・ヴァージョンもイケてる。
 斜に構えた歌詞もイカす。

 俺達は人類を月に立たせた(俺にとっちゃあ、そんなことどうでもいい)
 いずれもっと送る(俺にとっちゃあ、そんなことどうでもいい)
 金歯のニューギニア原住民
 おまえは気にするかもしれないが
 俺にとっちゃあ、そんなことどうでもいい

 だけどおまえが踊る時、俺はすぐに付き合う
 そうさ、おまえが踊るなら、俺は問答無用で付き合うぜ

 笑顔の政治家たち
 リッチなミュージシャンの曲
 東京に長距離電話をかけたら、女王がお茶しに来た
 おまえには意味のあることかもしれないが
 俺にとっちゃあ、そんなことどうでもいい

 俺の脚にまとわりつく犬
 俺は卵の上を歩いている
 後ろ向きに歩いている宣教師たち
 彼らは触れると流血する
 おまえは気にするかもしれないが
 俺にとっちゃあ、そんなことどうでもいい

 だけどおまえが踊る時、俺はすぐに付き合う
 そうさ、おまえが踊るなら、俺は問答無用で付き合うぜ


 


STYX - Mantra (2017-02-06 20:49:22)

 Great American Broadcast Companyから2015年にリリースされた。
 内容はシカゴのラジオ局であるWKQXが放送した、1977年9月22日のマントラスタジオでのライヴ。

 ①The Grand Illusion
 ②Lorelei
 ③Mademoiselle
 ④Fooling Yourself(The Angry Young Man)
 ⑤Suite Madame Blue
 ⑥Light Up
 ⑦Come Sail Away
 ⑧Lady
 ⑨Midnight Ride
 ⑩Miss America

 以上10曲を収録。
 内容的には本音を吐くと星を二つ付けたいところなのだが、音があまり良くない。
 ライヴ盤は音質が悪いと聴く気が失せるので、購入にあたっては注意を要する。本作も'77年の録音が21世紀になって出てくることが、“お宝発掘”なのか“Styx好きな奴が買うだろ。出しちゃえ”なのかは微妙なところ。
 だが、個人的見解を申せば、私はStyxのファンなので多少の音の悪さは目をつぶる。
 ステレオ録音なのに全体的に右に偏移して聴こえることとか、ベースとドラムの音がこもっており音量も小さいこととか、所々録音の保存状態が悪かったのか音がよれていることとか、瑕疵を挙げだすときりがない。だが、“まぁ雰囲気だろ”と聴いてしまう。
 ぶっちゃけ、他のバンドだがもっと音が悪いライヴ盤もっているし。好きなバンドだとなんだかんだ良い所を見つけて聴いてしまう。

 皆、声が出ているし、ギターもハードだし、演奏が溌剌としている。そりゃあそうだ。アメリカン・プログレッシヴ・ロックの頂点へと到達しようとしている、ノリにノった時期のライヴなんだから。結構楽しい。
 繰り返すが、内容だけなら「良い!」なのだが、「“良い!”んだ。聴いてみようかな」と購入し、「なんだよこれ!聴けたもんじゃねぇ!」という被害者が出ないとも限らないので、「まあまあ」。


THE ANSWER - Solas ★★ (2017-02-06 00:32:06)

 THE ANSWER。このバンドの作品は1stアルバムと2ndアルバムを聴き、その後は購入してこなかった。
 1stと2ndの出来が悪かったからではなく、とりあえずはこの2枚を大事に聴きたいなと思ったのだ。
 それが何故、今回久しぶりに新作(本作)を購入することにしたのか。それは音楽性の変化である。これまでもアルバムが発表されるたびにレヴューをチェックしていた。「最初の2枚を超えた」などのコメントが書かれていたら、それは即買いだ。だが、そういうことはなかった。しかし、今回はガラリと音楽性を変えてきたというではないか。アイリッシュテイストが濃厚で、リフロックの手法を踏襲していないという。後者については、このバンドの特長でなによりファンが求めている要素を、あえて除いたということを意味する。“売れない”ことを覚悟してでも作りたかった音楽なのだ。
 つまり、どうしても生み出されなければならなかった作品、というのが本作なのである。これには非常に興味をそそられた。

