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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-10-02 20:51:23)

2006年発表の3rd。
これは今まで聴いたペイガン/フォークメタルの中でも、特濃の作品。

ペイガン/フォークメタルバンドの中には、例えばトラッドを曲の合間に挿入したり、民族楽器や民謡のメロディをメタルサウンドに乗せたりするものが多くありますが、それらの音ってどれもメタルの展開や様式がまず前提としてあって、民族音楽の要素はあくまで「取り入れられた」ものであることが少なくないですが…

このバンドは民族音楽の要素とメタルの要素が、互角に配分されている感じですね。時には民族音楽の方がメインになることもしばしばで、流石に「~メタル」ではなく、「アヴァンギャルド・ブルガリアン・ミュージック」を標榜してるだけのことはある、濃ゆい音を出していると思います。

しかも民族音楽とメタルの混ぜ方が、パートによって全く異なるのが面白いんですよね。時にブブゼラのような音を鳴らしつつ猛然と、プリミティブに疾走したり、ほとんどトラッドだと思ってたら実はメタリックなリフが入ってたり、アコースティックなトラッドと苛烈な疾走をシームレスに繋げてみせたり…メタル部分の音は割とRAWですが、メジャーメタルとはまた違うダイナミズムを感じさせてくれます。

呪術的・儀式的アンビエントのようなパートもあり、民族音楽のエスニックで神秘的な雰囲気だけでなく、ダークで邪悪な部分もあるのが暗黒音楽好きには嬉しいところ。ELUVEITIEやKORPIKLAANIは言うに及ばず、NOKTURNAL MORTUMやNEGURA BUNGETを持ち出して尚物足りないというマニアの方には大推薦。



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