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TO ANABAINON EK TES ABYSSU (2011年)
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TO ANABAINON EK TES ABYSSU
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解説 - TO ANABAINON EK TES ABYSSU
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-08-18 17:56:46)

2011年発表の1st。
路線的にはいわゆるアンビエントブラックなんですが、これはDARKSPACEやVINTERRIKETなど、このサブジャンルの有名どころに匹敵する逸材かもしれません…。

NIGHTBRINGERのメンバー3人によるブラックとの事ですが、高音で弾かれる禍々しく不穏で不吉なトレモロをNIGHTBRINGERから引き継ぎつつ、アンビエント要素とプリミティブ要素をもっと濃くし、邪悪さに特化したような作風…と言った感じでしょうか。バンドサウンドで聴かせるパートでもアンビエント要素を絡めてくるのが特徴で、負の想念や腐った膿漿の渦巻くノイジーな闇の中から、トレモロリフによる邪悪極まりない旋律が聴こえてくるような音作りが成されていますね。

メタルのカタルシス等は無視してひたすらにジクジクと腐敗した毒素を垂れ流すかのような音で、NIGHTBRINGERよりも取っ付きやすさでは劣るものの、邪悪さでは更に上を行く音だと思う。この、世界が疫病に徐々に覆われ、緩やかに破滅していく様を実況中継しているような、終末観の漂う雰囲気はただごとではありません。1曲目後半など、メロディを敢えて消すことで、不吉トレモロとは少し違うアプローチをするパートも見受けられますが…そんなパートではDARKSPACEを思わせる暗黒空間も感じさせ、やはり邪悪さや病的さ、不吉さの演出へのセンスの高さを見せ付けてくれます。

アンビエント要素の強い音作りは多少マニアックかもしれませんが、これは非常にお勧めの逸品。不吉なトレモロの運ぶ凶つ風に吹かれながら、世界の終焉に思いを馳せる…そんなムードを味わいたい方は是非。素晴らしいです。



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