WARRIORの1stデモに収められていた3曲の名曲のうちの一つ。 “FIGHTING FOR THE EARTH”と“DAY OF THE EVIL”は デビュー・アルバムで聴けましたが、この曲だけはスルーされていたので ここに収録されているのはありがたい。(但し日本盤のみの収録) 良く伸びるハイトーンVoや、ツインGによる劇的な盛り上げっぷりが 『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTを彷彿とさせる逸品です。
LAメタル・シーンが活況を呈する’85年に1st『未来戦士』でデビューを飾り、どこかヨーロッパの薫りのする正統派HMサウンドと、日系人ギタリストのトミー・アサカワを擁する編成、それにドラマティックな名曲“FIGHTING FOR THE EARTH”のインパクトを以てHR/HMファンの間で話題を呼んだWARRIORが復活。IRON MAIDEN脱退後、迷走していたブルース・ディッキンソンを再起へと導き、当時「メタル再生請負人」としての評判を高めていたロイ・Z(G)のバックアップを受けて、'98年にこの再結成第1弾アルバム(通算2作目)を発表しました。 個人的に本作の目玉は、嘗て幻に終わった2ndアルバム用に書かれた楽曲④⑤⑨、そしてWARRIORの名を一躍シーンに知らしめる切っ掛けとなった伝説の3曲入りデモテープに収録されていた⑪の4曲。抒情的なバラード④や、いかにも80年代という軽快な疾走ナンバー⑨等、それらはどれも素晴らしい出来栄えを誇っていますが、特にドラマティックに盛り上がっていく曲展開と、パラモア・マッカーティ(Vo)の艶やかなハイトーンが『運命の翼』の頃のJUDAS PRIESTを彷彿とさせる⑪の名曲ぶりは抜きん出ています。これが聴けただけで本作を買った価値はあった!と。 上記楽曲に比べると、90年代の流行の要素が多少なりとも取り入れられている新曲はやや地味な印象で分が悪い。それでも、力強いハイトーンVoとロイ・Zの色気迸るGプレイがフックを作り出す収録曲の数々は、②を筆頭に聴き応え十分に仕上げる手腕は流石。 発表されたことすら忘れられてしまっている感すらありますが、個人的には結構お気に入りの1枚です。