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They Awoke to the Scent of Spring
2012年発表の3rd。
以前聴いた1stは、余りにも「アトモスフェリックである事」に徹し過ぎている感があったんですが、割と有名なレーベル(De Tenebrarum Prinpicio)に移籍したこともあって、新譜を購入したんですが…なんか段違いに良くなってる印象。1stの頃は、深遠な世界観を描いてはいたものの、聴き手にアピールするような聴きやすさに欠けた感じでしたが、今作はよりリスナーフレンドリーになった感じ。と言っても、あくまで「アトモスフェリック・ブラックというジャンルにおいて」ですけど。
バンドサウンド入りの前半2曲、アンビエントに徹底したインスト2曲の計4曲で約40分という構成ですが、1stと比べると音像の変化のさせ方が大胆で、それがある意味での聴きやすさの一因になっている気がします。ギターメロディとノイズの交じり合った、神秘のヴェールに包まれた中で、緩やかに破滅に向かうかのような音作り、聴き手をメランコリックな幻想に惹き込んで行くキーボードのメロディなど、深遠な世界観は全く薄れずに聴きやすくなってるのが素晴らしい。
正直1stは気分じゃないときは絶対聴けないような音だし、敢えて人にもお勧めはしなかったんですが、こちらはアトモス系好きであればかなりお勧め。聴き手を引き込もうとする力は段違いだと思います。ホント、1st聴いて切らなくて良かったと思う。
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2013-06-16 22:23:12)
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Night Spirit
2009年発表の1st。
20分を超える曲を2曲収録した、大作主義の作品。
音像全体をギターリフのノイズ質と、アトモスフェリックなキーボードの交じり合った靄のような音が覆い尽くし、そこに叙情的なピアノメロを乗せ、スローかつミニマルに進行していく、アンビエント寄りのブラック。ピアノメロはBURZUMの「Filosofem」を狂気的でなく、優しくしたような感触があって良い感じですが、マイクに近づいて無理矢理呼気で声歪めたようなヴォーカルはちょっと微妙かも。
この人はアートワークの写真も自前で撮っているらしく、音の方にも「情景的であること」に対する並々ならぬ拘りが感じられますね。1曲目はピアノを神秘的で奥行きのあるキーボードに代えたり、バンドサウンドを一旦引かせてアンビエントになったり、2曲目ではピアノが少なめな代わりに中間部に神秘的なキーのフレーズが出てきたり、展開は一応あるものの、音像の雰囲気は約40分通して一貫している感じで、この手の中でもミニマルさがかなり強い方だと思う。
個人的には、ちょっとミニマリズムが強すぎるかな…と思ってしまうかも。似た系統なら、ELYSIAN BLAZEやI SHALT BECOMEくらい展開がある方が私的には好み。ミニマル系の情景的な音に興味がない人にはお勧めできない音。
Usher-to-the-ETHER
★
(2011-10-01 19:29:26)
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