1991年2月5日、Parlophone Recordsよりリリースされた14thアルバム。
ボーカリストのFreddie Mercury存命時にリリースされたという意味において、Queenの実質的ラストアルバムである。
各曲のコンポーザーは1曲を除きメンバー全員がクレジットされている。これは前作『The Miracle』からのやり方を踏襲するもので、個人での作曲クレジットによる印税の分配でのトラブルを回避する役割と、作曲方法を個人の作業ではなく各人が持ち寄った素材をセッション形式で仕上げていく方法が取られ始めたためで、ひとつの曲を完成させる過程において、複数の曲のモチーフをつなぎ合わせる作業も行われていたことがデモ音源などで確認できる。
実質上のラストアルバムであることから、リリースの10ヶ月弱後のFreddieの死という要素を切り離して評価することは難しいが、イギリスではチャートにおいて初登場一位を記録するなど、1980年代初期のアメリカを意識した音楽性から、ヨーロッパ的な音楽性の回帰が歓迎された。
本国イギリスでは、5曲がこのアルバムからシングルカットされ、チャートの上位へ達する。
アルバムジャケットは19世紀のフランスの風刺画家、J.J. Grandvilleのイラスト「Jaggler of Universes」が使われ、アルバムのアートワーク及びこのアルバムからのシングルのアートワークにもGrandvilleのイラストが使われた。
アルバムのインナースリーブ写真、収録曲のプロモーションビデオなどは、衰弱の進むFreddieの病状を隠すかのように、厚めのメーキャップ、モノクロームやアニメーション、後処理を施したものが多用されている。
Recorded:March 1989 – November 1990 at Metropolis Studios, Mountain Studios
Producer:Queen and David Richards