米国産ブラック2023年作 危険思想を含む真性ブラックで、相変わらず普通に買うことができる盤。 このテの危険思想をファッションとして掲げて活動するブラックメタルは結構多いが、活動当初から一貫した 思想を基に創作し、全くコマーシャルな妥協が感じられない、本気度の高いバンドは数少ないと感じられる。 活動初期にIncantationから思想的理由で分裂し、伝統的コープスペイントを施し、活動初期からの本気度の高さを 未だ堅持し続ける古参バンドとしては、彼らが筆頭。アングラ帝王の古巣Incantation比較も、もう意味を持たない。 Profanaticaのレビューを書く度に書いている気はしないでもないが、デス・ブラックメタルの音響的クオリティを追求した Incantationに対して、背徳・危険思想という精神性から見た存在感は、はるかにProfanaticaの方が上なのだ。 そういう核が存在するが故に、単調で無骨な、粗暴な演奏がむしろ、不穏な危険性を孕んだ音に感じられるのです。 音響的な持ち味は、Paul Ledneyの単調なスネアビート、獣のようなヴォーカルの存在感で圧倒されるところだ。 近作は同じような世界観と音楽性で、延長上にある焼き直し感があるにも関わらず、その存在感が圧巻過ぎて脱帽という感じ。 Compelled by Romans、Wipe the Fucking Face of Jesus、Cunts of Jerusalemという曲から、彼らがどの立ち位置に いる集団なのか窺える。また、悪魔崇拝をテーマとする楽曲が登場しないところは、自身を尊大に崇拝していると 一応の解釈はしている。多くの崇拝系ブラックがヤハウェなどのサタニズムに傾倒しているが、他宗教の冒涜に徹し 一体何を崇拝しているのかわからないミステリアスさも、作品の魅力を底上げしている。