 聴いた結果、1曲目の「Solas」が良すぎる。一発で気に入ってリピートした。2曲目以降もリフがガンガンくる曲は現れない(後半で1曲、若干ハードな曲を収録しているが、それにしたって音作りはかなりシンプルな印象である)。それでも、私はこういう音楽が好きである。LED ZEPPELINやU2のアルバムにたまに収録されている、神秘的な楽曲に通ずるものがある。それに、全然別のバンドのように聴こえないところが良い。確かに音楽性は1stや2ndとは大きく異なるのだが、やっぱりTHE ANSWERに聴こえる。

 おそらく本作はこのバンドに大きな飛躍を約束するだろう。もちろん、本作がバカ売れすることは(多分)ない。けれども、本作はこのバンドが新たな領域に突入し、自分達が求めている音を勇気をもって作り上げられることを証明した。次作は何をやっても良い。どの道を通ってどこに行こうが良い環境を作ったのだ。

 次作が今から楽しみだ。このバンドの進化の行く末を確認するために、私は次作を買うことになるだろう。
 


THE ANSWER - Everyday Demons - Dead of the Night ★★ (2017-01-12 22:06:59)

 昨日あたりから久しぶりに『Everyday Demons』を聴いている。
 で、今日改めて腰を据えて聴いていたのだが、この「DEAD OF THE NIGHT」が今のところ一番気に入っている。
 リフが良いな。ベースがブンブン鳴っているのもクール。こういう隙間が適度にあって各楽器の音が臨場感を伴い響いてくる音づくりは最高だね。この手の音楽はこうでなくちゃ。
 そしてなによりアップテンポでノレる。

 名曲でしょう。


SIXX:A.M. - Prayers for the Blessed ★★ (2017-01-09 18:37:38)

 カーステレオで聴いていて、ようやく馴染んできた感じ。
 前作(VOL.1)よりも若干ハードかな。だがやはりハッと注意を引くメロディが歌メロとかギターソロに仕込まれており、そこのところの魅力にはまるとあなたも(もちろん私も)このバンドの虜なり、と。
 中盤に配置されているインスト曲は、DJの凄さを余すところなく伝えてくれるし、ハードなギターはHRバンドとしてマストだよな!というこのバンドの意志表明でもある。新たなギター・ヒーロー売出し中というところで、「もうギターソロはだせぇよな」という一昔前のトレンドを完全に墓場行き・・・にさせることを意識しては全然いないんだろうが、やっぱりHRはギンギンのギターの格好良さでなんぼ、というところだろう。
 前作と一緒に聴くのも良いし、本作だけでももちろんイケている。

 ダークでヘヴィで美味しいメロディが随所に仕込まれていて、まぁとりあえず素直に格好良いHRを聴きたけりゃこれを聴いておけ!という一枚。


STING - 57th & 9th ★★ (2017-01-01 09:29:56)

 ①から⑩までが本編。①と⑥がアップテンポでレコードのA面とB面の冒頭の曲みたい。
 アルバムタイトルが『57th&9th』で、STINGが音楽活動の拠点としている(自宅がありスタジオがある)ニューヨークをテーマにした作品かと思うと実はそうではない。タイトルの『57th&9th』は、つまりSTING自身がその界隈を日々歩きつつ思考した成果がアルバムに結実した、という意味でつけられている。
 収録された曲のテーマは多岐にわたる。ミュージシャン(アーティスト)として生きることに関する曲(①②)や恋愛に関する曲(③⑧)。気候変動(④)や難民問題(⑨)。「いわゆるロード・ソング」(⑥⑦)もある。セルフライナーノーツが掲載されており、この作品に関する作り手の思いとしては、曲に込めた意図をしっかりと伝えたいということなのだろう。
 そのような意味で本作はアルバムを作ることを明確に意識し発表された、単なる楽曲集以上の意味を持たされた作品である。
 ①⑥を除きテンポがゆっくりな曲も多く、⑦のようにアコースティックな曲もある。楽曲の配置にも気が遣われており通しで聴いて楽しめ、かつ個々の楽曲をじっくりと味わいたくなるアルバムのように感じた。本編10曲〔ボーナス扱いの楽曲が本編の後に3曲。①⑨のヴァージョン違いとTHE POLICEの1stアルバム冒頭の曲(Next To You)のライヴ・ヴァージョン〕というのも昔のレコードアルバムのようで、アルバム全体を聴きとおして音楽に浸るというのが、本作の正しい聴き方のように思える。


