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TOTESLAUT (1995年)
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TOTESLAUT
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解説 - TOTESLAUT
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-01-07 21:24:32)

95年発表の1st。私が持ってるのは2010年に再発されたもの。

やはり初期ブラックだけあって、録音状態は良いとは言えるものではなく、ギターノイズがガリガリ言うRAWで癖の強いものですね。ただそのノイズが脈動するような音色のギターリフの間を縫って、ユルユルと幽鬼的なものを感じさせるトレモロが幽玄なメロディを奏でる音像は、カルトかつ神秘的、宗教的なムードがあって魅力的。巻き舌を多用した野卑ながなり声と、ミステリアスな語りを使うヴォーカルもカルトな雰囲気をより強いものにしてますね。

この音源で一番独特なのは、キーボードの使い方だと思う。
どこかの密教が解脱のための儀式を行う際に、後ろで流す音楽のようなSE的なものが中心ですが、メロディを弾かせるにしても「普通その音は選ばないだろ」みたいな妖しげな音を選んでいて、かなり耳に残る。8曲目は彼らのそんなオカルトな感性が発揮された、本格的な儀式アンビエント。

この密教の儀式を通じて宇宙の霊的存在だかなんだかと交信してそうな、妖しげな雰囲気はANGST SKVADRON辺りを髣髴とさせたりもしますが、あちらほどアヴァンギャルドな作風ではなく、あくまでRAWブラックを貫いているのがポイント。だからこそ、ジャンルの混交が激しくなり、アヴァンブラックも珍しくなくなった今聴いても「このバンドサウンドにこの音色のキーを乗せるか!」っていう衝撃があるんですよね。

アヴァンブラックやポストブラックって、ブラックとしての様式や感性を半ば放棄して独自の道を行くバンドが多いですが、このバンドはがっつりブラックの様式を守りつつ、前衛的な個性を出している所が面白いと思う。初期ブラックですが、ポストブラックが一定の評価を受けている今聴いた方が、実は楽しめる作品なんじゃないかと思います。



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