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Attitudes

ヨーロッパの成功後、雨後の筍の如く世に出たキラキラキーボード込みの北欧ハードポップサウンド。このバンドもご多分に漏れずド超級の北欧ハードポップサウンドを展開しています。そこはかとなく流れる北欧の冷ややかな風と、甘く切ないメロディ。明るい面はあるが夜空にはオーロラが輝くTHE北欧ブランドを展開しています。
メジャー感とマイナー調のメロディが程よく溶け合い局地的な人気では終わらない大衆性も完備、狙いすましたバラード調のナンバーも素晴らしいが、それ以外のロック色の強い楽曲の素晴らしく、時折絡むリッチーブラックモア風味のギターソロやオルガンも効果的に機能、ミュージシャンとしての矜持も垣間見えます。
北欧的透明感溢れるサウンドに相反するようなざらついた歌声に好悪も分かれそうですが、個人的には十分に機能していると思います。

失恋船長 ★★★ (2021-10-03 13:27:43)


Mr. President / Return
ピアノ好きとしては、物悲し気なピアノのイントロだけで
グッと掴まれてしまいます。寒色のヴァースから
暖色のコーラスへと転じるメロディの移調も絶妙です。
ハスキーなVoの声質もあって初期ミカエル・アンダーソンを
彷彿とさせる哀愁のメロハーの名曲。

火薬バカ一代 ★★★ (2020-12-11 00:23:58)


Return

これまでリリースしたカタログを悉くヒット・チャート上位に送り込み、本国ノルウェーではトップ・バンドとして確固たる地位を築き上げたRETURN。5th『V』(’92年)を最後に活動を停止していた彼らの再始動となった'05年発表の6thアルバム。
前作『V』では、HR/HMで括ることに若干の躊躇を覚えなくもないアコースティカルなサウンドを聴かせた彼らですが、ブリットポップ風の疾走ナンバーまであったりする今作では(当時のシーンの趨勢もあってか)、だいぶHR色を回復させたサウンドを披露。かといって、安易にダーク&ヘヴィな流行におもねるような真似はせず、あくまでRETURNならではの悲哀に満ちたメロディの魅力はしっかりとキープされ続けています。
抒情味を増幅するハスキー・ボイスという、往時の個性がここでも健在なシンガーの歌唱が映える、重厚にして物憂げなOPナンバー①、雪の夜に灯された暖炉のような暖かみに満ちたバラード②、ポップにして爽やかな③という冒頭の3連打、あるいは憂いを帯びたGとハモンド・オルガンの共演が北欧メタル風味をぐっと盛り上げる⑪といった楽曲は、本作の質の高さを如実に示す逸品ですし、何より美しいピアノのイントロに導かれてスタートし、Gが奏でる泣きメロとコーラス・ワークに垣間見えるポップ・センスが巧みにブレンドされた⑥なんて、「これを聴くためにアルバムを買おう!」と思わずキャンペーンを張りたくなる、初期ミカエル・アンダーソンにも通じる感傷的な泣きに溢れた名曲ですよ。
ブランクを感じさせない良作だっただけに、これ以降、再び音沙汰がなくなってしまったのが勿体ないなぁと。

火薬バカ一代 ★★★ (2020-12-09 23:24:18)


Straight Down the Line

日本デビューは1993年と遅かったが、その時は既に実態のないバンドだったのは有名な話だ。北米マーケットの移り変わりがビックインジャパンを生み出したのは有名な話だが、1989年といえば空前のガンズブームが到来、猫も杓子もバットボーイズR&Rだったね。
そんな時代にメロディ派の淋しさを埋めたのが北欧勢だった。輸入盤ながらセールスも好調。本国ノルウェーでは国民的な人気の掴むほど、成功していたバンドだけにクオリティは高い。
たらればは良くないが、BURRN!がこの手のグループを適切に支持していたら、日本独自のマーケットが出来上がっていたろう。耳触りのよい叙情メロディがたっぷり配した北欧ハードポップの名盤である。

日本ではいち早く世界で成功を収めたヨーロッパばかりを褒めちぎるが、このバンドもレベルは高い。少なくとも売れる為だけにリリースされたOUT OF THIS WORLDの何百倍も価値のあるアルバム。北欧と言えばヨーロッパなんてミーハーすぎる。本当に、あの音を求めているなら必然的に、このバンドに辿りつくよ。

正直者 ★★★ (2019-01-18 18:13:27)


Straight Down the Line

80年代初頭にノルウェーはオスロにて結成され、アルバムを次々にチャート上位へと送り込んで、母国においてトップ・バンドとしての確固たる地位を築き上げた5人組が、'89年に発表した3rdアルバム。(勿論本作も№1ヒットを記録)
国内盤も出た5th『Ⅴ』の解説で「彼らの3rdはもっと凄い」的なことが書かれていたことに興味を持ち購入したのですが、これが確かに素晴しい内容でした。
本編は心地良く弾むポップな楽曲と、感傷的な泣きを発散する哀メロ・チューンの2本立てで構成されており、それらを歌い上げるのは、どちらかと言えばロックンロール系がハマりそうなシャガレ声のVo。聴き始めこそ違和感を覚えますが、表現力豊かな上に、このシンガーの独特の歌声が楽曲の持つ叙情性を効果的に増幅していて、終わってみれば「この声でなきゃダメだろ!」と思うまでになっていましたよ。
本国において№1ヒットを飛ばしたという②を手始めに、初期ミカエル・アンダーソンを彷彿とさせる⑤(こっちが先ですが)、おセンチ且つ劇的な⑨、かすれ声のVoの熱唱が胸を打つバラード⑩といった強い哀愁に包まれた楽曲の数々はアルバムの白眉。
同郷の後輩バンド、DA VINCIのメンバーもバック・ボーカルとして参加しとりますので、哀メロ派は是非。

火薬バカ一代 ★★★ (2013-04-24 22:15:33)


Attitudes


1988年発表の2作目で全10曲。
もっとも6. "SING ME A SONG" は1st収録曲のリメイクで、個人的にはオリジナルよりもこちらのテイクの方がスキ。
なんといってもこのアルバムのハイライトは、3."BYE BYE JOHNNY",4."SANDY", 5.THE LONER" と続く泣きのバラード3連発でしょう。カスレ気味のVo.がけっこうお気に入り。
それから9."THE DAY AFTER" か。
上記の曲はホントに素晴らしい。が、哀しいかな上記の曲以外はアメリカンなノリでほとんどパーティー・ロックなのである。このギャップは哀しすぎる...
このバンドの名曲はほとんどバラードですからね...かっちょいいアップテンポな曲がちょっと見当たらない(もっともワタシは3rdと4thを聴いてないから、断言してはいけないか)。
しかし「北欧」「泣き」「バラード」を愛してやまない方にはオススメの一枚です。

IMOGAN ★★ (2002-08-17 23:04:00)