THE DOORS - The Very Best of the Doors - The End(Edit Version from the Film Apocalypse Now) ★★★ (2016-12-12 21:36:37)

 ライナー・ノーツによると、『地獄の黙示録』サウンドトラック盤がこのヴァージョンの初出なのだが、2007年のRhinoから出されたベスト盤より前にサウンドトラックやベスト盤に収録されていたものは、4分台に編集されていたらしい。2001年の『地獄の黙示録 特別完全版』のサウンドトラックに収録されていたものは6分8秒のもので、2007年のRhino盤に収録されたものはそれである。


 これが終わりだ。素晴らしき友よ。
 これで終わりなのだ。我がたった一人の友よ。
 我々の綿密な計画の終わりだ。
 あらゆる我慢の終わりだ。
 終わりだ。

 安寧も驚愕もない。
 終わり。
 再び君の瞳を覗きこむことはないだろう。

 どうなるか君は想像できるか?
 そう。限界がなく、束縛もない
 絶望の地にある見知らぬ誰かの手札は
 絶望的だ。

 ローマの荒れ野のような苦痛に負け
 そして全ての子供たちは狂気のふちに
 子供たちは狂気のふちに・・・・


 来いよ、ほら・・・
 ひどい、ひどいよ・・・
 殺す、殺す、殺す・・・。


THE DOORS - The Very Best of the Doors ★★★ (2016-12-12 20:37:14)

 2007年にRhinoから出されたデヴュー40周年記念ベストアルバム。
 結構手間暇かかっているベスト・アルバムなのだが、その詳細は「Light My Fire」の項を参照の事。

 本ベストで私が何を最も高く評価するのかというと、「The End」の『地獄の黙示録』サウンドトラック・ヴァージョンが収録されている事。
 「The End」も「Light My Fire」に負けず劣らず名曲かつ気色の悪い曲なのだが、映画『地獄の黙示録』で流れてきたのを聴いた時には、この映画の為に存在する曲と言い切ってしまってもよいくらいのはまりようであった。

 The Doorsについては本ベストしか持っていないので良く知らないのだが、本ベストに関して言えばライナーノーツを読む限り、代表曲は収録されているようだ。このバンドが結成されるにきっかけとなった(キーボードのレイ・マンザレクが、L.A.のヴェニス・ビーチに寝転んでいるジム・モリソンに会った時に、ジムが書いていたのを読んでもらいレイが「すげえよ、それ」と言った)「Moonlight Drive」も入っている。

 てっとり早くこのバンドの概略を掴むには、良いベスト・アルバムではないかと。


THE DOORS - The Very Best of the Doors - Light My Fire ★★★ (2016-12-12 19:38:00)

 何故別立てで改めて登録したのかというと、私が聴いて書き込んでいるのは「40周年記念リミックス」ヴァージョンだから。
 別立てするほど何が違うのかというと、「~(前略)ブルース・ボトニックは、~(中略)~6枚のオリジナル・スタジオ・アルバムをすべて5.1チャンネルのサラウンド・ヴァージョンとするべくリミックスを担当した。各アルバムのマルチ・トラック・テープまでさかのぼり、オリジナル・アルバム盤ではオミットされていた様々な音をふんだんに使用して全く新しいサウンド・デザインのヴァージョンとして完成、いわばドアーズのデヴュー40周年記念ミックスである。本盤は、それら全曲の新ヴァージョンからセレクトしたナンバーを通常の2チャンネル・ステレオへと変換させて構成した、(後略)~」のみならず「マスターテープのピッチを上げテンポアップを図ることによってよりハードな雰囲気に変えている(後略)~」からだ。
 要するに、①5.1サラウンド用にリミックスしたものを2チャンネル・ステレオ用に変換し、②オリジナル・ヴァージョンでは消されていた音を聴こえるようにし、③ピッチを上げてテンポアップしている、わけである。
 オリジナル・ヴァージョンとどれほど変わっているのかは私は確認していないが、とりあえず別項を設定するべきであろうと考えた理由はそこにある。

 曲自体は当然素晴らしい。とてつもなく妖しく(妖艶と言って良い)かつ優れたポップ(ロック)ミュージックとして成立している奇跡のような一曲である。
 この一曲の中にコインの表と裏が表現されている。生と死がある。エロスとタナトスがあると言い換えても良い。
 長い間奏は聴いていると全く長いように思えない。サイケデリックとも評されているが、何か宗教音楽のような響きを感じる。そのメロディには背徳的な何かが含まれている。
 「開けてはいけない」と言われた函を開けたパンドラがその時何を感じたか、この曲を初めて聴いた時のことを思い返すと、何となく理解できるような気がする。

