ボビー・ガスタフソン在籍時代の作品は、いずれも甲乙付け難い高い完成度を誇るが、その中でも、この'88年発表の3rdはマイ・ベスト。 攻撃的な硬派スラッシュ・メタルという基本はそのままに、楽曲のクオリティが急上昇。曲調にも幅/メリハリ/緩急が出て来て、 全9曲、捨て曲がないのは勿論、どの曲も非常にキャッチーで、聴いてると勝手に体が動き出す衝動的エネルギーに満ち溢れている。 中でも、高速ロックンロール・スラッシュ③“HELLO FROM THE GUTTER"と、スラッシュ版IRON MAIDENといった趣の ドラマチックな⑦“END OF THE LINE"は、従来にはなかったタイプの異色曲ながら、2曲とも完全にOVERKILL色に染め上げられていて 違和感は全くなし。どころか、どちらもアルバム前半と後半のハイライト・チューンの役割を果たしている。 金属的艶を感じさせるボビー・ブリッツ・エルズワースのハイテンションなVo、縦横無尽に動き回り、楽曲を牽引するD.D.ヴァーニのB、 アグレッシブ且つメロディックなソロをキメまくるボビー・ガスタフソンのGという、OVERKILLの三本柱が完璧に機能している、 彼らのカタログ中、最もスラッシュ・メタル色が強く出た1枚。