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Suicidal Thoughts Pt.Ⅰ (Usher-to-the-ETHER)


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Suicidal Thoughts Pt.Ⅰ

2008年発表の1st。
鬱ブラックの総本山Self Mutilation Serviceからのリリース。

メキシコの鬱ブラックという時点でなにやら期待してしまいますが…メタルに関して過激なものを好むお国柄が反映されているのか、分かり易過ぎるくらい分かり易く鬱ブラックしてる音ですね。スローテンポを基調にメロウなリフでひたすら責め苛むような作風は、ほぼ鬱ブラックのテンプレ通りとも言える音で、ジャンル自体が好きであればすぐにでも没入でき、そうでない人には無用の長物という、ある意味はっきりした音。

何気に鬱ブラックとしてはかなり優秀で、リフは陰鬱なだけでなく、どこかエモーショナルさも感じさせるもので、それが逆に生々しい絶望感を感じさせてくれたり、展開もミニマルさや酩酊感・没入感を壊さない程度に付けられていたり、マニアックになり過ぎない作りが良いと思う。正直これ以上メロウさや展開を排されると退屈に聴こえかねないんですが、このバンドはそこまで自己満足的にしないのが良いですね。

ただ、SILENCERの弱々しい部分を抜き出した感じというか、志村けんが拷問されているようなヴォーカルは、悲痛通り越してちょっと滑稽に聴こえてしまうんですよね…ぶっちゃけヴォーカルがBURZUMクラスに魅力的だったら、個人的にはもっと入り込めた作品だと思うんですけど。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2012-10-15 22:15:32)