 子供は聴いてはいけません!な、名曲。


STING - 57th & 9th - I Can’t Stop Thinking About You ★★ (2016-12-11 21:49:36)

 朝食時に観ている情報バラエティ番組にSTINGが出てきて取材を受けていた。
 その時にかかっていて、とても久しぶりにこの人の新曲というやつを聴いたのだが、なかなか良い曲だと思った次第。プロモーションに乗せられてアルバムを購入した。

 アップテンポで、冒頭のギターのメロディがTHE POLICEというかSTINGというか。まぁ、この人特有の節回しが気持ち良い一曲だ。アルバムを通しで聴いた中でもおそらくアルバムを代表する曲と捉えて良いかと思う。

 情報バラエティ番組でインタヴューしていた女性が、失恋の唄だと思ってSTINGにそれを確認していた。実は違うらしくて、曲を作る中での創作の一場面というか、生みの苦しみがテーマになっている曲らしい。だが、インタヴュアーが抱いた印象も決して的外れではないような気がする。「君について考える事がやめられないんだ。君が存在していようがいまいが関係なく」というのは、理想の異性を追い求める感情に通ずるものが確かにある。

 歌詞の内容もなかなかに深いものがあるのだが、アップテンポのロックを唄うSTINGはやっぱ良いっすよ。
 名曲。


JIMMY PAGE - Outrider ★★ (2016-11-22 19:11:31)

 これ、以前の職場の先輩(女性)が持っていて、残業時間にBGMでかけていた(今じゃ考えられないけれどな!昔はなんだか色々とゆるかった。良くも悪くも)。
 それを聴いていて、当時はなんだか「モヤモヤしてんなー」という感じだったのだが、嫌いではなかった。THE FIRMのファンだから(笑)。
 初めて聴いた時点で発表から結構な年数が経っており、新譜で購入というわけにはいかなかった。それで中古盤屋に行くと、優先順位は決して高くないのだが、(あるかな?)と見ていた。
 なかったね。

 それがこの間再発されていたのを発見。嬉しかったな(リマスタリングもしてくれりゃあ良かったのに。まぁレコード会社主導の再発だからな。再発してくれただけでも感謝です!担当の方、エライ!)。

 上の御二方が書いているとおり、地味だ。ZEPPの楽曲で見せた突き抜けた感じのリフ(一聴して頭に残るあれら名曲の)を求めると、「あらら、伝説の名刀も錆びちまったか・・・?」というぐらい切れ味が鈍いのだが、それでも「いやいや。これはこれで味が・・・」と思ってしまう。
 私同様THE FIRMのことが嫌いではなくて、まだ本作を未聴の方は良かったらぜひ。
 じんわりと来る良さに気付いてもらえるのではないかと。
 


METALLICA - Hardwired… to Self‐Destruct ★★ (2016-11-20 21:10:40)

 俺の感想はニッチュさんのそれに一番近いかな。
 そう。聴きやすい。
 キレッキレで血管がブチ切れそうなMETALLICAを望むと必ずしもそうではないのだが、でも俺は好きだな。正直とっても気に入っている。実験しているかどうかというと、していないような気がする。だけれども、良い意味でも悪い意味でも自然体なんだよね。
 「リフの繰り返し、多すぎねぇか?!」
 「良いんじゃね?!だって気持ち良いじゃん!」
 「そうだな!ま、良いか!」
 みたいな、ジャムりながら作って自分達が気に入ったからそのまま入れました的な楽曲が多いのだが、聴いているこちらも気持ち良いので「ま、良いか!」

 正直、前作は自分達のスタイルみたいなものを“再確認”している感じで、聴いていて「良いんだけど、なんか一味足りねぇな」という感想をもったのだが(実のところ数曲、個人的に退屈な曲もあった)、今作は本人達が気持ちよさそうにやっている音楽が、聴いているこちらも気持ち良いっちゅうか(アップテンポの曲が思ったより多いしね。あ、スラッシーじゃないけれども)。
 ブラックアルバム以降久しぶりに、通しで聴いて寝なかったし(怒られるかもしれないけれども、リスニング環境が“車内”か“寝る前の布団の中”なので、車内で聴いていない場合にはマジで寝ちゃうのよ。ちなみに今作は布団の中で聴いたけれど、寝なかったね)。
 2枚組で一曲一曲が長いっちゃあ長いんだが、それが気にならず気持ち良く聴いているうちに全編聴きとおしており、じゃ、もう一回最初から、という名盤かな?
 いや、名盤だろこれ。 

