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IN AETERNUM DELETI (Usher-to-the-ETHER)


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IN AETERNUM DELETI

2011年発表の2nd。

ブラックメタルにインダストリアルを取り入れた路線ですが、このバンドはインダストリアル要素を曲の根幹にがっつり食い込ませながらも、ブラックメタルとしての攻撃性や禍々しさもしっかり残してある、取り入れ方のバランスの非常に良い作品ですね。

暴虐なブラストの中に機械音を交ぜてより無慈悲な感覚を助長したり、ノイズとサンプリング、トレモロが自然に一体化するような音作りで世界観を演出したり、マシンビートを前に出しつつ毒のあるトレモロで荒廃感を醸しだしたり、ブラックとインダストリアルの組み合わせ方がアイデア豊富、かつその比率も自由自在な感じ。それがブラックとしてはかなり整った音質とも相俟って、ダイナミックな展開に聞こえます。

何気にブラックらしいトレモロリフの含有率も高く、それに込められた宗教的なムードや毒々しさもまた素晴らしい。インダストリアル要素が荒廃した世界を演出し、そこに酸の雨が降り注いでいるような、破滅的なイメージが思い浮かびます。ただ作風がアヴァンギャルド方向に傾いているせいか、時折展開に勿体付けた部分というか、効果音的な音で引っ張る部分があるのが個人的にはあまり好きではないかも。それを差し引いても高品質で、面白い作品だとは思いますが。

RAW方向にしろアヴァンギャルド方向にしろ、ブラックってやりすぎててそのジャンルを好んで聴く人以外には分かりづらかったりするバンドも結構いたりしますが、この作品はエクストリームメタルとしての根っこがしっかりしてて、その上で個性を出している所が凄いと思う。ANAAL NATHRAKHやRED HARVEST辺りが好きな方には特にお勧め。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-01-20 22:57:16)