'97年発表。ロブ=ハルフォードにとっての『RESURRECTION』と同様の位置付けができると思う。いわゆる復活作である。ただ、ブルースの場合は決して駄作は発表してこなかったので、このアルバムでHMのフィールドに"帰ってきた"時には嬉しい反面「無念だったろうな・・・」と少し同情を覚えた。 しかしそれは余計なお世話だった。今のブルースはMAIDENにいることをこの上なく楽しんでいるようだし、HMが嫌になってMAIDENから抜けたのではないことが明白だ。 さて、本作である。徹頭徹尾HM。しかも相棒にエイドリアン=スミスを呼んでいる。鬼に金棒とは正にこのことだ。MAIDEN時代からこの2人が書いた曲はキャッチーでハードでスピーディーな名曲が多い。なかでも聴き所は6曲目の「ROAD TO HELL」。やった本人も「あまりにMAIDENっぽかったので収録するかどうか迷った」と言っていたが、こんな名曲を闇に葬り去るなどとんでもない話だ。収録して大正解である。
HMヴォーカリスト、ブルース・ディッキンソンの復活作。良質の正統派ブリティッシュメタルの名盤。文句なし。 ゲストにエイドリアン・スミスを迎え、Smith/Dickinsonのクレジットで書かれた曲も収録。その「Road To Hell」がアルバムのハイライトの1つとして聴けるが、これは実に優れたHMナンバー。 他の収録曲も文句なく佳曲・名曲が居並ぶ。4曲目「Taking The Queen」5曲目「Darkside Of Aquarius」6曲目「Road To Hell」7曲目「Man Of Sorrows」と、まさに「IRON MAIDENのブルース・ディッキンソン」を堪能できる曲が並ぶのもまた、彼のファンなら聴き逃せないと思う。11曲目に収録されているボーナストラック「The Ghost Of Cain」も、これぞ本当のボーナストラックと言わんばかりの、他の収録曲と何ら見劣りすることのない、むしろとても雰囲気のいい、アルバムのカラーにしっかりハマっている曲。 ブルース・ディッキンソンが並々ならないヴォーカリストであることの証明は、このアルバムが成し遂げたと言って良いと思う。 ……と書いてみたものの、自分は理屈や難しいことは苦手なんで、またこのアルバムを聴いて感動してきますね。
メイデンとは違う方向性のBALLS TO PICASSO、そしてSKUNKWORKSがセールス的に失敗したから、本作のようなメイデン路線の作品を作ったんだと思う。ブルースとしては必ずしもやりたい音楽ではなかったとおもう。そもそもメイデンとは違う音楽をやりたくて脱退したわけだし。でもファンとしては彼に望むのはメイデンタイプの正統派HMだ。いくつか捨て曲もあるがこういうのを待っていたとファンは歓迎するだろう。さらに本作を聴いていつかメイデンに戻るということも、ファンは感じただろう。