 俺は3枚組を購入したのだが、3枚目のボーナスディスクも面白かったな(ちなみにボーナスの内容は本作の評価には加味しません)。
 何が面白かったのかというと、RAINBOWのカヴァーメドレーと、DEEP PURPLEのカヴァーが聴けたから。
 どちらも良かったね。モノにしてたしな。そういう意味でやっぱりMETALLICAというバンドは凄いよ。
 RAINBOWのメドレーはタイトルの通りロニーの時代の曲が4つ5つ繋がってた。もちろん代表曲ね。アレとかコレとかソレとか・・・。2ndの曲が多くて、3rdのもやってたね。それぞれそれなりの長さで繋いでんな。
 ま、聴いてみてのお楽しみっちゅうことで。


KVELERTAK - Nattesferd ★★ (2016-10-01 22:12:57)

 終わらん。
 仕事が。
 だが、一応峠を超えつつあるかな、ということでこのサイトを覗いて書き込みする余裕が出来た。嬉しい。

 ずーっと休めなかったんだけど、この間ブチ切れて、「良いよな!今日本当は休みなんだから!買い物行っちゃお!」とCDを買いに出かけた(と言いつつ午後は仕事した)。
 田舎にいるので、ちょいと気の利いたCDショップに行こうとすると往復で2時間かかる。もう立派な行楽だ。

 そして入手したのが本作。まさかあると思っていなかったので、少し嬉しかった。

 このバンドの作品は本作で初めて接する。
 結論から先に書くが素晴らしい。こういうの好きだ。

 1曲目を最初に聴いた時は、「あらら。こりゃあやっちまったか?」と思った。
 だが、2曲目が蛮音でキャッチー。「これこれ。こういうの期待してたよ」とまさにツボ。
 3曲目も今までにあまり聴いたことがないような粗暴さとキャッチーなメロディ。格好良い。まだ十分に聴き込めてないのだけれど、終盤も良い曲が収録されている。こうなると1曲目の価値がグンと上がる。冒頭はやっぱりガツンと一撃、という意味ではこの曲なのだろう。
 一聴して耳を持っていかれ、繰り返し聴いてまだまだ未発見のメロディが汲めども尽きぬという印象。

 名盤。久々に「買って良かった」新発見。 


JUDAS PRIEST - Redeemer of Souls - Battle Cry ★★ (2016-09-09 19:51:17)

 忙しい。
 年齢を喰っていると、やるべきことや、やらなければならないことが若い時よりよく見えるようになるのだが、体力が追いつかない。やってもやっても終わらないのだが、身体が「おい。そろそろ休まねぇと、知らねぇかんな」と脅しをかけてくる。っていうか、頭も身体も動かない。
 かつてない厳しい進行なのだが、通勤時に『Redeemer Of Souls』を聴いていたわけだ。
 それで改めて思ったのだが、「結構良い曲入ってんだな」ということ。

 この曲なんか結構良いよね。
 本編最後から二番目の位置にあり、ガツっとアップテンポだし。リフもメロディも格好良い。
 イントロが哀愁を帯びつつ重厚な感じで、そこからサビに至るまで良いメロディが展開していく。どうしてライヴ盤じゃイントロだけだったんだろうな、と不思議に思うくらい名曲。

 ま、これ聴いて頑張っているわけっすよ。


TOKIO - HARVEST - 宙船(そらふね) ★★★ (2016-08-07 16:04:36)

 何故『Harvest』購入に至ったのかというと、この曲が収録されていたからだ。
 タイトルは忘れたが、長瀬さんが主演したドラマの主題歌に使用されていたのをたまたま聴いたわけだ。当時色々と打ちのめされるような思いをしていたため、聴いてかなり勇気づけられていた。

 「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」

 まったくそのとおりだ。
 社会に出てみないとなかなか実感できないのだが、世間には本当に色々な人がいる。
 「こいつ、邪魔だな」と思った時に、本気でその対象の排除に取り掛かる人間というのは実在する(これを読んでいるあなたが、そうでなければいいのだが)。
 
