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Requiem (Live at Roadburn 2019)
スイス産ダークアンビエント2020年作
ロードバーンフェスティバルのライブを収録した作品で、Celtic Frost時代のRequiem2曲と新曲1曲を、リアルオーケストラを携えて演奏している。
少なくともTom Warriorの癖のある歌唱とズブズブ感を伴うエクストリームメタル要素は殆ど無く、ヘヴンリーヴォイスの女声ヴォーカルによる
ゴシック路線、ダークアンビエント路線という新境地に挑戦した作品だ。メタルサウンドを期待していると肩透かしを食らうだろう。
邪悪で醜悪な個性は秀でているかなと感じないでもないが、メタル色がここまで薄まり、クラシカル要素が前面にでてしまうと、比較対象は
宗教音楽・教会音楽ルーツのダークウェイブ路線になってしまうが、そちらを専門とするアーティストの足元にも及ばないと言わざるを得ない。
やりたい音楽がそうだったんだから仕方ないだろうが、本来持っている唯一無二のヴォイスパフォーマンスとエクストリームサウンドに代わる魅力があるかというと
残念ながら新たな魅力よりも、喪失感の方が大きい。新曲はなかなかの大作で、聴き応えがない訳ではないが、耽美が前面に出て魔性は感じられない。
ボクが魅力を感じるところは、CELTIC FROSTのINTO THE PANDEMONIUM (1987年)のRex Irae (Requiem)を再現しているところだ。当時この盤は賛否両論の問題作
だったと思うが、従来のエクストリームメタル度が低下しゴシックダークウェイヴテイストをデジロック風に織り込んだ作品は、ボクは結構ツボにハマった。
そのサウンドをリアルオーケストラで再現した作品(1曲目)に、懐古の情とクオリティの高さを感じる。それ故に、後続の新曲はイマイチ嵌りきれない。
ラストはMONOTHEIST (2006年)のTriptych: III. Winter (Requiem, Chapter Three: Finale)をリアルオケで再現しているが、そもそもこの曲を再現することに
あまり意義を感じない。この盤はファンディスクとしてゲットしなくてはいけない盤だったが、たぶんあまり聴かなくなるだろうな、と思っている。
kamiko!
★★
(2021-02-11 23:22:38)
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Melana Chasmata
スイス産ブラッキンエクストリームメタル2014年
ジャンルは勝手にボクが作ったが、トムウォーリアー(今はフィッシャー?)のサウンドはなんとも形容しがたい固有のモノがある。
Celtic Frost時代のMonotheist(2006年作)の音楽性を突き詰めたような音楽性は、迫力があり硬派で真っ黒な世界だ。
トムは結構お茶目な性格で、普段は暗い人物ではないと思うし、一時期Apollyon Sunのような全く黒くないデジロック的バンドを組んだこともあるが
結局はこういう真っ黒な世界を描く方が断然カッコいい。
ただ、ボクとしてはどうしてもCeltic Frost時代の初期作&Vanity/Nemesisの頃の強い癖のあるダミ声が断然好きで、Triptykonの音楽性とクオリティを認めつつも
ヴォーカルがクール過ぎて個性を失ってしまっている、と思ってしまう。そこだけ。
このまま真っ黒ズブズブ路線を突き進んでほしい。
kamiko!
★★★
(2020-05-05 00:27:55)
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Eparistera Daimones
Celtic Frostの過去作はいくつか聴いていて、
邪悪度は高いけど最近はもっと邪悪で過激なバンドが多いよな…
なんて思ったことも正直多々あります。
そんな自分はCF最終作のMonotheistを聴いて邪悪さに圧倒され、トムに土下座しそうになりました。
それからつい最近思い出したようにこのバンドの事を知り、アルバムを購入しましたが…
なんでさらにCFより凶悪になってるんですか(笑)
Monotheistの時点ですでに邪悪さやダークさを極めたようなサウンドでしたが、
このアルバムでどの要素も更にパワーアップしています。
トムの声は吐き捨て声なのにやたら病んでるし、どのサウンドも力強く凶悪。
それだけでも凄いのに、邪悪さと一緒にカッコよさまでパワーアップしてるのがまた凄い。
正直かなり聴き手を選ぶサウンドだとは思いますが、
個人的にここまで邪悪な作品はなかなか無いと思います。
音楽性は違いますが、オーストラリアのPORTALに次ぐと思います。
邪悪さでは向こうに軍配があがるかもしれませんが、こちらの方がカッコよさや完成度では勝りますかね。
ブラックメタル、デスメタルだけに限らず、ダークなメタルが好きな方は是非チェックしてほしい作品。
GOD
★★★
(2014-02-22 18:14:56)
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Eparistera Daimones
再結成CELTIC FROSTにて「monotheist」という快作を輩出したものの
結局バンドから離れていってしまったトム・G・ウォリアーが次に作り上げた作品は
「monotheist」よりもさらに邪悪で真っ黒な作品でしたな。
