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AFFLICTING THE DICHOTOMY OF TREPID CREATION

2011年発表の4曲入りEP。

PALE CHALICEはアメリカのブラックメタルバンドで、このEPが初の音源となるようですが…いきなりレベル高いですね、これ…。粗めのプロダクションや陰湿なトレモロ、陶酔感を感じる疾走など、プリブラとしての要件は備えつつ、この手の普通のバンドよりも一歩踏み込んだ作風を演っている感じ。DEATHSPELL OMEGAは「Si~」アルバムで暗黒美や宗教的な禍々しさに重きを置く作風になり、プリブラからは離れた感じですが、この作品はそうした禍々しさをある程度匂わせつつ、依然プリミティブな音を出している感じですね。

何と言っても素晴らしいのは、その陰湿で湿った空気感でしょう。要所で効果的に挟み込まれるトレモロなんか視界が腐り落ちていくような錯覚を覚える程ですし、オールドスクールなリフやリズムを取り入れていても、常に「陰」の気に満ちている感じ。気温でなく、聴き手の体温を直接下げに掛かる系の寒々しさ。また、生々しさを殺ぐほどに整ってはおらず、かと言って陶酔感を妨げるほどノイジーでないプロダクションも絶妙だし、獰猛な攻撃性と、粘着質なダウナーさを兼ね備えたヴォーカルも非常にエグイ声だし、各要素の質も総じて高いと思う。

アメリカのブラックって、サイコな攻撃性だったり病んだ陰鬱さだったりに向かうバンドが多い印象なんですが、このバンドは宗教的な邪悪さをストレートに感じさせる音を出してますね。EPと言っても30分近くありますし、プリブラ好きには推薦…なんですが、1枚目のEPからこうレベル高いと、後からあらぬ方向に変化していかないか、ちょっと心配だったり…(笑)。アルバムタイトルや曲名が微妙に不安(笑)

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-05-15 23:47:45)