 意識的に対象を追い込んでいくタイプの人もいるし、無意識のうちに切り捨てていく人もいる。それをしていくばくかの罪悪感を感じる人もいるが、「俺はあいつに嫌な思いをさせられたんだ。犠牲者は俺だ」と完全に正当化できる人もいる。自然にそれを為し、全く何の感慨を持たない人もいる。

 いずれにせよ、悲しい事だが上記の方々に何かについて腹を割って話すのは止した方が良い。仕事上のつきあいで日々顔を合わせなければいけない場合は、あたりさわりのない付き合いにおさめておくに限る。友達になれるなどと思わないほうが良い。
 一緒に仕事をしていると、どうしても相手に自分の背中をあずけるような局面が出てくるのだが、上に書いたような人物が同僚だとなかなか困ることとなる。後ろから刺してくるからだ。
 (私はできなかったけれど)若いうちから人をみる目は養っておいた方が良い。

 「ちょっとオールをまかせたいんだけど、いいかな?」
 と頼んで、
 「おう。まかせておいてくれ」
 という人間と一緒に仕事を出来ているなら、それは大層幸せな事だと思う。
 余計な心配をせず、自分の仕事に集中できるからだ。

 作詞・作曲の中島みゆきさんが自分で歌ったヴァージョンは、もっと迫力(というかドロリとした情念)が感じられ、そちらも凄く良いのだが、TOKIOのヴァージョンもとても格好良いと思う。
 名曲。


TOKIO - HARVEST - Mr.Traveling Man ★★★ (2016-08-06 19:48:53)

 『Harvest』は発表当時に購入し、ときどき引っ張り出しては聴いている。長い付き合いになっているし、そこそこ愛聴盤になっていると言って良いだろう。

 数日前、やはり何年かぶりに聴いていた。
 本曲は初めて聴いた時から好きだった。メロディは哀愁が漂いつつも芯の強さを感じさせるものがあり、何ともハード・ボイルドだ。
 歌詞も優れている。(生まれ故郷の)北海道にある、どこまでも真っ直ぐな道とギラツク太陽。遥か向こうに青く大雪山連峰が見える、みたいな(実際にどこかと問われるとイメージの世界でしかないのだが)。雄大さを感じさせると共に、迷いながら、傷つきながらそれでも進むという強い決意を感じさせる歌詞だ。

 で、ここで初めて気づいた。歌詞カードを見ながら聴いていたのだが、この曲の作詞・作曲者名が「清水昭男」であることに。
 もしや・・・。と今更ながら思ったのだが、どうもANTHEMの清水さんらしい。

 この曲には(そしてANTHEMにも)、(発表)当時から今に至るまで随分と勇気づけられてきたのだが、いやぁ。清水さんにはお世話になりっぱなしっすね。

 だからってわけでは全然ないのだが、名曲です。


CHEAP TRICK - Cheap Trick '97 ★★ (2016-08-06 19:19:26)

 何と言うか音のザラツキがこたえられない。
 それでメロディはキャッチーというか、本当にこの人たちはTHE BEATLESが好きなんだなぁ。卓越したポップセンスが爆発している。
 音がハードなのでロックとしてのダイナミズムも十二分に堪能できる。
 
 名盤。


RAGE - Unity - Unity ★★ (2016-08-06 19:12:20)

 アルバムについては旧名義でコメントさせてもらっており、自分の評価は定まっている。まぁ気に入っている。
 久しぶりに引っ張り出して聴いているのだが、改めてその良さに驚いている。
 具体的には、ヴィクター・スモールスキの偉大さを改めて痛感していると言って良いだろう。

 本編最後のこの曲は、真に瞠目すべきところが多い。
 テクニカルだが、それだけでなく豊潤なメロディがヴィクターの持ち味だということが、このインストゥルメンタルを聴くと心の底から納得できる。
 プログレッシヴな風味も耳に心地良い。一部YESへのオマージュ的なフレーズも聴ける。
 7分ちょっとの曲なのだが、あっという間に終わってしまうように感じる。

 名曲。
 


DIO - Magica ★★ (2016-07-30 21:43:12)

