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Ode to Obscurantism (Usher-to-the-ETHER)


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Ode to Obscurantism

2010年発表の2nd。

前作では、エクストリームメタルとしてしっかりした演奏と、鬱系ブラックにも通じる病的なリフを組み合わせ、独自の世界観を繰り広げていましたが…今作もその路線を踏襲しているようですね。ただし、よりミニマル感・閉塞感が強くなり、更に病巣の奥へ進んだ感じがあります。一応分かりやすいメロのリフもあったりしますが…病気要素が濃くなった結果、分かりやすく聞こえる…みたいな感じだし。

メロの病気っぽさから、フレンチブラックっぽさも感じられますが…フレンチ系のバンドは病気な中に「美学」的なものが感じられるのに対し、このバンドの描く世界観はどこまでいっても薄暗くて病気で…という感じ。血腥いというよりも、酸化してドス黒くなった血の饐えた匂いが充満しているような、薄気味悪いムードが漂ってます。

何気に、そのムードに合ったヴォーカルのパフォーマンスも素晴らしい。「Chimera」期のManiac(元MAYHEM)のダウナーさと、Legion(元MARDUK)のエグさを掛け合わせたような、病気じみたがなり声で、時々喘鳴のような音が声に混じってくるのが凄く怖い。このヴォーカルによって、瘴気の濃さが底上げされているのは確実でしょう。

鬱系が好きで、普通のエクストリームメタルも行ける方なら必聴。特にKATHAARIAなどEnd All Life系列、DSOなどNED系列好きな方にお勧め。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-11-11 21:54:09)


Landscapes of Disease and Decadence

2008年発表の1st。

THE LEGIONなど多くのバンドに在籍した人物による、エクストリームメタルとして普通にかっこいいドラミングに、真っ黒い軌跡を引き摺るような平坦リフや、ドロドロした溶解感に満ちたトレモロなど、メタルとしてのアンサンブルを補完する事よりも疫病的な情景を重視したようなギターフレーズが乗る、少しアヴァンギャルドな匂いのするブラックメタル。このバンドはOsmose所属ですが、NED系のバンド辺りのファンが好みそうな作風ですね。

ヴォーカルも中音域のがなりですが、グロテスクさを強く感じさせる声質で音楽性にぴったりな声だと思います。メタルとして質の高いリズムに異形な感性のリフという作風はユニークですが、面白い所と微妙な所が両方ある感じですね。どす黒い液体が煮え滾るようなトレモロや、魔王の鼓動を思わせる刻み、気持ち悪すぎるヴォーカルのアカペラ(デス声)など、タイトル通りの「疫病と頽廃の情景」を感じられるパートはかなり良いんですが、わざとブラストの勢いを殺すようなリフ捌きを載せるパートなどは、描きたい物は分かるけど少しダレる感も。と言っても、興味深く聴けるパートの方が断然多いし、良いアルバムだと思いますが。

そんな事よりも一番のマイナスは、11曲入りなのに曲名が9個しか載ってない事。途中に挿入されるアコギインストがタイトル無しなのかと思ったら、サイトによっては最初と最後がイントロとアウトロに当たると書いてある所もあるし、でも1曲目どう聴いてもイントロって雰囲気じゃないし…。手間かかったのに結局分からなかった…これだけで20点はマイナスですね(笑)。いや、点数とか別に付けてないですけど、気分的に(笑)。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-11-15 00:03:00)