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Self-Therapy (Usher-to-the-ETHER)


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Self-Therapy

2011年発表の1st。

CDショップの紹介で、「病的にダメな感じのヴォーカル」みたいに書かれていて、つい買ってしまったんですが…「確かに!」って膝を打ちたくなるくらい、アッチに逝っちゃってるヴォーカルですね(笑)。最早苦悶を吐き出すとかそういうレベルではなく、自分の不注意で掃除機を壊した男が、顔を真っ赤にして口から泡飛ばしながら抗議してるような、ある意味エモーショナルなガナり声。こじれたらすぐにでも裁判所とかに訴えそうな勢いです(笑)。

しかし、普段の狂気の独り芝居ヴォーカルではなく、「Fears」のような割とまともなヴォーカルラインがある曲は意外にもかっこいいパフォーマンスを聴かせるし、「Confession」の語りは普通に渋くて素敵だし、実はスキルのあるヴォーカルなのかもしれません。何気にホイッスルボイスまで使ってますし。独り芝居ヴォーカルも、最初は滑稽に思えてもずっと聴いてると、ふと「この人マジにマジなのかも…」と、背筋が寒くなる瞬間がありますし。

曲の方は、低音も効いた、どこかドゥーミーな質感のあるブラックメタル。リフは視界を塗り潰すような、オールドスクールで太みのあるものが中心で、あまりメロディアスな音とは言えませんが…このヴォーカルにメロウな音合わせられても困りますね(笑)。また、悪夢に誘うようなアルペジオが聴ける「Fears」の後半や、ジャジーなドラムと気色悪いキーが絡む「A Nameless Desire」など、所々サイケ路線への傾倒が見えるのも特徴。

…とにかくヴォーカルのインパクトが凄い作品。
(SHININGの)Kvarforthのがなり声に苦悶を込めるスタイルが行き過ぎたらどうなるのか、そのサンプルとしても興味深いヴォーカルだと思います(笑)。ある意味脱力しそうにはなるんですが、その中に時折垣間見える狂気にハッとなる作品。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-10-08 00:08:19)