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Principivm et finis (Usher-to-the-ETHER)


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Principivm et finis

2009年発表の、ブックレットの香りが素晴らしい1st。
ULVERの「Blood Inside」もこんな匂いでしたね。

英古語やラテン語のフレーズをまぶして宗教色を演出するブックレットや、イントロから邪悪に響く聖歌SEなど、どこか3rd以降のDEATHSPELL OMEGAから世界観的な影響を受けているような感じを受けますが…こちらの方がもっとプリミティブ寄りで、ストレートな音ですね。ドゥーミーに引き摺るギターや聖歌、オルガンやキーボード等を組み合わせたSE的パートを挿入し、宗教じみた厳かなムードを醸し出しつつ進行するアルバム構成が特色。

この引き摺るようなギターはブラックメタル部分にも使われており、まるで邪悪な気を集める磁場がどす黒い音塊の中にあるかのような、圧迫感すら与える音像を演出してますね。加えて宗教的な厳かさが逆説的にブラック特有の邪悪さに繋がるような、神秘的かつ畏怖を感じさせるメロディの使い方も相俟って、根深いカルトさが感じられる仕上がりに。一部では初期DISSECTIONを思わせるようなアコースティックギターのフレーズも聴け、バンドのセンスの高さを知らしめてくれます。

ただ、確かに素晴らしいアルバムなんですが、ブラックメタルパートが本当に良いだけに、SE的なパートがちょっと長過ぎる気はするんですよね…イントロは音飛びっぽいノイズまで入ってるし。正直ちょっと勿体付け過ぎな構成という気も。とは言っても、余裕で★3つ付けますけど。宗教じみたカルト性をブラックに求めている方なら聴いておいて損はないバンドかと。ちなみに発売元はABSOLUTE OF MALIGNTYやARKHA SVAのリリースで知られるSatanic Propagandaで、その繋がりで知った方にもお勧め。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-09-14 00:28:09)