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ETERNAL RECURRENCE (2012年)
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ETERNAL RECURRENCE
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解説 - ETERNAL RECURRENCE
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-01-26 00:30:55)

2012年発表の7th。
フルアルバムとしては5年振りとなる新作。

前作は管楽器の入った、スペイシー/スペースオペラ的で非常にクオリティの高いシンフォニック・ブラックでしたが、今回はかなりアトモスフェリックな方向に舵を切ってきてますね。疾走パートは全体の1割程度に留め、ねっとりしたベースラインや幻惑するようなアルペジオ、凝ったリフなどのアンサンブルで洗脳的なムードを醸し出す、プログレッシブな作風で、個人的にはARCTURUSの4th辺りに近い世界観を感じました。ただ、ARCTURUSの作品のような奇矯さはこちらにはあまりなく、ひたすらに世界観の中に沈み込んでいくようなシリアスな雰囲気が強いのが大きな違いですね。

作風こそかなり変化したものの、今作でも管楽器を取り入れたシンフォパートは健在。ただやはり使われ方がかなり異なっており、前作では壮大なスケール感を演出していたのが、今作ではアダルトな雰囲気だったり、頽廃的な空気感だったり、よりムード重視になっている印象。また、バンドサウンドによる情景描写は更に緻密になっている感じで、例えば2曲目冒頭の水音のSEと、幽玄なアルペジオが地続きの情景で繋がるところなんかは巧過ぎて溜息が出そうになります。

このバンド、アトモスフェリックな作風になっても、あまりアンビエントで雰囲気モノな方向には行かず、幽玄で洗脳的なムードをバンドのアンサンブルで醸成する、メタリックな音を崩していないのが素晴らしいと思う。録音状態もタイトで聴きやすいですし、濃厚なムードを醸し出すフレーズだけでなく、激しい刻みリフやブラックらしいトレモロ疾走なんかは普通にかっこいい。エクストリームメタルとして前衛的で破天荒な部分と、類型的で普遍性のある部分がバランスよく入ってる感じ。

ただ、欠点としては、作風の割に短いんですよね…曲もアルバム全体としても。特に曲はもう少しこの濃厚なムードに浸っていたいという所で終わってしまう時が多い感じ。まあそれを踏まえても素晴らしい作品ではありますが。前作が宇宙をスペースシップで往く感じだとすれば、こっちは魂が肉体からあくがり、宇宙を揺蕩っている感じでしょうか。今作も前作に続き、本当に良いアルバムですので必聴です。



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