これまた蠍団節全開の泣かせる曲だ。このアルバムの白眉と言っていいだろう。 エンディングにリフを持ってくる彼らの曲と言ったら、「Fly to the Rainbow」とか、「In Trance」とか、「Evening Wind」とか、「Yellow Raven」とか、「In Your Park」とか、この曲とかいろいろあるが、どの曲も号泣必至の大名曲になっていて、彼らの必殺のパターンになっている。 「日独英の語り」には、賛否両論はあるとは思うが、通常のHMバンドではありえないセンスだし、ヨーロッパ的な異国情緒を感じさせながらも何となく昭和歌謡に通じるようなテイストも感じられ、しかも取ってつけたような違和感は何ら無く、「いかにも蠍団」と思わせる音楽性を感じさせる。 蠍団は、非常にテクニカルなバンドでありながら、音楽的には何よりも歌メロを重視していたと思われるのだが、そんな彼らを象徴する曲のような気がする。
「TAKEN BY FORCE」では、以前と比べると、ウリのストラトキャスターの音が、より太く、力強くなっているような気がするが、この曲で特にそれを感じる。 シンプルな音作りだが、ドラマチックかつメロディアスで、素直に「いい曲」と思える。 「カロンの渡し守」や「愛にために生きて」に勝るとも劣らない名曲だと思う。
このライブでの”Still In Love With You”の素晴らしさときたらどうだ。 スタジオ盤では「やる気あるのか?」って感じの曲なんだが、このライブでは全く別物の超名曲になっていて全俺が涙にむせぶ。この曲は、このヴァージョンに限る。 特に、ブライアン・ロバートソンが弾いている最初のソロは、圧巻の一言に尽きる。美旋律に驚嘆するのはもちろんだが、レスポールの音色もまた素ん晴らしい。 後半のソロでは、スコット・ゴーハムも頑張ってはいるのだが、割り込んできたブライアン・ロバートソンに、いいところを持って行かれちゃった・・・って感じだ。