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1.
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2012-02-28 22:19:34)
2011年発表の1st。
タイプとしては、鏡面を思わせる幽玄な響きのキーボードがバンドサウンドを包み込むシンフォニックブラックで、デモ~1st期のLIMBONIC ARTに近い作風ですが…このバンドはヴォーカルのがなりがしっかり前に出ていたり、(打ち込みっぽいけど)ドラムの疾走が迫力ある心地良いものであったり、ギターリフも厚みがあったり、よりバンドサウンドを前に出している感じですね。初期LIMBONIC ARTはかなり抽象的でアトモスフェリックな音を出してましたが、そのアトモスフェリックさを引き継ぎつつバンドサウンド部分をもっと実体的にした感じでしょうか。キーやリフのフレーズ自体も初期LIMBONIC ARTより実体的になっている感じなんですが…このバンド、所々逆にやりすぎてて異臭騒ぎレベルなんですが(笑)。
1曲目終盤ではかなりメロディックなツインギターの絡みがあるし、2曲目は頭からメロデス的なメロさだし、3曲目はちょっと引くレベルのクサピアノに、キャッチーなヴォーカルラインが付きやけにノリの良い曲。4曲目は後半サンホラの間奏のような派手なキーのフレーズが聴けるし、エニグマティックで邪悪なムードで始まった5曲目も、後半で我慢の限界を突破したかのようにメロウなメロディをぶちまけてるし、エンディングインストを除けばラストの6曲目は、頭からそれ単品で異臭騒ぎレベルの大仰さ。…はっきり言ってこの手に邪悪さや抽象的な神秘性、情景描写の妙を求める人からしたらやりすぎですけど、このメロディの分かりやすさがこの手にありがちな金太郎飴感をなくしてるんですよね。
アトモスフェリックさと実体的なクサさが妙なバランスで融合していて、個人的にもお気に入りな一枚。即効性も非常に高いですし、シンフォブラック好きだけでなくクサメタラーにもお勧め。
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