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Renaissance Unraveling

ウクライナ産ポストロック2011年作
前作Monochrome Philosophy(2008年作)はローテクで粗削りながらも凄まじいインパクトを受けた異端作品だった。
確か、当時は2008年のベストアルバムにチョイスした筈だ。ウクライナのダークサウンドの神髄に驚愕したものだ。
3年越しの新譜に当時は狂喜したものだが、中身は全く予想外の音楽性で、ドゥーム路線を脱却し、かなーりヘコんだ作品。
とりあえず処女作のフューネラルドゥームの魅力は全く無い。アヴァンロックに鞍替えし全く別路線の持ち味を追求している。
まあ、前作リリース後に見たライブ映像を見ても、ライブではフューネラルドゥーム的魅力が薄めで、こういう前衛的な路線への
志向性は感じられないでもなかった。今作がダメなのかといえばそうではなく、前作のローテクが嘘のようで、力の入った作品だ。
しかし、前作とは真逆の路線変更に置いてけぼり感が半端ナイ。どうしてこうなってしまったんだろうねぇ。
前作の淡々とした雰囲気は無くなり、アツく吠えるヴォーカルとドラムの存在感が増大したエネルギッシュな作風だ。
ワウを多用しながら結構弾きまくるギターは、鈍重なドゥームとは真逆のリフを刻み、前衛的なアプローチを見せる。
サウンド自体はかなりレベルが高い。この盤からファンになった人はたぶん好盤として受け止めることができるだろう。
前作に感銘を受けたボクとしては、高い音楽性は認めつつも、このアツいエネルギーが煩わしくて仕方がない。

kamiko! (2020-07-25 00:10:31)


Monochromes Philosophy

ウクライナ産フュネラルドゥーム2008年作、爆発的に増殖中のロシア・ウクライナ産のダークサイドサウンドの中でもかなり異端作品。
最低で残念な人生を歩んでいるかのような、冷たく寂しい不幸サウンドがもう病みまくりでイタイ!
演奏のウマい下手はこういうサウンドでは関係なく、雰囲気と音作りが抜群にイイ。
卓越したトリッキーさは微塵も感じないが、その音の出し方がワザありである。
単純に悲しい旋律を単音でギターを鳴らしているだけなのに、何故か強力な負のオーラがある。
テンポの微妙な変化、意表をつくブレイク、ワザとチューニングを狂わせたかのような音、波ともノイズとも言えない音の挿入などなど、超スロー葬式ドゥームのツボをつきまくりである。
無骨で洗練された感じはナイが、コレはダイヤの原石のような作品で、語り尽くせないほどの魅力がフンダンに詰まっている。
壮絶に寒い人生残念ドゥームを体験したい人は、手に入らなくなる前に必ずやゲットして聴かなければならない作品だ。

Kamiko ★★ (2008-12-26 00:29:00)