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La Seigneurie Des Loups

「Dark tribute to Quebec's history」とオフィシャルにあります。
グーグル先生に曲名の翻訳を手伝ってもらいました。正誤は不明。

①Croix de feu croix de fer(クロスファイア/アイアンクロス)
②Ancien Folklore Quebecois(古ケベックのフォークロア)
③1839(1839年)
④La Seigneurie des Loups(ラ・サイグニューリー(多分地名)の狼)
⑤Les Plaines de Krolok (平原の兎)

・・・

自分はこのバンド、アンビエント・ブラックだと思っていたんですが、このアルバムに関しては基本(打ち込みドラムの)ノーマルなブラック・メタル・スタイル、味付けに(ほんらいの持ち味である)SEがまぶしてある感じです。フォークが入り込んでいる理由は、コンセプト/曲名から察せられると思います。

…とは言え今作は、音楽性を説明しても何も伝わらないと思いますね…正確には音楽性だけを評価する気になれない。コンセプトが音楽性を決定させたのか、このスタイルでやろうと思ったらこの歌詞になったのか、どちらか知りませんが、「アンビエント・ブラック」というジャンル名から想像されるものより断然「物語」があるアルバムです。

このバンドらしくないんだろうなーとは思いますが、カナディアン・ブラックを語る上では結構重要なアイテムなのかな、と思います。

木札 (2012-06-23 03:00:53)


La Seigneurie Des Loups

2009年発表の2nd。
なんか、一言では言い表せない音楽性を持ったバンドですね…。
敢えて言うならアトモスフェリックブラックですが…。

1曲目は、白兵戦的なSEを途中で導入しつつ、寒々しいメロディで疾走するアトモスフェリックな路線の曲で、特に出だしの隙を伺うようなリズムから、一気に疾走する展開がかっこいい。途中のWHENを思わせるビヨンビヨンする効果音からの威風溢れるメロディは、初期SATYRICONへのまわりくど過ぎるリスペクトでしょうか。

…そして1曲目はコールドな雰囲気のまま終わるのかと思いきや、何故かラストではフォーキッシュなお祭りメロが登場、それを引き継いだ2曲目では、クリーンヴォーカルやパーカッシブなリズムも取り入れた本格的なRAWペイガンブラックに。初期NOKTURNAL MORTUMを思わせる作風ですが、メロのクサさも初期NxMxに肉薄しているのが素晴らしい。

アコギメインのインストを挟んだ4曲目は、1曲目のコールド&アトモスフェリック路線を概ね引き継ぎつつも、スラッジ/ドローン的な重く引き摺るリフが耳を聾するパートがあったり、ラストはキーボードアンビエントで締めたり、この期に及んで新機軸を導入。続く5曲目は、考え過ぎて遂に宇宙に飛び出したような奇矯なメロディで疾走するも、バンドサウンドは冒頭のみで、残りは儀式的なダークアンビエント。

…という訳で、全部聴いても「未だ本性掴めず」な印象のまま終わってしまったアルバム。まあ、多分何度聴いても掴めることはないでしょう(笑)。比重としてはアトモスフェリックな部分が多いので、VINTERRIKETやCOLDWORLD、PAYSAGE D’HIVER辺りが好きな方に多分お勧め。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-08-12 19:45:06)