BOWWOWのころはそれほど好きではなかったものの、BEAT OF METAL MOTION で一気にKNOCK OUT。声のブ厚さに圧倒され、一気にはまりました。そして、サイクロンでPUNCH OUT! 日本人離れした発音を真似しようと、何千回と口ずさんだことでしょうか。人見元基の東京外大出身という知性の高さにも惚れ込み、必死で勉強した浪人時代。四谷にある私大で英語を専攻することになったのも彼のお蔭です。
久しぶりに押入れから引っ張り出して聴いた。捨て曲無しの銘盤。[PREMONITION]の期待感から[HURRICANE]への流れ込みは、PRETTY MAIDSの[RED,HOT AND HEAVY]を少し思い出した。ミドルチューンも[V]ならでは。2曲のバラード[NEED YOUR LOVE][YOU KNOW WHAT I MEAN]も男バラードでよし。でもこのアルバムで一番好きなのが[ROCK YOUR CRADLE]っていうのはおかしいですか??
個人的に、この2ndアルバム('85年)に今ひとつ地味な印象が付き纏うのは、我が愛するデビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と、ファン人気が特に高い名盤『Ⅲ』との間に挟まれている時期的な問題以外にも、例えばバラードの小曲“NEED YOUR LOVE”とインスト曲“ECLIPSE”からメドレー形式で繋がって行く“SIREN SONG”が、ストレートなロックンロール・ナンバーで肩透かしを食わせられる事に象徴されるよう、VOW WOWのカタログの中にあってドラマ性や叙情性が控え気味な、どちらかと言えばアメリカンな色合いが強く打ち出された作風も影響しているのかな?と。 尤も、歌詞が全曲英詞で統一され、前作に僅かに残っていたドメスティック臭が一掃された本作は「事前の耳打ちなしで聴いたらまず日本のバンドとは思わない」、VOW WOW独特のバタ臭い個性がしっかと確立された重要な1枚であり、決して退屈な内容と言うわけではない。 インストの小曲を経てスタートする、アグレッシブで切れ味の鋭いバンドの代表曲“HURRICANE”や、人見元基のソウルフルな熱唱が映える“LOVE WALKS”、重厚にして豪快な“ROCK YOUR CRADLE”、大陸的な乾いた哀愁漂わすバラード“YOU KNOW WHAT I MEAN”は、このバンドならではの魅力が如何なく発揮された名曲ですね。