Bill Evans Trio のAlbum『Portrait In Jazz』を締めくくるB面4曲目「Blue In Green」。 Bill Evansの曲の中でも最も好きな曲。 当時のJazzmenの御多分に洩れず、薬をやっていたEvans。「ハイになる薬だった」と自らも薬経験者であったあるバーのマスターが言っていた。そんな薬をやりながら、あれだけ内省的な音楽を演出するのは信じられない。 Evansの演奏はどれも、外に向けて何らかのメッセージを伝えようとはしていない。そのベクトルは常に自己の内側に向けられている。その最たるものが「Blue In Green」。冬のシベリア平原に一人取り残された自分。空も雪原もグレー一色。見渡す限り360度がグレーの世界。何も語られない世界。そんな心持ちにさせられる一曲。