5曲目にもややメロウな曲(Lost Inside the Girl)があり、それもとても良いのだが(特に盛り上がるサビの部分やその後のスラッシュのワウワウいって最後はメロディが泣きまくるソロが)、8曲目に配置されたこういう王道のバラードもたまらなく良い。全く似ていないのだが、スラッシュが在籍するもう一つのバンドの「11月の雨」を想起してしまった。
ミドルテンポでグルーヴィーな2曲目(Serve You Right)と、アップテンポで始まるも一筋縄ではいかない変化球的な3曲目(My Antidote)を挟み、再び全開で突っ走る4曲目。 どこまでも気持ち良く伸びるマイルズのヴォーカルと、ハイウェイをガンガン飛ばしていくがごとくに気持ち良いスピード感が最高な一曲。もちろんソロも弾きまくり。
2018年発表。“SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS”名義となってからの3枚目。マイルズやTHE CONSPIRATORSの面々と組んでからのスラッシュの仕事ぶりには絶大な安定感を感じる。仕事好きなアーティスト(スラッシュ)が、腕っこきを揃えて伸び伸びと好きな音楽を作っているわけだが、その路線は1stの方向性を揺るぎなく追及している感だ。 前作に三つ星を付けたので、可能なら五つ星を付けたいくらいである。本作はそれぐらいのお気に入りだ。
まぁ、熱心に聴いた。運転中なので100%音楽に集中しているわけではないのだが、何日も車内でかけましたね。もちろん就寝前にも聴いていた。 悪くない。とても良く出来ている。ソングオリエンテッドで、ギタリスト二人が好き勝手に作りましたっていう作品ではない。良い曲を作り、曲が求めているプレイに徹底するという姿勢。例えて言うなら、オリアンティのソロ一作目(『BELIEVE』)が渋くなったような。だが、リッチーのソロ三作目(『AFTERMATH OF THE LOWDOWN』)を聴いた時にも思ったのだが、「良いんだけれども、一味足りない」
アルバム自体が素晴らしいのだが、この曲が良い。好きだ。 Black Sabbathの5th『Sabbath Bloody Sabbath』収録「A National Acrobat」のリフのうち前半部分を使って新たな名曲を作っている。歌メロは勿論全く別のメロディをのせているわけで、それがまた良いメロディなんだよ。オジー・オズボーンやサバスへの敬意がひしひしと伝わってくる。 ザックは「サバスは偉大なんだよ!俺は好きなんだよ!」って声を大にして言いたいんだろうなぁ、ということをしみじみと感じますね。
このバンドもQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・オムがかんでいる。 興味を持ったのはパリのバタクランで起こったテロの被害にあったからだが、バンド名が「?」だったからだ。 「デス・メタルのイーグルス」って何だ?それでYoutubeでPVを見てみたら、これが結構良い楽曲があるではないか。そのようなわけで、えっちらおっちら遠出してCDなんぞを探すわけなのだが、「ここはあんだろ」というデカいCD屋にもない。Youtubeはチョロッと楽曲を試聴するにはいいが音が恐ろしく悪いので、やはりちゃんとした音源が欲しいなと思い早数年。 ライヴアルバムが日本盤で発売された。
このライヴアルバムは確かとうとう日本盤が出なかったと記憶しているのだが、1996年の北米ツアーでレコーディングされたものを編集しまとめたものだ。①~③⑤⑧⑨⑮がカリフォルニア州のデル・マー(11月30日)で、④⑩⑭がワシントン州シアトル(12月18日)、⑥がカナダのヴァンクーヴァー(12月7日)、⑦がオレゴン州セーラム(12月8日)、⑪~⑬⑰がカリフォルニア州オークランド(12月5日)、⑯がワシントン州シアトル(12月17日)となる。 曲間はフェイドアウトなしで編集されているので、一つのライヴを疑似体験出来る。おそらくはライヴにおけるベストテイクで構成されていると思われ、1996年と言えば5th発表に伴うツアーであり、ある意味全盛期におけるライヴベストという趣きであろう(ちなみに①③④⑪⑬⑯が4th『Superunknown』、②⑤⑥⑰が3rd『Badmotorfinger』、⑦⑨⑫⑮が5th『Down on the Upside』、⑧がThe Beatlesのカヴァー。⑩が1st発表前の『Screaming Life EP』収録曲。⑭がThe Stoogesのカヴァー)。
