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1.
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2012-02-02 21:58:08)
2010年発表の2nd。
ペイガンブラックの代表格のバンド、GRAVELANDのRob Darkenらによるバンドという事ですが、これは良いですね。個人的な好みではGRAVELANDよりも好きかもしれません。路線としては、ペイガンの土着性に、鬱ブラックの抑鬱志向を加えたような薄暗いトレモロと、神秘的でアトモスフェリックなキーボードを絡め、ゆったりとしたテンポで展開するスタイルですが、最近のGRAVELAND並に情景描写に富んだ音なんですよね。
まずペイガン由来の妖しさと、鬱感情が上手く混ざり合ったトレモロリフと、バンドサウンドを包み込むような、神秘的なヴェールを思わせるキーボードの絡みは、それだけで薄暗く、深い森の中に誘われていくような暗い叙情性があると思うんですよね。落ち着いたテンポ設定も、一歩一歩その中に足を踏み入れるような、厳かなムードがあると思う。そこにノイジーなギターが入ると、その森が少しずつ炎上しているような、どこか破滅的なムードも醸し出されているように感じます。
また、殆ど言葉になっていない、細い声を裏返しながら絶叫するヴォーカルも、作品のカルト志向をより高めてますね。霊障を起こすような声…というより、霊障そのもののような声。地縛霊とかそんな感じです。…私的にはこのアルバム、BURZUMの3rdやEMPERORの1stに通じるような、マジなムードを感じる作品なんですよね。瞑想的なムードは、特にBURZUMに通じると思う。こちらはペイガン色もありますが、聴き手の意識に寄り添い、スピリチュアルな情景を描こうと試みる音作りはかなり似ているのでは。
個人的にはポーランドのペイガンブラックの中でもトップクラスに気に入ってしまった作品。近年のGRAVELANDに通じる情景描写能力がありながら、メロディはもっと分かりやすいので取っ付きづらさもそれ程でもないと思います。これはお勧め。
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