 先日、隣町のBOOK OFFを初めて覗いてみたら、かの“怒ったロボットちゃんたち”アルバムを見つけてしまった。
 積極的に捜し歩いていたわけじゃないんだけど、中古盤屋に行くと(あるかな?)とみることがあり、まぁなかなか見つからなかった。ロニーが亡くなってDIOの活動というのは新しいものはあり得ない。そのような状況下では旧譜の再発も名作と評価されたもの以外は難しい。ロボット・アルバムは多分発表当時からその評価は厳しく、馬鹿売れしているとも思えない為、(こりゃあ、聴けないで終わるかな)と思っていた。
 それがあったので買いました。これも何かの縁だし、やっと見つけたし。

 どうしてロボット・アルバムの話から始まっているのに、『MAGICA』のコメントを書くのかというと、ロボット・アルバム(いずれコメントするかもしれない)を聴いていて、クレイグ・ゴールディを改めて聴きなおしたいと思ったからだ。

 クレイグが初めてスタジオ・アルバムで参加した4thアルバムについては、1stから3rdの流れを順当に汲む名作だと思っているので、とりあえず置いておく。ここで興味の対象となるのは、本作を皮切りとした後期のDIOだ。

 本作は発表当時に聴いていて、「う~ん。これは・・・地味だなぁ」と何度か聴いた後、その後はあまり聴くことはなかった。しかし改めて腰を据えて聴いてみると、中にはほどほどに良い曲が収められていると思った。⑩とかは後半にあってピシリと作品を良く締めている。
 前半はミドルテンポの曲が多い印象で曲調が似てしまう。若干アップテンポの曲(⑤)とかもあるのだが、配置がアルバム中盤なので刺激が弱まる。コンセプト・アルバムなので、ストーリーを意識して曲を作っているのだろうから、配置については「こうなんだ」と言われると「はい、そうですか」となる。だが、せめて3曲目くらい(本当は冒頭で思い切りガツンといってもらえると良いのだが)に早い曲があったら、アルバム全体の印象も違っていたかもしれない。

 それはそれとして今回感じたのは、クレイグのギターがそれなりに善戦していたことだ。
 メロディも(全体的にヘヴィなのだが)頑張っている。

 この人は技術的には問題無いしメロディセンスも良いと思うのだけれど、どこか地味な印象が拭えないのは自分の(本当の意味での)音楽というのが見つけられなかったせいだろう。「これがやりたいんだ。これが俺の音楽だ」というのが希薄だ。
 リッチー・ブラックモアになりたくて、リッチー並み(場合によってはそれ以上)のテクニックは身につけたものの、そこからさらに先に進んでいくことが出来ていないように思える。多分人柄としてはとても良い人で素直な性格なのかもしれないが、やっぱりどこかで(表現のために)「ここはキレさせてくれ」みたいな局面が必要だったんじゃないかなぁ。
 似たような人にダグ・アルドリッジがいます。

 なにかけなしているような感じになってきたけれども、そうではなくて、本作はなかなかの良作だと思います。
 でも最後の“お話”はいらない。


JEFF BECK - Loud Hailer ★★★ (2016-07-16 07:01:33)

 6年ぶりの新作。
 二人の若い女性アーティスト(Vo.:ロージー・ボーンズ  G.:カーメン・ヴァンデンバーグ)が参加している。
 全11曲中、ヴォーカルが入るのが9曲。

 ガラリと変わったわけではないのだけれど、確実にリフレッシュしたジェフの音楽は、アグレッシヴな曲も収録され、前作とは異なった地平にある。
 本人はギター・アルバムではなく、より普遍的なロック・アルバムを作りたかったらしいのだが、それは見事に成功している。

 ロージーの声は、ジェフのギターととても相性が良い。ロージーのしゃがれた(それは場合によってはキュートにも聴こえる)声は、強烈な個性をはなっているのだが、それでも楽曲はどれもジェフ・ベックの音楽としか言いようがない。

