ラルフがヴォーカルの時代は1枚(「Heading For Tomorrow」)しか持ってないが、残りのオリジナル・アルバムを聴いた限りではコレが一番好印象だったなぁ。 やっぱり楽曲が全体的に一番良い出来。一番好きな曲の第一候補は「Man On A Mission」だけど、アルバム全体では本作。非常にドラマティックで壮大な雰囲気を持った曲が多いのが良いね。キーボードを弾くことができる新ギタリスト、ヘニユ・リヒターの加入もあってかキーボードなどによる装飾が豪華になった感じも。単純に疾走曲が多いのも良い。しかし、一本調子にはならずバラードを挟み込んだりミドル・テンポを挟み込んだり、疾走曲自体にも"動き"があって疾走しっぱなしじゃないから単調には聴こえない。 ヘニユ・リヒター、次作「POWERPLAMT」収録の「WINGS OF DESTINY」を聴いたときから良いソングライターだと思ってたけど、どうやら「POWERPLANT」では本領発揮出来ていなかったようで(笑)、本作ではカイ・ハンセンを飛び越えて素晴らしい楽曲を提供している。特に「The Winged Horse」は素晴らしい!マシンガンズの「食べたい 舐めたい 危険地帯」みたいなリフはいらないけど(苦笑/でも、クセになるっちゃクセになるとも言える)、ドラマティックな展開にクッサクサのメロディが堪らない!! 勿論、アルバム1曲目の「Beyond The Black Hole」や超ドラマティック・メロディック・スピード・メタルであるタイトル曲なんかも素晴らしい名曲だ! 「The Landing」が出てきたときは「うわぁ、スローでメロディも大して良くねぇし…」と印象悪かったけど、長さは1分ちょっと。これを曲単位で聴くことはないだろうけど"アルバムの中の1曲"としてはかなり良い役割を果たしてると思う。 「Cosmic Chaos」は単なるドラム・ソロで「そんなことはライヴだけでいいのよ!」と言いたくなるけど、ダンのファンにはありがたい、…のかなぁ?俺はいらなかったけど。それと「Lost In The Future」の中間の楽しげなパート、あれも絶対コンセプトに合ってないと思うからいらない。…けど、曲として悪いわけじゃないからそんなに大きな不満でもない。でも、「あなた方にとってコンセプトってなに?」と聞きたくはなってしまう。 不満といえば、今までは「声が苦手」なだけだったカイの歌が、本作ではビミョ~に音程がズレてるんじゃないか?と思える箇所があってどうも歯痒い。しかし、タイトル曲ではあまり声質自体も気にならず、むしろ格好良いと思える部分も!!これは初めての体験だ!まぁ、他の部分では「いつものカイ」なんだけどね。(苦笑) うん、これは良いアルバムでしょう!持ってるGAMMA RAYのアルバムでは一番好きですね、これ。カイ作曲のものも凄いけど、ヘニユのものも凄い!!参りました!名作です!
ダーク・シュレヒターをベースに戻し、新ギタリストにヘニユ・リヒターを、新ドラマーにはダン・ツィマーマンを据えて発表した通算5作目。 前作「LAND OF THE FREE」からシンガーも務めるカイ・ハンセン(Vo&G)の歌唱は相変わらず癖がある。 内容自体は、基本的には前作と比べて2バス連打の疾走曲が多く、メロもダイナミック&キャッチーな秀作で、新加入のヘニユも#5“The Guardians Of Mankind"や#9“The Winged Horse"という、ハイライトとも言えるチューンを提供し、作品に大きな華を添えている。 界隈屈指の推進力を持つダンのドラミングがモノヲ言ってか、前述の楽曲以外にも、#1“Beyond The Black Hole"や、#4“Somewhere Out In Space"などの疾走曲の出来が押し並べて良いのが好印象。