LET IT BEに対抗し「血をながそう」とよびかける不穏なタイトルが 時代を象徴している。B・ジョーンズ脱退、M・テイラー加入、オルタモント の悲劇と錯綜する人間関係、事件に翻弄されてきた彼らがぎりぎりの 一線で踏みとどまった1枚。劇的な①からアーシーな②に移行するところ、 またグルーヴィーな⑥、ゴスペル風の大作⑨など聴きどころ満載だ。
band of gypsys として有名なライブの完結編と言える作品。 エキスペリエンスが表現できなかった強靭なファンクネス、 R&Bへの回答と言ったものをジミは欲していたのだろうか? ギターは濃厚かつシンプルだ。ごたごたが続いて集中できなかった 面もあったようだがそれを微塵も感じさせない。やはりこの プロジェクトのキーワードはファンク、ソウル、R&Bの融合だ。
フィル・モグのヴォーカルはブリティッシュ的だが、HOT'N'READYでは やや不安定さが目立つ。しかし演奏はさすがにこなれている。大酒のみ でジャンキーの集団であろうが(マイケルだけではない)するべきこと をきちんとやっているのはさすが3大ブリティッシュHRバンドのひとつ である。入魂のLOVE TO LOVE,のりのいいOUT IN THE STREET~ONLY YOU CAN ROCK ME 緊迫感あふれるLIGHTS OUT がフェイバリット だ。多くの人が指摘するように失踪直前の追い込まれたこの時期だから こそマイケルのギターは神々しいまでの輝きを見せている。ぜひこの時期 のマイケルを見たかった。