前作はソフトというかポップな曲も交えつつ、バラエティ豊かな作風だった。 今作はというと、一本芯が通っており硬質な感じ。一曲目のFeed the Machineがゴリッとした質感をもつ曲で、本アルバムが硬派であることを宣言している。 とは言っても、そこはNICKELBACK。③の「Song on Fire」は久々にキタコレ。バラードの名曲。問答無用の出来だろうこれは。④はリズミカルなヴォーカルが一聴ポップな風なのだが、楽曲のトータルイメージはハードだ。アルバムの流れにアクセントをつけており、配置も絶妙と言えよう。⑤はバラード調の曲。③より少しだけヘヴィか。毛色は明らかに異なり佳曲。⑥はミッドテンポの曲でリフのグルーヴが気持ち良い。⑦は再びバラード調の曲。③・⑤よりややダーク。これまでにみるように、③以降はバラード(“調”の曲も含む)とロックしている曲を交互に配置しており、アルバムの流れについてとても気が遣われている。そしてバラード(調)の曲は、似たような曲は収録されていない。何気に凄いことだと思う。 ⑧はダークでハード。なにか漢っぽくて格好良い。⑨は歌メロのサビの部分に哀感が滲む、どこかハードボイルドな良曲。⑩は一転始まりがアコースティックで口直し。アルバム終盤において雰囲気を変えている。明るくなりきれない切なさが後を引く。⑪は⑩の流れをしっとりと引き継ぐ、アコースティックギターのメロディが印象的なインストゥルメンタル。 前作も悪くないと思ったけれど、作風でいうなら本作が好み。ハードとヘヴィとダークが3割増し。でも前作あってこその本作なのだろう。 とても気に入りました。名盤。
もうすでに上に書かれた方々が言い尽くしているけれど、確かに「実験」的。ある種プログレッシヴな香りすらある。 そして明るい(「明るくキャッチー」と言い換えても良い。特に「South Bound Saurez」「Fool in the Rain」「Hot Dog」の3曲)。 全体的にシンセサイザー・キーボード・ピアノなどの鍵盤楽器が活躍しており、それらにより印象的なメロディ・フレーズが奏でられる曲が多い。特に鍵盤大活躍なのが5曲目の「Carouselambra」で、狂騒的に回転木馬が回り続けるような曲調がやみつきになる(個人的には大好きな曲)。 冒頭の「In the Evening」は出だしの中東っぽい雰囲気といい、スローテンポで行進していくような様子といい「Kashmir」の兄弟みたいな曲。重厚さも持ちつつ明るく展開していく良い曲で、なんだか本アルバムの多面性(「一筋縄ではいかないぞ」)というの)を上手く宣言しているようにも思える。2曲目(「South~」)はジャジーなピアノが軽快な楽しい曲。3曲目(「Fool~」)はレゲエっぽいリズムで、中盤はサンバ。なんというかトロピカルな曲。この曲あたりが本アルバムの色彩を豊かにしてくれている。4曲目はカントリーっぽい曲で、この曲が一番ジミー・ペイジのたどたどしい(独特のひっかかりというかタイム感を持つ)ギターが楽しめる。ちなみにジミー、結構本アルバムの各曲でギターをちゃんと弾いている。確かに鍵盤主導の作風ではあるが、ソロもバックもギターメロディはいかにもジミー・ペイジだ。そこは安心して浸っていられる。 6曲目の「All My Love」は上で皆さん書かれているとおり、感動のバラード。名曲。ラストの「I'm Gonna Crawl」はブルージーな佳曲。アルバムをしっとりと締めてくれる。 そのようなわけで名曲・佳曲が並んだ本作は名盤。そして、しっかり実験もしているので上の方々が口を揃えるように「この次の作品が聴きたかった」。
2ndアルバム。 Vo.が1stではスコット・ウェイランドであったのが、CREEDのヴォーカリスト(スコット・スタップ)に代わっている(ウェイランド、亡くなっちゃったからね。もっとも亡くなる前に「あのバンドで俺はパーマネントなメンバーではない」とか言っていたけど)。 他のメンバーはGUNS AND ROSESにも在籍していたバンブルフット(ロン・サール この人が中心人物)、ベースがDISTURBEDのジョン・モイヤーというわけで、要するに世に言うスーパーバンドっちゅうやつですか?
