フィル・モグのヴォーカルはブリティッシュ的だが、HOT'N'READYでは やや不安定さが目立つ。しかし演奏はさすがにこなれている。大酒のみ でジャンキーの集団であろうが(マイケルだけではない)するべきこと をきちんとやっているのはさすが3大ブリティッシュHRバンドのひとつ である。入魂のLOVE TO LOVE,のりのいいOUT IN THE STREET~ONLY YOU CAN ROCK ME 緊迫感あふれるLIGHTS OUT がフェイバリット だ。多くの人が指摘するように失踪直前の追い込まれたこの時期だから こそマイケルのギターは神々しいまでの輝きを見せている。ぜひこの時期 のマイケルを見たかった。
LET IT BEに対抗し「血をながそう」とよびかける不穏なタイトルが 時代を象徴している。B・ジョーンズ脱退、M・テイラー加入、オルタモント の悲劇と錯綜する人間関係、事件に翻弄されてきた彼らがぎりぎりの 一線で踏みとどまった1枚。劇的な①からアーシーな②に移行するところ、 またグルーヴィーな⑥、ゴスペル風の大作⑨など聴きどころ満載だ。
ルビコンとはもう引き返せない場所 Point Of No Returnの 意味であり、ロックのFrontierを後ろを振り返らず歩んでいく という彼らの決意表明だ。怏々しく美しいサウンドはもはや 何者も恐れない彼らの堅い意思、決意を表わしていると 言えよう。頂点を極めてもなお新たなる世界を目指す彼ら の姿勢は今の時代でもなんら色褪せることはない。
これはGENESIS版ハードロックだ。聞き手を覚醒させるサイレンのごときシンセサイザー、複雑ながら軽やかなリズム、ギターなどが渾然一体となって音の津波となって劇的な高みへと誘う。ライブではエンディングがそのままWatcher Of The Skiesのイントロにつながりさらに劇的になっている。当時のライブを見たかった!
ブルー・アイド・ソウルの名盤。スティービー・ワンダーのSongs In The Key Of Lifeに大きな影響を受けていたとのことで、なるほどメロディや曲の展開、特にシンセサイザーのアレンジなどはかなり「らしい」作りだ。ヴォーカルもこころなしかスティービー風。ただ違いはこちらはより洗練された都会のサウンドだということだ。アーバン・ソウルファンは必聴。
band of gypsys として有名なライブの完結編と言える作品。 エキスペリエンスが表現できなかった強靭なファンクネス、 R&Bへの回答と言ったものをジミは欲していたのだろうか? ギターは濃厚かつシンプルだ。ごたごたが続いて集中できなかった 面もあったようだがそれを微塵も感じさせない。やはりこの プロジェクトのキーワードはファンク、ソウル、R&Bの融合だ。