 ジェフとロージーとカーメンの3人が写っている写真を見ると、胡坐の上に大きな創作ノートを2冊広げて、歌詞を吟味しているロージーと、カウチに半ば寝そべるように座ってギターを弾くジェフ、床の上でカウチを背もたれにしてギターを弾き、ジェフの方を何とも悪戯っぽく良い笑顔で見ているカーメンがいる。
 その様子は、ジェフと二人の女の子、というものでは全くない。3人の才能あるミュージシャンによる、音楽での対話と創造のシーンだ。
 年季の入ったテーブルの上には2本、キャンティの栓が抜かれ、三つのワイングラスが置かれている。それぞれ半ばまでワインが注がれているが、口を湿らせた程度で、あまり飲まれていないようだ。
 暖炉には火が入っている。壁際やテーブルの上に燭台が置かれ、蝋燭が灯っている。
 ジェフとカーメンはリラックスしながら、部屋に漂っている音楽を捉えて紡いでいるようであり、ロージーはそれを聴きながらも意識の大半は創作ノートに集中しているようだ。

 こういう光景をみると、他の誰かと何か素晴らしいもの(本作のことだが)を作るっていうのは良いな、としみじみと思う。


地獄図 - Too Young to Die! 地獄の歌地獄 - 天国 -Hard Version- ★★★ (2016-07-12 22:01:47)

 それで、この曲も名曲です。

 向井秀徳さんの作った元のメロディが秀逸で宮藤さんの歌詞が良いので、劇中、(別ヴァージョンが)しんみりくるシーンで流れてきた時には不覚にも涙しそうになった。


 あなたがいれば そこは天国
 あなたがいない そこは地獄

 あなたがいれば地獄も天国
 あなたがいない天国は地獄

 
 こんなふうに唄える相手が配偶者だったら夢の様だろうな、と思うのだが、現実的に妻がいることにより天国とまではいかないが、“焦熱地獄でたまに涼風を感じる(または八寒地獄で熱々の肉まんを差し入れにもらう)”くらいのことは間違いなくあるわけだし、彼女がいないと色々な意味で困るので、「いないと地獄」はそのとおりだ。
 逆に妻は、私がいることによりたまに地獄が煉獄になっていないか、少々心配だが。


 このHard VersionはKyonoさんがアレンジしていて、切なくも勢いのある、これまた格好良いヴァージョンに仕上がっております。

 


地獄図 - Too Young to Die! 地獄の歌地獄 - Too Young to Die! ★★★ (2016-07-12 21:13:35)

 結局、サウンドトラックを購入しました。もちろん映画も2回目をみましたよ。1回目と変わらず面白かった。

 この曲は「えらい格好良い曲だな」と思っていたら、何のことは無い。The Mad Cupsule Market’sのKyonoさんが作曲でした(作詞は宮藤官九郎さん)。

 「おお。このようなところでご活躍をされていたとは・・・」と、(お会いしたことはないのだけれど)ひょんな所で昔の友人に会ったような、懐かしくも嬉しい気持ちになってしまった。

 それは良いんだが、本当、格好良い曲っすよ。出だしでガッと耳を持ってかれて、リフがまた良いんだ。
 (近年は、結局デジ・ロック時代のMADもやっぱり良くなってしまった自分だが)『4PLUGS』時代の楽曲が、過激さはそのままに明るくキャッチーに展開していくようなこの曲は、誰が何と言おうと名曲です。


DAVID BOWIE - Tonight - Blue Jean ★★ (2016-06-26 18:54:51)

 同時代的に接したボウイの曲はこれ(か、その前のアルバムに収録されていた「Let’s Dance」)。
 当時購入していた『FMfan』の表紙に、この曲が収録されているアルバムのアートワークがド~ンとプリントされていた。

 アルバム単位で聴くと、この曲が入っているアルバムより一作前のアルバムの方が出来が良いような気がする。だが、本曲は『Tonight』収録曲の中では、「’80年代的ポップロックなボウイ」を代表する一曲(のうちの一つ)だと思う。

 名曲。


DURAN DURAN - Seven and the Ragged Tiger - The Reflex ★★ (2016-06-26 18:44:25)

 この曲は絶対にアルバム・ヴァージョンの方ではなく、12インチシングル・ヴァージョンの方が格好良い。上でけむさんが、9年前に書いているが本当の話だ。
 歌詞の内容はなんだかチョビっとハードボイルドな感じ。 

 ’80年代ってポップスもロックもメロディがとても重視されていたように思う。
 この曲も「踊れる」とか「踊れない」なんていう価値基準で判断する以前に、曲として非常に良く出来ている。
 全編、ポップ職人の気合の入った仕事(メロディ)に痺れまくる名曲。
 そんでこのバンド、基本はロックなんだよね。1stから4th(ライヴアルバム)は、今でもたまに聴く。
 我が青春のバンドとも言えようか。