それで作風はというと、少しダークな部分もある普通のアメリカンHR。ギターが弾きまくりの部分がポイント高し。歌メロもなかなかメロディアスで、個人的にはこういうの好きですね。なんかサミー・ヘイガー期のVAN HALENがちょいとダークに、そしてヘヴィになったような印象も受けた(4th以前のNICKELBACKと言った方が良いか?)。もちろんギターは激しいっすよ。特にソロが。 バンブルフット、頑張っているなぁ。今は9曲目の"Dancing With The Devil"が好き。ネイティヴ・アメリカン風味がキャッチーなメロディで仕込まれ、一聴して耳を引く佳曲。
相変わらず『Raise A Little Hell』を良く聴いている。 最近気に入っているのはこの曲だ。 アコースティックでギターと唄のメロディがそこはかとなく切なげなのが好きだ。まぁこの曲が切ないのは失恋の歌だからなのだが。 こういうどこか明るくなりきれない諦観を感じさせる楽曲というのは、ブリティッシュロックバンドならではのものだと思う。
アルバム収録曲中、比較的アップテンポ(あくまでアルバム収録曲中での相対的な評価だが)な曲。 アルバム評でも書いたが、重厚な雰囲気を持つ曲でもある。 このアルバム冒頭にあって相応しい存在感は、かの名盤『Perfect Strangers』の一曲目、「Knocking At Your Back Door」を想起させる。同程度の名曲だと言うつもりはないが、なかなか良い曲だと思う。
なかなか良くて、入手後しばらく聴いていた。 4th・5th頃のQueenに似た、大袈裟で大上段に構えたつくりがなんとも良いんだな。オペラティックで。 ただ歌唱の迫力はというと、全盛期(本作から遡って『Bat Out of Hell Ⅱ』を入手し聴いた)にはやはり及ぶべくもなく。まぁ当たり前だよな。もう結構な年齢だし。 とはいえ、他の作品を聴いてみたい気にさせるアルバムというのは、基本的には出来が良いのだ。そのようなわけで本作も、このアーティストの往年の名声に恥じない出来の良作。
曲の印象がAEROSMITHの「Back In The Saddle」を想起させる(テンポはもっと速い。あえて言うなら「Rats In The Cellar」よりちょっと早いテンポ)。 リフのガガッ、ガー(デデッ、デーでもジャジャッ、ジャーでも良い)や、唄い出しの威勢の良さといい、ギターソロといい、とにかくイカしている。「イカしている」は死語かもしれないが、イカしているとしか言いようがない。格好良い。 Rockの格好良さを「これでも喰らいやがれ!!」とばかりに体現してみせた名曲だ。
久しぶりにこのバンドの新譜を購入した。『Crack the Skye』の時と同じくブレンダン・オブライエンがプロデューサーとして参加しているから。 私は『Crack the Skye』の一つの壮大な世界が構築されているようなスケール感と、そこにみっちりと詰め込まれた神秘的かつ幻惑的な音像(神話を表現した細密画のような、と言い換えても良い)が好きなのだが、本作はその世界観をそのままに、よりアップテンポな曲やリスナー・フレンドリーなフックを持つ楽曲が増量された印象を受ける。 今は3曲目(「Precious Stones」)がお気に入り。この曲って、全開バリバリでスペーシーなヘヴィプログレバンドだったころのVOIVODを彷彿とさせる。 名盤。