やってる事はそれほど変わってるようには感じないんだけど
なぜかかつてないほどのネガティブなプレッシャーが放たれています。
実際自分はダークな音楽が大好きだと思っていましたが、
少し気が滅入っていた時にこのアルバムを最後まで聴けませんでした、いろんな意味で重い。
「monotheist」が好きな方は絶対聴くべき、
邪悪なもの、ダークなサウンドが好きな方も是非チャレンジしていただきたい。
カズチン
★★
(2010-05-16 19:47:00)
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Eparistera Daimones
国内盤の帯にある通り、Hellhammer/Celtic Frostはデスやブラックの祖の一つですが、決して純正ブラックに部類される音楽ではありません。Triptykonもまた然り。
それなのにブラックばりの暗黒度と邪悪度。そして重苦しさはブラック以上。Celtic Frostに対してはよく「無愛想」という表現を用いていましたが、ここではもうそんな次元を通り越してます。全てを呪っているかのようです。
トムのボーカルも、昔のはよく「吐き捨てダミ声」と形容されてましたが、それはおそらく「唾でも吐き捨てるかのようなダミ声」の意。今や彼が吐きだしてるのは、闇と疫病と呪いです。
言うなれば、人間の心に巣食う陰湿さとか鬱屈とか怨念とか、ネガティヴで重い感情を抽出して何年もかけて熟成(腐敗?)させて、満を持して解き放った音……ってところでしょうか。面倒臭い例えですが。
Celtic Frostもリスナーを選ぶ音楽でしたが、Triptykonはもっとリスナーを選んでます。
トムは年取っても丸くならんだろうとは思ってましたが、まさかはっきり言って若い頃より性格の悪い音になっているとは……。
でもこの魔性にハマる人はとことんハマるんでしょうね。
Spleen
★★
(2010-05-06 21:20:00)
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Eparistera Daimones
2010年発表の1st。
…基本的には、スラッシュベースでありながら、スラッジ並の異常なヘヴィネスや、ブラックの邪悪さまでも呑み込んで別の何かになってしまった、「Monotheist」の路線を引き継いでますね。非デス声ながら、ブラック然とした凶悪さ、威厳を増し、世の中の苦痛を全て背負って言葉を吐き出すようなヴォーカルを始め、邪悪さは更に上がっている印象。
特に最近のブラックの新しいバンドに顕著なんですが、邪悪さを追及するのに、例えば音質を故意に落とすであるとか、アンビエントやノイズと融合するであるとか、様々なバンドが様々な手法を用いていますが…このバンドは、スラッジ的な重さや、クラシック的なピアノの導入など、他ジャンルとの混交も一部にあれど、基本的には「リフ」が邪悪さの全てを担っているのに凄みを感じるんですよね…。「Monotheist」の時も褒めましたが、こんな周りの空気すらガン化させるような、黒い狂熱を孕んだリフを聴かせてくれるバンドは、メタルの歴史全てを紐解いたとしても、ほとんどいないと言っていいのではないでしょうか。
…「時代を築いた」と言えるほどに後続に影響を与えたバンドが、全盛期の勢いを失って只の懐古趣味や、全盛期の作風の縮小再生産、新しい事に手を出そうとして空滑りする…等して、駄作を作ってしまうことは珍しくないですが…このTRIPTYKONはそういう位置からは最も遠い所にいると言えるのではないでしょうか。これだけメジャーなバンドでありながら、どんなにアングラな、カルトなバンドと比べても邪悪さで劣ることは先ずありません。
メタルでも最高級の邪悪さ・異形性を、新人バンド顔負けのフレッシュさで届けてくれる名盤。ただ、3ヶ月限定のスペシャル・エディションというのは何か引っかかるなぁ…。期間過ぎた後に、デラックス・エディション発売とか狡い真似だけは止めて欲しいです(笑)。
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2010-04-25 10:38:00)
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Eparistera Daimones
CELTIC FROSTを脱退したTom G.Warriorをリーダーとするバンドの1st。
全体的には重くて遅くて陰湿と、CFの『MONOTHEIST』を明確に継承するサウンドになっている。
しかし「1曲目から10分越え余裕でした」なアルバム構成もそうだが、その仕上がりは以前よりもさらに無愛想。というか人間味がどんどん薄くなってないか?
シンプルながら音選びがいちいち危険なリフとか、尋常でない狂性を発するTomのヴォーカルとか、はっきり言って『MONOTHEIST』のほうがまだサービスがいい。
CF解散にあたっては色々とこじれたらしいが、その怨み辛みも乗算されたのだろうか?渦巻くネガティヴ・エナジーが本当に異常。
まあとにかく、ダークな音楽を好む人ならば必聴。TomはMartin Ainがいなくても大丈夫です。
19分に亘って呪詛を振りまくラストナンバーは白眉。ここまでやんなきゃ気が済まなかったのか。
hige-daruma
★★
(2010-04-21 10:01:00)
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