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SOCIAL DISSERVICES (2011年)
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SOCIAL DISSERVICES
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解説 - SOCIAL DISSERVICES
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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2012-06-15 00:45:12)

2011年発表の3rd。

聴き手の視界を埋め尽くすような、轟音のギターリフを伴って疾走するパートをメインに据えた、シューゲイザー・ブラック的な音作りの成された作品ですが…ギターノイズの出力に強弱を付けてみせたり、ドラムが音に埋もれない立体的な音色、かつ切り返すようなフレーズの多いものであったり、聴き手をトリップさせるミニマルさや音圧は維持しつつ、色々な工夫がされている感じですね。

また、北欧ブラック風の寒々しいトレモロや、メロウなリードギター、敢えてリフの轟音から浮くような音色を用いたようなキーボード等、ある程度変化に富んだ展開も取り入れているのも良いですね。1曲目は割とミニマルさが強いものの、アルバムが進むほどドラマティックになる感じで、特に3、4曲目で一旦音圧を引かせ、冥府の川がせせらぐようなトレモロを聴かせるパートが、ダークかつメロウで個人的にはかなりツボでした。

ブラック特有の轟音ギターを用いて情景を描く作風はWOLVES IN THE THRONE ROOMやALCESTに通じますが、あちらのバンドのような清浄さ、美しさは薄く、もっと病的でドラッギーな印象で、その辺りブラック好きの感性に合うかもしれません。新世代のブラックが好きならば聴いておいて損はないと思います。




2. netal ★★★ (2014-12-06 21:12:38)

カスカディアンと扱われるアーティストの中ではそれなりに有名と思われる、USAの独りブラックの3rd。

音圧よりも、時にサイケデリックさを伴う雰囲気づくりを重視した音像は確かにカスカディアンのそれと言えるかもしれない。
しかし一方で、精神を圧迫し、蝕み、見る影もなく潰すかのような陰鬱さ、或いは瘴気が不規則に凝縮したかのような轟音ギターや暴走するドラム等があり、
それらがカスカディアンらしからぬネガティヴィティを強く醸し出してもいる。
短からぬサンプルが曲の前後にあるとはいえ、4曲50分という長尺性もそれに拍車を掛ける。

また、そうして精神が破壊され、抜け殻となってゆく人物を象徴するかのように美しくも儚いストリングス、後半になると現れる浮遊感のある儚いギターも印象的である。
序盤で精神を崩壊させ、最後には諦観の色を強めていくという、アルバム全体でストーリーになっているかのような展開もドラマティック。
④の歌詞「Not even the dignity of suicide is given to me」や、
ディスクに印字された「生きる事は苦しむ事、生存とは苦痛の内に意味を見出す事」というNietzscheの言葉、
それらが諦観と鬱な結末を示しているようにも思える。

USAブラック好きは勿論、ディプレッシヴブラック好きも気に入るかもと思われる作品。
少なくとも私の感性には「病的でドラッギーな印象」がかなりマッチしましたね。

気に入り度…94/100

おすすめ…Resident



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