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THE LORD OF OBSESSION

派手過ぎる表現で、節操がない。
底が浅く、芸術と程遠い娯楽的な作品となっている。

80%

ブリザード ★★ (2014-10-16 19:28:50)


THE LORD OF OBSESSION

2012年発表の1st。

国産のシンフォニック・ブラックで凄いバンドが出てきた…と、噂はかねがね聴いてましたけど…これは想像以上に凄いですね…。ゴシック的な耽美さやドラマティックでクラシカルなメロディを好む方ならマストバイな逸品で、同じ日本人である事を誇りたくなるような素晴らしい仕上がりの作品です。

路線は、オルガンやストリングス、ピアノ等の音色を用いた劇的なキーボード・アレンジが持ち味のシンフォブラックですが…このメロディが本当に素晴らしい。CRADLE OF FILTHの「Midian」や「Dusk and her Embrace」アルバムを思い起こすような、クラシカルで陶酔的な美を感じさせるメロディですが…ASRIELや六弦アリスなど、同人シンフォ系のグループを思わず想起してしまったくらい、そのメロディの使い方が派手で分かりやすいのが特徴。このキャッチーなまでの派手さは日本人ならではと言えるでしょう。

普通、ここまでキーボードアレンジを派手にしてしまうと、ギターは一歩引いたアレンジにしてしまいがちですが…このバンドは全くそんな事には頓着しません。むしろキーボード入れなくても十分メロディアスなんじゃないか…というくらい、フックに満ちたメロディに溢れてます。トレモロ含有率高めながら、それのみに頼ることのない起伏ある、ドラマ性たっぷりのアレンジが本当に素晴らしい。ヴォーカルも一本調子ではなく、もがくように叫んだり、語尾を呻き気味にしてみたり、アレンジの劇的さに見合った感情の込め方で、かなりかっこいいです。

人それぞれ好みがあるので、安直にCRADLE OF FILTHみたいなジャンルでも最も有名なバンドを持ち出してきて、それを超えた…なんて事は言えませんが、派手さや分かりやすさ、取っ付きやすさに於いては個人的にはCOF以上だと思う。美しいメロディが派手に炸裂する様を聴くと、つい恍惚となってしまうようなメロディ重視派メタラーならば必聴盤です。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-10-28 22:21:25)