All Time Best Album(①)1枚、New Mini Album(②)1枚、Promotion Video Collection(③)1枚の合計3枚組。値段は多少張るが、こういうのって私のような新しいファンには有難い。 ①はこのバンドのブレなさ加減がとっても素敵なベストアルバム。全23曲収録。でも、これに収録されていない楽曲で、良い曲が他にもあるのがこのバンドの懐が深いところ。 ②は7曲の新曲。まだあまり聴き馴染んでいないというのもあるけれど、現時点では『Roxy Baby』収録曲の方が好みかな。だが悪くない。決して悪くない。 ③は特典映像のインタヴューが非常に興味深かった。動いている増田勇一さんが見られるのも、個人的には得点高し。もちろん内容そのものも濃くて素晴らしい。 もう20年も前からやっていたんだ。もっと早く聴いていればよかったな。と思いますね。
Great American Broadcast Companyから2015年にリリースされた。 内容はシカゴのラジオ局であるWKQXが放送した、1977年9月22日のマントラスタジオでのライヴ。
①The Grand Illusion ②Lorelei ③Mademoiselle ④Fooling Yourself(The Angry Young Man) ⑤Suite Madame Blue ⑥Light Up ⑦Come Sail Away ⑧Lady ⑨Midnight Ride ⑩Miss America
THE ANSWER。このバンドの作品は1stアルバムと2ndアルバムを聴き、その後は購入してこなかった。 1stと2ndの出来が悪かったからではなく、とりあえずはこの2枚を大事に聴きたいなと思ったのだ。 それが何故、今回久しぶりに新作(本作)を購入することにしたのか。それは音楽性の変化である。これまでもアルバムが発表されるたびにレヴューをチェックしていた。「最初の2枚を超えた」などのコメントが書かれていたら、それは即買いだ。だが、そういうことはなかった。しかし、今回はガラリと音楽性を変えてきたというではないか。アイリッシュテイストが濃厚で、リフロックの手法を踏襲していないという。後者については、このバンドの特長でなによりファンが求めている要素を、あえて除いたということを意味する。“売れない”ことを覚悟してでも作りたかった音楽なのだ。 つまり、どうしても生み出されなければならなかった作品、というのが本作なのである。これには非常に興味をそそられた。
昨日あたりから久しぶりに『Everyday Demons』を聴いている。 で、今日改めて腰を据えて聴いていたのだが、この「DEAD OF THE NIGHT」が今のところ一番気に入っている。 リフが良いな。ベースがブンブン鳴っているのもクール。こういう隙間が適度にあって各楽器の音が臨場感を伴い響いてくる音づくりは最高だね。この手の音楽はこうでなくちゃ。 そしてなによりアップテンポでノレる。
2007年にRhinoから出されたデヴュー40周年記念ベストアルバム。 結構手間暇かかっているベスト・アルバムなのだが、その詳細は「Light My Fire」の項を参照の事。
本ベストで私が何を最も高く評価するのかというと、「The End」の『地獄の黙示録』サウンドトラック・ヴァージョンが収録されている事。 「The End」も「Light My Fire」に負けず劣らず名曲かつ気色の悪い曲なのだが、映画『地獄の黙示録』で流れてきたのを聴いた時には、この映画の為に存在する曲と言い切ってしまってもよいくらいのはまりようであった。
The Doorsについては本ベストしか持っていないので良く知らないのだが、本ベストに関して言えばライナーノーツを読む限り、代表曲は収録されているようだ。このバンドが結成されるにきっかけとなった(キーボードのレイ・マンザレクが、L.A.のヴェニス・ビーチに寝転んでいるジム・モリソンに会った時に、ジムが書いていたのを読んでもらいレイが「すげえよ、それ」と言った)「Moonlight Drive」も入っている。