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Nihilistic Purity (Usher-to-the-ETHER)


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Nihilistic Purity

2007年発表のEP。
と言っても、再発盤は6曲で40分を超え、実質フルと同じくらいのボリューム。

直接的に死や自殺を想起させる、引金ジャケからも分かるとおりのディプレッシブ・ブラックですが、個人的にはこの系統の中でも好みの音ですね。やや軽めのドラム+淡くノイジーなギターによる、攻撃性よりも耽溺性に重きを置いた音作りが好み。その中で、神秘的で幽玄なメロディを奏でるトレモロが、緩やかに包み込むように鳴り響くと、ちょっとした神秘体験の趣がありますもん。

また、ヴォーカルこそBURZUMを思わせる、高音の自棄起こしたようないかれた絶叫ですが、疾走パートや刻みリフを用いたパートも効果的に混ぜた、ミニマルではないドラマ性に富んだ作風は、鬱・自殺系のブラックに耐性がない人にも割と受け入れやすい音だと思う。常に垂れ流しというレベルまではいきませんが、トレモロ含有率は結構高く、メロディアスなサウンドなのも聴きやすいと思う。

メロディアス、起伏のある展開、心地よい音質と聴きやすい要素が揃っている分、この系統のカルトなバンドにありがちな偏執的なムードが希薄なため、マニアには物足りなさが残るかもしれませんが、だからこそ鬱系初心者にもお勧めしたいですね。個人的にもかなりの良作だと思います。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-08-31 22:32:15)