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FIN DE SIECLE
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解説 - FIN DE SIECLE
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-01-29 12:26:26)

2012年発表の1st。

ドイツ産のハイクオリティなアヴァンギャルド・ブラックという売り文句、同郷のSECRETS OF THE MOON辺りのバンドを思わせるお洒落なジャケットに惹かれ購入。レーベルも信頼と実績のDebemur Morti Productionsですし、これでハズレな訳はない…とは思っていましたが、これは想像以上に良いアルバムですよ。

路線としては、幻惑的で幽玄なアルペジオや、妖しげなノーマルヴォイスなども駆使し、意味深な雰囲気を演出しつつ進行するブラックメタル。ミディアムテンポを中心としたリズム構成も、どっしりと構えたような深みのあるムードを演出していますね。知性的ではあっても、その知性の裏に虚無的で皮肉な、黒い嘲笑いが仄見えるような、どこか気難しさのある音。

トレモロリフで奏でられるメロディには、SECRETS OF THE MOONにも通じる、病的で邪悪な響きがあるのがまた素晴らしいんですよね。前衛的でありながら、変にスノッブな方向には行かず、しっかりブラックの暗黒さや妖しさを追及してくれている感じ。悲痛な感情を込めた絶叫も、声が太いためナヨナヨした感じになっておらず好印象。様々な要素を取り入れつつグダグダにならず、常に緊張感のある楽曲構成も見事で、1枚目にして総じてハイレベルな仕上がり。

個人的な印象としては、近年のSOTMのような漆黒で深遠なブラックメタルに、AKERCOCKEの妖しい雰囲気をプラスしたような印象があるんですよね。ちょっと変わった、しかしブラックとしての妖しいムードの演出はしっかりしているバンドが好みであれば、確実に気に入るのではないでしょうか。



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