MANESのメンバーによる新バンドの初のアルバムという事ですが、こう来たか…って感じですね…。後期のエレクトロニカの路線とは似ても似つかない、スローなテンポと不吉なメロディで聴き手の精神をじわじわと追い詰めるような、葬式ドゥームにもかなり近いタイプのディプレッシブ・ブラック。NORTTやLURKER OF CHALICE辺りと共通する、絶望的なムードを持った作風。初期の作風からシンフォ要素を無くし、絶望方向に純化した音、とも言えるのかも。
という訳で作風はエレクトロニカに接近した後期MANES作品とは全くかけ離れた音になりましたが、すぐそこまで破滅が迫っているような、それでいて自分ではどうにも出来ないような絶望感は「How the World Came to an End」アルバムと共通するものがあるのかも。ノルウェー産ブラック信奉者でなくとも、XASTHURの活動停止に涙を呑んだような絶望音楽ファンならばツボに嵌まる音でしょう。